2020年は5G元年だったのだけど……
2020年3月末にキャリア各社は5Gサービスを開始しました。しかし、主要3社ともエリア展開は散発的で、5Gが使えるエリアは極々一部。折しも新型コロナウイルス禍もあって、5Gはまだまだ広がりそうにありません……。
5Gスマートフォンは……高すぎる?
5Gのサービスがいまいち盛り上がっていない理由の一つに、5G対応端末の問題があります。2020年9月頭時点での、各キャリアの端末のラインナップと金額は下記の表の通りです。金額が高い順に並んでいます。(金額は各キャリアで明示してある支払総額です。)
ドコモ スマートフォン(5G) | 118,052円 Xperia 1 II SO-51A 112,508円 LG V60 ThinQ 5G L-51A 112,508円 arrows 5G F-51A 109,340円 Galaxy S20+ 5G SC-52A 106,172円 AQUOS R5G SH-51A 97,460円 Galaxy S20 5G SC-51A |
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au 5G スマートフォン | 165,980円 Galaxy S20 Ultra 5G SCG03 133,600円 Xperia 1 II SOG01 133,280円 Galaxy S20+ 5G SCG02 117,480円 Galaxy S20 5G SCG01 106,870円 AQUOS R5G SHG01 92,040円 OPPO Find X2 Pro OPG01 59,980円 ZTE a1 ZTG01 42,740円 Mi 10 Lite 5G XIG01 |
Softbank 5G スマートフォン | 139,680円 LG V60 ThinQ 5G 129,600円 AQUOS R5G 72,720円 ZTE Axon 10 Pro 5G 68,400円 OPPO Reno3 5G |
表を見ていただくと分かるように、どれも10万円超えで「高過ぎる」のです。年々買い替えサイクルが長くなってきていることもあり、分割払いとはいえおいそれと買いづらい状況です。
本来、ここにHuaweiがいれば状況は変わったのかもしれませんが、Huaweiは米国の措置によりGMSが載せられず、今後もキャリアモデルが登場することは無さそうです。(SIMフリーモデルなら国内正規品が買えます)
しかし、表をよく見てもらうと、1機種だけ5万円を切る“妙に安い”スマートフォンがあるのにお気づきでしょうか……?
キャリアモデルとなったXiaomiのスマートフォン「Mi 10 Lite 5G」
今回購入したのは、実売4万円ちょっとで買えるXiaomiのAndroidスマートフォン「Mi 10 Lite 5G」です。auのキャリアモデルを購入しました。
Xiaomiの知名度は日本国内ではまだまだでしょうが、わが家では非スマートフォン分野からじわじわ浸食されつつあります。いくつか紹介します。
Amazonで買える「Mi Smart Band 4」は4,000円を切る低価格にも関わらず完成度の高いスマートバンドです。
この夏にわが家で大活躍した「Smartmi スマート扇風機2S」は4時間の充電で約20時間稼働するコードレス扇風機です。操作系はシンプルに、全ての操作はアプリから行えます。
ShunzaoはMi Ecosystem(シャオミ・エコシステム)に属する企業です。強力な吸引力を持ちながら、格安のサイクロン掃除機です。
そして、今回はついにスマートフォンを入手しました。
au Mi 10 Lite 5Gをレビュー
Mi 10 Lite 5Gは、オールブラックな中に「10」の文字がキラキラ光るパッケージに収められています。
パッケージを触ってみてひしひし感じるのは、Apple製品への意識です。(正面写真はないものの)デザイン、箱自体の頑丈さ、フタの密着感(ゆっくり持ち上げるタイプ)、本体・付属品の収納方法に至るまで、iPhoneの新モデルかな?と思うようなパッケージです。
とはいえ、そんな中で浮いているのが「au 5G」の取ってつけたようなシールです。キャリア別に作るようなことはしないようです。(側面の「au」表示もシールです)
それでは、Mi 10 Lite 5Gの本体レビューに進みましょう。
Mi 10 Lite 5Gは、“何も買い足さなくていい”?
