クラウドファンディングで掃除機買ってみる?
クラウドファンディングのいいところは、今回紹介するZ11 Proのように、日本未発売の海外の製品を手軽に手に入れられるようになったことです。(これまでは、そもそも存在を知ることがなかったか、保証のない並行輸入品を買うしかなかった)
今回紹介するのは、シャオミ・エコシステム発のサイクロン掃除機「shunzao Z11 Pro」です。
※本レビューにあたって、製品サンプルを提供いただきました。
※8月末時点での製品サンプルによるレビューです。実際の製品と異なる場合があります。
shunzao コードレス掃除機 Z11 Proをレビュー
こちらが、shunzao コードレス掃除機 Z11 Proのパッケージ。ダニ吸引ヘッドを取り付けたZ11 Proが印刷されています。
パッケージ背面には、Z11 Proのカラーバリエーションが印刷されています。Z11 Proにはホワイトとブラックがあり、今回のレビューではホワイトを扱っています。
パッケージ左上には「shunzao(ジュンゾウ)」のロゴがあります。中国の高品質なIoT家電メーカーが参入できるコミュニティとして「Mi Ecosystem(シャオミ・エコシステム)」があり、shunzaoはそこに所属している企業です。
右上に「小米有品」とありますが、これは「シャオミ・クラウドファンディング」のこと。本製品の前身にあたるZ11はこのクラウドファンディングで起案されたもののようです。
ちなみにこのパッケージ、けっこう大きく、ざっくりサイズを測ってみた感じだと、クロネコヤマトでいう140サイズくらいあります。手前にiPhone 11 Pro Maxを置いてみたので、なんとなく分かるでしょうか?
パッケージを開けていくと、各パーツが半透明のビニールに包まれています。いろいろありそうですね。
こちらがZ11 Proの付属品の数々です。掃除機としては多そうに見えますが、何が含まれているのでしょう……?
代表的な付属品を見ていきましょう。
shunzao Z11 Proはノズルとクリーナーヘッドが充実!
付属品の中で最も大きいのが「電動毛髪切断クリーナーヘッド」です。スティック型のサイクロン掃除機として使う場合に、これが最も活躍するヘッドでしょう。
Makuakeのプロジェクトでも大きく取り上げられているのが、クリーナーヘッドに備えられた“カッター”。掃除機における問題の一つは「髪の毛の絡まり」ですが、Z11 Proでは吸入面に髪の毛を切断するカッターを備えることでこれを解決しています。
次は「電動ダニ吸引クリーナーヘッド」です。これがけっこう凄かったのですが、それはまた後ほど。
電動ダニ吸引クリーナーヘッドは、シリコンとブラシが交互にローリングする仕掛けになっています。
こちらは、ブラインドやエアコンの吸気口など、ホコリが固まりやすい場所の掃除にぴったりな「ブラシノズル」です。
それから、掃除機といえばこれ「隙間ノズル」です。こちらはお馴染みですね。部屋の隅やテレビ台の後ろなど、クリーナーヘッドが入りにくい場所もこれなら吸い取れます。
こちらはZ11 Pro専用のバッテリー。この中に2,500mAhのリチウムイオン電池が搭載されています。最小の出力なら60分も稼働できるそうです。予備バッテリーがあれば、交換して連続動作させることができます。
この専用バッテリーの表面積はちょうどiPhone 11 Pro Maxと同じくらい。バッテリー自体はサムソンまたはLG製のようです。
そしてこちらは、専用の電源アダプター。本体色に合わせてホワイトカラーになっています。
こちらは、充電ドック。添付されたネジで壁面に固定することで、Z11 Proを立てた状態で収納することができます。(賃貸だとちょっと厳しいですね)
そしてこちらが、Z11 Pro本体になります。この形だけ見ると、ポンプアクションのウォーターガンのようです。
このトリガーが電源ボタンになっていて、押してる間だけZ11 Proが動作します。
ちょうど銃のように人差し指で押すことができます。
指を離せば1秒程度でZ11 Proの電源が切れるので、操作はシンプルです。
吸引力はレベル1〜3で切り替える
Z11 Proのグリップの下部にあるのが、吸引力のレベルスイッチです。レベルは3段階で、下の写真は最も弱い「レベル1」の状態です。
バッテリーを取り付けた状態だとこのように見えます。
後述しますが、レベル3はかなり強力な吸引力ですが、一方で、音も大きいです。
スマート液晶LEDディスプレイでバッテリー残量を表示!
