2021年のスマートウォッチはどうなる?
スマートウォッチもだいぶ一般的になってきました。クラウドファンディングで一躍有名になったPebbleから約9年、Apple Watchはすでに6世代目です。
ただ、一口にスマートウォッチといっても、Apple Watchのよう高価格な製品から、HUAWEIのスマートバンドのように低価格な製品までさまざまです。
https://www.makkyon.com/2019/11/28/huawei-band-4-black/
今後、スマートウォッチはどう進化していくのでしょうか?
高価格帯の製品はSuicaなどの電子決済や、酸素飽和度測定・心電図などの高機能な製品へ進化しています。それでは、低価格なスマートバンドは今後どう進化していくのでしょうか。そのヒントは今回紹介する製品にあると考えています。
フットモードを搭載した新機軸のスマートバンド
今回紹介するHUAWEI Band 4eは、シンプル・低価格なスマートバンドですが、これまでのスマートバンドにない特徴を備えています。
製品公式サイトはこちらです。
HUAWEI Band 4eは、バスケットボールとランニングのパフォーマンス統計とプロフェッショナルなガイダンスを提供し、より良いパフォーマンスができるように助けてくれる多才なワークアウトパートナーです。2週間持続するバッテリー、カラフルで高耐久なストラップ、あなたの生活を便利にするスマートな機能をたくさん搭載しています。
HUAWEI Band 4e, Basketball Performance Tracker – HUAWEI 日本
※本レビューにあたって、製品をお貸し出しいただきました。
HUAWEI Band 4eをレビュー
こちらが、パッケージ。コンパクト&シンプルです。
内容物は写真の通り。HUAWEI Band 4e本体+ストラップ、靴用バックル、USBクレードル、クイックスタートガイドとなっています。
ストラップはかなり細身で、ランニング時にも邪魔にならないようになっています。
腕に装着しても、リストバンドのような細さです。腕時計のような存在感はないので、スマートに使えるのではないでしょうか。ボタン等はなく、正面のタッチセンサーのみのシンプルな仕様です。
Apple Watchのループバンドと比較しても、かなり細く作られていることが分かります。
HUAWEI Band 4e自体が軽量に作られていることに加え、ストラップ自体も細く軽量なので、付けていることを意識しないレベルで楽に使えます。
HUAWEI Band 4eは“コア”を活用する
多くのスマートバンドがそうであるように、HUAWEI Band 4eも本体とストラップを分離することができます。
このHUAWEI Band 4e本体、つまりコアに当たる部分は非常に軽く、たったの8gしかありません。完全ワイヤレスイヤホン並みの軽さです。
このコアを充電する際には、付属のUSBクレードルを使用します。スマートバンドの充電には専用のケーブルやアダプターを使うことが多いのですが、クレードルであれば持ち運びや収納の際にもかさばりません。
一般的なUSB-Aコネクタなので、パソコンのUSBポートやUSB-ACアダプターに挿すことで充電することができます。
ところで、こうしたスマートデバイスを充電する際に困ったことがあります。それは、最近の充電器は、スマートフォンの急速充電や、ノートPCのUSB充電の需要が高まっているためUSB-Cかつ大出力のものが多いということ。
今回のスマートバンドのように小容量バッテリーの製品には、5Wもあれば十分。これまではiPhone用の小型ACアダプターが流用できたりしましたが、最近はACアダプターが付属しなくなりました。
市場に出回っている充電器で、小型・低出力のものは数が少なくなっているようです。スマートデバイス向けにまた需要が盛り返すのではないかと考えていますが、2021年4月現在は下記のような製品しか残っていません。
さて、レビューに戻りましょう。電源に接続したことでBand 4eが起動しました。ここから先は設定になります。Huawei Healthアプリの出番です。
Huawei Healthアプリですべて完結する
HUAWEI Band 4eを見ていただいた通り、タッチセンサー以外にボタン等はありません。ほとんどの設定はアプリ上から行う必要があります。
HUAWEI Band 4eの設定は「Huawei Health」アプリから行います。(AppStore / Google Play)
Huawei Healthアプリの使用にあたって、HUAWEI IDの取得が必要です。SMSを使った認証が入りますので、Wi-Fi運用している方はご注意ください。
アカウントログインが終わると、デバイスとしてHUAWEI Band 4eの追加を行います。
先ほどACアダプターに挿して通電したことで、HUAWEI Band 4eの画面が点灯し、ペアリングが可能な状態になっています。
