人体のセンサーとして進化するスマートウォッチ
コロナ禍以前のスマートウォッチは、スポーツやアクティビティ、アプリや決済系の機能が目立ちがちでした。
しかしコロナ禍を経て、血中酸素飽和度や心電図が測れるモデルが登場し、スマートウォッチは人体を知るためのセンサーとしての役割が重要視されるようになってきました。
スマートウォッチ市場の先頭を走るのはApple Watchですが、そのApple Watchでも実現できていない計測項目があります。それが「体温」と「血圧」です(2022年8月現在)。健康状態を知る上で基礎的な指標になりがちなバイタルサインなんですが、これを実装できているスマートウォッチはごくわずかです。
今回紹介するスマートウォッチは「体温」と「血圧」が測定できる製品です。驚くべきはその価格!クラウドファンディングということもありますが、なんと最安で5000円を切ります。果たして、この製品は買いなのでしょうか、実際に使用してみました。
omthing E-Joy Smart Watch Plusをレビュー
今回レビューするスマートウォッチは「omthing E-Joy Smart Watch Plus」(以下、E-Joy Plus)です。
こちらがomthing E-Joy Smart Watch Plusのパッケージ、スリムで軽量です。
オレンジの帯があり、ここから内箱を引き出します。
内箱を引き出すと、スマートウォッチ「E-Joy Plus」とご対面です。
内容物は、E-Joy Plus本体+バンドに、磁気充電ケーブル、説明書となります。
E-Joy Plusにはシリコン製のバンドが付属しています。
バンドは取り外して、22mm幅のバンドと交換することが可能です。
Amazonで売っていた腕時計用のバンドに交換してみました。22mm幅のバンドです。市場に出回っている一般的な腕時計用バンドが使えるのは嬉しいポイントです。
磁気充電ケーブルの端子は独自形状。スマートウォッチでは当たり前の仕様ですね。
E-Joy Plus本体の背面に、充電用の端子があります。
マグネットで吸着するようになっています。正しい向きがあり、反対向きにしてもマグネットが反発して吸着しません。充電器は付属しませんが、一般的なスマホ用のUSB充電器であれば使えます。
USB端子を充電器に繋いで通電すると、画面が点灯して時刻表示になりました。
Apple Watchのナイトモードと同じように使えるみたいです。
E-Joy Plusの初期設定には専用アプリを使用します。
E-Joy Plusのコンパニオンアプリは「WoFit」
E-Joy Plusに付属の説明書のQRコードを読むと、コンパニオンアプリのダウンロードリンクが現れます。
今回はiPhoneを使用するので、iOS用のアプリ「WoFit」をダウンロードします。
アプリを起動したら、E-Joy Plusの端末登録を行います。
これ以降、E-Joy Plusの設定はアプリ上から行えます。
E-Joy Plusを細かく見ていきましょう。
1.65インチスクリーンはApple Watch並みに大きい!
E-Joy Plusを使ってみて驚いたのは、その画面サイズです。この価格帯のスマートウォッチとしては圧倒的に画面が大きいのです。
試しにApple Watch Series 6(44mm)と並べてみました。
E-Joy Plus(写真左)は1.65インチ、Apple Watch Series 6(44mm)は約1.75インチです。Apple Watchとサイズ感はほぼ同じでした。
E-Joy Plusの価格でこれだけ大きい画面が使えるのは感動モノです。ついでに、重量も比較してみました。
Apple Watch Series 6(44mm)+ソロループバンドよりも5g程度軽いです。
E-Joy Plusのメニュー構成は押しやすいアイコン型
E-Joy Plusはサイドボタンを押すことで、メニューにアクセスができます。初期状態のメニューはアイコン型で、押しやすくなっています。
アイコン型からリスト型に切り替えることもできるので、そこはお好みで。
スマホの通知は、メッセージ系が基本
スマートウォッチの必須機能に、スマホからの通知を表示する機能があります。スマホをカバンやポケットから取り出さずに通知を確認できて便利ですよね。
E-Joy Plusでは、どのアプリの通知を表示するのか、WoFitアプリ上で設定します。通知できるアプリは、ワールドワイドで使われているものが多い印象です。
日本でよく使われているものとしては、LINE・Twitter・Instagram・Gmail、Apple MailやFace Timeなど。けして多くはないですが、必要最低限のものは押さえられている印象です。
とはいえ、その他のアプリの通知は受けられません。あくまでメッセージ系のものだけだと考えておきましょう。
E-Joy Plusは体温や血圧を測定できる!
