iPhone 12以降、イヤホンとACアダプタが付属しない!
2020年10月に発売されたiPhone 12シリーズ以降、iPhoneにはイヤホンとACアダプタが付属しなくなりました。しかも、現在のiPhoneにはイヤホンポートがないので、イヤホンを使おうと思ったら、次の3つの方法しかありません。
- Bluetoothワイヤレスイヤホンを使う
- 有線イヤホン+変換アダプターを使う
- Lightningポートに直接挿せるイヤホンを使う
本記事では、Lightningポートに直接挿せる「Lightningイヤホン」について解説していきます。
Lightningイヤホンのメリット・デメリット
まず、iPhoneで使うイヤホンといえば、AirPodsをはじめとした完全ワイヤレスイヤホンが主流になっています。実際に家電量販店等にいくと、数千円で買える安い製品から3万円を超える高級品まで、さまざまな製品が売り場に並んでいます。
そんな中、あえて有線イヤホン、特にLightningイヤホンを購入する意味はあるのでしょうか?メリットとデメリットを整理してみましょう。
Lightningイヤホンのメリット
Lightningイヤホンを選ぶ主なメリットは下記のようなものがあります。
- 挿せば使える簡単さ……Bluetooth製品のようなペアリングは必要なく、子供でもお年寄りでも、Lightningポートに繋げば使えます。
- トラブルが少ない……ワイヤレスにありがちな繋がらない、途切れるといったトラブルは皆無です。
- 充電不要……ワイヤレス製品のように充電する必要はありません。
- ハイレゾにも対応する高音質……ワイヤレスイヤホンに比べて、低価格製品でも高音質を実現できます。
- マイクの性能がいい……ワイヤレスイヤホンよりも高性能です。
- 音の遅れがない……ゲームでもYouTubeでも音がズレることはありません。
こうして見ると、メリットは意外と多いですね。
Lightningイヤホンのデメリット
ただし、Lightningイヤホンを選ぶことによるデメリットもあります。
- 有線なのでケーブルがわずらわしい。
- 音楽再生と同時に充電できない(ただしワイヤレス充電は可)。
- iPhone以外では使えない。
これらのメリット・デメリットも踏まえつつ、失敗しないLightningイヤホン選びをしていきましょう。
失敗しない!Lightningイヤホンの選び方
ここでは、買って後悔しないためのLightningイヤホンの選び方を紹介していきます。
絶対に「MFi」認証品を選ぶこと
MFiとは「Made for iPhone(iPad/iPod)」の略称で、Appleから認証されたLightningコネクタを使用している製品のことを指します。
逆に、安いLightningイヤホンやケーブルはこの認証を受けていないものがほとんどで、iPhoneのアップデート等で使えなくなったり、コネクタ周りが脆かったりします。安さに釣られて買わないように注意しましょう。
本記事で紹介している製品はMFi認証を受けている製品に限っています。
Lightningコネクターで直接繋ぐ?変換アダプターを繋ぐ?
iPhoneにはイヤホン端子がないので、Lightningポートに直接繋ぐイヤホンを用意する必要があります。しかし、すでに3.5mmステレオプラグ(よくあるイヤホン用の端子)のイヤホンを持っている場合は、変換アダプターを使うことも検討してください。
変換アダプターはApple純正品もありますが、各社からさまざまな製品が出ています。
中には高性能なDACを内蔵したり、独自アンプを採用して迫力のある音を鳴らすものもあります。お値段はピンキリですが、もし気に入ったイヤホンをお持ちであれば検討しましょう。
下記記事で詳しく解説しています。
選ぶならカナル型?セミオープン型?
