日本でも着実にロボット掃除機は広まりつつあります。2021年に1,500人にアンケート調査した際には、23%の方が「所有している」と回答しており、着実に浸透してきていることを感じました。
わが家でも、ロボット掃除機を何台か使ってきましたが、使い始めるとやめられない便利さです。価格もこなれてきているので、人に薦めやすくなってきました。とはいえ、これからロボット掃除機を買おうと考えている方に気をつけてほしいことが1つあります。
それは「設置場所」です。
最近のロボット掃除機は、ゴミを集めて溜めておける「集塵ステーション(充電ステーション)」がセットになったものが増えています。この集塵ステーションは壁から離して設置しなければならないので、少なくとも1m四方のスペースは必要です。その程度のスペースはあるのでは?と思われるかもしれませんが、例えば首都圏の新築マンションの占有面積は平均で65.9平米という調査があります。
購入した新築マンションの専有面積は、平均で65.9平米。前年の66.0平米とほぼ横ばいではあったが、2001年の調査開始以来最も小さいという結果になった。
2022年の新築マンション平均購入価格、首都圏・関西ともに2001年以来の過去最高金額に!一方、平均面積は過去最低 | スーモジャーナル – 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト
そんな狭い日本の住宅事情に合ったロボット掃除機が、今回紹介する「SwitchBot ロボット掃除機K10+」です。
SwitchBot ロボット掃除機K10+をレビュー
今回紹介する、SwitchBot ロボット掃除機K10+は、世界最小級を謳う超コンパクトサイズのロボット掃除機です。このビジュアルを見てもらえれば、一目でその小ささが分かってもらえるのではないでしょうか。
SwitchBot ロボット掃除機K10+は、Makuakeによるクラウドファンディングで先行販売が行われ、現在は一般販売中です。
本体が超小型なら、パッケージも超小型!
これまで数台のロボット掃除機をレビューしてきましたが、ほぼ全ての製品に共通して最初に感じるの感想は「箱がデカいな……」です。集塵ステーション付きだと仕方ないところもあるのですが……、収納するのに困ってしまう大きさでもあります。
こちらがSwitchBot ロボット掃除機K10+のパッケージです。本体が超小型ということもあり、箱もかなり小型になっていました。
比較用に、他社の製品としてROIDMI EVAの箱と並べてみました。機能的に大きく違いますが、ROIDMI EVAのパッケージは巨大です。集塵ステーション付きのロボット掃除機はだいたいこれくらい大きいイメージでしたが、SwitchBot ロボット掃除機K10+はワクワクしてしまうレベルの小ささです。
参考までにROIDMI EVAの箱は3辺合計が145cmあり、宅急便では160サイズです。一方、SwitchBot ロボット掃除機K10+は3辺合計が108cmなので、宅急便では120サイズです。全然違いました。
付属品はたっぷり、消耗品も充実
SwitchBot ロボット掃除機K10+の箱を開けています。パッケージを開封すると、取扱説明書が固定されています。まずは最初に読もう。
そして出てくる、SwitchBot ロボット掃除機K10+。いきなり小さい!
ロボット掃除機K10+本体、ゴミ収集ステーション、ブラシ、取扱説明書、クイックスタートガイドが入っていました。
さらに、消耗品・サプライ品は、ゴミ収集ステーションの中に入っていました(写真左)。パック×2、シート、フィルタなどが入っていました(写真右)。
フィルタは掃除機に取り付けるものですが、すでに本体内に入っているので、こちらは予備です。
ロボット掃除機K10+は、幅24.8cmの超小型サイズ!
