Appleの完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」は2016年12月発売ながら最新のBCNランキングによると、完全ワイヤレスイヤホンの売り上げ一位はいまだにAirPods。ロシアW杯であの白いイヤホンを見た人も多いはず。
SONYやBOSEなど、名だたるメーカーを押しのけてAirPodsが頂点にいる要因は何なのでしょうか?
AirPodsの対抗馬に必要な条件は?
去る2017年の12月に、新発売の完全ワイヤレスイヤホンを購入してみて比較レビューをしてみました。
どのイヤホンにも一長一短がありつつ、AirPodsを音質で上回るものも多かったのですが……ここから見えてきた、AirPods対抗馬に必要な条件は下記の通りです。
- AirPodsを凌ぐ低価格
- 50gクラスの軽量・コンパクト
- 接続が切れにくい
市場にあるどの完全ワイヤレスイヤホンも、どれかが足りていないことが多く、この状態ではAirPodsに市場を席巻され、高価格帯はSONYやBOSEなどに押さえられてしまっているのが現状です。
Suondcoreの完全ワイヤレスイヤホンLiberty Lite
7月に開催されたAmazonプライムデーにて、プライム会員限定で発売開始されたのがAnkerの新製品Soundcore Liberty Liteです。これまでLibertyシリーズはZoloブランドでしたが、Soundcoreブランドに変更になっています。
上位機種のZolo Liberty+は、クラウドファンディングサイトKickstaretrで出資を募ったことが話題になりました。当時、手に入れてレビューしていました。
1万円台の製品なのに、めちゃくちゃ満足度が高かったのですが、バッテリーが大容量すぎて重かったんですよね。体積のわりにずっしり。
Soundcore Liberty Liteのレビュー
白のパッケージに、ブルーが差し色に入った、爽やかなパッケージです。
販売価格は5,999円と、完全ワイヤレスイヤホンとしては安価な価格帯ながら、しっかりした内箱になっています。
内容物はこちらの通り。充電ケースに入ったSoundcore Liberty Liteに、MicroUSBケーブル、イヤーピース・イヤーフック各種サイズ、マニュアル類が含まれます。
イヤーピースとイヤーフックはS/M/Lの3種類が含まれています。
iPhone Xと比較しても、非常にコンパクトなサイズ。女性が片手で持てるサイズ感です。
冒頭でも書いた通り、重要なのはサイズ感と軽さ。AirPodsと比較してみましょう。全体の大きさを見ると、Soundcore Liberty Lite(写真右)も十分に小さいのですが、AirPods(写真左)はさらに小さかった……。
AirPodsの重量は、46.0g。
Soundcore Liberty Liteは52.3gとAirPodsには及ばないものの、遜色のない軽さです。
Soundcore Liberty Liteの充電ケースを開いたところ。フタの開閉する感じはさすがに値段なりで、高級感はないです。フタの下には白のLED表示があり、バッテリーの残量を3段階で判断することができます。
充電ケースの背面には、充電用のMicroUSBポートがあります。普段はゴムのフタで隠されていますが、完全ワイヤレスイヤホンの充電ケースは、毎日使えば週1〜2回は開くものなので、フタはなくてもよさそうです。ただ、本製品はスポーツ時のシチュエーションを考慮しているので、そのためだと思われます。
Soundcore Liberty Liteの左右ユニットを取り出してみます。
非常にコンパクトです。
一部レビュー記事で話題になったのが、イヤホンの充電端子に貼られた絶縁シール。これを剥がし忘れて、充電できない、という状態になる人が続出したようです。
充電ケース込みの軽さ・コンパクトさ、といった点は、AirPodsには及ばないものの、上位機種のZolo Liberty+に比べると、ずいぶん改善されており、ポケットに入れて持ち運んでもズッシリした存在感を感じることはなさそうです。
Soundcore Liberty Liteを1ヶ月間使い倒してみた
完全ワイヤレスイヤホンの良さは、日々使ってみて気づくもの。通勤時、休日と1ヶ月間使い倒してみました。
音質
AnkerのBluetoothワイヤレスイヤホンは音が軽いという弱点があり、上位機種のZolo Liberty+はそれを解消していましたが、Soundcore Liberty Liteにもあまり期待はしていませんでした。しかし、いい意味で裏切られた形になりました。
高音の伸びは今ひとつ足りませんが、中音域の豊かな音に、それを支えるどっしりとした低音域。完全ワイヤレスであることを置いても、この価格帯のBluetoothイヤホンとしては十分な、欠点の少ないバランスのいい音質です。
1ヶ月間、使い続けられたのも、音質の良さゆえだと思います(音が悪かったら、そもそも1ヶ月レビューをやめて、切り上げていたはず)。
装着感
上述の音質を支えているのが、この装着感。付属のイヤーフックを取り付けて耳にしっかり固定し、耳奥にしっかりと差し込むことで、ほとんど耳栓のような密閉感を作り出します。これが、低音の漏れを抑えて、腰の据わった音を作り出しています。
ただ、カナル型のイヤホンとして見ても、けっこう深くまで差し込むため、カナル型に慣れていない人にとっては、少し戸惑いそうです。
操作感
音質や装着感はよかったのですが、操作感はあまりよくありません。上述の通り、耳奥に深く差し込むタイプのため、音楽の再生停止や再接続をするためにイヤホン表面のスイッチを押し込むと、耳奥にさらに押し込むような感覚になり、積極的には使わず、できるだけiPhone上で操作をするようにしていました。
接続の安定性
左右のイヤホンはAirPodsのようにNFMI接続ではないため、ケースから取り出したときにたびたび、一方が繋がっていないことがありました。しかし、その際にはイヤホンのボタンを押すことで接続されるため、ストレスというほどではありません。
また、一度接続された後は、左右どちらかが途切れたりすることもなく、音楽が流れていました。この1ヶ月でかなり安定して使えていたので、この点は大丈夫でしょう。
まとめ
6,000円を切るイヤホンとしては、非常にリーズナブルな製品であることは間違いありません。初めての完全ワイヤレスイヤホンとして必要十分と言えます。
価格を考えると完成度が高いため、既存のBluetoothイヤホンから買い換えた人は、これで満足してしまう人も多そうです。この価格帯の完全ワイヤレスイヤホンは、Soundcore Liberty Liteに席巻されてしまいそう。
【2019年4月更新】後継機種のSoundcore Liberty Neoも購入してみました。さらに音質がよくなり、まさに完成版といえる出来です。