これはLightningイヤホンに限りませんが、何を重視するかでイヤホンの形状は大きく変わります。最近のイヤホンは耳栓のように耳の中に入れる「カナル型」が主流です。
音漏れが少なくなり、低音が安定することで音質が向上しやすい反面、耳栓と同じような圧迫感は好き嫌いが分かれます。
セミオープン型は、EarPodsやワイヤレスのAirPodsのようにApple製品に多く採用されている形状です。着脱しやすく、圧迫感も少ないですが、音質はカナル型に劣ります。
ここで紹介する製品のほとんどはカナル型なので、苦手な方はApple純正のEarPodsを選ぶようにしてください。
テレワークにも使えるマイク付き&リモコン付き
テレワークでWeb会議をされる方であれば、有線イヤホンを使われている現場をよく見かけるのではないでしょうか。もともとハンズフリー通話用に備えられているマイクなので、性能はよく、わずかな遅延の発生するワイヤレスイヤホンよりも明らかに使いやすいです。
上の写真はSHUREのMMCX-Lightning交換ケーブルのマイク部分です。(現在は生産終了)
マイクのほか、音楽再生操作ができるリモコンも付属しているモデルがほとんどです。たまに、リモコンのないモデルもあるので気をつけてください。
使いながら充電できる?Lightningコネクタ内蔵
iPhoneにはLightningポートが一つしかありません。つまり、イヤホンを挿している間は充電ができないことになります。イヤホンで音楽は聴きたいけど、同時に充電したい場合、解決方法は2つです。
1つは、ワイヤレス充電器を使うこと。iPhone 8/X以降のiPhoneにはワイヤレス充電機能があり、iPhone 12以降であればMagSafeもあります。これらを使えばイヤホンを使いながら充電ができます。
上の写真は、MagSafeでiPhoneの背面に吸着するモバイルバッテリーです。
もう1つは、充電ポートを備えたイヤホンを買うことです。実は、一部のLightningイヤホンは、充電用のLightningケーブルも挿せるようになっています。
上記の写真は、イヤホンそのものではありませんが、既存のイヤホンを接続できるADV.のAccessport2というポータブルタイプのUSB DACです。
これがイヤホンになるとリモコン部分が大きくなるというデメリットもありますが、充電しながら使う機会の多い方は選択肢に入れてみてください。
ハイレゾ対応は大事?
Apple MusicやAmazon Music Unlimitedといったサブスクの音楽サービスでは、標準プランのままハイレゾ音源(Apple Musicではロスレスと呼称)が利用可能になっています。
ワイヤレスイヤホンでハイレゾ音源を楽しむには、コーデックや対応機器を揃える必要があり、オーディオファン以外には敷居が高く、コーデックに制限のあるiPhoneはさらに難しくなっています。
しかし、有線イヤホンで「ハイレゾ対応」を謳っていれば、特に設定を変えることなく、そのまま楽しむことができます。(ただし、iOS側の制限で24bit/48kHzまでの再生になります)
専用アプリも?ノイズキャンセリングを搭載した製品も!
メーカーによっては、イヤホンの機能をカスタマイズできるiOSアプリを用意しています。周囲の騒音・雑音を低減する「アクティブノイズキャンセリング」機能を備える製品もあります。Lightningポートから電力が供給されるため、別途電源を用意する必要もありません。
Lightningイヤホンは、MacやiPadで使える?
