第9世代に進化した骨伝導ワイヤレスイヤホン「OpenRun Pro」
Aeropex、OpenCommと完成度の高い骨伝導イヤホンをリリースしてきたShokzが新たに発売するOpenRun Pro、主な特徴は「低音強化」ですが、その実力は果たしてどのようなものなのか、他に何が変わったのか、順を追って見ていきましょう。
公式の製品情報は次のボタンから参照してください。GREEN FUNDINGのプロジェクトページも製品ページに掲載されています。
※本記事の制作にあたり、製品サンプルをご提供いただきました。
Shokz OpenRun Proをレビュー
こちらがOpenRun Proのパッケージ。Aeropexと同様に、スポーツ中のイメージ写真です。後ほど分かりますが、スポーツだけに使うにはもったいないほどの性能があります。
OpenRun ProもこれまでのShokz製品と同様に、2年保証が付いています。保証期間を長く設定するということは、それだけ自信がある証ですよね。
内箱はオールブラック。中央にはAfterShokzから改称された、新「Shokz」ロゴが見えます。
こちらが内容物になるんですが……Aeropexとは全く違うケースが見えます。
こちらのケース、軽量ながら剛性も高く、手軽にカバンに放り込んでも良さそう。汚れもつきにくそうで、持ち運びに便利です。
先に行くに従って細くなる、クサビ型の形状をしています。
この専用ケースの中にOpenRun Proと専用の充電ケーブルが入っていました。OpenRun Proの形状に沿ってクッションがあり、しっかり保護されています。
こちらがOpenRun Pro本体と、USB充電ケーブルになります。
こちらがOpenRun Pro本体です。骨伝導イヤホンといえばこの形ですね。
OpenRun Proの佇まいは、前世代のAeropexとよく似ています。後ほど比較してみます。
フルチタンのフレームが綺麗なカーブを描いています。
絶妙な曲がり具合がいいフィット感を生み出すんですよね。
充電端子はマグネットで吸着し、ケーブルは下方向に逃すようになっています。
充電ケーブルはAeropexのものも使えますが、OpenRun Proのケーブルは急速充電に対応していますので、できれば付属しているものを使いましょう。
それでは、実際に装着して付け心地を試してみます。
OpenRun Proの付け心地は……
柔らかくしなやかなのに、しっかりとした形状を維持するのがShokz製品のフルチタンフレームです。
「骨伝導で聴ける」という点がフォーカスされがちですが、実はこの軽い付け心地こそが、Shokz製品の使いやすさを支えているのだと考えます。
骨伝導イヤホンは振動で音を伝えるので、しっかり密着しないと音が逃げてしまいます。しかし、締めつけすぎると痛くなってしまいます。
Shokz製品はキツすぎず緩すぎず、1日中付けていても疲れない絶妙な装着バランスを維持してくれます。この付け心地は他のShokz製品と一緒、安心して付けていられます。
ちなみに、私はメガネを常用しているのですが、一日中つけていても痛くなりません。メガネユーザーにとっては重要な視点です。
Aeropexから改善されたインターフェース
OpenRun Pro(写真右)はAeropex(写真左)の次の世代の製品なので、形状は似つつも、細かいところで変更が加わっています。
分かりやすいところで言うと、ボタンのサイズが大きくなっています。具体的には、Aeropex(写真上)の約14mmから、OpenRun Pro(写真下)の約18.5mmへ。Aeropexも使いやすかったですが、さらに押しやすくなりました。
充電ポートの位置は、OpenComm(写真左)と同様に側面に配置されました。Aeropex(写真右)は底面にありました。
骨伝導ユニットも小型化されています。
OpenRun Proでは低音を強化するために、2基の低音エンハンサを内蔵しました。その低音を伝えるために、防水処理されたメッシュグリルがあります。
このメッシュグリルは、正面にもあります。
上部に開口部がありますが、防水処理がされているので、この状態でもIP55の防水性能を維持しています。
低音エンハンサを2基内蔵したことによる音質の違いはどうなのか、Aeropexと実際に聴き比べてみました。
スポーツ用だけではもったいない!OpenRun Proの音楽再生能力はイヤホン並み!
