KZ E10 レビュー/完全ワイヤレスイヤホンでも4BA+1DDのハイブリッド構成!KZ E10の唯一の難点とは……?

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KZから再び完全ワイヤレス??

先日レビューしたKZ T1 TWSから2ヶ月、KZ社から新たな完全ワイヤレスイヤホンが発売されるというツイートを見かけました。
確かに、T1はβ版という位置付けだったんですが、まさか全く違う製品を出してくるとは……
https://www.makkyon.com/2019/08/08/kz-t1-tws/

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イヤーフック型の完全ワイヤレスイヤホン KZ E10

KZの完全ワイヤレスイヤホンの新製品は「E10」。完全ワイヤレスイヤホンとしては珍しいイヤーフック型の製品でした。
イヤホン自体はバランスドアーマチュア(BA)4基に、ダイナミックドライバー(DD)1基のハイブリッド構成となっており、これまでの完全ワイヤレスイヤホンではあり得ない贅沢な構成です。

購入してみたので、さっそくレビューしてみます。

KZ E10をレビュー

KZ E10のパッケージはブラックをベースにしたもの。

完全な真っ黒ではなく、E10のデザインがラインで描かれています。

内箱を引き出すと、E10の楕円形の充電ケースが見えます。

内容物は、ユーザーマニュアルに、E10の入った充電ケース、USBケーブルに、イヤーピース3種(MサイズはE10に取り付け済み)が付属しています。

充電用のUSBポートはUSB Type-C(以下、USB-C)になっています。

充電ポートがUSB-Cになったことで、付属しているケーブルはUSB-Cになっています。USB-Cのショートケーブルはまだ珍しいですね。

E10が入った状態での充電ケースの重量は109.9gと、完全ワイヤレスイヤホンとしては、そこそこ重い部類に入ります。AirPodsの約2倍あります。

充電ケースを開けて、E10とご対面です。T1 TWSは蝶番の開閉ギミックが独特でしたが、E10はシンプルなものに変わっています。

充電ケース自体の質感は、プラスチック製で値段なり。高級感はありません。

せっかくなので、T1 TWSと比較してみましょう。

KZ E10とT1を比較してみる

写真左がKZ E10、写真右はKZ T1 TWSです。こうして並べてみると、E10はT1を横に引き延ばしたような形状をしています。

両充電ケースを開いてみたところ。同じ価格帯にあった両製品ですが、ケースの質感はT1の方が圧倒的に高級感があります。

ちなみに、E10もT1も共通しているのが、左右のイヤホンの収納位置が逆になっていること。右側に収納してあるが左イヤホン。左側に収納してあるのが右イヤホンです。さまざまな完全ワイヤレスイヤホンに触ってきましたが、この配置は珍しく、違和感があります。

E10の外観をチェック

E10の外観は、一般的なカナル型イヤホンから、ケーブル状のアダプターが伸びています。ハウジングの外側はフラットな面で、ここがタッチセンサーになっています。

内側も同様です。3点の充電端子があります。耳にかかる部分はゴム製で、柔らかくフィットできます。

ノズル部分は、メッシュ加工が施されています。

左右のユニットを合わせた重量は24.3g、大きさの割にはさして重くありません。

ケーブルが伸びていることで、シュアがけして使用することができ、イヤホン自体にも耳に固定するための凸部があり、安定性は良かったです。
試聴する前に、KZ E10の気になっていたポイントを確認しましょう。

KZ E10はリケーブル不可

E10の形状からして、2pinで換装できるのではと思ったんですが、このアダプタは固定式のようです。

換装はできません(大事なことなので2回言いました)。TRN BT20Sのように使えるかと考えてしまいましたが、あえなく撃沈です。
https://www.makkyon.com/2019/01/19/true-wireless-mmcx-adapter/

iPhoneとペアリングして聴いてみた

iPhoneとペアリングしてみました。KZ E10はaptXに対応していますが、iPhoneではAACになります。

実際に、Amazon Music HDのハイレゾ音源やApple Musicを聴いてみました。

完全ワイヤレスイヤホンとしてはかなり“抜けの良い”音が鳴ります。4BA+1DDの効果が出ているのか、分離能は高く、解像感も悪くありません。低音は弱めながら、中・高音の良さは、この価格帯の完全ワイヤレスイヤホンが太刀打ちできないレベルで鳴っています。

