スマートウォッチはApple Watchを超える?
スマートウォッチの多機能化が止まりません。スマートフォンとの連携だけでなく、ヘルスケア関連センサーの搭載や、アプリの追加、アウトドアでのアクティビティに対応し、さらにスマートウォッチ単体でできることが増え、大画面になり、バッテリーライフも伸び……と、進化を続けています。
そんなスマートウォッチ市場で全盛を誇るのが、Apple Watchです。メディアに映る有名人・芸能人だけでなく、ガジェットに興味のなさそうな方でもApple Watchを身につけています。スマートウォッチ=Apple Watchの図式はまだ変わりそうにありません。
しかし、前述したようにスマートウォッチの進化は続いており、機能的にはApple Watchを上回る製品もあります。Apple Watch以外のスマートウォッチをいくつかレビューさせてもらっていますが、中でも進化が著しいのがAmazfitの製品です。
今回はそんなAmazfitのスマートウォッチ「GTR 4」を紹介していきます。
Amazfit GTR 4をレビュー
こちらがAmazfit GTR 4のパッケージ。ブラックのバックグラウンドカラーにグラデーションのロゴ、重厚な雰囲気を醸し出しています。
今回紹介するのは、Amazfit GTR 4のヴィンテージブラウンレザーです。
パッケージを開けていくと、GTR 4の盤面だけが見えるシンプルさ。このシンプルさこそが、Amazfitの品質の自信を窺わせます。盤面を囲う金属は、艶消しのマット加工で、高級感があります。
内容物は、GTR4本体にクイックスタートガイド、USBケーブルと一般的な構成です。
赤く染められているのが、ナビゲーションクラウン。回す・押すアクションで操作します。
下のボタンにも赤いデザインが施されています。
盤面の周囲には、目盛りが打たれています。
充電は付属の専用ケーブルで行います。
GTR4背面にマグネットで吸着することができます。
USB充電器は付属しませんが、汎用のUSB充電器が使えます。スマートフォン用のもので十分です。
最近あらゆる機器が、小型でリバーシブルなUSB-Cコネクタに移行しているので、逆にUSB-Aタイプの充電器が少なくなってきていますよね。1つ持っておくと便利です。
通電されると、画面が点灯します。Amazfitのロゴが美麗に動きます。
Zeppアプリを使用してセットアップを進めます。GTR4の盤面にQRコードが表示されるので、Zeppアプリ上で読み取ってペアリングを進めます。
共通のコードが表示されて、ペアリングを行えば登録は完了です。
装着して見ました。ベルトの感触も良いです。使い始めはまだ硬いので、使っていくうちに馴染んでいくでしょう。
ベルトの尾錠はマットなシルバーで、落ち着いた印象を受けます。
さて、冒頭でもお伝えしたとおり、スマートウォッチ市場ではApple Watchが全盛です。やはりApple Watchと比較しないことには始まりません。
Amazfit GTR 4とApple Watchを比較してみる
Amazfit GTR 4とApple Watchを比較してみましょう。
Amazfit GTR 4(写真左)は1.43インチ、Apple Watch(写真右)は1.57インチです。数値上はApple Watchの方が大きいですが、盤面の形状が違うこともあり、見た目にはGTR 4の画面が大きいです。
また、Amazfit GTR 4はガラスカバーにアンチグレアテクノロジー(業界初!)が施されており、反射を抑え、まるでリアルな盤面があるような美しさを誇ります。Apple WatchはSeries 6(2020年発売)ということもあり、GTR 4の前では少し古さを感じてしまいます。
重量も違います。GTR 4(写真左)は34.2gですが、Apple Watch(写真右)は41.5gと、重さを感じさせます。
液晶と有機ELの違いがありますが、やはりAmazofit GTR 4の画面は明るく鮮明で見やすいです。
Apple Watchも特に不便は感じていなかったんですが、こうして比べてみると最新のディスプレイに軍配が上がります。
Amazfit GTR 4のベルトは汎用ベルトと交換可能
腕時計の楽しみは、ベルトを交換できること。自分のファッションの一部になります。GTR 4のベルトも高級感があって良いんですが、他のベルトに変えたいと思ったときは、汎用の22mmベルトに交換することができます。
このように取り外すことができます。
Apple Watchのベルトも数多くの種類がありますが、汎用の腕時計のベルトが使えるメリットには敵いません。
Amazfit GTR4を日常的に使ってみる、バッテリーはいつ切れる……?