骨伝導イヤホンとしては抜群に高音質だったAeropex。高音の抜けがよく、音楽だけでなくテレワーク等で人の会話も聞きやすくなっています。ただ、低音は弱いため、迫力のある音楽を楽しむには力不足は否めませんでした。
そして、OpenRun Proはその低音を強化したと言います。骨伝導の方式上、どうしても低音は抜けてしまうので、どこまで改善されたのか半信半疑だったのですが……
OpenRun Proで音楽を聴いてみると、音の“質”が全く違うことに気付かされます。低音が強化されているのはもちろんのこと、音に厚みが出て臨場感も楽しめます。
Aeropexが華奢なシンガーソングライターだとしたら、OpenRun Proは重厚なロックバンドと言ってもいいくらいです。
結論としては「Aeropexとは音が全然違う」です……。第8世代から第9世代に変わったということですが、あまりに変わりすぎて、3世代くらい一足飛びに進化したような気になります。
周囲の音を聴きながら、音楽を楽しむにはAeropexは良い選択肢でした。しかし、音楽メインでAeropexは選びません。その状況をOpenRun Proは変えました。日常的に音楽を楽しむ目的でOpenRun Proを使うのは全然アリです。
OpenRun Proではなく、OpenMusic Proと改称してほしいくらい。
OpenRun Proのマイク性能はどうなの……?
音楽用途としてのOpenRun Proが素晴らしいのは十分にお分かりかと思いますが、もう一つ悩ましい点があります。それはマイクの性能です。コロナ禍のテレワーク需要でOpenCommがヒットしたように、マイク性能は重要な指標になりつつあります。
その重要性はOpenRun Proにも反映されていて、デュアルノイズキャンセリングマイクを搭載し、クリアな音声を届けるとされています。
では実際に、どんな音声になるのかOpenRun Proだけでなく、AeropexやOpneComm、OpenMoveまで含めて、マイクを通した音声で、比較してみました。詳しくは次のYouTube動画をお聞きください。
最後に聞いたSHURE MV7(USBコンデンサーマイク)はさすがに別格としても、通話メインで作られたOpenCommに匹敵するマイク性能は、嬉しい誤算でした(聞こえ方はちょっと違いますけど)。
AeropexやOpenMoveで音が悪いと思った方は、OpenRun Proが魅力的に映るのではないでしょうか。
OpenRun Proは反応速度が速くて、ついつい日常使いしがち
日常的に使っているAeropexやOpenCommと比較すると、OpenRun Proは全体的な処理性能も上がっているようです。
その証拠に、OpenRun Proは電源を入れてからペアリング→利用開始になるまでの速度が速く、キビキビと動作します。
このちょっとした速度の改善が、ついついOpenRun Proを日常使いさせてしまうんですよね。
骨伝導イヤホンには苦手な場面もある
これまではトレーニングジムや室内で使うことの多かったShokz製品ですが、音楽をメインで楽しむようになって、街中にも付けていく機会が増えました。
周りの音も聞きつつ、音楽も楽しめるOpenRun Proは街ブラにピッタリです。
ただし、騒音の激しい場所では、耳からの情報も増えてしまうので、OpenRun Proの音はイヤホンよりも聞きづらくなります。電車が走り込んでくる駅のホームも、なかなか厳しいシチュエーションでした。
やはり耳で聞いてうるさい場所では、いくら骨伝導でも弱くなってしまいます。これは仕方のないことですね。
Shokzアプリも前倒しで提供開始!アプリからマルチペアリングも可能!
OpenRun Proから、スマホアプリが使えるようになりました。イコライザやファームウェアアップデートなどが可能になります。製品の出荷開始となる2022年3月頃を予定していましたが、製品の出荷前倒しに合わせて、2月に提供が開始されました。
ロード時の写真は、トレイルランニング中の1枚です。Shokz製品の自由度を表現する、いいイメージです。
OpenRun Pro接続時の画面はこのようになっています。イコライザーは「スタンダード」と「ボーカル」の2種類が選べます。スタンダードは音楽を聴くのに最適、ボーカルはオーディオブックやPodCastに最適、と説明されています。(なお、アプリで使えるのは、この時点でOpenRun Proのみ。Aeropexは認識しませんでした)
なお、イコライザーの音質ですが、「スタンダード」は低音の効いた迫力ある音(こちらがデフォルト)、「ボーカル」は低音エンハンサがオフになったような聴き心地で、Aeropexっぽくなりました。
アプリ上からマルチポイントペアリング(マルチポイント接続)を行えます。
最大2台のデバイスと同時接続が可能です。私は、iPhoneとMacに接続しています。切り替えはスムーズ、音楽の再生先を変えるだけです。
このほか、言語設定の切り替えや、ファームウェアのアップデートもアプリ上で行えます。
OpenRun Proは最高だけど、本当はどれを買えばいい?