トリガーを押すと、バッテリー表示が点灯し、吸引力インジケーターが上昇を始めます。表示されている数値はバッテリーの残量です。
液晶表示に対応した掃除機はダイソンからも出ていますが、それでもバッテリー表示は3段階、ここまで詳細には表示されません。
ワンタッチでごみ捨てできるので清潔・便利!
それからグリップの親指にあたる位置には「ごみ捨てボタン」があります。
このボタンを押すと、Z11 Proの筒の部分が開き、中のゴミを落とすことができます。このとき、一気にゴミが出てくるので、必ず「ゴミ箱を用意して」「真下に向けて」ボタンを押しましょう。そうでないと大惨事になります……。
このダストボックスは取り外して水洗いすることができます。洗ったあとには、風通しの良い涼しい日陰で24時間以上置いて乾かすようにとのこと。余裕持ってメンテナンスしておきましょう。
充電ドックは壁かけで使いやすく!
さて、Z11 Proの充電は付属の電源アダプターを使いますが、可能であれば充電ドックを壁に固定して、定位置を作ってあげましょう。充電ドックの下部にあるパーツを、回して取り外します。
電源アダプターのプラグ部分を挟みます。
そのままパーツを差し込み回すと、プラグが露出したまま固定されます。
付属のネジで壁に固定したら、電源アダプターをコンセントに繋ぎます。あとはZ11 Proを差し込むだけ。これで充電ドックに差し込めば、充電が始まります。
バッテリー自体を単体で充電することもできるので、使わないときは収納し、必要に応じて充電して使うというのもアリですね。
Makuakeには予備バッテリーが付属したモデルもあるので、足りなさそうだと思う方は検討してみてください。
延長パイプと電動毛髪切断クリーナーヘッドで、フローリング掃除スタイルへ
Z11 Proに延長パイプと電動毛髪切断クリーナーヘッドを取り付けました。フローリングや絨毯を掃除する場合にはこのスタイルになります。電動毛髪切断クリーナーヘッドは、そこそこ重量感があるため、動きは安定します。
ちなみに、わが家で使用している掃除機はSHARK EVOPOWERなんですが、フローリング用延長ノズルを付けても、やや短い状態。さっと使う分には便利ですが、長い時間使うのには向いていません。
ひとまずこれで使用準備は完了です。それでは、実際にZ11 Proを使ってみた感想をお伝えします。
shunzao Z11 Proでお掃除してみた
わが家にはコーギーが同居しています。コーギーを飼ったことのある方はご存知でしょうが、コーギーは抜け毛が非常に多いです。コーギーを飼う際の“注意事項”にも「抜け毛が多い」と書かれるくらいです。いくら掃除しても毎日のように毛のカタマリが出現します……。
そこで、あらかじめSHARK EVOPOWERで掃除をしたあと、さらにZ11 Proで掃除してみました。すると、取り切れていなかったコーギーの毛が吸い取れること、吸い取れること……まだこんなにあったのか、と。すごい吸引力でみるみる集めてしまったようです。
フローリングの掃除だけでなく、期待していたのが「電動ダニ吸引クリーナーヘッド」。これを取り付けて、ベッドの上を吸い取ってみました。
見た目には綺麗そうなベッドなのですが(ダニは視認できませんでしたが)細かいホコリや微細なゴミが着々と溜まっていました。こんなところに毎日寝ていたのか……と怖くなるほどに。すごい吸引力だなと感心しました。
Z11 Proのいい点・気になる点
といった具合に、しばらくZ11 Proを使ってみましたが、すごい吸引力でゴミを集めてくれるので、掃除が楽しくなります。更なるゴミを求めて、部屋の隅々まで掃除してしまうほどに……。
ただ、手放しで褒められる点ばかりではないので、いい点と気になる点を、簡単にまとめてみました。
Z11 Proのいい点!