Mi 10 Lite 5Gに含まれているものは次の通り、充電用のUSBケーブル(USB-C)、USB-AC充電器、クイックスタートガイド類、Mi 10 Lite 5G本体、専用画面保護フィルム(貼り付け済み)、専用保護ケースとなっています。
充電器は、最大で22.5W(10V 2.25A)を供給してくれる急速充電仕様になっていて、20Wの急速充電が可能です。USB PDにも対応していますが、最大供給電力を考えるとこちらが速そうです。
これ一つで十分だと思いますが、持ち運び用にもう一つ欲しいという方は、AnkerのスリムタイプのUSB PD充電器がオススメです。
画面保護フィルム(貼付済)、保護ケース、急速充電器と、必要なものは揃っており、もし店員さんに薦められても断りましょう。
Mi 10 Lite 5Gの背面は、ついつい眺めたくなる美しさ
Mi 10 Lite 5Gのauモデルは、コズミックグレーとドリームホワイトの2色があり、今回購入したのはドリームホワイトです。
光の角度によって色が変わる、白くて青くて美しい光沢色です。
AI 4眼カメラは、左上に約4,800万画素のメインカメラ、左下に約800万画素の超広角カメラ、右上に約200万画素のマクロカメラ、右下に約200万画素の深度センサーと、盛り沢山のラインナップです。
Mi 10 Lite 5Gは約6.6インチのディスプレイを搭載した大型のスマートフォンですが、重量は193.6gで、200gを切っています。
フロント側を見てみましょう。狭額縁のディスプレイで、画面占有率も高くなっています。
ただ、デザイン的に気になるのは、ディスプレイ四隅のカーブ。アイコンにギリギリまで迫っており、デザイン処理としては美しくないですね。
フロントカメラは浅いティアドロップ型で、画面上の違和感は少なめです。
また、認証方法として、2D顔認証に加えて画面内指紋認証まで対応しています。マスクが欠かせないこの時期でも、指紋認証が使えればマスクを外す必要はありません。
Mi 10 Lite 5Gの上部には3.5mmイヤホンジャックがあります。
有線イヤホンも使えます。しかも、Mi 10 Lite 5Gは有線であればハイレゾ対応なので、いい音で聴くことができます。
Mi 10 Lite 5Gの下部には、SIMカードスロットやUSB-Cポートがあります。
SIMカードトレイはシングルスロットになっています。ただ、トレイの大きさはデュアルスロットサイズ、内部的にはデュアルSIMに対応できたりして……(知らんけど)。
一応、ダメもとで確認してみました。
デュアルSIMトレイを使って実験してみたところ……
AliexpressでデュアルSIMトレイが販売されていたので、購入してみました。超安いけど、到着までめちゃくちゃ時間がかかります。
結果から言うと、SIMを2枚挿しても何も起きず。お金のムダでした。
Mi 10 Lite 5G専用保護ケースは透明度の高い美しさ
標準で付属している専用保護ケースは、Mi 10 Lite 5Gの美しさを損なわない、高い透明度のあるソフトケースになっています。
エッジは画面より少し高くなっています。
AI 4眼カメラ周りもケースの方が少しだけ高くなっています。
持った感じ、滑りにくくなって、ホールド感もよくなります。
キャリアモデルなので、各周辺機器メーカーからケースが出るはずですが、ベーシックなケースとしてはこれで十分でしょう。
Mi 10 Lite 5GとiPhone 11 Pro Maxと比較する
Mi 10 Lite 5Gは6.6インチの有機ELディスプレイで193.6gという軽量さですが、ここで、6.5インチの画面サイズを持つiPhone 11 Pro Max(写真右)と比較してみましょう。
画面側を見ると、Mi 10 Lite 5Gのほうが縦に長く見えましたが、背面で見ると、Mi 10 Lite 5Gはだいぶスリムに見えます。
そして一番気になるのはカメラ部分の比較です。iPhone 11 Pro Maxは3眼、Mi 10 Lite 5Gは4眼です。しかし、Mi 10 Lite 5Gはカメラユニット全体が黒く覆われているので、気持ち悪さは軽減されています。
同じような画面サイズではあるものの、やはり一番の違いは「重さ」でしょう。iPhone 11 Pro Maxに比べると、Mi 10 LIte 5Gは圧倒的に軽いです。
ハイレゾオーディオはいい音を奏でてくれる
さて、地味にいいポイントなのが、ハイレゾオーディオに対応した3.5mmイヤホンジャックです。一時期、スマホからイヤホンジャックを排する流れが強かったものの、最近は逆にイヤホンジャック搭載をアピールポイントにするスマホが増えてきました。
