最高のヘッドセットを探す旅は、終わっていなかった……!
新型コロナウイルス感染拡大に端を発するテレワーク生活。それを支える最高のヘッドセットを探し始めて半年以上。ゼンハイザー Presence Grey UC(自宅用)とJabra Evolve2 65(会社用)でこの長い旅は終わったはずでした。
終わったはずだったのです……が!
まさかの発想!?骨伝導で使えるヘッドセット
2020年10月、ニュースで流れてきたのはAfterShokzが手がける“骨伝導”のヘッドセットの登場でした。これ……とてもいいものなのでは?!いてもたってもいられず、レビューさせてもらいました!
AfterShokz OpenCommはクラウドファンディングサイトGREEN FUNDINGで先行予約が行われました。現在は一般販売が開始されています。
※本レビューにあたって、製品サンプルをご提供いただきました。
ヘッドセットのまとめ記事を公開しました。こちらも参考にしてみてください。
AfterShokz OpenCommをレビュー
こちらがOpenCommのパッケージ。「長期保証2年」のゴールドステッカーが安心感あります。
内箱はブラックカラーにAFTERSHOKZのロゴが描かれたシンプルなもの。
そこからまず出てきたのは、ユーザーガイドとオリジナルポーチです。
そして、オリジナルポーチの中に、OpenComm本体が収められていました。
収納されていたのは、専用のマグネット充電ケーブルと製品保証書、そしてOpenComm本体です。Aeropexにはマグネット充電ケーブルが2本付属していましたが、OpenCommでは1本だけのようです。
それでは、OpenComm本体を詳しく見ていきましょう。
OpenCommは、Aeropex譲りのしなやかなヘッドセット
OpenCommは、Aeropexとうり二つのシルエットを持つヘッドセットです。(Aeropexとの比較はこの後に行います)
美しいカーブを描くこのネックバンドはチタニウム製。柔軟であり、耐久性にも優れた素材でできています。 左耳側に用意されたヘッドセットを前方に持ってくると、
Aeropexとの大きな違いであり、OpenCommをOpenCommたらしめているのが、この可動式のブームマイクです。
このブームマイクにはノイズキャンセリング機能が搭載されていて、快適な通話環境を提供してくれます。
ブームマイクのある左耳側にはNFCが内蔵されており、NFCペアリング対応端末とならワンタッチで接続できます。(非対応端末では、Bluetoothペアリングが使えます)
続いて右耳側を見ていきましょう。一番目立っているのがオレンジ色のマルチファンクションボタンです。1回押しで音楽の再生/停止、2回押しで曲送り、3回押しで曲戻しです。この他、通話に出たり、音声アシスタントの呼び出しなど、多機能に対応します。
さらに、右耳側にあるのが、音量ボタン。音量調整だけでなく、電源のオン・オフ(+ボタンを長押し)、ミュート(+と−を同時に2秒押し)など、こちらも多機能に対応します。
それから、マグネット充電ケーブルを接続する充電ポートは、Aeropexから位置が変わっています。
付属のマグネット充電ケーブルを使用します。この形状も変わっているのですが、詳しくはこの後のAeropexとの比較にて。
充電ケーブルと充電ポートはマグネットで吸着するので、近くまで持っていけば自然にくっつきます。(逆につけようとしてもマグネットが反発します)
それでは、実際に装着して、つけ心地を確認してみましょう。
OpenCommを実際に装着してみると……
実際に装着してみます。骨伝導なので、耳にはかけるだけ。耳の穴を塞ぐわけではありません。耳の穴の手前(耳珠)のあたりに左右のユニットをあてます。
なお、ブームマイクをたたんでおくと邪魔にはなりませんが、耳たぶに触れるので、人によっては煩わしいかもしれません。私は違和感があって、使用時はブームマイクを伸ばすようにしています。
マイク位置は頬骨のあたりにありますが、十分に声を拾ってくれます。
そしてOpenCommの装着感がAeropexと同じように非常に快適でして……1日中つけ続けていても気になりませんでした。
OpenCommはメガネ併用でも快適??
