イヤホンのケーブルを変える?必要ある?
世の中には数え切れないくらいイヤホンがあります。ダイソーで買える100円イヤホンから、iPhoneに標準で付属するイヤホン、10万円を超える高級イヤホン、などなど。これらのイヤホンは大きく2種類に分けることができます。
それは「ケーブルが交換できるイヤホン」と「ケーブルが交換できないイヤホン」です。
広く普及するMMCX規格
ケーブルが交換できるイヤホンには、いくつかの共通規格があります。もっとも有名なものが本記事で紹介する「MMCX」規格。正式名称は「Micro Miniature CoaXial」で、テレビに挿すアンテナ線コネクタが、極小化したようなピン形状をしています。
このMMCX規格は、SHUREやWESTONE、SONY、JVC、オーディオテクニカ、エレコムといったメーカーの“一部の”イヤホンで採用されています。
ケーブルには交換する理由がある
さて、イヤホンのケーブルを交換するのに理由が必要なのか?という疑問もあるでしょう。ケーブルを交換することを「リケーブル」といいますが、一部の人たちの間では「リケーブル=音質を上げるために行う行為」という認識があります。確かにケーブルを交換することで音質が変化することはありますが、ここではリケーブルによる「利便性」に焦点を当てて話を進めます。
私が考える「ケーブルを交換する理由」は次に挙げるようなもの。
- Bluetoothワイヤレスにしたい
- 断線してしまった
- 短くしたい/長くしたい
- プラグを変えたい
- ドレスアップしたい
上記の要望に応えられるようなMMCX対応製品は、市場にたくさんあります。具体的に見ていきましょう。
Bluetooth/ワイヤレスにしたい
個人的に最も熱い分野はここで、有線のイヤホンを使っていて感じる「これがワイヤレだったらなあ」を実現してくれるのは、唯一MMCX対応イヤホンだけ。しかも、Bluetoothの進化に合わせてケーブルを変えるだけで、ハイレゾ相当の音質になるaptX HDコーデックにも対応できる。
なお、「Bluetoothケーブル」「有線ワイヤレス」とか、一見意味の分からない言葉が爆誕している。
https://www.makkyon.com/2018/06/09/mmcx-bluetooth/
断線してしまった
これは、イヤホンに限らずさまざまな場面で起こります。ただ、スマホ充電ケーブルは100円ショップでも買えますが、イヤホンはケーブルが断線すると、製品そのものがダメになります。
友人のイヤホンが断線したということで見せてもらったところ、実はMMCX対応で交換できることが分かって、イヤホンが復活しました。
AmazonでMMCXケーブルを探すと、1000円以下で購入できるケーブルがたくさんあります。
短くしたい/長くしたい
イヤホンを買ったものの、ちょっと長すぎる、ちょっと短すぎるなんて思ったことはないですか?例えば、パンツの後ろポケットにスマホを入れたところ、動くたびにイヤホンを引っ張ってしまう。ジャケットの内ポケットにスマホを入れたところ、ケーブルが長すぎて邪魔、カバンの中にスマホを入れたけどケーブルが短すぎて動きづらい。こうしたときはケーブルを交換して、ちょうどいい長さにするのが適切です。
私も、SHUREのイヤホンを買ったところ、あまりに長すぎて取り回しに苦労しましたので……
https://www.makkyon.com/2017/05/28/mmcx-ihp-35m/
プラグを変えたい
プラグとは、スマホや音楽プレーヤーにイヤホンを挿すときの端子です。例えばiPhoneであれば、イヤホンジャックが廃止になったためLightning端子から変換ケーブルを使わなければなりません。
MMCXにはLightningケーブルもあるので、直接挿すことができる上、LAM(Lightning Audio Module)というパーツが必須になっているので、音質もアップします。
https://www.makkyon.com/2017/05/22/rmce-ltg/
Androidも、今後はUSB-Cで繋ぐイヤホンが主流になるので、MMCX – USB-Cケーブルの需要も高くなってくるでしょう。
SHUREからUSB-CケーブルRMCE-USBが登場したので、レビューしました。
https://www.makkyon.com/2018/09/09/shure-rmce-usb/
ドレスアップしたい
ちょっと強引な気もするけど、MMCX対応ケーブルを検索していると、カラフルなケーブルが多く、またMMCXコネクタ部のデザインに凝ったものもある。身につけて使うものだけに、気に入ったケーブルに交換するのもいいかと。
