ASUS ZenScreen MB249C レビュー/23.8インチのポータブルモニターを買うべき人、買うべきでない人、とは?

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“持ち運べるモニター”は次のフェーズへ

モバイルモニターの市場を切り拓いたASUSから、新たな提案と言える製品が登場しました。その分かりやすい特徴は「画面の大型化」です。しかし、注目すべきはその大きさだけではありません。

モバイルモニターというと、その小ささや画質ゆえ、サブで使う人が多いでしょう。ところが、今回の製品はメインで使えるだけのポテンシャルを持った製品なのです。詳しくは、この後のレビューにて。

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ASUS ZenScreen MB249Cをレビュー

今回紹介するのは、ASUS ZenScreenの新製品「MB249C」です。“ポータブルモニター”と銘打たれていますが、その画面サイズはなんと23.8インチ!据え置き(デスクトップ)型のモニターとしても十分なサイズです。

本レビューにあたって、ZenScreen MB249Cをお貸し出しいただきました。

届いたダンボールはわりと大きめ。それもそのはず、この中には、なんと23.8インチのモニターが入っているのですから……。(貸出品のため、ダンボールが汚れています。心の目で新品を思い浮かべてください。)

ASUS ZenScreen MB249Cは、2023年5月26日に発売されました。

箱を開けてみると、モニターと付属品で2層に分かれていました。上に引っ張るとこぼれ出すので、箱を倒してから取り出してください。

付属品は多め。ZenScreen MB249C本体に、Cクランプアーム、クイックスタートガイド、電源アダプター、電源コード、パーティションフック、HDMIケーブル、USB-Cケーブル、ワランティカードとなっています。

付属品の数々は気になりますが、まずはZenScreen MB249C本体を見ていきましょう。

ZenScreen MB249Cはキックスタンドで自立する!

ZenScreen MB249Cはキックスタンドを内蔵しているため、そのまま自立させることができます。設置してみるとやはり大きい!

背面には、Zenscreenでおなじみのクイックリリース機構が備えられています。後ほど、付属のモニターアームに取り付けてみましょう。

キックスタンドは12度から60度まで角度を変えることができ、寝かせるように設置できます。

ポータブルモニターといっても23.8インチあります。その重量は2.8kg(カタログスペック)。自重で滑らないか?と心配されるかもしれません。その心配は無用です。

底部には、滑り止めが全面に貼り付けられていて、しっかりとグリップしてくれるのです。

次はZenScreen MB249Cの入出力・操作系を見ていきましょう。

ZenScreen MB249Cの映像入力は、USB-CとHDMIが選べる

ZenScreen MB249Cの右側面には、操作系のボタンが集中しています。

左側面には、入出力系のポートが集中しています。映像入力はUSB-CとHDMI、イヤホン端子、それからACアダプターの端子です。

モバイルモニターはその薄さゆえ、ミニHDMIやマイクロHDMIが多く採用されていますが……これらは事実上専用ケーブルとなってしまうため、いちいち付属ケーブルを持ち運ぶ必要があります。その点、ZenScreen MB249CのHDMIは、フルサイズのHDMI端子で、汎用のケーブルを使うことができます。

なお、USB-Cポートは映像入力だけでなく、USB PDでの電力供給にも対応します。USB PDの出力は最大60W!一般的なUSB PD対応ノートPCであれば、十分な電力です。

ZenScreen MB249Cの電源は、専用の90Wアダプター

USB PDで最大60Wの供給ができるということは、ZenScreen MB249Cにはそれを上回る電力供給が必要になります。付属のACアダプターは、90W出力の性能があります。スクエアな形状のスタイリッシュなアダプターでした。

ちなみに、汎用的なUSB PDの電源アダプターは使えないのでしょうか?……残念ながら、ZenScreen MB249CのUSB-Cポートは電源入力に対応しません(使えません)。

ZenScreen MB249Cは、ニンテンドースイッチでも使える

ZenScreen MB249CをMacBook Airと接続してみました。

驚くべきは、ZenScreen MB249Cの画面の美しさ。これまでモバイルモニターといえば、モニターの画質がまちまちで、色合わせが大変でしたが、MacBook Airのモニターと比較しても遜色のない美しさです。

この状態でMacBook Airに電力が供給されています。ZenScreen MB249Cを使えば、MacBook AirはACアダプターが不要です。

システム設定から解像度の変更も可能です。

比較のため、ZenScreen MB249Cの手前に、15.6インチのモバイルモニターを置いてみました。23.8インチがいかに大きいか、よく分かります。

ニンテンドースイッチの純正ドックを使えば、大画面のゲームモニターにもなります。ドックとZenScreen MB249CをHDMIケーブルとUSB-Cケーブルを繋ぐだけ。この状態でニンテンドースイッチに電力も供給してくれるのです。

ZenScreen MB249Cはフレームレスのパネルなので、没入感があります。テレビを使わなくても、ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダムを大画面で楽しめます!(楽しい!)

