VRヘッドセット「Oculus Quest 2(現Meta Quest 2)」が発売されたのが2020年10月。それから3年後の2023年10月、ついに次世代ヘッドセットの「Meta Quest 3」が発売となりました。Oculus Goの頃から同社のヘッドセットを購入している私としては、見過ごすことのできない新製品です。もちろん予約して購入してみました。
数日しばらく使ってみたので、ファーストインプレッションから、Meta Quest 2との違いや、ヘッドセットとしての進化を見ていきます。
Meta Quest 3をレビュー
こちらがMeta Quest 3のパッケージ。驚いたのは、パッケージの小ささです。Meta QuestやMeta Quest 2は直方体の大きいパッケージでしたが、圧倒的に小さくなり、ヘッドホンと同じくらいのパッケージサイズになりました。元箱を取っておく派の私としては、パッケージは小さければ小さいほどありがたいです……。いきなりポイントが高いです。
Meta Quest 3は、内蔵メモリが128GBと512GBのものがあります。中間の256GBはありません。個人的には128GBでも間に合うとは考えていますが、ヘビーに使うなら512GBですね。
パッケージは淡い印象の綺麗めなデザイン(写真左)、左右にある封印を破ることで開封できます(写真右)。
内箱はクラフトパッケージ(写真左)、開けてみると、Meta Quest 3本体とコントローラーがコンパクトに収まっていました(写真右)。
内容物は、Meta Quest 3本体に、Meta Quest Touch Plusコントローラー(L/R)、USB-Cケーブル、USB充電器、マニュアルになっています。
開封してみて最初に気づいたのは、Meta Quest 3本体のコンパクトさです。
Meta Quest 3本体がヤバいレベルのコンパクトさ!
Meta Quest 3を手にして驚くのは、そのコンパクトさです。高さや幅はほとんど変わらないものの、奥行きが短くなりました。
Meta Quest 3(写真左)はダイビング用のゴーグルレベルまでコンパクトになった一方、改めてMeta Quest 2(写真右)を触ってみると、かなり奥行きがあります。
向かい合わせにして比べてみると、Meta Quest 3はデザイン上の処理でブラックの部分が多く、視覚的にも小さくなったように見えています。
重量はあまり変わっていないようですが、重量バランスが良くなったのか、重さを感じにくくなりました。
MRヘッドセットとして、カメラが多くなった
Meta Quest 3のデザイン上のアクセントにもなっているのが、正面に見える3本のスリットです。このうち左右のスリットはカメラユニットが入っています。真正面から見ると黒く見えるのでわかりませんが、少し角度を付けると、2眼ずつカメラが入っているのが分かります。
さらにヘッドセットの左右斜め下にもレンズがあります。これはMeta Quest 2と同じですね。
Meta Quest 2のシンプルな見た目に比べると存在感マシマシですが、カメラが見えないデザインになっているのはいいですね。
リアルなインターフェースも操作しやすく
Meta Quest 3には、リアルなインターフェースとして、ボタンやダイアルが並んでいます。ヘッドセット底部にある音量ボタン(写真左)はこれまでと同じですが、その横にワイヤレス充電パッド用の端子の存在が確認できます。また、視差調整用のレンズ間隔ダイヤル(写真右)も搭載されました。
このレンズ間隔ダイヤルは少し硬めになっていて、指が当たった程度では回らないようになっています。ただ、ドットパターンが施されているので、回すときは滑らずにしっかりと回せるようになっていて、安定感があります。
コントローラーの基本UIは同じ、トラッキングリングが無くなってスッキリ
続いて、Meta Quest Touch Plusコントローラーを見てみます。コントローラーとしての実質的なサイズは変わりませんが、トラッキングリングが無くなりました。リングがある方が、未来感はあったんですが、これが不要になるほど進化したということでしょう。
持った感じも操作性もほぼ同じ。トラッキングリングがない分、収納時もスペースを圧迫しなくなりました。問題ないでしょう。
セットアップの時点で衝撃的なリアルMR体験
今回のMeta Quest 2は、VRヘッドセットだったMeta Quest 2と違い、MRヘッドセットです。MR=Mixed Realityで、仮想と現実をミックスしています。Meta Quest 3を被って電源を入れると、現実世界がカラーで映し出され、その中にチュートリアル画面が浮かんでいるのです。
Meta Quest 2でも周りの景色を映し出してくれていましたが、モノクロで、あくまで確認用でした。ところがMeta Quest 3は現実世界をカラーで映し出し、そこに画面やインターフェースを映してくれるのです。未来感がすごい。
興奮冷めやらぬまま、Wi-Fiの設定やMetaアカウントの設定は、スマホ上のMeta Questアプリから行います。このスマホの操作も、MRヘッドセットのMeta Quest 3なら、ヘッドセットを外さず(多少歪みますが)ヘッドセット越しに画面を見ることができます。これだけで操作時のストレスが大きく軽減されます。ただし(当然ですが)iPhoneのFace IDは全く通りません。
Meta Questアプリのメニューから「デバイス」をタップします(画像左)。それから新しいデバイスをペアリングでMeta Quest 3を選びます(画像右)。もしMeta Quest 3だけ出てこない場合は、アプリが古いのでアップデートしてください。
