ディスプレイ内蔵カメラを諦めて、外付けカメラを買ってみる
テレワークを続けていると、Webカメラを使う機会が多いですよね。ちょうどディスプレイを買い替えるタイミングで、Webカメラが内蔵されたLG 27MD5KL-Bを発注していたのですが……2ヶ月経っても納期未定のまま動かず。結局キャンセルしてしまいました。
LAN内蔵のディスプレイは増えてきましたが、Webカメラ内蔵ディスプレイはニッチのようです。需要はあると思うんですが……。
今はEIZOの4KディスプレイEV3285を買って、快適なテレワーク生活を送っていますが、外付けのWebカメラを前提として考えなければならなくなりました。
ロジクールの「StreamCam」を買ってみる
今回購入してみたのは、ロジクールのStremaCam(ストリームカム)C980です。ストリームカムの名称からも分かるように、配信用として使えるよう設計されたカメラです。テレワーク用のカメラとしては高価で贅沢ですが……大は小を兼ねる、です。
……ただ、本製品の発売時点で日本は緊急事態宣言の真っ只中。企業がこぞってテレワークを始めたものだから、ヘッドセットやWebカメラは爆売れで品薄に……。StreamCam C980も即売り切れ、転売ヤーの値付けは3万円を超えました。(※2020年の記事執筆当時の状況です)
ロジクールのサイトには、下記の表記があり、新型コロナウイルスの影響が大きかったことを物語っています。
弊社では現在、前例のないウェブカメラの需要があり、できるだけ速やかにご注文に対応できるよう尽力しております。
ロジクールStreamCam – フルHDストリーミング ウェブカメラ
9月あたりになると、在庫も潤沢になったようで、どのお店でも定価で買えるようになってきました。今回はEIZO EV3285に合わせてホワイトモデルを購入しています。
ロジクール STREAMCAM C980をレビュー
ブラックなデザインのパッケージに、C980が見えています。ところで、この製品写真は「logi」ロゴが横向いちゃってますよね?もちろんこれには理由があります。
側面に対応ソフトの記載があり「Logicool Capture」「XSplit」「OBS」が並びます。XSplitとOBSは、ライブストリーミング&ビデオミキサーとして有名ですが、Logicool Captureはどんなアプリなのでしょうか……。
パッケージを開けると、StreamCam C980がお目見え。フタの裏面には設置例とスタンドからの取り外し方が書かれています。
付属品は、クイックスタートガイド他、StreamCam C980本体+モニターマウント、ユニバーサルマウントが入っています。ちなみに、XSplitの3ヶ月分のプレミアムライセンスも付属しています。
StreamCam C980本体は、最初からモニターマウントに取り付けられています。
モニターマウントは、多くのWebカメラがそうであるように、モニターの縁にひっかけて固定するようになっています。
モニターマウントとユニバーサルマウントの両方が付属していることから分かるように、StreamCam C980はマウントからの取り外しが可能です。
StreamCam C980はタテでもヨコでも可
固定したStreamCam C980を取り外して付け替えることで、タテにもヨコにもできます。このタテの状態だと、カメラの映像はポートレートモードで表示されます。
カメラの向きは「logi」ロゴの方向でわかるようになっています。パッケージの写真でlogiロゴが横向いていたのは、ランドスケープモードになっていたからのようです。
このタテ・ヨコの切り替えは、マウントから取り外すことで行えます。C980本体には4方向に凸状の突起があります。
マウントに取り付ける際、このC980の突起がマウントの凹部にハマります。カチッと音が鳴り、固定されたことが分かるようになっています。
モニター取り付け用のマウントが最初からセットされていますが、製品にはもう一つのマウントが付属しています。
StreamCam C980は三脚にも取り付け可
もう一つ付属しているマウントは、ユニバーサルマウントです。何がユニバーサルなのかと言えば、三脚穴。
三脚穴だけがあるシンプルなマウントなので、ミニ三脚だけでなく、アダプター経由でGoProマウントを使うこともできそうです。
このマウントも、タテ・ヨコどちらでも使えるようになっています。
StreamCam C980のUSB-Cケーブルは直付け・交換不可
さて、StreamCam C980をMac/PCに接続する方法はUSB-Cです。ケーブル長は約1.5mあります。
このケーブルは、C980に直付けされているので、取り外すことができません。
USB-Cポートが装備されたMac/PCであれば問題ありませんが、まだまだUSB-Aを使うシチュエーションはあります。そこで、USB-Aでも使えるか確認してみました。
このアダプタはUSB-CコネクタをUSB-Aコネクタに変換するものです。規格外の製品になるのであまり大っぴらには宣伝できませんが、市場にはちょこちょこ出回っています。ニーズはあるんですよね……。
というわけで、USB-Aなデバイスで使う場合には、このように変換して使います(メーカーの保証外の使い方なので、あくまで自己責任で使いましょう)
USB-C以前のMacBook Airに挿してみましたが、動作自体は問題なく、ZoomやTeamsで使うことができました。
StreamCam C980はナローベゼルのディスプレイでも問題なし
それではC980をディスプレイに設置してみましょう。モニターマウントを使って、ディスプレイの縁にひっかけて、背面で固定します。
使用しているEIZO EV3285は縁の細いナローベゼルですが、画面にかかることなく設置できました。
EIZO EV3285のレビューはこちらから。
StreamCam C980は左右の首振りも得意
モニターマウント自体が回転するようになっているため、StreamCam C980は手動で首振りすることができます。
右にも左にも広い角度で首振りできました。左右の角度ともに、写真で見えている範囲が限界です。180度は無理ですが、150度くらいでしょうか?