SwitchBot ロボット掃除機K10+は片手で持ち上がるコンパクトサイズ、軽量です。持ち運びも苦にならない軽さなので、1階と2階を掃除したい場合でも持ち歩けます。
iPhone 14 Pro Maxを上から重ねてみます。小さいのも当たり前で、幅は24.8cmしかありません。A4用紙やB5用紙の長辺よりも小さいです(B5用紙は18.2cm×25.7cm)。
一般的にロボット掃除機といえばROIDMI EVA程度(写真左)くらいの大きさが一般的ですが、K10+は圧倒的に小さい。
SwitchBot公式からも比較画像が出ています。K10+の前に発売されていたS1 Plusとの比較です。
次は、ゴミ収集ステーションを見てみましょう。
コンパクトなゴミ収集ステーション
ゴミ収集ステーションは本体に合わせてコンパクトで、さらに背面にはケーブル収納もあり、狭い場所でもコードを絡ませずに設置することができます。
ダストパックが2枚入っているので、1枚はゴミ収集ステーションに取り付けましょう。
差し込むだけでOKです。捨てるときには、ダストバッグの穴に指を引っかけて引き出すだけ。引き出す際に口が閉じられるので、ゴミが外に飛び出すことがありません。
ダストバッグには4Lもの容量があり、SwitchBot公式では70日間ゴミ捨て不要を謳っています。
それでは、いよいよK10+を使ってみましょう。
ロボット掃除機K10+の初回準備をする
さっそく使ってみましょう。まずは、ロボット掃除機K10+をひっくり返して、サイドブラシを取り付けます。
ロボット掃除機K10+の天面のフタを外します。マグネットで吸着しているので、指を引っかけて外します。
ダストボックスにはここからアクセスできます。が、集塵ステーションでゴミを集めてくれるので、詰まったときやフィルタの交換時以外は触れる機会は少ないでしょう。
電源スイッチを入れて、電源をONにします。
表面にあるボタンは、ホームボタンと電源ボタンのみ。充電するとき・ステーションに帰るときはホームボタン、掃除を始めるとき・止めるときは電源ボタンと分かりやすいので、迷うことは少ないでしょう。
ゴミ収集ステーションにセットして、充電を始めます。
ロボット掃除機K10+本体とゴミ収集ステーションの準備はこれで完了です。次は、SwitchBotアプリを使って進めていきます。
SwitchBotデバイスはアプリ1つで完結する
他のSwitchBotデバイスを使っている場合は、同じアプリ内で使えます。今回初めてSwitchBot製品を使う場合は、アプリ( iOS用 / Android用 )をダウンロードしておいてください。デバイスの追加から進めます。ロボット掃除機K10+が近くにある場合は、Bluetoothデバイスとして表示されているはずです。
最初に必要なのはWi-Fiの設定です。なお、5GHzには非対応です。
使用ガイドが表示されます。ガイドにあるように、ロボット掃除機K10+の進路にある物はできるだけ片付けておきましょう。
初回の掃除は、マップ作成から始まる
ロボット掃除機の初回のお仕事は、マップ作りです。掃除するフロアの間取りや広さを把握して、エリア分けをして、効率的に掃除を行います。K10+も最初はマッピングから始まります。
マップ&清掃を押すと、K10+がゴミ収集ステーションからリフトオフして動き出します(画像左)。K10+の頭にあるセンサーを使って、だいたいの間取りを作っていきます(画像右)。
K10+が動ける範囲を全て動いて、マッピングしていきます。人間にできることは何もないので、アプリの画面を見ながらマップが完成するのを待ちましょう。
マップが完成すると、清掃を開始します(画像左)。清掃は隅々まで行われ、K10+が移動した軌跡が全て表示されます。余すところなく清掃している様子が分かります。
清掃が終わると、自動でゴミ収集ステーションに戻って、充電とゴミ収集を行なってくれます。
