Bluetoothは音が遅れる……???
先日、AukeyのBT-C1でテレビの音声をワイヤレスBluetoothスピーカーで聴くことにチャレンジしたんですが、音ズレがあるため、視聴にはストレスがありました(というか音がズレすぎて辛い、無理)。
調べていくうちに、Bluetoothを使えばいい……というわけではありませんでした。
Bluetoothの音が遅れる原因……それは「コーデック」
Bluetoothのコーデックそのものに原因があったようです。コーデックとは、音声の圧縮変換形式のこと。Bluetoothで音楽を聴く際には、いくつかのコーデックがあり、使われるコーデックによって音に遅れが生じることが分かりました。
コーデックごとに下記のように遅延が許容されているようです。(単位のmsはミリセカンド、1秒の1000分の1を表す単位です。800msは0.8秒、70msは0.07秒という意味です)
コーデック | 遅延時間 |
---|---|
AAC VBR | 800ms(±200ms) |
SBC | 220ms(±50ms) |
AAC | 120ms(±30ms) |
aptX | 70ms(±10ms) |
aptX Low Latency | 40ms以下 |
表にある通り音ズレを無くそうと思えば、選択肢はaptX Low Latencyを搭載した機器のみとなります。また、コーデックは受信側と送信側で揃える必要があり、今回だとテレビ(送信側)とスピーカー(受信側)でaptX Low Latencyを使える機器が必要になります。
いろいろ物色している中、プリンストンからPTM-BTLLTという製品が出ると知り、即購入しました。(※本記事で紹介しているPTM-BTLLTは販売が終了しました。後継製品となるPTM-BTLLTRのリンクに差し替えています。)
プリンストン社のレシーバー・トランスミッターは、型番が紛らわしくなっています(逆に型番の意味が分かると見分けやすい)。
下記のような特徴がありますので、ご注意ください。
- PTM-BTLLTR …… トランスミッター(送信)とレシーバー(受信)を切り替え可能。aptX Low Latency対応。
- PTM-BTLLR …… レシーバー(受信)のみ。aptX Low Latency対応。
- PTM-BTR2 …… レシーバー(受信)のみ。aptX対応(Low Latencyではない)。
↓受信側(スピーカーやヘッドホン)がaptX Low Latencyに対応していない場合、このPTM-BTLLRのようなレシーバー必要です。
↓PTM-BTR2もレシーバーですが、aptXにしか対応しません。これを使うと、送信側がaptX Low Latency対応でも、これに合わせてaptXに落ちてしまいます。
テレビの音がズレないトランスミッター?PTM-BTLLTをレビュー
「テレビでも快適」って、分かりやすすぎるキャッチコピーです。
aptX low latencyの文字。CSR社はクアルコム社に買収されました。
そして、aptX low latencyのスペック値である、40ms以下がパッケージにしっかり刻まれています。
内容物は給電用のmicroUSBケーブル、専用スタンド、PTM-BTLLT本体、そしてマニュアルです。
PTM-BTLLT本体は、バッテリーを搭載して”いない”こともあって、非常に軽量。
でも、他メーカーのBluetoothトランスミッターと比べるとちょっと大きめ(右上)。
本体は、前面のLEDと後面のmicroUSBポート/オーディオ入力ポートのみのシンプルスタイル。
電源はmicroUSBを抜き差しすることでオン/オフとなります。
コーデックによってLEDの色が変わる、親切設計!
次はBluetooth機器とのペアリングです。最近のトランスミッターがそうであるように、PTM-BTLLTも近づけるだけでペアリングが完了。
そして、PTM-BTLLTには気の利いた機能が搭載されています。それは、接続されているコーデックによってLEDの色が変わること!AnkerのプレミアムステレオスピーカーはSBCで繋がっているため、紫色に。
InateckのイヤホンはaptX対応なので青色に。
そして、aptX low latencyに対応したSC-NA10はオレンジ色に。とても分かりやすい!
Bluetoothのコーデックは何で接続しているのか分からないので、こうした機能で確認できるのはとても親切ですね。
上で紹介しているPanasonicのボータブルBluetoothスピーカー SC-NA10とペアリングして使っていますが、テレビの音とスピーカーの音が、(体感では)音ズレゼロで同期されています。素晴らしい……これで手元スピーカーが完成です。
aptX Low Latencyに対応したスピーカーやヘッドホンは、他の記事でもレビューしています。
まとめ
使ってみた感想としては次の通り。
ここしばらく悩みだったテレビ音声の音ズレ。ようやく解消しました。テレビの音声をBluetooth化したいならこれがオススメです。※もちろん、レシーバー側もaptX Low Latencyに対応している必要があります。
後日、ゼンハイザーのBT T100というaptX Low Latencyに対応したトランスミッターを購入してみました。現在は、これでテレビの音声をBluetoothで飛ばしています。