- 吸引力が強力で、これまで取れなかった狭い場所のゴミまでみるみる取れる。
- 吸引力レベル1でも、フローリングなら十分な掃除が行える。
- バッテリーがなかなか減らない(吸引力レベル1)。フローリングの家なら、予備バッテリーいらないかも?
- 付属品が充実しており、これ1台であらゆる掃除がまかなえる。
- スマート液晶LEDディスプレイが分かりやすい。
- 電動ダニ吸引クリーナーヘッドが強力で、ベッド・布団が綺麗になった。
- ホワイトモデルはインテリアになじみます。ダイソンや家電メーカーの掃除機は主張が激しいと思いません?
Z11 Proの気になる点……
- レベル3の動作音がけっこううるさい。日中帯でも近所迷惑にならないか気になります。
- カタログスペック以上の重さを感じます。
- レベル3は電力消費が早くみるみる減っていくのですが、バッテリー残量が分かりやすい分、焦ります。
- 充電ドックではなく、充電スタンドにしてほしかった。壁に穴を開けるのは躊躇します。
- 電動毛髪切断クリーナーヘッドは強力ですが、フローリングを掃除しているときのゴロゴロ音が意外と大きい(階下の部屋に響いていないか心配)。
気になる点の詳細1:レベル3はけっこううるさい……
使ってみて気になったのは最大出力時(レベル3)のモーター回転音。このモードは毛足の長い絨毯での利用が想定されていて、かなり強いようです。あまりに音が大きいためか、わが家のコーギーも吠えてきます……。
そこで、騒音計を使って各レベルでの騒音量を測定してみました。日中帯のリビングなので、通常は42〜48dBAあたりを行ったり来たりしています。
それぞれの吸引力レベル別の結果は下記の通り。(写真のように極端に近づけた状態の結果です。カタログ値とは異なりますので、比較しないようお願いします)
レベル1 | 78dBA前後 |
---|---|
レベル2 | 80dBA前後 |
レベル3 | 97〜99dBA |
レベル1とレベル2はあまり変わらず、一般的な掃除機としてはこれくらいの音かな?という音量です。ただし、数値にも現れているようにレベル3だけが飛び抜けて大きく、マンション・アパートの方は日中帯だとしても注意が必要です。(夜は近所迷惑なので絶対に使ってはいけません!)
気になる点の詳細2:カタログスペック以上の重さを感じる
しばらく妻に使ってもらっていたのですが、感想としては「吸引力はすごいけど、重くて疲れる」というものでした。確かに、Z11 Pro+延長パイプ+電動毛髪切断クリーナーヘッドの組み合わせはずっしり重く感じます。
そこで、ヨドバシカメラに行って、各社のスティック型サイクロン掃除機を触ってきました。その中で最も重く感じたのは、パナソニックのMC-SBU840K、ダイソンのDyson V11 Absolute Extraでした。
両機種のスペックを調べると、PanasonicのMC-SBU840Kは約2.6kg、Dyson V11 Absolute Extraは約2.76kgでした……が、Z11 Proは同等か、それ以上に重く感じました。重量バランスもあるのかもしれませんが、けして軽いとは言えません。
まとめ
shunzao Z11 Proの掃除機としての実力は、最高に強力・高性能です。この性能の掃除機がクラウドファンディングの価格で買えてしまうのであれば、あえてダイソンや国内メーカーを検討することもないでしょう!
一方で、重さの問題はあると感じました。男性の私でも、延長パイプを付けた状態での高所の掃除は、Z11 Proを両手で支える必要がありました(プロジェクトページ内の写真のようにはいきません)。
とはいえ、Z11 Proの実力は本物です。性能は間違いないので、重さの問題がクリアできるなら、これほどの性能の製品を格安で買えるこのプロジェクトはオススメです!