音声コンテンツの時代がやってきた……?
AppleやSpotifyがポッドキャストを推していたり、ClubhouseやSpaces(Twitter)などの音声SNSが勃興したり、音声コンテンツがにわかに盛り上がっています。
Clubhouseが急に盛り上がったときには、完全ワイヤレスイヤホンのマイクがどう聴こえるか、テストもしてみました。
音声コンテンツの行方がどうなっていくか分かりませんが、コロナ禍でテレワークも推進されていることから、マイクの重要性が今後高まっていくことは間違いないでしょう。
充電・ペアリング不要!カンタン設計のLightningマイク!
今回紹介するのは、Makuakeに登場したコネクタ直結のマイクです。
Makuakeでのプロジェクト終了後、一般販売が始まっています。
なお、Langogo MiniはLightning接続とUSB Type-C接続の2種類が選べます。本記事内ではiPhoneで使用できるLightning接続の製品を紹介しています。
※レビューにあたって、製品サンプルをご提供いただきました。
Langogo Miniをレビュー
今回レビューするのは、Lightning接続のLangogo Miniです。パッケージの左下にMFi(Made For iPhone/iPad/iPod)のマークが示されています。
内容物はシンプルで、Langogo Mini本体とユーザーマニュアルになっています。(このほかマイクスポンジも付属します)
こちらがLangogo Mini本体です。Lightningコネクタ、左右のマイクというシンプルなデザインになっています。
コネクタ面はフラットになっています
底面にあたる部分に「Langogo」のロゴがプリントされています。製品内にある文字要素はこれだけ。自己主張は控えめです。
この左右のマイク部分はアルミニウム合金製。デザインが非常に綺麗で、高級感があります。
Langogo Miniの内部には、Cirrus Logic社のDSPオーディオプロセッサーが採用されているそうです。
※Cirrus Logic社といえば、デジタルオーディオプレイヤーやUSB DACのチップでもお馴染みです。
なお、Langogo Mini自体はバッテリーを内蔵していないため、軽量にできています。その重量はわずか28.3g。モックアップのような軽さなので、胸ポケットに入れて持ち運ぶこともできます。
※USB Type-C仕様のLangogo Miniはさらに軽いようです。(スペック表によると24g)
iPhone 12 Pro Maxに接続してみました。
iPhoneの高級感に負けない質感を醸し出しています。これはいいぞ……。
Langogo MiniはBluetoothのようにペアリングも不要で、iPhoneから給電するのでバッテリーも不要。挿せば使えるという分かりやすさは最高です。
なお、Langogo Miniには、マイクスポンジが付属しています。
このマイクスポンジは、Langogo Miniをすっぽり覆うサイズになっています。
黒いスポンジからLightningコネクタだけ飛び出したような見た目になります。Langogo Miniには可動部分がないので、マイクスポンジは付けたままで構わないでしょう。
屋外メインで使うことを検討している方は、別売りの風防(マイクジャマー)のセットを選んでおきましょう。
Langogo MiniとiPhone内蔵マイク、どう違う?
さて、このLangogo Miniのマイク性能はそもそもどうなのでしょう?一旦、iPhoneの内蔵マイクと比較してみることにしました。
Langogo Miniは単一の指向性を持ち、9メートルの広範囲にわたって集音するそうです。実際にどの程度の聞こえ方になるのか、距離を変えて録音してみたのが次の動画です。(iOSのボイスメモを使用しています)
iPhone内蔵マイクも手元で話す分には問題ありませんが、Langogo Miniは明らかにクリアに音を拾ってくれます。2mの距離から話しても、それなりに綺麗に聴こえました。
挿せばすぐ使えるという分かりやすさに加え、外付けマイクとしての性能も良く、満足度の高い製品に仕上がっています。さらに……
Langogo Miniは、Nottaアプリで真価を発揮する!