そして、Mi 10 Lite 5Gはイヤホンジャックを搭載するだけでなく、ハイレゾオーディオ対応を打ち出しています。
私はサブスクの音楽サービスサービスはAmazon Music HDに加入しているので、Ultra HD音源を聴いていますが、直挿しの3.5mmイヤホンでも十分な音質を出していると感じます。ワイヤレスオーディオは日進月歩で進化していますが、まだまだ有線には敵わないですね……。
Mi 10 Lite 5Gはカメラ・写真系が充実している
Mi 10 Lite 5Gに搭載されている機能で面白いと思ったのは、カメラメニューのショートビデオで使える「AI魔法万華鏡エフェクト」。万華鏡のエフェクトが出せて、複数のフレームがある。実際の動画は以下のツイートにて。
Mi 10 Lite 5GのAI魔法万華鏡面白い!キーボードに近づけたり遠ざけたりしてるだけ、なんだけどね。 pic.twitter.com/56tNXkz1m8
— まっきょん (@makkyon) September 6, 2020
写真の基本機能もよくできていて、AIが最適なシーンを選択して撮ってくれるらしい。うどんも鮮やか。
西新宿に向かう道すがら、都庁を撮ってみた。これは標準画角。
それから、超広角へ。
それからズーム。自然な彩度で精細感もあり、綺麗な写真が撮れる。
それからぜひ一度試してもらいたいのが「AIスカイスケイピング」。これはギャラリーアプリで使える編集機能。
空を差し替えることで、昼間の画像を星空にしたり、晴天の画像を雨にすることもできます。
実際に、先ほどの都庁の画像を晴天に変更してみました。
これは「銀河」。
これは「フレア」。現実にはあり得ない風景です。
季節を変えることもできます。これは「積雪」。
さらに動画にすることまでできます。自然な合成なので、違和感も少ない。これもAIのなせる技なのか。
Mi 10 Lite 5GのAIスカイスケイピングもよくできてる。 pic.twitter.com/U7hiytILYc
— まっきょん (@makkyon) September 6, 2020
Mi 10 Lite 5Gはカメラ機能や写真加工が充実していて、別途アプリを落さなくても十分に楽しむことができます。
赤外線ブラスターで、家電のリモコンになる
そして、地味な機能ではあるものの、確実に生活の中で役立つのが「赤外線リモコン」です。Mi 10 Lite 5Gには赤外線ブラスターが内蔵されているので、テレビやエアコンのリモコンになるのですよ。
Miリモートアプリを開くと、どの家電を操作するのか、カテゴリーを選択します。
例えばテレビを選択すると、主要なテレビメーカーが並ぶのでその中から選択します。その後、実際にテレビが反応するか確認して設定は完了です。
リモコンはこのように表示され、電源やチャンネル、音量といった基本的なものから、ホームボタン、カーソルといった最近のテレビで必要なものまで備えています。
しかも、設定後はいちいちMiリモートアプリを開かずとも、各リモコン別のアプリショートカットができており、ダイレクトにリモコンを呼び出せるのです。これは便利!
最近の家電はネットワーク機能やBluetooth機能を内蔵しているので、スマホアプリがリモコンになるものが増えてきましたが、まだごく一部に限られます。この赤外線ブラスターなら、日本中のほぼ全ての家電に対応できるので、利便性は非常に高いでしょう!
家電も作っているXiaomiならではの使いやすさです。
5G通信はどれだけ速いのか、測定してみた
さて、せっかく5G通信契約にしたので、5Gの速度を試してみたいところ。ただ、東京都内でさえ、auで5G通信可能なエリアはごくわずか……。
そこで最も確実そうな場所に来てみました。西新宿にあるKDDIビルです。都内でも数少ない5Gのエリアの一つです。KDDI本社は飯田橋ですが、登記上の本店はここ。
この場所でMi 10 Lite 5Gのアンテナピクトを見ると、5G表示に切り替わっていました。
そこでスピードテストを実行してみたところ、下り400Mbps前後の数値を叩き出しました!これはもう固定回線並みの速度です。(理論値では、下り最大2.8Gbps)
このあと5Gエリアを離れ、新宿駅付近で4Gでのスピードテストを実行してみたところ、下り20〜30Mbpsをうろうろ……。早く5Gのエリアが広がってほしいものです。
まとめ
Mi 10 Lite 5Gは、5Gデビューのスマートフォンとして十分な機能を備えた端末でした。10万円を超える高級機もいいのですが、案外これで満足できてしまう方は多いのではないでしょうか?オススメです!
なお、FelicaやQiワイヤレス充電、フルセグ・ワンセグや防水機能はないので、こういった機能が欲しい方はご注意ください。