メーカー別MMCX対応イヤホン
これからイヤホンの購入を検討するなら、MMCX対応のものを選んでおくのが将来的にも吉です。MMCXをイヤホンに採用しているメーカーと対象製品をまとめてみました。製品タイトルは、メーカー公式の製品ページにリンクしています。
SHURE(アメリカ)
1925年創業。同社のダイナミック型マイクロフォンのデザインは有名。
SE846
SE535
SE535 SPECIAL EDITION
SE425
SE315
SE215
SE215 SPECIAL EDITION
SE215M+SPE-A
WESTONE (アメリカ)
1959年創業。イヤホンおよび補聴器のメーカー。同社のカスタムインイヤーイヤホンは有名。
UM Pro50 (WST-UMPRO50-2017)
UM Pro30 (WST-UMPRO30-2017)
UM Pro20(WST-UMPRO20-2017)
UM Pro10(WST-UMPRO10-2017)
Universal W80 (WST-W80)
Universal W60 (WST-W60)
Universal W40 (WST-W40)
Universal W30 (WST-W30)
Universal W20 (WST-W20)
Universal W10(WST-W10)
AM Pro30 (WST-AMPRO30)
AM Pro20 (WST-AMPRO20)
AM Pro10 (WST-AMPRO10)
UM1J(WST-UM1J)
SONY(日本)
1946年創業。言わずと知れた巨大企業。2018年3月期の売上は8兆5千億円にも上る。
XBA-N3BP
XBA-N3
XBA-N1
XBA-Z5
XBA-300
AKG(オーストリア)
1947年創業。当初は映画関連の音響機器を手がけていた。マイクロホン、ヘッドホンでその名を広げた。
N5005
N40
N30
VECLOS(日本)
魔法びんのサーモス株式会社が手がけるオーディオブランド。真空二重構造を応用したオーディオ機器を販売している。
EPT-700
EPT-500
EPS-700
EPS-500
JVC(日本)
JVCは元・日本ビクターのグローバルブランド。日本ビクターの創業は1927年。
HA-FD01
HA-FD02
HA-FW01
HA-FW02
HA-FW03
HA-FX1100
FiiO(中国)
2007年に設立された中国広東省の音響機器メーカー。現在のポタアンブームを牽引するうちの一社。
F9 Pro
F9
FH1
MMCX-Bluetoothケーブルの「RC-BT」とのバンドル製品を購入してレビューしてみました。
https://www.makkyon.com/2018/08/19/fiio-rc-bt-with-fh1/
SATOLEX(大阪)
電気機器製造のホシデン株式会社のオーディオブランド。
DH303-A1【Tumuri】
こちらの製品は実際に購入してレビューしてみました!いいイヤホンです!
https://www.makkyon.com/2018/08/19/satolex-tumuri-dh303-a1/
ADVANCED(アメリカ)
MODEL 3
MEE audio
M7 PRO
Pinnacle P2
Pinnacle P1
パイオニア(日本)
SE-CH9T
オンキョー(大阪)
E900M
YAMAHA(日本)
EPH-200
マクセル(日本)
MXH-GD300
final(日本)
F7200
F4100
E4000
E5000
Campfire Audio(アメリカ)
2015年設立。特別な素材や技術を組み合わせる、新進気鋭のプレミアムブランド。
VEGA
COMET
ANDROMEDA
POLARIS
LYRA II
ORION CK
Etymotic Research(アメリカ)
「耳に忠実である」という意味を持つ“Etymotic”を社名に冠したメーカー
ER4XR
ER4SR
ER3XR
ER3SE
radius(日本)
元々はアップルコンピューター(当時)の元幹部らによって設立されたアメリカの企業。現在のラディウスは、その名称を引き継いだ日本の企業。
ドブルベ ヌメロキャトル HP-TWF41
ドブルベ ヌメロトロワ HP-TWF31
HP-NHR31
HP-NX100
ELECOM(大阪)
PC・スマホなどの周辺機器メーカー。傘下にロジテックがある。
EHP-SH1000SV
EHP-RH2000ABK
beyerdynamic(ドイツ)
1924年にベルリンで設立された。映画館向けのスピーカーからその事業をスタートさせている。