Anker史上最高峰のシリーズ、発表
7月31日、Anker JapanのXアカウント(旧Twitter)で「Anker史上最高峰の新シリーズ」が告知されました。
これは一体なんなのか、新製品発表の場にお邪魔することができたので、タッチアンドトライでの感想も含め、レポートしていきます。
これまでに、4000万台を超える充電関連製品を販売したAnker
Ankerといえば、世界ナンバーワンのモバイル充電ブランドです。(出典:ユーロモニターインターナショナル)。日本でも言うに及ばず、Anker=モバイルバッテリー・USB充電器のイメージは強いのではないでしょうか。
そんなAnkerがこれまでに日本国内で販売した充電関連製品の累計台数は、なんと4,000万台超。(2023年7月末時点、Anker調べ)
単純計算で、日本国民の3人に1人がAnker製のモバイルバッテリーなりUSB充電器を持っている計算になるわけです。まさに業界の雄たるAnkerが満を辞して、同社の史上最高峰の新シリーズを発表するわけですから、期待するなというのが無理な話です。
史上最高峰の充電器シリーズ「Anker Prime」
今回発表されたのは、Anker史上最高峰の充電器シリーズ「Anker Prime」です。
Anker Primeを構成する要素の一つとして重要なのが、2022年に発表されたAnkerの独自技術「GaNPrime™」です。
会場には、2018年のGaN(窒化ガリウム)関連製品から、今回発表されたAnker Primeシリーズまで歴代の製品が展示されていました。
GaNPrime™の特徴は、「超高出力&小型化」「充電の効率化」「安全性の追求」です。
100Wを超える高出力回路をコンパクトな形状に収め、Anker独自技術の「PowerIQ 4.0」で必要な電力を効率的に流します。高い安全性という観点では、バッテリーの劣化を防ぎ、発熱を抑制する常時温度管理システムの「ActiveShield 2.0」で高い安全性を担保します。
そして、Anker Primeを構成するもう一つの重要な要素は「USB PD 3.1」です。これまでUSB PD 3.0では最大100W出力だったものが、3.1では最大240Wにまで対応します。
こういったGaNPrime™とUSB PD 3.1で構成されるのがAnker Primeです。今回発表されたAnker Primeの新製品は、従来の100Wを大きく超える超高出力の電源&バッテリーになっています。USB PD 3.0ではカバーしきれなかった、新たな領域に突入します。
今回発表されたAnker Prime 8製品
会場には、今回発表されたAnker Primeの新製品として8種類の製品が展示されていました。モバイルバッテリーが3機種、モバイルバッテリー専用の充電スタンド1機種、USB急速充電器3機種、電源タップが1機種です。
Anker Prime製品はこれまでにない超高出力が目玉ではあるものの、もう一つ注目したいのが「内蔵ディスプレイ」です。8製品中、4製品に搭載されているのがディスプレイを搭載し、出力状況を確認できるディスプレイです。
内蔵ディスプレイ自体は、すでにAnker Power Bank (10000mAh, 30W)に搭載されていましたが、今回のAnker Primeではさらにインテリジェントな表示が可能になっています。
まずは、Anker Primeのモバイルバッテリー3機種から見ていきましょう。3機種とも、内蔵ディスプレイのほか、ケーブルレス充電に対応します。なお、これまでのAnker製品にあった、3ケタの製品番号は採用されていません。
Anker Prime Power Bank (12000mAh, 130W)
USB-Cが2ポート搭載されています。2ポート合計で最大130Wに対応するため、MacBook AirやProなど2台同時に充電することができます。65Wの入力にも対応するため、モバイルバッテリー自体も急速充電が可能です。容量は12000mAhなので、iPhone 14なら約2回、iPad Proなら約1回分です。350mlのペットボトルとほぼ同等のサイズで、カバンにも収納しやすい形状です。重量は約360g。
予約開始は8月2日(水)、一般販売は8月28日(月)に開始されます。価格は12,990円(税込)。
タッチアンドトライで触ってみた
実際に触ってみることができました。350mlペットボトルと同等のサイズということで、片手で持ってもしっくりきます。
この後に紹介する2機種は容量が増えるため、大きく重くなります。高出力でかつ小型軽量を選ぶならこれですね。
Anker Prime Power Bank (20000mAh, 200W)
USB-Cが2ポート、USB-Aが1ポートあります。2つのUSB-Cポートはそれぞれ100W出力可能なため、MacBook Proであっても同時に充電できるという超高出力モデルです。USB-Aポートも含め、最大出力は200Wになります。100Wの入力に対応し、モバイルバッテリー自体も急速充電が可能です。重量は約540g。
一般販売は8月2日(水)に開始されます。価格は19,990円(税込)。
タッチアンドトライで触ってみた
会場で触れたのはモックアップだったので、実際の重量感は分かりません。下位モデルの12000mAhが2枚重なったような厚みがあります。
カバンの中でもそれなりに重量感が出そうですが、20000mAhという大容量は魅力です。
Anker Prime Power Bank (27,650mAh, 250W)