私はふだんメガネをかけており、OpenCommの装着性は気になるところでした。ただ、すでにAeropexで問題ないことは知っていたので、特に心配はしておらず、実際に何の問題もありませんでした。
写真では、メガネの下にOpenCommが来ていますが、装着時はメガネを先にかけてOpenCommを後にかける方が疲れにくいと感じます。
いずれにしても、メガネを併用しても疲れません。なにしろレビューしていることも忘れて、半日つけっぱなしにしていたこともあったくらいなので(音楽を聴いているわけでも、ウェブ会議をしているわけでもなく)。
メガネをかけている方も安心して使える、と断言できます。
ヘッドセットのOpenCommとヘッドホンのAeropexを比較してみる
さて、OpenCommにはAeropexという兄弟機が存在します。前者は通話のためのヘッドセットとして、後者は音楽用のヘッドホンとして。この2製品を比べてみましょう。 まずはパッケージから。利用用途が大きく異なるため、デザインは大きく異なります。
内箱を取り出してみました。左がOpenComm、右がAeropex。ブラックとホワイトで対照的なパッケージングになっています。
OpenComm(写真左)とAeropex(写真右)の本体同士を比較してみましょう。パッと見た目にはカラーリング以外の差が無さそうです。
OpenCommのブームマイクを伸ばすと、全くの別物であることが分かります。
次に操作系を見てみましょう。最新のOpenComm(写真下)の操作系は、Aeropex(写真上)と比べて、より押しやすく・分かりやすくなっています。
OpenCommのマルチファンクションボタンは、突起が高くなっており、押しやすく改良されています。
充電ケーブルにも改良が加えられています。左側がOpenCommのマグネット充電ケーブル、右側がAeropexの充電ケーブルです。端子の向きが変わっています。
これは、そのまま装着位置の違いになっています。OpenCommはユニットの背面につなぐような形ですが……
Aeropexはユニットの下に敷くような形になります。使っている時は気になりませんでしたが、OpenCommを使ってみると、この位置が不自然に思えてきます。
マグネット充電ケーブルは互換性があるようで、OpenCommにAeropexのケーブルが使えましたし……
AeropexにOpenCommのケーブルが使えました。Aeropexを持っている方は共用できますね(あまりいないかもしれませんが……)。
最後に、それぞれの重量を測ってみましょう。OpenCommは34.0gでした。
Aeropexは25.9gと、8gほど軽量になっています。
これはそのままブームマイクの差と言えるでしょう。OpenComm、Aeropex、ともに十分に軽量です。
1週間、テレワークでOpenCommを使ってみたところ……
ここ半年、ずっとテレワークを続けているので、1週間ほどOpenCommをフルに導入してみました。ペアリングする機器はMac、Bluetoothで使いました。 利用したのは、主にMicrosoft TeamsとZoomによるウェブ会議です。 マイクの性能については、会議の相手先にブラインドテストしてもらいました。有線やUSBドングルのヘッドセットに比べると、音質は一段落ちるそうですが、Blutoothだとは思われなかったようで、マイク性能がかなり良さそうです。
会議相手の音声は明瞭に聞こえます。この体験は実際に使ってもらわないと分からないのですが、耳を塞がず・耳に負担をかけず、周りの音も聞こえつつ、自然に会話ができます。
ヘッドホンやイヤホンでウェブ会議をすると、自分の声が響いて、長時間使うと疲れてしまいますが、OpenCommにはそれが一切ありません。 さらに、驚いたのは装着感のよさ。ウェブ会議が終わった後、OpenCommを付けていることを忘れて、電話を取る際に気が付く・トイレで鏡を見て気づく、といったことがありました。それくらい軽く、自然に使えています。
また、これらの使いやすさを支えているのが、バッテリーの駆動時間です。1回の充電で最大16時間使えるそうで、1日付けっぱなしにしていても余裕で持ちます。万が一、バッテリーが少なくなったとしても、わずか5分の急速充電で2時間使えるのです。
OpenCommは音楽利用にも使える?
OpenCommをiPhoneにペアリングして、Apple Musicを聴いてみました。じっくり聴き込むと精細さに欠けますが、ながら聴きする程度であれば、音の破綻もなく快適に聴くことができます。心なしか、Aeropexよりも音がいいように感じます。
また、ほぼAeropexと同じなので、ランニング時に聴くワイヤレスヘッドホンとしても使えます(ブームマイクはちょっと邪魔かもですが)。防塵防水性能としてIP55等級に適合しているので、汗や雨程度も問題ないでしょう。
骨伝導デバイスの最強コンテンツは「ラジオ」と「ポッドキャスト」?
そして、皆さんにオススメしたいのが、OpenCom(やAeropex)で聴く音声コンテンツ……つまり「ラジオ」や「ポッドキャスト」です。 ウェブ会議で人の声が明瞭に聞こえるということは、ラジオやポッドキャストのような音声コンテンツとの相性が良く、耳を塞がないので、家の中やオフィスの中でラジオを流しているような感覚になります。
OpenCommの装着性があまりに自然で、なおかつバッテリーの持ちも良いので、1日中Radikoを聴くようになってしまいました(ちゃんと仕事してますよ)。 自然と集中力も上がるようで、OpenCommを使うようになって、仕事の能率が上がりました。
予備のUSB充電ケーブル、別売りしています
ところで、OpneCommの使用頻度が上がってくると、充電する頻度も上がります。私は、家と会社で持ち運ぶことが多いんですが、どちらにも充電ケーブルを置いておきたくなります。
Aeropexは充電ケーブルが2本付属していましたが、OpenCommは1本しか付属していません。そこで、別売りのUSB充電ケーブルを買い足しました。
↓こちらのケーブルです。
Apple製品のようにキッチリとケーブルが巻かれていました。
一点だけ注意していただきたいのは、このケーブルは付属ケーブルよりも長くなっていました。Amazonの製品写真だと短いケーブルのように見えますが、実際には長いケーブルなのでご注意ください。
メディアに登場し続けるOpenComm
ところで、テレビドラマを見ていると、OpenCommがけっこう登場しているのにお気づきでしょうか?最近だと、TBS日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』や『DCU』ですね。絵になりますよね。
OpenRun ProやAeropexとマイク性能の比較やってます
新製品のOpenRun Proが登場したタイミングで、OpenRun Pro、OpenComm、Aeropex、OpenMoveの4機種でマイク性能の比較を行いました。詳しくは、下記YouTube動画にて。
新世代の骨伝導イヤホン「OpenRun Pro」のレビュー記事は下記から。
まとめ
これまで、ゼンハイザーやJabra製品などワイヤレスのヘッドセットをいろいろ試し、最高だと思う製品に出会ったつもりでしたが、OpenCommはさらにそれを超えてきました。(ウェブ会議になったら、ついついOpenCommを使ってしまう) 個人でテレワークで使うもよし、会社で大量導入するのもよし、OpenCommによってテレワークは新しい時代を迎えたと言えるでしょう。それくらい革新的なヘッドセットです。
OpenCommは、スレートグレーとライトグレーのカラーバリエーションが展開されています。