iPhoneでaptX Adaptiveを使うには……?
ワイヤレスイヤホンやヘッドホンで、aptX Adaptiveコーデックを採用する製品が増えてきました。そうなると、コーデックがほぼAACで固定されているiPhoneでも使ってみたくなるもの。CREATIVEからリリースされたBT-W4 Bluetoothトランスミッターを使ってみましたが、残念ながらNGでした。
できないものは仕方ないので諦めていましたが、ゼンハイザーからもaptX Adaptiveに対応したUSBアダプターが発売されました。再び、試してみることにします。
ゼンハイザー BTD 600をレビュー
今回発売されたのは、ゼンハイザーのBluetooth USBアダプター「BTD 600」です。USBアダプターなので、パッケージは小さめです。
国内正規品であれば2年保証を受けることができます。
内容物は、BTD 600本体と、USB-Cアダプター、マニュアル類です。
BTD 600(写真右)はかなりコンパクトで、似たような機能を持つCREATIVE BT-W2(写真左)と比較しても半分程度の大きさしかありません。
BT-W2は2015年の製品ですが、aptX Low Latency対応のBluetoothトランスミッターとして、まだまだ現役です。
BTD 600には、USB-Cに変換できる純正アダプターが付属しています。BTD 600とアダプターは一体感があります。
2022年ともなれば、初めからUSB-Cで設計してくれてもいいような気がしますが……まだまだUSB-Aでの需要が多いということでしょう。
BTD 600に純正のUSBアダプターを装着した状態(写真中央)で、CREATIVEのBT-W3(写真右)とBT-W4(写真左)と比較してみました。両機種に比べると、BTD 600+USBアダプターはやや長いですが、意外とコンパクトに収まっている印象です。
BTD 600の先端には、ペアリング操作用のボタンがあります。
MacBook Airに接続してみました。パープルのLEDが光ります。
aptX Adaptiveコーデックに対応しているワイヤレスヘッドホンのB&W Px7 S2と接続してみました。MacBook AirでもaptX Adaptiveが扱えるようになりました。
USB-Cを採用したiPadでも、問題なく使うことができました。B&W Px7 S2が本気出してます。
さて、問題はiPhoneです。iPhone 14 Pro MaxにAudirectのLTOC OTGアダプターを介して、BTD 600を接続してみました。……まあ、すでに結論は画面上に表示されちゃってますけど。
AudirectのLTOC OTGアダプターは、ケーブルレスでUSB-C機器を接続できるのが気に入っています。
なお、CREATIVEのBT-W4と同様に、iPhoneでは電力不足のアラートが表示されて、音楽を再生することができませんでした。
ダメもとでApple純正のUSBアダプターでも接続してみましたが、結論は同じでUSBの電力不足アラートが表示されます。
iPhoneでスマートにaptX Adaptiveを使うのはどうも難しそう。
LE AudioとLC3コーデックに対応したアダプター登場!
Ankerの完全ワイヤレスイヤホン Soundcore VR P10には、次世代Bluetoothオーディオ規格 LE AudioとLC3コーデックに対応したUSB-Cドングルが付属します。
既存規格のClassic Audio+aptX Adaptiveと、新規格のLE Audio+LC3、どちらを選ぶか悩む時代がやってきそうです。
ゼンハイザー BTD 600のまとめ
iPhoneでのaptX Adaptiveチャレンジは失敗に終わりましたが、MacBook AirやiPad Proでは問題なく使えています。一度ペアリングしてしまえば、BTD 600を他のデバイスに挿してもペアリングを維持するので、複数のデバイスで使いたい場合は「挿せば使える」運用ができるという点で、マルチペアリングよりも簡単です。
BTD 600のようなアダプターを使うことで、aptX Adaptive非対応デバイスでも気軽に、高音質なワイヤレスイヤホンやヘッドホンを使うことができます。コーデックの対応状況で諦めている方にはオススメです!