最上位となる27650mAhモデルは、他の2機種と異なる点があります。それはモバイルバッテリーとして初めてAnkerアプリに対応し、Bluetoothによる「(バッテリーを)探す」機能を実現していることです。この「探す」機能はアプリ独自のものなので、iPhoneでもAndroidでも使えます。27650mAhという容量は、MacBook Proを約1.5回、iPhone 14を約5回以上充電可能です。重量は約650g。「探す」機能は、ファームウェアアップデートにより他の機種での採用も示唆されましたが、現状では不明です。
一般販売は2023年秋ごろに開始されます。価格は24,990円(税込)。
タッチアンドトライで触ってみた
高さと厚みがあり、それなりに重量感がありました。ぎっちり詰まってる感じがあります。
シンプルにでかい!という印象でしたが、用途を考えればコンパクトとも言えます。
100W Charging Base for Anker Prime Power Bank
今回、会場にいた皆さんが最も興味を惹かれていたのがこの、モバイルバッテリー専用の充電スタンドです。ケーブルは不要で、モバイルバッテリーとは専用のポゴピン端子を介して充電を行います。
モバイルバッテリーへの給電だけでなく、この充電スタンド自体にもUSB-Cが2ポート、USB-Aが1ポートあり、それぞれ給電が可能です。USB-Cは最大100Wまで出力可能ですが、充電スタンド全体での出力は合計170Wまでとなっています。
一般販売は2023年9月上旬に開始される予定です。価格は6,990円(税込)。
タッチアンドトライで触ってみた
今回、最も注目を浴びていたのはこの充電スタンドで、来場者も変わるがわるこのスタンドを触って見ていました。見た目にはちょっとしたUSBマルチハブのようですが、その本質は充電器です。
Anker Prime Power Bankの底面には専用の端子があり、マグネットで吸着しました。持ち上げただけでは離れないくらいの吸着力があります。
Anker Prime Wall Charger (67W, 3ports, GaN)
こちらはUSB-Cが2ポート、USB-Aが1ポートある急速充電器です。USB-C 1ポートだけで使うなら、最大67Wの出力が可能です。2ポート同時だと合計65Wです。コンパクトさもさることながら、約144gという軽さも魅力です。
8月2日(水)に一般販売が開始されます。価格は8,490円(税込)
タッチアンドトライで触ってみた
壁に挿してあったので、あくまで触るだけ。プラグは折りたたみ式で、1つ持っておくと何かと便利そうな印象を受けました。
コンパクトで普通にいいなと思いました。
Anker Prime Wall Charger (100W, 3ports, GaN)
こちらは、最大出力が100Wになります。1ポートで100W使うもよし、各ポートを合算して100Wで使うのもよし。67Wモデルよりも出力値に余裕があるので、MacBook Proを使っている人ならこちらを選んだ方が良さそうです。
8月2日(水)に一般販売が開始されます。価格は9,990円。
タッチアンドトライで触ってみた
このコンパクトさで最大100W対応しているのはすごいですね。67Wモデルよりも少し長さがあります。
モバイルバッテリーと一緒に買っておきたい。これがあれば、当面は何も要らなそう。
Anker Prime Desktop Charger (240W, 4ports, GaN)
デスクトップに据え置きするための充電器で、スタンドは取り外すことができます。USB-Cは3ポートあり、上から1ポート目は最大140W、2ポート・3ポート目は最大100Wという違いがあります。すべてのポートを合計した場合の最大出力は240Wで、モンスター級の充電器です。
2023年秋ごろの一般販売を予定しています。価格は19,990円(税込)。
タッチアンドトライで触ってみた
USB-Cハブのような見た目ですが、純粋な充電器です。このサイズ感で140Wとか100Wが出るような時代になったんですね。
小さめの会議室に置いてもいいし、コンパクトなので個人のデスクに置いても邪魔にならなそうです。
Anker Prime Charging Station (6-in-1, 140W)
最後は電源タップです。USB-CとUSB-Aが各2ポートずつあり、USB-Cを1ポートで使えば最大140W出せます。各ポートを組み合わせた場合の最大出力はもちろん140Wです。2口のコンセントもあり、定格電力は1000Wです。こちらも、内蔵ディスプレイがあり、各ポートの出力状況をリアルタイムで確認可能です。
8月2日(水)から一般販売が開始され、価格は14,990円(税込)です。
タッチアンドトライで触ってみた
約14mmの薄さしかなく、iPhone 14 Proと同様のコンパクトサイズと言われています。確かに、手に持って見た感触はスマホのサイズ感に近く、扱いやすい印象でした。
家族や友人たちと旅行に行くときに、これが1つあると何かと役立ちそうだと思いました。
Ankerの最高峰「Anker Prime」の印象
私が思うに、モバイルバッテリーはある程度進化し切っていて、これ以上は小型化や大容量化でしか差別化できないのではないかと感じていました。
しかし、Anker Primeでは、超高出力でありながらインテリジェントな働きをする複数ポートモデルを出し、内蔵ディスプレイでリアルタイムなモニタリングを可能にし、ケーブルレスで急速充電を可能にし、新たなモバイルバッテリーの使い方を提示してきました。モバイル充電を率いてきた業界の雄が、新たな時代が幕を開けた、そんな印象を受けた発表会でした。まだまだ面白くなりそう。