イヤーフックの形状から見る、完全ワイヤレスイヤホンの思想の違い

イヤーフック型の完全ワイヤレスイヤホンといえば、FOSTEXのTM2(写真下)や、Beats by DreのPowerbeats Pro(写真左上)があります。

https://www.makkyon.com/2019/06/02/fostex-tm2/
https://www.makkyon.com/2019/07/31/powerbeats-pro-beats-by-dre/
イヤーフック型の完全ワイヤレスイヤホンは、固定力が上る分、ケースが大振りになりがちです。

また、一言にイヤーフック型と言っても「なぜイヤーフック型を選んだか?」でメーカーの製品作りのスタンスが見えてきます。
Powerbeats Proは、ワークアウトでの利用を想定しており、固定力を上げる目的でイヤーフックを採用しています。

TM2は、そもそもイヤホンを換装することを目的としているため、組み替え可能な大きめのイヤーフックを採用しています。

KZ E10は、完全ワイヤレスイヤホンに多ドラを採用するための手段として、ドライバー以外の要素を外に出したかったのではないかと考えられます。

次に、TM2で完全ワイヤレス化したKZ ZSXと、KZ E10の音質を比較してみます。

KZ E10と完全ワイヤレス化したKZ ZSXを比較してみる

先日購入したKZ ZSXを、FOSTEXのTM2で完全ワイヤレス化した(写真左)ので、KZ E10(写真右)と音質を比較してみます。KZ ZSXは5BA+1DD、KZ E10は4BA+1DDと、両方ともハイブリッド構成です。

https://www.makkyon.com/2019/09/20/kz-zsx/
両方ともiPhoneに接続して聴いてみました。
KZ ZSX+FOSTEX TM2は、広い音場を形成し、その中で深みのある音と、解像感のある細やかな音を鳴らしています。低音もよく響き、Bluetoothの情報量でここまで鳴らせるのであれば十分と言えます。ZSXとTM2の相性も良さそうです。
KZ E10は、明瞭な中・高音域の響きが特徴で、女性ボーカル曲やEDMがよく映えます。一方で音場の形成が苦手のようで、音が軽く、野外で聴いているような印象を受けます。KZ ZSX+FOSTEX TM2と、KZ E10では、実勢価格で5倍以上の開きがあるため、単純な比較に意味はありません。ただ、こうして比較してみると、KZ E10はだいぶピーキーな音作りに寄せてあることが分かります。

難点は“音切れ”

KZ E10は、ケース自体のチープさや装着性に気になるところはあるものの、音質そのものは(この価格帯にある完全ワイヤレスイヤホンとしては)上々の製品です。
ただ、気になる難点があります。それは“音切れ”です。
完全ワイヤレスイヤホンがBluetoothを採用している以上、通信が切れやすい場所では、音切れの可能性があります。しかし、その可能性を念頭に置いても、KZ E10はこれまでレビューしてきた完全ワイヤレスイヤホンの中で、目立って音切れが多いと感じました。
家の中や、空いている電車の中ではほとんど発生しませんが、満員電車や、都心の人混みの多い場所では、分かりやすく連続的に音切れします。イライラするレベルです。通勤経路で何往復か試してみましたが、乗客が大量に乗り込んできて車内が混雑すると、音切れがひどくなります。
KZ E10は、TWS+が使える「QC3020」をチップに採用していますが、これが使えるAndroidスマートフォンはまだ数えるほどしかありません。対象のスマホを持っている人以外には、あまり解決にならないでしょう。

まとめ

多ドラの魅力を完全ワイヤレスに詰め込もうとするKZ社の試みは評価したいところですが、Bluetoothの音切れはいただけません。家で使ってみて「お、けっこう良い感じなのでは!?」と思って、翌日の通勤で使ったときの「音切れ酷い……」はガッカリでした。
満員電車や混雑する場所で使うことが多い方にはオススメできません。そうでないのであれば、リーズナブルな価格でハイブリッド構成が楽しめる完全ワイヤレスイヤホンとして、オススメします!

※憶測でしかありませんが、どうも、KZ T1 TWSとKZ E10では設計思想が異なるような気がしています。T1の後継機に期待しています。

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この記事を書いた人

Webマーケティングを生業にする、どこかの企業のマネージャー。あなたが使っているWebサイトの裏側で出会っているかもしれません。
このサイトは趣味で作っているものなので、仕事内容とは関係がありません。春と秋に山手線一周歩くイベント(ほぼ観光)を主催しているので、気になる方はイベントページを見てみてください。

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