Apple AirPodsの兄弟分となるイヤホンが登場!Beats by Dreから、完全ワイヤレスイヤホンが発売されるということで、楽しみにしていました。AirPodsと同じApple H1チップを搭載しており、AirPodsの使い勝手の良さを引き継ぎながら、高音質を提供してくれるのではないかと期待して……
Beats by Dre Powerbeats Proがついに登場
米国での発売から遅れること1ヶ月強、このまま日本では発売されないんじゃないかと思うほど待ち……7月に入って、ようやく発売が開始されました。
ブラックカラーのみ先行発売されていましたが、全色の発売が開始されました。
Beats by Dre Powerbeats Pro レビュー
立方体に近い、シンプルな黒いパッケージ。製品写真と製品名のみ。力強い。
ほぼ同時期に発売されたことで何かと比較されそうなSONY WF-1000XM3(写真左)のパッケージと比較。Powerbeats Proの方が小さいです。
Powerbeats ProはMFi認証のマーク以外にもAndroidマークも。AirPods同様に、Apple製品限定というわけではありません。
背面には、Powerbeats Proの特徴が列記されています。Powerbeats Proイヤホンだけで9時間使える上、充電ケースをあわせると最大24時間使えます。また、防水仕様のイヤホンでもあります。
内箱は蓋身式。蓋を開けると、ケースが鎮座しています。座布団かな?
ケースを取り出すと、底には充電用のLightningケーブルとイヤーピースが付属しています。Apple純正の黒いLightningケーブルは珍しいですね。
この黒いLightningケーブルは、Apple Magic Keyboardのスペースグレイカラーにも付属しています。
Powerbeats Pro本体以外には、充電ケース、イヤーチップが4種類、Lightningケーブル、クイックスタートガイドが入っています。
それでは、Powerbeats Proを詳しく見ていきましょう。
Powerbeats Proの充電ケースは落としそう……
Powerbeats Proの充電ケースは、黒く四角いケースですが、角という角が徹底的に落とされていて、清流に磨かれた石のようなフォルムで、石鹸のような滑らかさがあります。……そして、その滑らかさゆえ、落としそうで冷や冷やします。
iPhone XS Maxと比べると、このようなサイズ感です。表面積は大きくないのですが、厚みがあり、かさばる印象はあります。
再びSONY WF-1000XM3(写真左)と比較してみましょう。どちらも丸い形状をしていますが、厚みも大きさもPowerbeats Proの方が上です。
そんなPowerbeats Proの重さはイヤホンを収納した状態で129.7g。重量級であるBOSE SoundSport Free Wirelessよりもさらに重いですね。
SONY WF-1000XM3は91.4g。Powerbeats Proの70%程度です。
とはいえ、Powerbeats Proは大きい分、重さは分散されます。容積比で考えれば、さほど重くは感じません。
充電はLightningケーブルでOK
充電は、Micro USBでもUSB Type-Cでもなく、Lightningポートです。
もちろん、iPhoneに付属のLightningケーブルも使えます。iPhoneを使っている人なら、充電ケーブルが1本で済みます。
ペアリングはAirPodsと同様の簡単操作
さて、AirPodsと同じApple H1チップを使っているということで、iPhoneとのペアリングは、AirPodsと同様にほとんど手間はありません。
iPhoneの近くにPowerbeats Proを置いて、開くだけ。
iPhone側で「接続」ダイアログが表示されるので、ボタンを押すだけ。
終わりです。
AirPods同様に、イヤホンと充電ケースのバッテリー残量が表示されます。あとは、ケースから取り出せばiPhoneと接続され、音楽の再生が可能になります。
再ペアリング用のボタンはケース内部にあります。
Androidスマホとペアリングする際には、このボタンを使うことになります。
充電ケース併用で最大24時間以上の稼働時間
充電ケースの下側に充電ステータスを示すLEDがあり、ここで充電状況が分かります。充電LEDが目立つSONY WF-1000XM3とは対照的です。
Powerbeats Proイヤホンだけでも9時間、充電ケースをあわせると最大24時間とのことなので、1日4時間近く使っても、1週間に1回程度の充電で済みます。
イヤーフック式の完全ワイヤレスイヤホンはどう?