ZenScreen MB249Cは、1W×2のステレオスピーカーも内蔵しているので、映像も音楽もこれ1台で完結します。

C型クランプアームで、ZenScreen MB249Cを“浮かせる”

冒頭で述べたように、ZenScreen MB249Cはメインのモニターとして使えるポテンシャルがあります。その理由の一つは、C型クランプアームが付属していること。

以前にレビューした同社の32インチディスプレイのProArt PA329CVにも、C型クランプアームが付属していて便利でした。

クランプでアームを設置し、ヘッドを取り付けます。

ZenScreen MB249C背面をヘッドに固定すれば、完了です。

ZenScreen MB249Cの高さは、アーム上にあるスイッチをつまむことで上下に調整ができます。

アームは3段階に曲がるので、手間に引き寄せたり、奥に引っ込めたりと自由に動かせます。

ZenScreen MB249CとC型クランプアームを組み合わせれば、視線を上げて、自由な画角で使うことができます。

平常時はデスクトップモニターとして使いながら、必要なときに取り外してポータブルモニターとして運用することもできます。

意欲的なパーティションフック、使える場所は限られるが……

ZenScreen MB249Cには3つの設置方法があります。1つ目はキックスタンドを使った自立、2つ目はC型クランプアームを使ったデスクトップ利用、3つ目はパーティションフックを使った壁掛けです。

ただ……今回のレビュー時には適当なパーティションがなかったので、ASUSの公式画像をお借りしました。このようにパーティションに引っ掛けて挟み込みます。

ASUSの公式画像より

パーティションフックにZenScreen MB249Cのハンドルを引っ掛ければ、簡単に壁掛け利用ができます。

ASUSの公式画像より

パーティションの設置が前提になるので、使える人は限られますが、これまでのモニターにはなかった意欲的な活用方法です。

ZenScreen MB249CはVESAマウントも使える

さて、ここまで見てきたようにZenScreen MB249Cには3つの設置方法があります。実は4つ目?もあります。すでにネジ穴が見えていますが、一般的なVESAマウントです。

クイックリリース用のブラケットは取り外すことができます。

ネジを取り外し、VESAマウント用のブラケットを取り付けます。

これで、VESAマウントでアームに取り付けることができました。

※Floモニターアームは、ブラケットが簡単に取り外せるため、クイックリリース機構と同様に使えています。

なお、脱着機構のないアームに取り付けてしまうと、普通のデスクトップモニターと変わらなくなってしまうので注意してください。

ZenScreen MB249Cは縦に回転して使うこともできます。(右横に並んでいるのは31.5インチのモニターです)

(縦回転はC型クランプアームでも同様のことができます。)

ZenScreen MB249Cの品質は素晴らしいが、惜しいところも……

2週間ほど使ってみました。

キックスタンドでゲーム(ゼルダの伝説 ティアキン)をし、デスクトップではMac用のデュアルモニターで使ってみました。フレームレスで視界を邪魔せず、ディスプレイは美しく、23.8インチモニターとしての品質は最高です。

もし、23.8インチのモニターを探していて、オフィスや家の中で持ち運ぶことを考えているのなら、最適な製品と言えるでしょう。メインのモニターとして満足できるフレキシビリティーを発揮してくれます。キックスタンドは優秀だし、C型クランプアームもクイックリリースもVESAマウントも便利だし、この大きさで完成度の高いポータブルモニターに仕上がっています。

ただ2点、気になることがありました。

まず1つ目、映像用のケーブルとACアダプタのケーブルが横に出っ張ってしまいます。見た目の問題ですが、使っていてわりと気になっていました。

2つ目は、専用のACアダプターが必須になってしまうこと。せっかくのポータブルモニターですが、このACアダプターも一緒に持ち歩かざるを得ず、ポータビリティを活かせているとは言えません。

例えば、ケーブルのコネクタをL字にする、汎用のUSB PD電源アダプターを使えるようにする、といったことが実現できていれば、印象が変わっていたかも……。

ZenScreen MB249Cを買うべき人、買うべきでない人

ZenScreen MB249Cのコンセプトは魅力的ではあるものの、使う人を選ぶモニターでした。次のように考えています。

ZenScreen MB249Cを買うべき人

  • メイン or サブで使うモニターを探している
  • 家の中/オフィスの中で持ち運びたい
  • 解像度はフルHD(1,920×1,080)で十分だと考えている
  • 安くて悪い画質よりも、多少高くても良い画質で選びたい
  • USB PDに対応したノートPCを使っている
  • モニターアームを使いたい
  • 専用のACアダプターを持ち歩くのが苦でない

ZenScreen MB249Cを買うべきでない人

  • 大画面のモバイルモニターを探している
  • 画質はそこそこで良いから、できるだけ安く済ませたい
  • コワーキングスペースやカフェに持ち込みたい
  • 専用のACアダプターを持ち歩きたくない

巨大なモバイルモニターではなく、持ち運べるデスクトップモニターとして考える方が自然で使いやすいと感じました。

ASUS ZenScreen MB249Cのまとめ

ZenScreen MB249Cはポータビリティに優れたモニターで、メインでも使える使い勝手と品質を誇ります。利用用途がはっきりイメージできるなら、唯一無二の使い勝手を実現してくれるでしょう。

ASUS ZenScreen MB249C モバイルモニター
総合評価
( 4 )
メリット
  • 3通りの設置方法が選べる
  • ポータブルモニターとして巨大
  • USB PD 60Wで給電できる
  • 専用のモニターアームが標準付属
  • HDMI入力も使える
  • 23.8インチモニターとして美しい画質
  • 3年保証の安心感
デメリット
  • 23.8インチモニターとしては割高
  • ACアダプターは専用品

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この記事を書いた人

Webマーケティングを生業にする、どこかの企業のマネージャー。あなたが使っているWebサイトの裏側で出会っているかもしれません。
このサイトは趣味で作っているものなので、仕事内容とは関係がありません。春と秋に山手線一周歩くイベント(ほぼ観光)を主催しているので、気になる方はイベントページを見てみてください。

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