OpenRun Proは完全無欠とも言えるほど、完成された骨伝導イヤホンです。気になっている方には間違いなくオススメできます。
しかし、Shokzの骨伝導イヤホンは複数の種類があります。本当にOpenRun Proでいいのか、迷われている方もいるのではないでしょうか。そこで、4種類のShokz製品を所有している私から、どれを変えばいいのかアドバイスさせていただきます。
1)そもそも骨伝導イヤホンが欲しい……場合
OpenRun Proを買ってください。これ以上はない、間違いないです。
2)AeropexとOpenRun Proで迷っている場合
ハイエンドとしては旧世代品となったAeropex、ハイエンドの新製品として登場したOpenRun Pro、価格差はわずかです。
OpenRun Proを買うべきですが、クラウドファンディングで入手はしばらく先。早く欲しいのであればAeropexです。待てるならOpenRun Proです。
ただ、Aeropexが明確に優っている点が一つあります。それは防水防塵性能。OpenRun ProはIP55ですが、AeropexはIP67です。めちゃくちゃ濡れる環境で使うことを想定しているなら、Aeropexは選択肢に入れてもいいでしょう。(IP55でも十分ですけどね……)
3)OpenMoveとOpenRun Proで迷っている場合
OpenRun Proは魅力的な製品ですが、価格はそれなりに高く設定されています。一方で、Shokz製品の入門編と言えるOpenMoveは半値以下で購入できます。
音質、使い勝手、付け心地、いずれもOpenRun Proが優っていますが、OpenMoveはUSB-Cポート採用という汎用性があります。価格とUSB-Cポートに魅力を感じるならOpenMove、そうでなければOpenRun Proです。
4)OpenCommとOpenRun Proで迷っている場合
最も難しい選択肢かもしれません。なぜなら利用用途が全く異なるから。
OpenCommは通話しやすいようにブームマイクを備えています。特にテレワークやWeb会議などで使うことを考えるなら、OpenCommはいい選択肢です。
ただ、先ほどのYouTube動画を聞いていただければ分かるように、OpenRun Proのマイク性能も負けてはいません。結局、通話メインならOpenComm、音楽メインならOpenRun Proというスタンダードな選び方になるでしょう。
とまあ、つらつら書いてきましたが、どれを選んでもいい製品であることには変わりはないです。
ヨドバシカメラに行くと骨伝導イヤホンコーナーがあって、他社の製品も置いてありますが、音質も付け心地もまだまだShokz製品には及ばない印象でした。
骨伝導イヤホンといえばShokz製品、という図式はしばらく続くのではないでしょうか。
気になる人は絶対にGREEN FUNDINGで買って!
さて、OpenRun ProはクラウドファンディングサイトのGREEN FUNDINGで購入することができます。GREEN FUNDINGで買うメリットは、やはり「新製品なのに安い」「いち早く手に入る」でしょう。
- お得な先行価格(直販価格は、税込で23880円ですが、在庫によって早割価格が変わります。GREEN FUNDINGのページでご確認できます)
- お早めにご注文の方はお早めに体験できる(GREEN FUNDINGが終了になったら発送ができます)
- 2月21日に終了するのでお早めのご注文をおすすめ(先行価格はGREEN FUNDINGならではの価格になります)
GREEN FUNDINGへのページへは、次のボタンから行けます。
Shokz OpenRun Proのまとめ
ここまで読んでいただいて分かるように、骨伝導イヤホンの購入を考えている方はOpenRun Proを買うのが正解です。間違いなくオススメです。
すでにAeropexを使っている人は悩ましいでしょうが、音質アップ、マイク性能アップ、そしてハードタイプのケースが付くという利点は、買い替えを決意させるに十分すぎると思うのですが、どうでしょう?