ハードウェアとしてのLangogo Miniは申し分ありませんが、実はまだ真価を発揮しているとは言えません。Langogo Miniはアプリ(サービス)と連携してこそ最高のパフォーマンスを発揮するのです。
Langogo MiniをiPhoneに接続すると、Nottaアプリの起動を促されます。(これは接続するたびに表示されます)
※Langogo Miniが認識されていれば、他のアプリでも使うことができます。
使用するのは、AppStoreにあるNottaアプリです。ハードウェアのコンパニオンアプリって評価が1点台とか2点台とかシビアなものが多いですけど、このNottaアプリはなんと「評価:4.4」です!(2021年4月現在)
録音した音声はリスト化されて並びます。文字数だけでなく、文章中の特徴的なワードをタグとして抽出してくれます。(モザイクで隠している部分)
録音中は、Langogo Mini側が上になるので、テキストが上下反転します。リアルタイムで音声がテキスト化していくのは小気味いいんですよね。スマホの音声入力と違って、地味に便利なのは、適度なタイミングで段落を作ってくれること。
↑ただテキスト化するだけではなく、文中に画像を挿入することもできます。Makuakeのプロジェクトページには、議事録作成に使えるとありますが、まさにこういった機能のおかげですね。
さらに驚きなのは、この録音・テキスト化の状態をリアルタイムで共有可能なこと。複数人で一緒に体験できるとか、未来ですね……。
録音が完了すると「スマート校正」といって、さらに正確な文字起こしをしてもらうこともできます。(完璧とまではいきませんが、いい線いってます)
なお、文字起こし言語は日本語で設定していますが、こちらは任意の言語に変更することができます。
その言語数、なんと104言語!英語や中国語、ドイツ語、韓国語といったポピュラーなものから、ズールー語やシンハラ語といったふだん馴染みのない言語も選べます。
そして、録音しテキスト化した文章を、さらに翻訳することもできます。翻訳先の言語は41言語!いちいちGoogle翻訳とかDeepL翻訳に持っていかなくてもいいのです。
翻訳文と原文は並べて表示することができるので、明らかな誤りがないか、ここでチェックすることもできます。
翻訳が怪しいかな?と思う箇所もあったのですが、原文をよく読むとテキスト化の時点で間違っており、翻訳する前に原文を確認する必要があると感じました。議事録等で使う際には過信しすぎないよう、気をつけてください。
PC/Macならブラウザから操作もできる
iPhoneやAndroidであれば前述のNottaアプリを使いますが、PC/MacであればウェブブラウザからNottaサービス(Notta.ai)にアクセスできます。
Nottaはビジネス会議、メディアのインタビュー、ポッドキャスト制作、外国語講義などのシーンで音声記録、文字起こしができ、文字記録の効率を高めます。また、随時メモや画像を挿入することも可能です。他人との共有や、ファイルのエクスポートにも対応しています。
Nottaが会話の価値をさらに高める
GoogleアカウントやAppleを使ったサインインも可能です。
こちらがログイン後の画面なんですが、画面右側を見てください。「音声ファイルをインポート」という項目があります。そう、Langogo Miniを用いずとも、録音済みのファイルを文字起こしすることも可能です。(ただし、プロ版の有償機能になります)
実際に、過去に録音した1時間の雑談音声ファイルを読み込ませてみたところ、あっという間にテキスト化されました。(今回のレビューで最も驚いたのが、このテキスト化の速さでした。)もう、文字起こしする作業いらないじゃない……。
……とは言え、どのくらいの精度でテキスト化されるのか疑問を抱く方もいると思うので、青空文庫の「吾輩は猫である」を朗読して、テキスト化してみました。
AIによる自動認識なので、前後の文脈を解析して、一般的な語句はほぼほぼ問題なく変換していきます。
学習していない文字は派手に間違うようで「吾輩は」が全く認識されませんでした。ただ、間違いは学習させることができます……。間違っている箇所を指定して「ワードを入力して置き換えます」を選ぶのです。
置き換えるワードを入力して、正しい単語で置き換えます。
文章が修正され、AIはどんどん賢くなっていくのです(たぶん)。
AIによって「文字起こし」「議事録作成」といった人類にとっての面倒な作業が駆逐されましたよ……。すごいですね。
Langogo Miniを使う上での注意点が一つだけ……
なお、1ヶ月ほど使ってみたんですが、気になった点が一つだけあります。
それは、iPhoneケースを付けていると、Langogo Miniを接続できない場合が多いこと。挿せばなんとなく接続できたようになるものの、奥までは刺さりません。(ちゃんと接続できていると、Nottaアプリのダイアログが表示されます)
Apple純正のシリコーンケースは不可でしたが、memumiやCASEFINITE Frost Airのような超薄型ケースなら、ケースを付けたままLangogo Miniを挿すことができました。
Langogo Miniを使う際には、iPhoneを裸にするか、超薄型ケースを使うことになりますのでご注意ください。
まとめ
Langogo Miniのハードウェアとしての完成度もすごかったんですが、それ以上に度肝を抜かれたのがNotta.aiの音声認識・テキスト化ですね……。あの精度と速度は驚きです(これまでにもGoogleやiOSの音声入力はありましたが、あくまで入力補助でした)
今回のLangogo Mini&Notta.aiは、デジタルの力でワークフローを大きく変える、まさにデジタルトランスフォーメーションの最前線……世界が変わる、そう感じました。