ポータブルヘッドフォンアンプで音質を高める
万能なUSB-Cは、映像出力や電源供給だけでなく、従来のUSB同様にオーディオデータも伝送することができます。USBオーディオとしてデジタル出力すれば、高音質化も期待できます。
moshiのUSB-Cアダプタは手軽でいいんですが、これに慣れてくると、もっと上の音質も試したくなるのが人の業というものです。
ポータブルヘッドフォンアンプ TAKT C
今回紹介する製品は、USB-Cで接続できるポータブルヘッドフォンアンプ「TAKT C」です。実は過去にこのLightning版を購入したことがあったので、USB-C版にも期待が高まります。
TAKT Cは、DACにESS Technology製のES9018Q2Cを採用しており、出力は28mW、32Bit/384kHzまでのPCM音源に対応し、11.2MHzのDSDネイティブ再生が可能になっています。スペック面は申し分なし。さて、その性能はいかほどのものでしょうか……。
※本レビュー記事を書くにあたって、HiFiGO様より製品サンプルを提供いただきました。
本製品以外のUSB DACは下記の記事にまとめています。
COZOY TAKT Cをレビュー
COZOY TAKT Cはその形状からも分かるように、縦型。その形状を表すように、パッケージも縦長になっています。
内箱には、まるで高級万年筆のようにTAKT Cが静謐に収まっています。
内容物は、TAKT C本体とユーザーマニュアルが入っています。
ボタンは再生/停止ボタンと、音量増減ボタンのみ、というシンプルさ。それぞれのボタンは金属製で高級感があります。
イヤホンジャックは、3.5mmのアンバランス接続になります。
USB-Cコネクタは金メッキで高級感があります。
音質を試してみる前に、Lightning版のTAKTと比較してみましょう。
Lightning版のTAKTと比較してみる
iPhoneで使えるLightning版のTAKT(写真左)のパッケージを並べてみました。少しだけUSB-C版のほうが小さくなっているのが分かります。
なお、Lightning版のTAKTは2017年初頭に購入したもの。すでに3年ばかり経過しています。
TAKT本体を比較してみましょう。Lightning版(写真下)もUSB-C版(写真上)も見た目の違いはコネクタと、本体の長さくらいしか変わりません。
数年経過してもデザインに変更がないのは、製品に対する自信の現れというところでしょうか。
Android(OPPO Reno A)のUSB-Cで使える?
まずは、Androidでの音質向上がどの程度なのか、OPPO Reno Aを使って検証してみます。
レビュー用に使用したイヤホンは、SIMGOT EK3です。バランスド・アーマチュア3基と、ハードウェアチューニング可能なDIPスイッチを備えたイヤホンです。このイヤホン単体でも十分な性能を持っていますが……TAKT Cでどう変わるのでしょうか。
SIMGOT EK3のレビュー記事はこちらから。
まず、3.5mm接続時のSIMGOT EK3と比較して、パワーが段違い。パワフルな出力で、明瞭な音を鳴らすので、目が覚めます。特に、音の厚みがすごい。EK3のポテンシャルはまだまだ上を目指せる、と嬉しくなってしまいます。
音域の隅々にある音を拾い、活かし、舞台の上で踊らせる。3.5mm接続時の舞台が体育館だったとすれば、TAKT Cは東京国際フォーラムのホールAのようです。TAKT Cの力強さは、イヤホンがもつポテンシャルを数段上の高みに引き上げてくれます。
なお、OPPO Reno Aは、設定からOTG接続を有効にしないと使えませんでした。接続しただけでは使えませんのでご注意を。
iPad ProのUSB-Cで使える?
USB-Cで使えるなら、アレでも使えるはず。そう、iPad Proです。こちらは挿しただけで使えます。設定不要で音質がアップします。こちらも素晴らしい音質でした(同じAmazon Music HDの音源を聴いてみました)。
iPad ProにはiPhone同様イヤホンジャックがないので、有線イヤホンで聴くのにもちょうどいいアダプターです。
MacBook AirのUSB-Cで使える?
AndroidやiPadで使ってきましたが、もちろんMacでも使えます。こちらもiPad Pro同様に挿すだけ。今回はMacBook Air 2018で試しています。
システム環境設定→サウンドで見てみると、USBオーディオの出力先として、TAKT Cが認識されていました。
MacBook Airにはまだイヤホンジャックが搭載されていますが、OPPO Reno A同様にTAKT Cを経由した際の音質の向上は圧倒的です。
ニンテンドースイッチのUSB-Cで使える?
USB-Cで接続できるのであれば、ニンテンドースイッチでも使えるのでは?と接続してみたのですが、残念ながら認識されませんでした。該当する設定項目もなかったので、これは無理のようです。
スイッチで使いたいと考えていた方は、ご注意ください。
まとめ
COZOY TAKT Cは、期待に違わぬ高音質化を実現してくれます。使っていてちょっと気になった点は発熱です。TAKT Cの内部では相当がんばっているようで、ほんのり暖かくなっていました。常時持ちながら操作するわけではないので、些細な点ではありますが。
バッテリー不要で動作するUSB-Cのポータブルヘッドフォンアンプとして、COZOY TAKT Cオススメです!
なお、COZOY TAKT Cの唯一の難点は、日本国内で販売していないことですが……HiFiGOでは別途送料を払うことで日本まで発送してくれます。確認したところ、日数がかかってもよいのであれば5ドル(約535円)、急ぎであれば17ドル(約1,821円)の送料がかかるようです。※ドル円レートは2020年4月14日のものです。