さて、Lightningイヤホンを買うメリットを説明してきましたが、最大のデメリットは「iPhoneでしか使えない」ことです。
これまでLightningコネクタを採用してきたiPadシリーズも、iPad Proを皮切りに着々とUSB-Cに切り替えているため、そのままでは共用できません。しかし、LightningコネクタをUSB-AやUSB-Cに変換するためのオーディオアダプターが存在します。
↓こちらはデスクトップPCなどで使えるようにするためのアダプタです。
Anker USB-A & ライトニングUSB オーディオアダプター【MFi認証/高耐久/ロスレス/高い互換性】
↓こちらはMacBook AirやiPad ProのUSB-Cポートで使えるようにするためのアダプターです。
Anker USB-C & ライトニング オーディオアダプタ MFi認証 高耐久 ロスレス 高い互換性 ホワイト
以上のようなアダプターがあれば、iPhoneでLightningイヤホンをメインに使いつつ、必要があればMacやiPadでも使うことができます。逆に、iPhoneをサブにするような場合はポータブルUSB DACやLightningに変換するアダプターを使うといいでしょう。
Apple
まずは、Apple純正品を検討しましょう。iPhoneに付属こそしませんが、有線のEarPodsは継続して販売されています。
EarPods with Lightning Connector
EarPodsには、Lightningコネクタ用とUSB-Cコネクタ用があります。前者はiPhone用、後者はiPad ProやMacで使えます。Amazonやメルカリで購入する際には、偽物を選ばないようにしましょう。(Amazonの場合は、「Amazonが販売・発送」するものを選びましょう)
audio-technica(株式会社オーディオテクニカ)
良質なオーディオ製品を発売するオーディオテクニカからも、Lightningコネクタを持つイヤホンが販売されています。
ATH-CKD3Li
2021年6月に発売したイヤホンで、高性能な9.8mmのドライバーと、振動を抑える真鍮スタビライザーを内蔵しています。時代に合わせてテレワークも考慮した高品質なマイクも搭載しており、オールマイティに使えるイヤホンになっています。
以下、オーディオテクニカからの本製品のプレスリリースです(発表当時)。
株式会社オーディオテクニカは、USB Type-C™端子やLightning端子のある機器にそのままつなぐだけで、すぐに通話や音楽、動画やゲームが楽しめるUSB Type-C™用イヤホン『ATH-CKD3C』とLightning用イヤホン『ATH-CKD3Li』を発売いたします。
一般製品|株式会社オーディオテクニカ
ELECOM(エレコム株式会社)
PCやスマホ向けの周辺機器を数多く扱うエレコムからも、多くのLightningイヤホンが発売されています。音質重視のモデルからコスパ重視のモデルまで多数揃っているので、購入する際にはご確認ください。
高耐久マイク付きセミオープンライトニングイヤホン EHP-LFS10IMシリーズ
EarPodsと同様のセミオープン型で、多色展開しています。EarPodsのホワイト以外が欲しいと考えている方にはオススメしたい製品です。カナル型を探している場合は、次に紹介しているEHP-LFS12CMシリーズを検討してください。
高耐久マイク付きカナルライトニングイヤホン EHP-LFS12CMシリーズ
セミオープン型だったEHP-LFS10IMと異なり、こちらはカナル型になっています。
MFi認証 Lightning接続ハイレゾオーディオヘッドホン EHP-LCH1010MGD
ハイレゾ対応モデルですが、リーズナブルな価格帯にあります。
Lightning接続ヘッドホンマイク/FAST MUSIC(TM) EHP-LF12CM
Lightning接続ヘッドホンマイク/Grand Bass EHP-LGB10M
Lightning接続ヘッドホンマイク/Musicians Reference(TM)EHP-LCS200Mシリーズ
Lightning接続ヘッドホンマイク/FAST MUSIC(TM) EHP-LF10IMA
Lightning接続ヘッドホンマイク/FAST MUSIC(TM) EHP-LCN200M
巻取りイヤホン(Lightning) EHP-LFR10CMシリーズ
Lightningイヤホンでは珍しいケーブル巻き取り式。長いケーブルが煩わしいと思われる方にはピッタリです。
パイオニア(オンキヨーホームエンターテインメント株式会社)
オーディオブランドとしてのパイオニアは、オンキヨーホームエンターテインメント株式会社の傘下にあります。(パイオニア株式会社とは別)
パイオニアのLightningイヤホンは「RAYZ Pro」「RAYZ Plus」「RAYZ」の3機種があり、アプリとノイズキャンセリング機能が共通しています。
RAYZ Pro SE-LTC7R-B
変換ケーブルが付属しているため、Lightinig端子だけでなくUSB-C端子にも対応します。
RAYZ Plus SE-LTC5R-T/S
RAYZ SE-LTC3R-K/W
Razer
Razerはゲーミング周辺機器のメーカー。日本での正規代理店は、MSY株式会社です。
Razer Hammerhead for iOS
RHA
RHAは英国のオーディオメーカー。日本での正規代理店は、ナイコム株式会社です。
MA650i with Lightning
radius(ラディウス株式会社)
ラディウスは、スマホ向け周辺機器のメーカーです。90年代はPC/Mac用の周辺機器やソフトウェアの会社として有名でした。MacOS互換機「Supermac」を発売していたこともあります。つまり、Apple製品との相性は良いということ。
HP-NEL11 Inner Ear Headphones with Lightning
HP-NEL21 Neシリーズ iPhone用 Lightningイヤホン アルミハウジングモデル
HP-NX30L 充電ポート付きiPhone直結イヤホン
HP-NHL21 Lightning直結スマートイヤホン
HP-NHL11 Lightning直結デジタルイヤホン
ADV.
