Microsoftが送り出すSurface周辺機器
iPadをはじめタブレットに勢いがあった数年前は、PC市場がこのまま駆逐されかねないほどの論調が目についたわけですが、2018年の現在においては、ある程度の棲み分けがなされたように見えます。ただ、2in1というジャンルが、その火種を燻らせ続けており、PCの利点を活かしたSurfaceと、タブレットの利点を活かしたiPad Proが虎視眈々と次のメインストリームを狙っているようです。
そんなSurfaceは、Microsoftが総力を結集して世に送り出しているマシンであり、その性能はもとより、洗練されたデザインは、長年Macをメインで使ってきた自分も時々心が揺らぐほど。
そして、Microsoftといえば使い勝手のいいマウス・キーボードを作るメーカーとしても有名。そんなMicrosoftの周辺機器に、Surfaceという“デザイン”が載ったのが、SurfaceキーボードとSurfaceマウスなんです。
Surfaceキーボード
Surfaceキーボードとしてリリースされているのは下記の2種類で、いずれもSurfaceカラーリングが採用されています。
SurfaceキーボードをMacで使ったレビューは下記リンクから。
Surfaceマウス
Surfaceマウスは、持ち運びに適した下記の製品がリリースされています。特にArc Mouseは、通常は平らな板状で、折り曲げるとマウスになったりと、モビリティと使い勝手を両立している、使っていて楽しい製品です。
Arc Mouseのレビューは下記リンクから。
“Precision=精度”を冠したSurfaceマウス
そして2018年3月、Surfaceマウスに新しい製品が追加されました。それが、Microsoft Surface Precision Mouseです。
Microsoft Surface Precision Mouseのレビュー
白を基調としつつ、SurfaceグレーをまとったPrecision Mouseを美しく見せたパッケージ。しっかりとした箱です。多少重いものを載せても支えてしまえる頑丈さがあります。
パッケージを開けると、Precision Mouseが鎮座していました。これ自体が一つのオブジェであるかのような完成度です。
Precision Mouseのおしりには、しっかりWindowsロゴが入っています。
Precision Mouseの外観をチェック
内容物は、Precision Mouse本体と、MicroUSBケーブル、ユーザーマニュアルです。
曲線がいちいち美しいのがPrecision Mouse。滑らかな曲線がただものでない事を物語っています。
Precision Mouseの重量は108.8g。ゆったりとした外観をしているせいか、重量バランスはよく、数値よりも軽く感じます。
Precision Mouseのつま先には、給電用のMicroUSBポートがあります。そしてお気づきでしょうか、正面から見ると、右上にカーブを描いて傾いています。この傾きは右手づかいに適したマウスであることを語っています。
左側、右手で持つと親指が当たる位置に3つのボタンがあります。
上方から見たところ。スクロールホイールもやや右に傾いています。これもおそらく使い勝手を考慮した意図があるはず。スクロールホイールに細長いボタンがありますが、これはスクロールの感触を切り替えるためのもの。コリコリコリとスクロール感のあるモードか、スルスルスルッと回転が減衰しないモードを交互に切り替えます。
底面には、Bluetoothボタン。ここを押すことで接続先を変えることができます。Bluetoothボタンの下に見えるのは、電源スイッチです。Precision Mouseは内蔵バッテリーのため、乾電池は使用しません。
ハイエンドBluetoothマウスのライバル、MX Masterと対決
Precision Mouseはそれなりにお値段のする高級マウスです。発売当初で1万2千円を超えているので、在庫ダブつきとか不人気でもない限り1万円を切ることはないでしょう。世界中見渡しても、この価格帯のマウスは多くありません。そして、マウスフリークの皆さんは、マウス界の二大巨頭の一角、ロジクールのハイエンドマウスと比べたくなるはずです。そんなリクエストにお答えすべく、以前にレビューしたMX Master MX2010STと比較してみます。
まずは、上から見たところ。左がMicrosoft Surface Precision Mouse。右がLogicool MX Master MX2010STです。Precision Mouseは曲線で構成された柔らかいデザインですが、MX Masterは曲線と直線を組み合わせた硬軟のあるデザインです。Precision Mouseが如来像だとしたら、MX Masterはギリシャ彫刻とでも言いましょうか。
正面から見たところ。Precision Mouseは丸みを帯びた山になっていますが、MX Masterは高さがあり角張っているため、大ぶりに見えます。
後方から見たところ。あいかわらずPrecision Mouseは丸く、MX Masterは岩場の崖のような複雑な形状をしています。
両マウスのつま先を比較して見ます。両極端だと言えるほどの丸さと角ばりです。
右側面から見たところ。両マウスとも滑らかなカーブを描いています。
左側面から見たところ。どちらも親指で操作可能な位置にボタンが配置されています。
Precision Mouseを握ってみます。右手に合わせて傾きがつけられており、その丸さも相まって、違和感のない握り心地です。
続いて、MX Masterを握ってみます。角ばっている、大ぶりだ、なんて書きましたが、男性の手には非常にしっくりくる大きさ。これぐらいあると、掌に余計な空間ができず疲れにくいです。
Precision MouseとMX Master、どっちがいい?
Macユーザーとしての視点ですが、デザインならPrecision Mouse、使い勝手はMX Masterです。マウスそのものの使い勝手は甲乙つけ難いんですが、MacではPrecision Mouseのカスタマイズができません。MX MasterはMac用のLogicool Optionsをリリースしています。Logicool Optionsのレビューは下記リンクから。
ちなみに、会社のMacではPrecision Mouse、家のMacではMX Masterで使い分けてます。MacBook Air (Early 2015)とMacBook (Early 2016) で使えることは確認済み、両MacともmacOS 10.13 High Sierraです。
ペアリング不要、有線マウスとして使える
Precision Mouseのユニークな機能の一つが、有線マウス機能。MX MasterもUSBケーブルで充電しながら使うことができますが、あくまでBluetoothやUnifyingでワイヤレス接続した状態でのこと。Precision Mouseは電源を切った状態でUSBケーブルを繋ぐことで、「有線マウス」として使うことができます。
Precision Mouseに付属しているMicroUSBケーブルは、充電用だけでなくPC接続用としても使えます。(ちなみにこの巻き方、一度解いたら二度と束ねることができなさそうですが、意外とそうでもないです)
USB-Cを搭載したMacBookでも、ANKERの変換アダプタ経由で有線マウスとしても使えます。このとき充電も同時に行われているため、バッテリー切れでも継続して使えますし、臨時で他のマシンでも使えますし、Windowsマシン初期セットアップ時などのBluetoothが使えない状況でも使えます。超便利!
ANKERのUSB-C変換アダプターのレビューは下記リンクから。
まとめ
いいところ
Apple製品と並べても遜色のないデザインが最高です。もちろんマウスとしての使い心地も、仕事が捗るレベルで最高です。男性が使うマウスとしてはこれくらいの大きさが使いやすいし、疲れないサイズ感です。
わるいところ
Surface用だって言ってるのにMacで使う自分が悪いんですが、やっぱりMac用のカスタマイズアプリケーションは出してほしい。中央のボタンはアプリケーションスイッチャーとして機能したんですが、選択ができない。その左右にあるボタンは反応せずです。あと、価格がかなり高い。もちろんお値段なりの価値はあるんですけど、一般的じゃないですよね。
ともあれ、いいマウスが使いたいという人には間違いなくオススメな一品。最高の仕事は、最高の道具から!