Apple Watchに通知が来るので、終わったことが分かります。
ふだん使っているロボット掃除機はお休みしてもらって、しばらく使ってみることにしました。
実際に、Switchbot ロボット掃除機K10+を2週間使ってみた
換毛期のコーギーの毛をどのくらい収集できるのか
わが家の愛犬・コーギー。毎日可愛らしさを振りまいていますが、年に2回困った時期が発生します。それは「換毛期」。いわゆる毛の生え替わり時期です。このレビューをしている時期はちょうど夏→秋に変わる頃。室内のあらゆる場所に毛が散っています。
K10+の吸引力は最大で2500Paと、ロボット掃除機としては十分な性能があります。K10+で掃除したあとは、ほとんど毛はなくなっており、満足いく吸引力を発揮してくれているようです。
小ささが有利に!小回りが効くのでテーブルの下もスイスイ
リビングにあるテーブルには4脚の椅子があります。この間をぬって掃除するのは大変です。これまでのロボット掃除機では、椅子の脚に引っかかってしまうため、椅子だけテーブルに上げて掃除していました(学校での教室の掃除を思い出します)。
しかし、K10+はそんな狭い場所にも果敢にアタックしていきます。そのコンパクトなボディを最大限に活かして、スイスイと掃除していくのです。小さいだけのことはある……すごい。
SwitchBot公式の画像にもあるように、テーブルの下でもしっかり掃除してくれます。大きなロボット掃除機ではこうはいきません。
ダイニングテーブルの下もスイスイだし、ワーキングチェアの足回りに入りこめる小ささ。ここはロボット掃除機が入れない場所でしたが、ここも掃除できるのはすごい。
ロボット掃除機で掃除できなかった場所に、あとで掃除機をかけるのは二度手間ですからね……。K10+はその点、しっかり仕事してくれます。
K10+のモップ掛けはどう?
K10+にはモップ掛けによる床拭き機能があります。水タンクを使う方式ではなく、お掃除シートをセットする方式です(写真左)。お掃除シートはよくあるクイックルワイパーのようなものです。
このお掃除シートをセットして拭き掃除を行います。ただ、気をつけて欲しいのは、お掃除シートを使った床拭きは排他利用のため、床拭きの間は、ゴミ収集はできません。この点は少し面倒です。
部屋中をモップで拭いてくれるので、細かいゴミやコーギーの毛が付着していました。お掃除シートを使うメリットは、使い捨てできることです。終わったらポイすればいいのです。
お掃除シートは市販品が使える?
このお掃除シートは、SwitchBot公式でもサプライ品として販売していますが、クイックルワイパーのような市販品を使うことができます。SwitchBot公式でも推奨しているので、活用してみてください。
動作音もゴミの収集音もとても静か!
ロボット掃除機で問題になるのが動作音です。初期のロボット掃除機はうるさいものが多かったですが、最近のロボット掃除機は静音をアピールする製品が多くなってきました。
K10+ははどうでしょうか?まずは、動作前の室内の騒音レベルを測ってみます。このときは40dBA台前半の値を示していました。
掃除機なのでそれなりに動作音はしますが、近づいて測ってみると50dBA台後半というところ。「動き回ってるな〜」と感じるくらいで、ソファに座ってスマホを触っていると、気になるような音ではありません。
動作時の音はさほど気になりませんが、ロボット掃除機における最大の騒音問題は、清掃終了後のゴミ収集ステーションでの集塵音です。製品によっては、ロボット掃除機のゴミを吸い上げる音はジェット機のエンジンのようにけたたましかったりします。
K10+の集塵音もゴオッと音を立てます。数値は80dBA前後といったところ。ただ、それなりの音量ではあるものの、耳に障る甲高い音ではなく、低音で大きい音だし、時間にして10数秒なので、日中帯ならそこまで気にしなくていいでしょう。
夜にロボット掃除機をかけるのはマナー違反?ナイトモードも活用!
