WWDCの目玉製品は……テンキー付きMagic Keyboard??
先日行われたWWDC2017では、iOS11やmacOS High Sierraといった最新OSのプレビューとともに、数々の新製品が発表されました。前々から噂のあったiPad Pro 10.5やHomePodから、誰も予想していなかったiMac Proまで翌日のニュースはAppleの新製品情報でもちきり。
特にiMac Proは前情報ゼロということもあり、興味津々でWebサイトを見ていたら、キーボードがテンキー付きフルキーボード……あれ?これワイヤレスでは……?
そう、長らくテンキー無しだったApple純正ワイヤレスキーボードに、ついにテンキー付きモデルが登場したのです。
いつぶりだろうなと、Apple公式サイトのNewsRoomを探していたら、キーボードのリニューアルはiMacのリニューアルと深い関係があることが分かりました。
Appleワイヤレスキーボードの歴史はiMac進化の歴史
Appleは初めてのワイヤレスキーボード(Bluetooth)を発表しました。このときはテンキー付きのフルキーボード。この発表の8日前には新型iMacが発表されています。
このときのiMacの最上位モデルは、17インチディスプレイ/1.25GHz PowerPC G4プロセッサ/256MBメモリ/80GB HDD/219,800円(税別)。プリインストールOSは、Mac OS X 10.2でした。
アップル、ワイヤレスキーボードおよびマウスを発表 – Apple (JP)
https://www.apple.com/jp/newsroom/2003/09/16Apple-Introduces-Wireless-Keyboard-Mouse/
4年後の2007年、またしてもiMacとともに新キーボードが発表されます。シリンダーデザインを採用したキーボードです。2015年のMagic Keyboardの登場まで、途中マイナーチェンジを重ねつつ、実に8年にわたってこのデザインが踏襲されるわけです。
このときのiMacの最上位モデルは、24インチディスプレイ/2.4GHz Core 2 Duoプロセッサ/1GB メモリ/320GB HDD/239,800円(税別)でした。
アップル、新しいiMacを発表 – Apple (JP)
https://www.apple.com/jp/newsroom/2007/08/07Apple-Unveils-New-iMac/
2015年、すべてのiMacがRetina化したタイミングで、ワイヤレスアクセサリも刷新しました。このとき同時に発表されたのが、Magic Mouse 2、Magic Trackpadでした。
このときのiMacの最上位モデルは、27インチ Retina 5Kディスプレイ/第6世代 Core i5 3.3GHzプロセッサ/8GB メモリ/2TB Fusion Drive/258,880円でした。
Apple、美しい新Retinaディスプレイを搭載しiMacファミリーをアップデート
https://www.apple.com/jp/newsroom/2015/10/13Apple-Updates-iMac-Family-with-Stunning-New-Retina-Displays/
すでにMagic Keyboardはありましたが、今回はテンキー付きMagic Keyboardとして登場。
iMac最上位モデルは、27インチ Retina 5Kディスプレイ/3.8GHzクアッドコア Core i5プロセッサ/8GB メモリ/2TB Fusion Drive/253,800円(税別)※iMac Proは未発売なのでノーマルiMacで。
Apple、iMacのグラフィックス、プロセッサ、ディスプレイをアップデート – Apple (JP)
https://www.apple.com/jp/newsroom/2017/06/imac-receives-major-update-featuring-more-powerful-graphics-faster-processors-thunderbolt-3-brighter-displays/
さらに、2021年。M1を搭載しリニューアルされたiMacとともに、生体認証のTouch IDを搭載したMagic Keyboardも登場しました。
iMacの最上位モデルは、24インチ 4.5K Retinaディスプレイ/Apple M1チップ(8コアCPU 8コアGPU)/8GB ユニファイドメモリ/512GB SSD/199,800円(税込)です。
すべてが生まれ変わったiMacは、色とりどりのあざやかなカラーがそろった驚くほど美しいデザインに、画期的なM1チップ、あざやかな4.5K Retinaディスプレイを搭載
https://www.apple.com/jp/newsroom/2021/04/imac-features-all-new-design-in-vibrant-colors-m1-chip-and-45k-retina-display/
Touch ID搭載Magic Keyboardのレビューはこちらです。当初はiMacの付属品でしたが、単体発売されたタイミングで購入してみました。
未発売のスペースグレイ版Magic Keyboardが存在する
ところで、iMac ProにはスペースグレイのMagic Keyboardが付属しているようなんですが、単体発売されないんでしょうかね……?→単体発売されました!
