夢の天井シアターを構築する
プロジェクターにもさまざまな形状があります。中でも、内蔵バッテリーで駆動するポータブルタイプのプロジェクターは、これまでできなかった場所での投射を可能にしてくれます。そして、ポータブルプロジェクターを手にした人が一度は試したくなるのが「天井シアター」です。
天井シアターとは何か?その名の通り、自分の部屋の天井に投射することを言います。寝転んで、大画面で映画が見られるのです。最近はアマプラやNetflixなどの見放題映像ストリーミングが全盛なので、寝転んだままアニメも映画も好きなだけ観られます。マジで堕落する。というか寝落ちする。(あと、子どもの寝かしつけにいい、と聞きました)
もちろんメーカー側もその需要を織り込んでいて、中でもAnker製品は積極的です。私も実際に試しましたが、Ankerのポータブルプロジェクター Nubula Capsuleは梱包材を組み合わせることで、天井へ映像を投射させることができます。
同じくAnker製品でいうと、Nebula Astroはソフトボールほどのサイズで背面がフラットになっていて、何もアタッチせずに上を向けることができます。
しかし、これらはあくまで「天井にも」向けられるだけ。意外と不便なことも多いです。まだまだニッチな使い方ではあるので、致し方ないでしょう。しかし、この天井シアターに本気で取り組むメーカーが現れました。あの、ソニーです。
Nextorage NX1 ベッドルームプロジェクターをレビュー
今回購入したのは、Nextorage株式会社の「NX1 ベッドルームプロジェクター」です。Nextorage株式会社を聞いたことがない方も多いでしょうが、ソニーグループでメモリーストレージを開発している会社です。
製品写真で見たときはコンパクトサイズだったんですが、やけに大きな箱で届いたので驚きが隠せません。遠近感狂わせられてたかな?
Nextorage株式会社は楽天市場に公式ストアがあります。ポイント還元は控えめなので、お買い物マラソンとか活用するといいでしょう。
NX1 ベッドルームプロジェクターの箱を開けてみます。付属品がやけに多いようです。
ベッドルームプロジェクターのNX1本体はこれ。あとで詳しく見ていきます。
長めのHDMIケーブルが入ってます。両端ともにフルサイズのHDMI端子です。
電源用のUSB-Cケーブルもかなり長め。両端ともUSB-Cです。
ケーブルクリップは3個付属しています。
USB-CポートのあるACアダプターが付属しています。
付属のACアダプター(NMP-AD1)はUSB PDがが使えるようになっていて、最大で28W出るようです。
そして、パッケージが大きかった謎が解けました。このフレキシブルアームの距離を稼ぐためだったようです。
アームの根元を緩めると、テーブルを挟めるようになります。
それではNX1を見ていきましょう。
ベッドルームプロジェクター NX1とは?
こちらがNX1本体です。何も言われなければ外付けのHDDとかSSDのようです。
底面には、ヘッドホン端子(3.5mm)、給電用のUSB-Cポート、HDMIポートがあります。
天面にはプロジェクターのレンズがあります。それと、排気用のスリットですね。
側面には、フォーカス用のスライダー、USB出力(電源供給用)、電源ボタンがあります。
背面には、吸気用のファン、それから三脚穴があります。
重量は、たったの154gです。
iPhone 13 Pro Max(写真左)と比べてもこのコンパクトさ。とてもプロジェクターとは思えません。
それでは、いよいよベッドルームに設置していきましょう。
ベッドルームにNX1を設置してみた
いきなりですが、完成形です。フレキシブルアームを取り付けて、各種ケーブルを接続しました。
なお、ベッドルームで使用しているサイドテーブルはこちら。サンワサプライのソファーサイドテーブル 200-STN030は、なんとUSB充電器を内蔵できるため、ベッド周りにケーブルが散らからないのです。詳しくは下記のレビュー記事から。
今回はこのソファーサイドテーブルに、Baseus PowerCombo 6-in-1電源タップを内蔵しました。USB PDで電源が取れるので、ACアダプターをわざわざ使わなくて済みます。
フレキシブルアームの先にはNX1が取り付けられています。このフレキシブルアームがNX1設置のキモで、力を入れれば自由に曲がるし、NX1程度なら余裕で支えられる剛性があります。ド安定です。
レンズが上を向くように設置しています。
NX1はプレイヤーを内蔵しないので、HDMIでDVDプレイヤーやPC、iPhoneなどを繋ぐ必要があります。
しかし、せっかくのベッドサイド、あまり多くの機器を置きたくありません。スマートに解決するためにAndroid TVを内蔵したChromecast with Google TVを使いました。
Fire TV Stickでもいいでしょう。
Chromecast with Google TVはフラットケーブルで繋がるので宙ぶらりんですが、もう一方のUSBケーブルでも支えられます。
NX1には、外部デバイスに電源供給するためのUSBポートがあるので、Chromecast with Google TVのUSBケーブルはここに接続します。
フレキシブルアームにはケーブルホルダーを取り付けて、ケーブルが散らからないように整理します。
NX1の設置にあたって、最も悩んだのがスピーカーです。NX1にはスピーカーがないため、イヤホンか外部スピーカーを繋ぐ必要があります。今回はコンパクトなポータブルスピーカーのAnker SoundCore mini(初代モデル)で間に合わせました。
Anker SoundCore miniは、3代目となるAnker SoundCore mini 3が販売中ですが、なんと2016年発売の初代モデルもまだまだ販売中だったりします。
充電用端子はMicro USBであることを除けば、全然現役で使えちゃうんですよね。Anker製品の品質の高さよ……。
Bluetoothで繋ぐという手もあるので、それはまた、おいおい試していきます。
ベッドルームプロジェクター稼働!いよいよ天井シアターが開演!