掃除機の音はそれなりに大きいので、マンション・アパートなどの集合住宅に住んでいると、深夜に掃除するのはマナー違反です。階下に住人がいるような場合は、掃除機をかけることも憚られます。
ロボット掃除機の場合は、動作時の音はそれほど気にならないものの、清掃終了後の集塵音が問題です。しかし、K10+には「おやすみ期間」の設定があり、もし夜のうちに掃除したとしても、この時間帯には最後の集塵を行わず、朝になったら集塵できるのです。
掃除は日中帯に行うのが望ましいですが、そうもいかない場合もあると思うので、ぜひこのおやすみ期間を活用してみてください。
消耗品はすぐ手に入る?
ロボット掃除機は買って終わりではありません。ゴミ収集ステーションのゴミパックを捨てたり、ブラシが汚れたり、お掃除シートを交換したり、さまざまな消耗品が必要になります。
無名メーカーの格安のロボット掃除機を買って後悔するのはこの点です。消耗品が売ってなかったり、粗悪な互換品を買ってしまう羽目になります。Switchbotは昔から製品を多数販売している実績もあり、さまざまなストアで各種アクセサリ販売されています。
特に、SwitchBot ロボット掃除機K10+ 専用一年分アクセサリー 消耗品セットとしてまとめて販売されているのはお得です。中でも、お掃除シートは1パック30枚入りが8個パックになっていて、これだけでも8000円近くするのでお得です。
Amazon.co.jpとSwitchbot公式ストアでは、この1年分アクセサリーセットがセットで販売されています。使っていくうちに必要になってくるので、一緒に買っておくのがオススメです。
ロボット掃除機「K10+」と「S1/S1 Plus」の違いは?
Switchbotのロボット掃除機を検討すると、今回の「K10+」のほかに「S1/S1 Plus」という製品もあります。ゴミ収集ステーションの有無を考慮すると、K10+と比較するならS1 Plusということになります。何が違うのか、簡単に表にしてみました。
K10+ | S1 Plus | |
---|---|---|
①本体の最大幅 | 248mm | 340mm |
②水拭きモップ | 使い捨てお掃除シート | 専用モップ+水タンク300ml |
③ダストバッグの容量 | 150ml | 350ml |
④最長稼働時間・面積 | 120分間 (2~3LDK/120㎡) | 250分間 (3~5LDK/250㎡) |
⑤最大吸引力 | 2500Pa | 2700Pa |
⑥運転音(最小) | 45dB | 59dB |
K10+の小さい利点を活かすのか、S1 Plusの水拭きを活かすのか、が選ぶポイントになりそうです。
給水も排水も、加湿も!?SwitchBot ロボット掃除機 S10登場!?
SwitchBotのサイトを見ていると、新たなロボット掃除機の登場が予告されていました。その名は「S10」。クラウドファンディングサイトKickstarterからスタートするようです。
その最大の特徴は、給水機能です。水拭き機能のついたロボット掃除機は、水タンクに手動で溜める必要がありましたが、なんと水道管に直結することで、給水・排水すら自動化してしまうようです。さらに、加湿器への自動給水までしてしまうとか……これは完成したらすごいことになりそう……。日本で登場するとしたら2024年でしょうか、楽しみに待ちましょう。
Switchbot ロボット掃除機K10+のまとめ
K10+をしばらく使ってみましたが、コンパクトであることを筆頭に、全体的に満足度が高い製品です。しかも、ゴミ収集ステーション付きで5万円台で買えてしまうというリーズナブルさ。話題になっていただけあって、所有欲をそそる家電です。日本の狭い住宅事情に合ったコンパクトすぎる本製品、家が狭くて置けないという方にこそオススメのロボット掃除機です!
- B5用紙よりも小さな、世界最小級のロボット掃除機
- 小ささを活かして、テーブルの下もスイスイ掃除できる
- SwitchBotアプリの中で完結する
- 70日間ゴミ捨て不要な4Lの大容量ダストバッグ
- モップの床拭きには市販のシートが流用できる
- 2700Paの十分な吸引力
- 床拭きとゴミ収集は同時にできないので、トータルの時間はかかる
- モップの拭き加減はもう一歩