テンキー付きMagic Keyboardのレビュー
見つけた瞬間、すぐカートに放り込んでましたね。もちろんオンラインのApple Storeにて購入しました。
税込で14,904円(税抜で13,800円)と、キーボードの中では高価な部類ですが、それだけの価値があると見ているので、即買いでした。
中1営業日で到着。テンキー付きフルキーボードだけあって、パッケージはひたすら長い。
ダンボールほどは長くないMagic Keyboardのパッケージが登場。
製品の正式な名称は、Magic Keyboard with Numeric Keypadですが、パッケージ上はブランド名としての「Magic Keyboard」のみ。
このパッケージがホントに薄い。Apple製品のギリギリまで攻めてるパッケージは嫌いじゃないです。
内容物は、テンキー付きMagicKeyboard本体と、Lightningケーブル、紙類です。LightningケーブルをMacに挿せば自動でペアリングします。
ついに、テンキーを手にいれたMagic Keyboard。
日本語配列なので、リターンキーがキー2段分確保されていて、ッターンしやすいです。
日本語キーボードの地味に便利な機能は、スペースキー両脇の「英数」キーと「かな」キー。これがあるのとないのとでは、効率が雲泥の差です。
さて、テンキーレスのMagicKeyboardと並べると、従来のMagic Keyboardにテンキー部分を付け足したということが一目瞭然。もはや地続きにさえ見える。
テンキーレスなMagic Keyboardのレビューはこちら。
裏面を見ると、テンキー付きMagic Keyboardの方が長い分、滑り止めも長めに貼られています。
さて、USB版のテンキー付きApple Keyboard(上)との比較。こうして上から見ると、意匠的な観点ではほとんど変わってないことが分かります。実際に打ってみるとだいぶストロークが浅くなっているのだけど……。
対応機種にご注意
なお、気をつけていただきたいのが、システム条件。macOS 10.12.4以降、つまりSierraじゃないとダメ。
でも、Bluetoothキーボードなんだから使えるでしょ?と思ったあなた、それが使えないんです。OS X El Capitan(10.11.6)なMacに繋いだところ、Lightningケーブルを繋いだ状態なら使えるものの、US配列で認識され、キーボード設定でも変更できず。ケーブルを抜くと使用不可、という最新OS縛りでした。おとなしくSierraで使いましょう。
他社製のBluetoothフルキーボードと比較
現在所有している、他社製のBluetoothフルキーボードと比較してみます。Bluetoothを内蔵したワイヤレスフルキーボードは市場に種類がないので、ここにあるだけでも結構網羅している気がします。
左から、
- Logicool K780 マルチデバイス(レビュー記事)
- Apple Magic Keyboard with Numeric Keypad(本製品)
- Matias Wireless Aluminum Keyboard(レビュー記事)
- Apple Keyboard with Numeric Keypad(USB版)
- Microsoft Surface Keyboard(レビュー記事)
- Logicool K370s マルチデバイス(レビュー記事)
- Microsoft Designer Bluetooth Desktop(レビュー記事)
Magic Keyboardは左から2番目で、フルキーボードのパッケージとしてはコンパクトな方です。
現在、仕事用に使っているのが、MatiasのWireless Aluminum Keyboard。こちらはMacBookのキーボードとデザインが似ているので、2つ並べても、Appleぽいです。Matiasの方がやや幅があり、打鍵感もあります(USB版のApple Keyboardに近い)。
Matias Wireless Aluminum Keyboardは全4色で、JIS配列とUS配列が用意されています。色もApple製品を意識したものばかりなので、Apple純正にこだわらないのであれば、結構オススメ。
そして、Microsoftのフラッグシップキーボードとも言えるのが、Surface Keyboard。こちらはなんとMagic Keyboardとほぼ同一の大きさ。怖いくらいぴったりでした。
Macで使うにはキーアサインを変えたりしないといけないので、それはそれで手間なんですが、使いごこちはかなりいいです。Windowsの方には激しくオススメ。
まとめ
ついに登場したテンキー付きMagic Keyboard。Touch Barが付くことよりも、テンキーが付くことを待ち望んでいました。打鍵感は従来のMagic Keyboardと同じなので、違和感なく使うことができます。お値段は張りますが、それだけの価値がある逸品です。