イヤホン各社の主力製品を見ていると、そのほとんどが耳の穴に入れる「インナーイヤー型」で、いい音で聴くならインナーイヤー一択だ、と思い込んでしまっていました。
オープン型イヤホン「Smabat M1 Pro」
今回紹介するイヤホンは、Smabat M1 Proといって、見ての通り、オープン型のイヤホンです。しかも、かなり大口径です。いったい、どんな音が鳴るんでしょうかね……
Smabat M1 Proをレビュー
Smabat M1 Proのパッケージはかなりコンパクト。白地にSmabat M1 Proのデザインが線画で描かれただけのシンプルな装丁です。
開けてみると、このとおり。見せ方も実にシンプルです。
イヤホンの両脇にある黒く丸いパーツは、イヤーパッドです。
Smabat M1 Pro以外の付属品は、イヤーフックがサイズ違いで左右3種類、シリコン製のイヤーパッドが1種類、コットン製のイヤーパッドが2種類、そしてマニュアルとなっています。
こちらが、Smabat M1 Proです。イヤホンの口径が大きいので、この大きさで耳に収まるのかな?と一瞬疑問がよぎります(大丈夫、収まります)。
この写真だけ見ると、シャワーヘッドのようにも見えますが、Smabat M1 Proで使われているドライバユニットは、なんと14.2mmもの大きさを誇ります。
どことなくレトロ感のある外観でありながら、シンプルな曲線と直線で構成されたデザインは、未来的な印象も受けます。
左右のLR表示は、分かりやすく記載されているので戸惑うことはないでしょう。
イヤーフックとイヤーパッドを装着してみました。
イヤーフックを付ける際には、イヤーパッドを付ける前にしましょう。
GRANBEATで聴いてみる
GRANBEATにSmabat M1 Proを接続して、ハイレゾ音源を中心に試聴してみました。
オープン型イヤホンということもあり、低音域は目立ちづらく、その代わりに広い音場と中高音域の伸びが素晴らしいです。特に、試聴に使ったのがホール収録の映画サントラだったりしたため、原音に忠実な音場が再現されており、聴いていて気持ちのいい響きが展開されます。
インナーイヤー型はどうしても耳を塞いでしまうため「こもり」が出やすくなりますが、耳に乗せるオープン型は開放感があります。SMabat M1 Proはこの傾向が顕著で、大口径のドライバを活かして、広い音場を形成し、一つ一つの音を伸びやかに再現しているようでした。
意外だったのは、低音域が逃げがちになると思っていたところ、控えめながらしっかり低音域も効いていたところ。ここはやはり大口径ドライバのなせる技なのでしょうか。
ちょっと使いづらいなと思った点は、付属ケーブルのシュアがけがしづらいところ。耳の上でちょっと浮いてしまうので、そのまま垂らして使うのが良さそうです。
Smabat M1 ProはMMCXでリケーブルできる
さて、Smabat M1 ProはMMCXコネクタを搭載しています。
ケーブルは外しやすくできており、簡単に取り外せます。
せっかくのMMCXなので、リケーブルして視聴スタイルに合わせた使い方をしていきましょう。
Lightningケーブルで、iPhoneにデジタル接続する
まず、iPhoneにダイレクトに接続するため、Lightningケーブルを使ってみましょう。使用したのは、SHUREのRMCE-LTGです。
デジタル出力にした効果なのか、整流されたかのように、雑味のないクリアな音が流れます。今回リケーブルした中で、Smabat M1 Proと最も相性がいいと感じたのがこのケーブルです。
Bluetoothケーブルで、iPhoneにワイヤレス接続する
次はやはりワイヤレスでしょう。プレミアムヘッドフォンアンプを搭載した、SHUREのRMCE-BT2を使用してみました。
前述のLightningケーブルには及びませんが、ヘッドフォンアンプとオープン型イヤホンの相乗効果か、AACコーデックとは思えないほどの音質が出ます。オープン型の音質は分かりやすいので、リケーブルの良さがダイレクトに出るのかもしれません。
完全ワイヤレスイヤホンアダプターで、iPhoneにワイヤレス接続する
最後にリケーブルしたのは、完全ワイヤレスイヤホンに変えるためのアダプターである、FOSTEXのTM2です。標準付属のMMCXアダプターで接続してみました。
なお、充電用ケースへの収まり方ですが、イヤーフックの部分がやや干渉するものの、問題なく収まりました。
音質に関しては、前述のSHURE 2製品に比べるとさすがに分が悪いものの、完全ワイヤレスイヤホンとしては、上位にくる音質です。なによりも、オープン型の完全ワイヤレスイヤホンが市場にほとんどないので、貴重な存在と言えます。
まとめ
1週間ほど使ってみましたが、オープン型イヤホンも悪くないです。中高音域の響きが広いので、PerfumeのようなEDMとの相性が特に良く、逆に低音重視の方には向かないイヤホンです。ただ、そういった特徴も含めて非常に「分かりやすい」イヤホンなのではないでしょうか。