さて、Amazfit GTR 4が明らかにApple Watchに優っている点、それは「電池持ち」です。最新のApple Watchでも1回の充電で最長60時間動作と言われています。その点、Amazfitは以前にレビューしたGTS 3でも1回の充電で12日間持ちました。
Amazfit GTR 4では仕様上、ハードな使用で7日間、省電力モードで24日間とされています。ハードな使用をするつもりはないけど、省電力で動かすのも物足りなさそう……。省電力かどうかを気にせずに“普通に”使ってみると、何日間使えるのか、下記の条件ででバッテリー切れまで使ってみました。
- iPhoneとペアリングして、一緒に持ち歩く
- 起きたら装着する(朝7〜8時ごろ)
- 夜に外して(夜22〜23時ごろ)朝まで放置する
- 睡眠計測は使わない(腕時計をつけていると眠れないので)
1日目、朝が100%なら……夜は○○%?
初日、バッテリー残量100%からスタートしました。この時点では特にカスタマイズしていません。
夜、街を歩いているとブルっと振動。文字盤を見ると1日の活動量を褒めてくれるようです。
特にカスタマイズしない状態で、23時時点で残量は……97%。え……3%しか減ってない……。この数値を正直に信じると、1ヶ月くらい持ちそう。もっと機能をカスタマイズして減らしていこう。
2日目、通知をオンにする
朝起きると95%になっていました。寝ている間、何もしていなくても1〜2%の電力を消費するようです。つまり、24時間での消費は4〜5%程度。計算上は20日程度持ちます。本当にそんなに持つんでしょうか?
使っていて、iPhoneからの通知が来ていないことに気づきました。Zeppアプリ内から設定が可能です。これをオンにして、アプリごとの通知の有無を設定します。
SMS受信は、アプリ通知とは別の項目がありました。
夜には91%になっていました。アプリ通知を設定したので、明日からはバッテリーの減少スピードが早くなるかもしれません。
3日目、GTR 4内にアプリを追加する
朝は90%になっていました。1日5%ペースは変わらないようです。この日は、GTR 4にアプリを追加してみることにしました。Zeppアプリ内のApp Storeから追加ができます。
あると便利な計算機アプリと、2要素認証用のアプリを追加して見ました。
夜、外すときのバッテリー残量は86%。アプリ通知はオンにしていたのに、バッテリー減少のスピードはあまり変わらない。
4日目、大画面は便利だと思うようになる
レザーベルトが少しずつなじんできたように思います。GTR 4の大画面は情報量が多く、Apple Payの使用後の通知も見やすいです。Apple Watchの画面は小さかったんだなと実感します。
夜82%。バッテリー減少スピードはあまり変わらず。
5日目、モーニングアップデートが便利だと感じる
朝起きると81%です。GTR 4にはモーニング・アップデートという、1日の情報をまとめてくれる機能があります。
スマートニュースの朝の情報をまとめてくれる機能があるんですが、同じように朝のハイライトを入れてくれます。
6日目、大きい画面はいい(改めて)
朝は76%、まだまだ余裕ですね。Amazonの新生活SALEの通知が来ていました。文字が大きめで画面いっぱいに表示されるので、情報量多くていいですね。
夜は71%。
7日目、文字盤のデザインを変えてみる
朝起きると70%。減るペースが一定です。この日は、文字盤のデザインを変えてみることにしました。Zeppアプリ内から変更できます。デザインは千差万別。
GTR 4の大きな画面を活かせる、情報量多めの文字盤デザインを選びました。近未来的でいい。ダウンロードしてから設定されるまでしばし待ちます。
このあとも、何回かデザインを変更してます。
