ウェブカメラにもAIの時代……
先日レビューしたウェブカメラのOBSBOTは、AIが対象物を判断して自動追尾してくれるという未来を感じさせる製品でした。このレベルのものがコンシューマー製品で使えるとは、すごい時代になりました。
今回レビューする製品のキーワードも「AI」ですが、OBSBOT Tinyとはまた違うアプローチのAIです。どんな製品なのか、見ていきましょう。
Anker初のウェブカメラ「PowerConf C300」
今回購入してみたのは、Anker製のウェブカメラ「PowerConf C300」です。意外なことに、Ankerとしてはこれが最初のウェブカメラなのだそうです。
AnkerのPowerConfシリーズといえば、Bluetoothスピーカーフォンの出来が良かっただけに、C300にも期待がかかります。
それでは、さっそくレビューしていきましょう。
Anker PowerConf C300をレビュー
Anker製品らしく、ホワイトとブルーを配したデザインのパッケージです。
片手で持てるコンパクトサイズなので、店頭で買って帰っても、カバンの中でかさばりません。
こちらが内容物になります。PowerConf C300本体のほか、USB-Cケーブル、プライバシーフィルターが2枚、USB-C to USB-A変換アダプター、ユーザーマニュアル類となっています。
PowerConf C300はスタンドと一体化しています。一般的なウェブカメラ同様、ディスプレイの縁にひっかけて設置ができるようになっています。
スタンドの底面には三脚穴もあるため、スタンドや三脚に取り付けることもできます。三脚穴の周りにはシリコンゴムの緩衝材があり、このまま自立させても安定しやすいです。
写真だと重厚感がありそうに見えますが、意外と軽く、128gしかありません。
接続用のUSB-Cポートは少し奥まったところにあります。
この中の空間がちょっとだけ遊びになっていて、ケーブルに手が触れた程度では、カメラがズレたりしないようになっています。たかがケーブルかもしれませんが、よく考えられた仕組みです。
付属しているUSB-Cケーブルは1.5mあります。デスク周りで取り回すならちょうどいい長さではないでしょうか。
付属しているケーブルは両端ともUSB-Cですが、PCによってはまだまだUSB-Aが残っています。そこで、USB-CをUSB-Aに変換するアダプターも付属しています。
2枚付属しているのがプライバシーシールド。必要に応じて取り付けます。
このプライバシーシールド、かなり薄く作られていてペラペラです。とても良くできているのですが、それはまた後ほど。
ディスプレイの上に載せてみました。広角で115°の画角までサポートします。
ディスプレイ上への設置方法は、一般的なウェブカメラと同じです。ディスプレイの厚みに応じて取り付けられます。
それでは、C300のプライバシーシールドについて見ていきましょう。
PowerConf C300のプライバシーシールドはよくできてる
先ほどのプライバシーシールドは、レンズを囲うように貼り付けます。
指でスライドさせることで、シャッターを閉めることができます。
レンズ全体を覆うので、ZoomやTeamsでカメラがオンになっていても、画面は真っ暗な状態になります。
このプライバシーシールド、何がよくできているかというと、指で軽く押しただけでスライドできることです。
ウェブカメラを設置している方なら分かると思いますが、ディスプレイの上に載せていると、少し手で触れただけでカメラがずれたりしてしまい、いちいち位置合わせが必要になってします。シャッターを開け閉めするたびにカメラ位置がずれては面倒くさいことこの上ありません。
ところが、このPowerConf C300のプライバシーシールドは、指でそっとずらすだけ。ストレスなくシャッターを開け閉めすることができます。TPOに応じて開け閉めする必要のある方にはオススメの機能です。
PowerConf C300の映りは?AIによる動作は?
わが家で実際に使っているウェブカメラで撮り比べて見ました。左からOBSBOT Tiny、Anker PowerConf C300、ロジクール StreamCam C980です。
この3機種はいずれも高画質でした。ただ、最も画質がいいと感じるのは、ロジクール StreamCam C980です。価格差があることに加え、映像配信まで考慮されているカメラなので、この差は致し方ないでしょう。あえて差をつけるとすれば、StreamCam C980 >>> PowerConf C300 > OBSBOT Tiny といったところ。
とはいえ、ウェブ会議用として考えると、PowerConf C300は十分に高画質な部類に入ります。自然な色みと解像感の高い画質で、ほとんどの方はこれで満足できるでしょう。
そして、PowerConf C300が本領を発揮するのはやはりAIによるオートフレーム(自動画角調整)とモーショントラッキング(自動追尾機能)でしょう。カメラ前で動いても、映像は人物をセンターに持ってきます。
OBSBOT Tinyではカメラ自体が追っかけてきましたが、PowerConf C300は広角で撮影している中から、AIで人物の映っている部分をトリミングしています。iPad Proに搭載されたセンターフレームと同じ仕組みです。
ただ、これをONにしていると、不意にズームインされ、面白映像みたいになることもありました。デスク前で固定映像で話す際には切っておいてもいいかもしれません。
まとめ
ウェブカメラとしての基本性能は高く、さらにAIによる自動調整やプライバシーシールドを備えるあたり、Ankerブランドとしての期待にしっかり応えている製品です。スピーカーフォンもそうでしたが、PowerConfシリーズにはハズレがないですね(Anker製品にそもそもハズレがないですが)。
ノートPCの標準カメラや、外付けディスプレイを使っている方には、オススメできる外付けウェブカメラです!