会議中に一時的に向きを変えたい場合や、撮影で他のものを映したい場合など、便利に使えそうです。
StreamCam C980の真価は専用アプリ「Capture」で発揮される
Apple M1チップに対応した「Capture」アプリの登場が待たれていましたが、Logicool Captureアプリは、今後アップデートされないことが公式にアナウンスされました。M1には対応しません。
M1に対応する後継アプリは「Logicool G HUB」になります。(この記事中でも解説しています)
さて、ロジクールのマウス・キーボードが「Options」で真価を発揮するように、StreamCam C980にも専用のサポートアプリ「Logicool Capture」でその性能をフルに活かすことができます。
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Logicool Captureビデオ録画 & ストリーミング ソフトウェア
アプリケーションの起動画面はパープルカラー!
StreamCam C980をタテにした状態でCaptureを見てみましょう。
Capture上での見え方は画角9:16のポートレートモード。スマホのカメラと同じ見え方です。Mac/PCで撮るカメラ映像としては珍しい見た目です。
次は、StreamCam C980をヨコにしてみましょう。
そうすると、Capture上でもヨコ画面で表示されます。
Logicool Captureを使うと、細かな設定だけでなく、最大2台のカメラを合成して、ピクチャ・イン・ピクチャやピクチャ・バイ・ピクチャの2画面同時映像を作ることができます。
このとき、1台目のカメラとしてStreamCam C980を指定し、2台目はMac/PCのデスクトップを指定することもできます。マルチソースでのプレゼンテーションを行うことができるというわけです。
StreamCam C980は、Zoomで2通りの使い方ができる
Zoom上でStreamCam C980を使ってみます。C980自体がWebカメラとして認識されますが、実は「Logi Capture」として、アプリを経由した映像を使うことができます。
Logicool Capture上で、文字を合成してみます。
すると、Zoom上でもこの文字が表示された状態の映像になります。
Capture上でかなり細かい設定が行えるので、これ一つでウェビナーでもゲーム実況でもなんでもできそうな気がします。
Captureアプリの後継「Logicool G HUB」アプリを使ってみる
Logicool Captureアプリは、MacではM1に対応しない、という状態が長く続いていました。アップデートが待たれましたが、Captureアプリは今後アップデートを行わず、ゲーミングデバイス用の管理アプリ「Logicool G HUB」へ移行することが明らかになりました。
Logicool G HUBは、ゲーミングギアの可能性を最大限に引き出すための最新のソフトウェアです。ゲームに合わせて、思いのままにギアをカスタマイズ。
ロジクールG HUBアドバンスト ゲーミング ソフトウェア、RGB & ゲームプロファイル
Mac用のLogicool G HUBアプリをインストールしてみました。Captureアプリとは全く違う趣です。
StreamCam C980を接続した状態であれば、G HUBから自動認識されます。
利用用途に合わせて、プロファイルを切り替えられるようになっていました。ズーム・フォーカス・露光量といった設定が可能です。
G HUB内のビデオエフェクトを利用できるようになりますが、漫画、病気、ゾンビといったデフォルトのフィルタが用意されていて、いかにもゲーム用途のアプリだと感じます。
Captureは今後アップデートされないことが明言されていますので、早めにLogicool G HUBに切り替えていきましょう。
StreamCam C980をスタンドに立ててみた
ディスプレイの上に置くと、どうしても視点が高くなってしまうため、ミニ三脚での運用を考えました。白いカメラに似合う白いスタンドです。スマホも一緒に設置できるので、けっこう便利ですよ。
まとめ
Webカメラとしてだけでなく、ストリーミング配信まで考えた、贅沢仕様のカメラ、それがStreamCam C980です。
ちなみにC980の映像はフルHDで60fps。鮮明で、隅々までくっきりと映し出されます。(急にこんな綺麗な映像が表示されたら、画面の向こうの人に笑われそうです。)
ようやく入手しやすくなったので、これから配信も始めようと考えている方にもオススメします。