GTR 4自体でも、文字盤を長押しすると、デザインの選択画面になります。さまざまなデザインを選べますが、注目したいのはデザイン名の下に「高電力消費」の文字が並ぶこと。この表示があるデザインは、アニメーションが多用されているため、電力消費が多いようです(今回は使用しませんでした)。
10日目、急に知らせてくる心拍数に驚く。
ちょっと驚くことがあって、心拍数が上がったんですが、GTR 4も驚いたようで心拍数急上昇の通知がありました。ありがとう。
残量はついに50%を切りました。このペースだと20日は使えそうです。
13日目、バッテリーはまだ無くならない。
この日のバッテリー残量は34%でスタート。
特に不便は感じていないんだけど、これで3週間近くもつのはすごい。
14日目、Wi-Fiにも接続してみよう。
iPhoneとGTR 4はBluetoothで接続していますが、GTR 4は単体でWi-Fiにも接続できます。このままだと3週間近くもつ計算ですが、Wi-Fiをオンにすることで減少スピードは変わるのでしょうか?
Wi-Fiをオンにすると、パスワード入力を求められます。パスワード入力はZeppアプリ上から行います。
さて、バッテリー減少スピードはどう変わるでしょうか?(Wi-Fiは最後までオンのままです)
19日目、シアターモードを使う
バッテリーはいよいよ13%。まもなく終わりが見えてきました。この日は映画『シン・仮面ライダー』の最速上映の日。映画館では音の出るもの・光るものは避けなければなりません。
スマートウォッチも例外ではないので、画面を消しましょう。そう「シアターモード」です。機能はオンのまま、ミュートになり、画面を点灯させないモードです。
顔が二つ並んだアイコンがシアターモード。この状態で画面を消すと、次にボタンを押すまで画面は点灯しません。
バッテリーは11%。バッテリー切れまであと2日というところですね。
20日目、ついにバッテリーが10%を切る
朝、10%を切った旨の警告が表示されました(スクショ撮り損ねた……)
そして、次の警告は5%を切った時。夜でした。
明日にはバッテリー切れになりそうです。
21日目、ついにバッテリーが切れる
朝には4%でしたが、30分後にみると、1%に急落していました。
ところが1%からは意外と粘ります。
その後、1時間してブルっと震えた後、画面が消えました。ついにバッテリー切れです。
結果、20日+αのバッテリー持ちでした。ほぼ3週間です。この大画面で美しいディスプレイ、通知もヘルスケアの測定も行って“普通に”使えるのに、これだけもつのは頼もしいと言えます。旅行とか出張とか行っても充電器持っていかなくていいわけですからね。
なお、Apple Watchから乗り換えを検討している方に朗報ですが、ヘルスケアアプリで連携しておけば、歩数や心拍数の測定値はGTR 4でも継続可能です。下の図はヘルスケアアプリの月表示ですが、Apple Watchを使用していた期間と、GTR 4を使用していた期間で連続性が保てています。
Amazfit GTR 4のまとめ
とにかく画面が大きくて綺麗。機能性も抜群!バッテリーが切れた後に、Apple Watch(45mm)に戻ったら、画面小さいな……って思いました。大きい画面は正義です。
- 丸い盤面のヴィンテージスタイル
- 大型の1.43インチディスプレイは情報量が豊富
- 326ppiのHD AMOLEDディスプレイは至極の美しさ
- ガラスカバーはアンチグレアテクノロジー採用で映り込みが少ない
- 200種類以上のウォッチフェイスが用意されている
- 省電力モードなら24日間持つバッテリーライフ
- 心拍数や血中酸素レベルを測定してくれる
- 睡眠モニタリングも行う
- 独自のアプリを追加できる
- Suicaはない
- セルラーモデルもない