HUAWEI Band 4e上でペアリングを承認すれば完了です。
アプリを開けばBluetoothの接続状況やバッテリーの残量が一目でわかります。
さらにタップすると、デバイスの詳細を見ることができます。
HUAWEI Band 4eの画面は、タッチ操作に対応した0.5インチのPMOLEDです。白のみの単色表示で、カラー表示ではありません。シンプルでいいですね。
日光下でも見やすく、タッチ操作のレスポンスも機敏です。
なお、PMOLEDは、パッシブマトリックス駆動有機ELディスプレイ(passive-matrix organic light-emitting diode)のこと。スマートウォッチで用いられる有機ELといえばこれです。(スマートフォンで用いられるAMOLEDとは性質が異なります)
フットモードに切り替えて、自動で計測する
ここまではよくあるスマートバンドとあまり変わりがありません。HUAWEI Band 4eの本領発揮はここからです。
HUAWEI Band 4eは装着モードが2つあり、デュアル装着モードと呼ばれています。通常は手首につけるモードですが、これとは別に「フットモード」があります。
フットモードの利用には、同梱されている靴用バックルを使用します。
靴用バックルの両側のボタンをつまむと開くので、ここからHUAWEI Band 4eを入れます。
この靴用バックルには靴紐を挟むためのスペースがあるので、これを使って計測時に使うスニーカーなどに挟みます。
靴用バックルとHUAWEI Band 4eの金属端子を合わせることで、フットモードを認識します。
最初だけフットモードの表示が出ますが、その後は消灯したままです。
あとは、走ったり歩いたりするだけ。雨が降ったときの防水性能が気になるかもしれませんが、HUAWEI Band 4eは5ATM(5気圧防水)です。靴のまま海に沈んだりするのでなければ大丈夫でしょう。
(以前、iPodとスニーカーを連携させる「Nike + iPod Sports Kit」という製品が存在していましたが、それを彷彿とさせます)
計測した内容は、Huawei Healthアプリから確認できます。靴を履いて動いたときだけ計測されるので、外出して活動した時間だけがデータに残ります。
次の画面は、4月のとある1日を記録したもの。朝は犬の散歩・会社への出勤、昼はランチ、夜は帰宅時、といった具合に分かりやすく可視化されます。
画面上部の表示を切り替えれば、1週間の活動の記録が見られます。なお、中〜高強度の運動は「サイクリング、早歩き(100歩/分以上)、トレーニングビデオに従った運動」とされています。歩数計と違って、リアルな運動量といえます。
ふだんからApple Watchなどのスマートウォッチを使っていても、運動の状況だけを抜き出して確認できるので、非常に便利なスマートバンドと言えます。
なお、HUAWEI WATCH GT 2シリーズとの連携について書かれていますが、記録を残すだけであれば、HUAWEI Band 4eとiPhoneだけで運用することが可能です。
HUAWEI Band 4eのバッテリーはほとんど減らない……
ちなみに、スマートバンドといえば、バッテリーの持ちがいいことで知られます。HUAWEI Band 4eも例外でなく、あまりに電池が減らず、貸出期間内にバッテリーをゼロにすることができませんでした。
製品公式サイトでは、HUAWEI Band 4eは約2週間のバッテリー持ちとされています。フットモードでは外出時のみの数値になるので、今回のレビューでは、1日あたりのバッテリー消費量は5%以下でした。単純計算でも3週間弱保つことになります。
ちなみに、以前レビューしたHUAWEI Watch GT 2eはフル機能でフルカラーのスマートウォッチだったにも関わらず、2週間も充電不要という驚異的な電池持ちでした。
https://www.makkyon.com/2020/06/11/huawei-watch-gt/
Apple Watchなんて1日1回の充電必須なのに、どうなってるの……。
まとめ
スマートバンドのコアを取り外すことで、それ自体が専用のセンサーとなり、新たな使い方ができるようになりました。今後、こういった形で別のアダプターやホルダーが開発されれば、スマートバンドという名称ではなくスマートコアとして、さまざまなシチュエーションで活用が進みそうです。
ちなみに、会社出勤時には革靴にも付けていました。黒なので目立たないし、お客さんに対面で会う機会もないので、何の問題もありませんね。
この高性能なスマートバンドが3,000円を切っているというのが驚異的ではないですか?
……と思って、貸出品を返却した後に、改めて購入してしまいました。
2台目のスマートバンド(スマートウォッチ)としてもHUAWEI Band 4eはオススメです!