E-Joy Plusの特徴は「体温」や「血圧」を測定できること。画面を右から左にスワイプしていくと、歩数→血中酸素飽和度→心拍数→血圧→体温と測定画面が現れます。
体温だけでなく、血圧も測定できます。結果表示までは30秒ほどかかるので、じっとしていましょう。
体温、血圧、心拍数、血中酸素飽和度は、アプリ上からも測定できます。E-Joy Plusを装着した状態で測定できるので、小さい画面で操作する必要はありません。こっちのほうが便利です。
E-Joy Plusは電力消費を抑えるため、早めに画面が消えてしまいます。アプリ上から測定するのが分かりやすくてオススメです。
心拍数や血中酸素飽和度をApple Watchと比較してみる
さて、心拍数や血中酸素飽和度はApple Watchでも測定できます。E-Joy Plusとどの程度の差が出るのか比較してみましょう。
まずは心拍数です。装着する場所はややズレているものの、かなり近い値が出ました。(下の写真ではたまたま同じ値になりましたが、誤差はあります)
Apple Watchは測定位置がシビアなのもあってか、血中酸素飽和度は、バラツキがありました。
血中酸素飽和度はコロナ禍で注目が集まりましたが、Apple Watchの数値もちょっと怪しいことがあり、ちゃんと測定するならパルスオキシメーターが必須ですね。
E-Joy Plusを入手したら、最初に設定しておきたいこと
いよいよE-Joy Plusを日常的に使っていくんですが、使用前に気をつけておいてほしいことが3つあります。
E-Joy Plusは電力消費を抑えるために、初期状態ではオフになっている機能があります。その一つが「手首を返して画面を表示する機能」です。
時間を確認するたびにサイドボタンを押したり画面をタップするのは面倒です。手首を返して時間を表示したいもの。
E-Joy Plusの画面を上から下にスワイプすると設定画面が現れるので、さらに右から左へスワイプして手首の描かれたアイコンをタップして、この機能をオンにします。
次は、ヘルスケアプラットフォームへのデータアクセス許可です。iPhoneの場合は「ヘルスケア」アプリですね。体重計や歩数など、これまで記録したものがあれば、データを統合しておきたいもの。
WoFitアプリ内のデバイスから「私の」を選んで「サードプラットフォーム経由で接続する」を選びます。ここでヘルスケアの許可する項目をオンにしておきましょう。
最後は、心拍数・血圧・体温の自動測定です。いちいち手動測定するのではなく、自動測定するように設定できます。これはWoFitアプリのデバイスから「スイッチ設定」を選びます。各項目をオンにしておきましょう。
自動測定をオンにすることで、電力消費が上がることが想定されますが……実際に使ってみたところ、1週間以上は余裕で使えています。
豊富な文字盤スタイルは使って楽しい、ただ注意点も。
スマートウォッチの楽しみは、文字盤のデザインを自由に変えられること。E-Joy Plusも例外ではなく、WoFitアプリ内から文字盤スタイルを選ぶことができます。
デザインを選ぶと、WoFitアプリからE-Joy Plusにデザインデータが転送されます。ただ、転送には1分近くかかり、意外とじれったいです。
気になるデザインがあれば、時間のあるときに転送しておくといいでしょう。(一度データが転送されれば切り替えはすぐです)
E-Joy Plusを1週間使ってみた、感想は……?
