中華イヤホンの進化速度がすごい。今年に入ってKZ AS06を始めとして各社の中華イヤホンを使ってみて、クオリティの向上がすごいな、って感じるんですよ。音質もそうだし、ハウジングのデザインもぐんぐんクオリティが上がってます。
次々に新製品が登場して、スピード感がすごい。
1BA+1DDのハイブリッドイヤホン TRI-i4

今回紹介するイヤホンも、デザイン・音質ともに高品質なもの。バランスド・アーマチュア1基に、ダイナミック・ドライバ1基を搭載した、1BA+1DD構成のハイブリッドイヤホンです。しかも、バランスド・アーマチュアは有名なKnowles社のものを搭載しているとか……。
※本レビューにあたって、製品サンプルをご提供いただきました。
TRI-i4をレビュー
ブラックなパッケージにブランドロゴだけ浮かぶ、シンプルで力強いパッケージです。

TRI(TRI Audio)のwebサイトで情報を得ようと思ってアクセスしてみたら、nginxのデフォルトページが表示されたので、きっとまだ整備中なのでしょう……(2019年8月6日現在)

気をとり直して、パッケージを開けていきます。

TRI-i4イヤホン以外に、イヤーピース3種7セット、ソフトケースが含まれています。

イヤーピースは3種類7サイズ入っています。奥にあるのは低反発タイプのもの。これだけ1サイズのみです。

イエローが見えるイヤーピースは、SONYのハイブリッドコンフォートイヤーピースと呼ばれてるものに似ています。

ケースは、柔らかい素材でできています。カバンの中でかさばらなくていいですね。ちょっと柔らかすぎる気もしますが。

アルミ合金製のハウジングは、CNC加工による滑らかな曲線。イヤホン同士が触れるとカチカチと音がします。ダイスがぶつかる音に似ています。

TRI-i4のハウジングは一見の価値のある美しさ。光沢のあるゴールドです。

この滑らかな曲面がCNCならではの切削加工と言えます。美しいわー

くぼみのある、複雑な曲面を描いています。

ステムは大口径、イヤーピースが取り付けやすくなる凹凸のある構造になっています。

空気穴が空いているので、あまり大きな音を出すと、音漏れがしてしまうのかもしれません。ふだんから大きな音で聴いている方はご注意を。

金属の質感がすごいTRI-i4ですが、アルミ合金ということもあってか、その重量は意外と軽く、左右で14.0gです。

ハウジングも小さいので、耳への収まりがいいですね。
GRANBEATでTRI-i4を試聴する
それでは、Knowles製のバランスド・アーマチュア1基とダイナミックドライバー1基で構成されたハイブリッド・イヤホンの実力を聴いてみましょう。使用したのは「スター・ウォーズ: 最後のジェダイ (オリジナル・サウンドトラック)」のハイレゾ音源(192.0kHz/24bit)です。

アルバムを一通り聴いてみました。
低音域は主張し過ぎず、しっかり重量感をもって響かせてくれます。高音域は音離れがよく、角の立ち過ぎない、まろやかな音を出してくれます。特徴的なのは、中音域の音場の豊かさです。空間の広がりを感じることができます。ただ、全音域の解像感はやや物足りず、もう一段深みが欲しいところ(この値段感のイヤホンには高望みかと思いますが)。
しかし、アルミ合金のハウジングのおかげか、音の引き締まりはよく、安定した音の響きを聞かせてくれます。目立ち過ぎず、音源の魅力を丁寧に伝える優等生のようなイヤホンですね。
お気に入りのボーカル曲をいくつか聴いてみた感触だと、男性ボーカルより女性ボーカル向き、ドラムよりギターが映える、といった印象があります。この点で、DAOKO×MIYAVIの『千客万来』がキンッキンにチューニングされた音になってますね。好きな人には一回聴いてもらいたいです。あと、サカナクションもいい感じでした。
TRI-i4を完全ワイヤレスイヤホンに換装する
TRI-i4はMMCXコネクタを採用しているので、リケーブルも可能です。


Bluetoothケーブルが使えるのは当たり前なので、完全ワイヤレス化をしてみました。使うのは、もちろんFOSTEXのTM2です。

MMCXコネクタの位置によっては、装着感に難があることもありますが、TRI-i4では違和感なく装着できました。

TM2のケースにも問題なく収まります。

有線接続に比べると、音質が1段落ちますが、Bluetoothワイヤレスとしては優秀な音質と言えます。完全ワイヤレスにこだわらないなら、高性能アンプを内蔵したBluetoothレシーバーなどと併用するのもアリでしょう。

まとめ
アルミ合金で美しく成形された小ぶりなハイブリッドイヤホンTRI-i4。有線接続で美しい音色を楽しむもよし、MMCXでBluetoothワイヤレスイヤホンに換装して手軽に楽しむもよし。優等生的なサウンドが、いずれの接続にもうまく対応してくれるでしょう。