Powerbeats Proの特徴といえば、イヤーフック型の完全ワイヤレスイヤホンであるということ。「b」ロゴがボタンになっており、ここで再生・停止をコントロールできます。
耳まわりに合わせてアーチを描いています。このイヤーフックは、手で曲げることができるので、耳の形に合わせて微調整することができます。
左右のイヤホンを合わせた重量は、イヤーフック込みのイヤホンとしては、21.2gとまあまあ軽量。
SONY WF-1000XM3はさらに軽かったりしますが、充電ケースほどの差はありません。
イヤホンの上部にはボタンがあり、音量の増減を操作可能です。
このボタンは両側に付いているので、どちらを触ってもコントロール可能です。
また、イヤホンの内側には、近接センサーが備えられており、イヤホンの付け外しでON/OFFが可能になっています。この使い勝手はAirPods同様です。
耳にかけてみました。形状的に横向きになりそうですが、実際には斜めになります。「b」ロゴが真っ直ぐになる向きですね。
横への出っ張りは最小限なので、悪目立ちすることはありません。
メガネをかけた状態でイヤーフックを使うと、干渉して使いづらそうに見えるかもしれませんが、締め付けるような強さはないので、メガネとイヤーフックはうまく同居してくれています。
COMPLYで遮音性能アップ
他のイヤホン同様、付属のイヤーチップは交換可能なので、他社製のイヤーチップを使用することもできます。
使用するのはもちろん、完全ワイヤレスイヤホン用の低反発イヤーチップ COMPLY TrueGrip TG-200です。SONY WF-1000XM3でも使えましたが、Powerbeats Proでも使うことができます。
写真では分かりづらいかもしれませんが、充電ケースにも問題なく収まります。
COMPLY TrueGrip TG-200はかなり人気商品になっているようなので、欲しい方は在庫ありのときが買い時です。
ただ、イヤーフックをかける動作と、COMPLYをつぶして耳に入れる動作を一緒にやるのは、なかなか煩雑なので、手軽さの質はちょっと落ちちゃいます。
SpinFit CP360なら付け心地抜群!
医療グレードのシリコンを使用した完全ワイヤレスイヤホン用のイヤーピースSpinFit CP360を装着してみました。充電ケースへも問題なく収納できます。
AZLA SednaEarfit Shortで装着性能アップ!
完全ワイヤレスイヤホン用イヤーピース AZLA SednaEarfit Shortに装着してみました。
Dekoni Audio BULLETZ TWSで手軽に遮音性能アップ
低反発ポリウレタンを採用したDekoni Audio BULLETZ TWSも装着できました。充電ケースへの収納も問題なしです。
PowerBeats Proの使い勝手はどうか?
音質も含め、良い点と悪い点に分けてみます。
Powerbeats Proの良い点
iPhoneの音声アシスタントSiriが、ハンズフリーで使えるのが地味に便利です。これは第2世代のAirPodsで可能になっている操作ですね。何も触れずに「Hey, Siri」ができるのは良い点です。
イヤーフックで完璧に固定される点もすごく良いです。走ったり、ストレッチしたりしても全く落ちる気配はありません。
音質も非常に素晴らしいです。SONY WF-1000XM3ほどの驚きはありませんが、AirPodsの素晴らしい高音域の解像感を、中音域・低音域にもしっかり引き継いでおり、全音域でクリアで解像感の高い音を聴かせてくれます。音楽の楽しさを十分に味あわせてくれる完全ワイヤレスイヤホンです。
なお、WF-1000XM3と比べるとコンパニオンアプリがないので、細かい調整はiPhone側のイコライザーなどで行う必要がありますが、特に設定なしでいい音が出るので、コンパニオンアプリの有無は気になりません。
Powerbeats Proの悪い点
使い始めは、イヤーフックとイヤーピースのフィット感が悪いです。イヤーピースと耳穴がうまくフィットせず、カナル型の密閉感が出せないことがありました。自分に合ったフィット感になるまでに、1〜2日は使いながら調整しました。(ただ、フィット感が合えば、前述の良い点で述べたように、すごくいい音になります!)
あとは、充電ケースが大きすぎです。また、それ以上にストレスなのが、滑りやすいこと。手が大きい男性なら、しっかりホールドしながら開けられるでしょうが、手の小さい人や握力の弱い人は、うっかり落としてしまうことがありそうです。
また、この金額感でこの大きさであれば、ワイヤレス充電に対応していてほしかったな、というのが正直なところ。第2世代AirPodsが対応しているだけに、そう思ってしまいます。
最後に、これは好き嫌いがありそうですが、充電ケースの開閉音が大きいです。良く言えば高級感のある重厚な音、悪く言えば大きく目立つ音が鳴ります。私はけっこう好きなんですが、静かなラウンジや電車の中で使うときには、慎重に開け閉めしてしまいます。
ケースの形状に似合う開閉音、という点ではAirPodsとよく似ています。AirPodsの開閉音は小気味いいですよね。
まとめ
Powerbeats Proに先がけて発売されたSONY WF-1000XM3の完成度が高すぎたため、Powerbeats Proのファーストインプレッションは芳しいものではなかったのですが、10日ばかり使ってみたところでは、WF-1000XM3よりも気に入っています。
時期的にも価格的にも、そしてメーカーの知名度的にも何かとライバル的に比較されがちなPowerbeats ProとWF-1000XM3ですが、何もしなくてもそこそこいい音が聴けてしまうPowerbeats Proと、多機能&カスタマイズも可能なWF-1000XM3は、実はうまくユーザーの棲み分けができているのではないかと感じました。
このレビューを読まれているあなたも、WF-1000XM3と迷っているように見えて、実は、答えが決まっているのではないでしょうか?