スマホに表示されたQRコードをMeta Quest 3に読み込ませればWi-Fiに接続できます(画像左)。これでMeta Quest 3のWi-Fi設定・アカウント設定が完了です(画像右)。あとはMeta Quest 2と同様に使い出せます。
画面は明瞭そのもの、Meta Quest 2と比べても明らかに精細感が上がり、細かなドットが見えにくくなりました。色のメリハリがあり、黒も締まって見えるため、ゲームでもVR動画でも没入感が桁違いです。
Horizon Workroomsでバーチャルオフィスを作れるんですが、Meta Quest 2のときは粗さがあって、作業に集中するには画質が足らなくて不満がありました。
しかし、Meta Quest 3では、画面が明瞭になったので(4K画質とまでは行かなくても)フルHDのディスプレイで作業してるくらいの明瞭度にはなりました。色みは調整が必要なので、デザイン作業には向きませんが、ネットサーフィンする程度なら、ディスプレイ要らずな感じです。
Meta Quest 3はメガネ併用でもキツくない
Meta Quest 3の装着感が気になるところですが、メガネをかけたままでも圧迫感が軽くなりました。Meta Quest 2では、Quest 2のレンズとメガネのレンズが当たりましたが、Meta Quest 3では問題ありません。
また、内部のスペースも余裕ができたので、メガネもしっかり収まります。
とはいえ、メガネをかけている人は、矯正可能なレンズアタッチメントの登場を待った方がいいでしょう。Meta Quest 2のアタッチメントと互換性は無いので、Meta Quest 3用のアタッチメントの発売待ちです。
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USB-C経由でaptX AdaptiveやLC3に接続する
Meta Quest 3でもMeta Quest 2と同様に、USB-Cポートを介してオーディオデバイスを接続することが可能です。Meta Quest 2ではヘッドセット側にUSB-Cポートがありましたが、Meta Quest 3では可動部に搭載されています。
ここに接続したかったのは、Meta Quest 2用に開発されたAnkerのSoundcore VR P10です。USB-Cポートに専用ドングルを接続することで、次世代BluetoothオーディオのLE AudioとLC3コーデックで接続することができます。
Soundcore VR P10のレビュー記事は下記から。
さらに、AnkerのSoundcore VR P10がMeta Quest 2用であるゆえんは、USB-Cをバイパスして充電しながら使えることにあります。これもMeta Quest 3でも使えています(LEDが点灯しています)。
ドングル付きのゲーミングイヤホンも増えつつありますが、充電しながら使えるものは、Soundcore VR P10くらいしか知りません。
それから、同様にゲーム用のドングル付きワイヤレスイヤホンとして、ながら聴きのCleer ARC2 GAME Editionでも使ってみます。
Cleer ARC2 GAME Editionのレビュー記事は下記から。
こちらのUSB-Cドングルも問題なく接続できます。aptX Adaptiveで接続される上、ドングル自体で高音質と低遅延を切り替えることができます。
そもそもMeta Quest 3のスピーカーの音質も上がっているので、オープンタイプのイヤホンがどの程度必要かは判断が必要でしょう。
Meta Quest 2からQuest 3へ買い替えるべき?
Meta Quest 2を使っている方は、わざわざ買い替えるべきでしょうか?その答えは間違いなく「Yes」です。コンパクトサイズになった上に、ハードウェアの画質・音質も向上しており、ハンドジェスチャーの認識も早く、MRでの体験も新鮮で実用的なレベルに達していると感じました。
もちろん、MRにそれほど魅力を感じていない方もいるでしょう。では、考え方を変えてみてください。わざわざヘッドセットを脱がなくても、周りを確認したり、スマホをちょっとチェックしたり、歩き回ったりすることができるのです。これはMRだからできることです。
そして、Meta Quest 2を使っていた方ならお分かりの通り、Meta Questプラットフォームは着々と進化します。Meta Quest 2も、発売当初と現在では、別物と呼んでいいほど機能が進化しています。Meta Quest 3もMRヘッドセットとして、今後も機能追加が予定されています。ユーザーはそれをリアルタイムで楽しむことができるのです。
Meta Quest 3の装着を快適にする「ダイヤルストラップ」を導入する
Meta Quest 2から改善されたとはいえ、Meta Quest 3の装着は微調整がまだまだ面倒です。そこで、Quest 2でも使っていたダイヤルストラップに換装してみました。
Meta Quest 3を顔に当てながらダイヤルストラップを下ろして(写真左)、後頭部のダイヤルを軽く回すだけで装着完了です(写真右)。1(当てる)、2(下ろす)、3(締める)の3ステップ、速いと3秒程度で固定できてしまう、便利なサポートアイテムです。
HMD ダイヤルストラップ for Meta Quest 3の詳しいレビューは下記の記事を参考にしてみてください。
Meta Quest 3のまとめ
未来が来た!これは間違いなく楽しいデバイスです!
- VRヘッドセットだけではなく、MRヘッドセットとしても使える
- ゲーム以外にもバーチャルオフィスでディスプレイも使える
- イヤホンなしでも迫力のあるサウンドが楽しめる
- メガネでも装着しやすくなっている
- 視差調整ダイヤルが付いた
- Meta Quest 2のアプリがそのまま使える
- 円安でお高め