ADV.(エーディーブイ)は、アメリカのオーディオメーカー。2015年にKickstarterによるクラウドファンディングからスタートした新しいメーカーです。正規代理店は宮地楽器(株式会社宮地商会)です。
911 | Hi-fi Lightning Earphones for iPhone – ADV.
KYOHAYA(株式会社京ハヤ)
KYOHAYAは、スマートデバイス向け充電機器の専門メーカーです。USB充電器や充電・同期ケーブルを多数取り扱っています。
SOUND GEAR EAR BASS L
価格がリーズナブルなわりに、製品公式サイトにとても丁寧な説明があります。気になった方はぜひチェックしてみてください。
高い遮音性で音漏れをしにくい カナルタイプで、ステレオミニジャックの代わりにLightningコネクタを搭載したiPhone用イヤホンです。
Lightning イヤホン カナル型 | KYOHAYA
Owltech(株式会社オウルテック)
スマートフォンやPC向け周辺機器メーカーとして有名なオウルテックからもLightningイヤホンが発売されています。
アルミニウムハウジング採用 ステレオLightningイヤホン リモコン&マイク付き OWL-EPLT04シリーズ
イヤホンの左右のハウジングにはマグネットが内蔵されていて、左右のイヤホンをまとめることができます。収納時に便利です。
セミオープンタイプ Lightningステレオイヤホン リモコン&マイク付き OWL-EPLT02シリーズ
セミオープン型。
Lightningコネクタから音楽を聴けるイヤホン リモコン+マイク付き OWL-EPLT01
メタリック処理を施したイヤホン。
Maxell(マクセル株式会社)
マクセルといえば、乾電池や磁気テープが有名ですが、ワイヤレスイヤホンや有線イヤホンも発売しています。
MXH-C120L Lightningコネクター対応カナル型ヘッドホン
FSC(株式会社FSC)
寝ながらMFiイヤホン
寝ながら使っても耳が痛くならないよう、出っ張りを減らしたコンパクト仕様になっています。
MFiライトニングハンズフリーイヤホン
air-J(株式会社エアージェイ)
iPhoneやスマホ用の周辺機器を販売するair-Jからも、Lightningイヤホンが登場しています。
MFi認証 Lightning ステレオイヤホン HAL-ES3
MFi認証 Lightning ステレオイヤホン HAL-ES2
AREA(株式会社エアリア)
リモコン搭載ライトニング接続イヤホン「MS-KE21」
PGA(株式会社PGA)
Lightningコネクタ ステレオイヤホン
初期のiPhoneに付属していたイヤホンによく似たデザインの製品です。Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングのPremiumStyleStoreは、株式会社PGAの公式ストアです。
Lightningイヤホンのまとめ
イヤホン端子が廃止されたiPhone 7以降、需要が増えたLightningイヤホン。国内製品だけでもこれだけの数が発売されていました。完全ワイヤレスイヤホンが急速に普及しつつある中でも、着実に売れているようです。