NX1の電源ボタンを押して起動します。ボタン押下から投射までの時間はわりと早い。NX1の向きによっては、やや斜めの投射になるかもしれませんが、自動台形補正が働くので、変に歪むことはなかったです。
ただ、このまま寝てしまうと画面が反転したまま。フレキシブルアームを曲げるのは面倒ですよね?NX1はそこもちゃんと対策してあって、電源ボタンを2回押すと、上下が反転するようになっています。
これで、ベッドに寝たときに画面が正しい位置に来るようになりました。
実際にベッドに寝て、Chromecast with Google TVのリモコンで操作してみます。天井に!テレビがある!変な感じ!天井までの距離が遠ければ、もう少し画面を大きくできるんですが、天井が低いマンションなので、60〜70インチくらいでしょうか。最大で120インチまで行けるそうです。
ちなみに、気になるNX1の明るさですが、スペックでは100ANSIルーメンです。……と聞くと暗そうなイメージを持たれるかもしれませんが、ベッドルームで寝て使うので暗くすれば、十分に明るい画面になります。
NX1はフレキシブルアームで固定されているので、映像を観終わってもいちいち片付けなくていいし、眠くなったらそのまま電源を落として眠ってしまえばいいのです。なんて快適な視聴環境なんでしょう……。
深夜→早朝のW杯観戦は天井プロジェクターが超便利!……すぐ寝れるから
2022年のサッカーW杯は、カタールでの開催でした。日本とカタールの時差は6時間。試合の大半は、日本では深夜〜早朝です。
そこで、今回のW杯観戦はNX1を使うことにしました。そう、Android TVなのでAbema TVアプリが使えるのです。全64試合がインターネットで観られます。ありがとう、サイバーエージェント。
布団をかぶって観戦できるW杯は最高です。寝落ちしてしまっても、そのまま布団の中なので、変な姿勢で寝違えたり、風邪をひいたりすることはありません。強いて言えば、試合に熱中するあまり、試合が終わるまで興奮して寝落ちどころではない、といったところでしょうか……。
Nextorage NX1 ベッドルームプロジェクターのまとめ
夢に見た天井プロジェクターが手に入りました!専用品として作られただけあって、設置時の位置決めで迷うことが少ないし、直接電源で動くのでバッテリーを気にしなくていいし、HDMIで入力するので接続機器が選べます。Fire TV StickでもiPhoneでもパソコンでもDVDプレイヤーでも使えます。
- オンリーワンのユニークな製品、天井に映すならコレ
- 付属のフレキシブルアームで設置の自由度が高い
- シンプル&コンパクトな本体で、圧迫感がない
- 汎用のUSB PD電源が使える
- シンプルすぎて、後付けするものが多い
- 必要なものを接続していくとゴテゴテする
- 部屋を真っ暗にして使う前提なので、他の用途に使いづらい
外部スピーカーは迷いどころでしたが、自由に拡張できるという意味で、今後もカスタマイズを進めていきたいと思います。
ニッチな製品ではありますが、家族で楽しく使うもよし、一人でプライベートシアターを作るもよし、子どもの寝かしつけように使うもよし、確実に世界が広がる逸品です!