今回は1週間ほどE-Joy Plusを使ってみました。果たして、E-Joy Plusと過ごす1週間はどうだったのか、最後にApple Watchとも比較してみます。
1日の活動状況がよく分かるWoFitアプリの“表紙”
多くのスマートウォッチ・スマートバンドのアプリがそうであるように、WoFitアプリでも1日の活動状況が一目で分かるようになっています。(睡眠時にスマートウォッチ付けるのが苦手なので、睡眠は未測定です)
各項目をタップすると、詳細を見ることができます。1日あたりの目標歩数を決められるので、1万歩を目標にしていました。
歩数目標を達成するとE-Joy Plus上に、振動と共にトロフィーが表示されるんですが、表示時間が短くて、何回か表示されたのに全く写真に撮れませんでした……。
E-Joy Plusの自動測定で、身体の変化がよく分かる!
E-Joy Plusを使っていて気になるのは「心拍数」「血圧」「体温」の自動測定です。(血中酸素飽和度は自動測定されません)データが溜まると、自分の身体の状態変化を振り返ることができます。
まずは心拍数です。この日は会社に出社しているので、朝(出勤)・昼(ランチ)・夜(帰宅)で心拍数が上がっています。動けば上がり、デスクワーク時にはフラットになっています。
続いて血圧です。1日を通じて安定しているのが分かります。意外と頻繁に測定されている印象です。
最後は体温(温度)です。先に書いたように、実際の深部体温ではなく、体表温度を測っているだけなので、気温に左右されています。7月後半の気温なので、外に出るタイミングで体温が急激に上がったりしています。
E-Joy Plusは医療機器ではないので、ここに挙げた測定値が正しいかどうかは分かりません。
ただ、私たちの生活におけるヘルスケアの重要性は、正確な値を測ることよりも、「いつもより体温が高い」「いつもより血圧が低い」といった日常と違う変化に気づけるかどうかが重要だったりします。
その点においては、E-Joy Plusの自動測定は最高の働き方をしてくれているようです。
E-Joy Plusはバッテリーがめちゃくちゃもつ……
スマートウォッチは様々な会社から発売されていますが、問題はバッテリー持ちなんですよね。最大手のApple Watchが2日弱しか持たない一方で、何週間も持つような他社製品もあります。
E-Joy Plusは公称で2週間のバッテリーライフを謳っています。
ただ、前述したように、手首を回して画面オンや、体温・血圧の自動測定をオンにして使っていたので、意外と持たないのでは……?と思っていたんですが、1週間が経過しても、半分にもなっていません……めちゃくちゃバッテリーが持つようです。レビュー期間内にバッテリーを使い切ることができないとは……。
※ちなみに、上の写真にある文字盤デザインは私のお気に入りです。いかにもスマートウォッチ風の派手なものもいいんですが、チープカシオ風なデジタル表示が気に入っています。
Apple Watchにできて、E-Joy Plusにできないこと
私はふだんApple Watch Series 6を使っています。E-Joy Plusを約1週間使ってみた結果、E-Joy Plusが優れていると感じた点は下記の通りです。
- 超長持ちするバッテリーライフ、2週間ほぼ充電しなくてもいい
- 体温や血圧を継続的にモニタリングできる(ただし、あくまで参考値)
- WoFItアプリ内で各指標が確認・測定できる
- Apple Watchよりも圧倒的に安い
- 市販の時計用バンドが使える
逆に、Apple Watchと比べて気になった点は下記の通りです。
- Suicaが使えない(JRに乗るときや自動販売機の前でハッとなる)
- 動作がワンテンポ遅い(Apple Watchが快適すぎる)
- メッセージ系の通知しか受け取れない(メーラーやSlack、Chatworkの通知がこない)
- ソロループバンドがない(探せば類似品はあるのかも?)
- 画面の点灯時間が短く、すぐ消灯してしまう(アップデートに期待)
一応、気になった点として書いてみましたが、総じて不満は少なかったです。このまま使い続けてもいいと思えるほどに。
omthing E-Joy Smart Watch Plusのまとめ
この金額でこの充実した機能のスマートウォッチが手に入るのは、お買い得だと思います。特に、ヘルスケア機器としてスマートウォッチに期待している方にはオススメしたい!
E-Joy Plusは、一般販売価格7,500円が予定されています。クラウドファンディングサイトCAMPFIREでは、最速割として最大47%OFFの3,990円で販売されます。数量限定ですので、お早めに!