1MORE初のANC/Bluetoothヘッドホン登場!
1MOREといえば、超コンパクトな完全ワイヤレスイヤホンや、寝たまま使える完全ワイヤレスの寝ホンなど、ユニークなオーディオ製品を開発しているメーカーです。
その1MOREから、アクティブノイズキャンセリング(以下ANC)を備えたBluetoothヘッドホンが発売されました。しかし、ただのワイヤレスヘッドホンとは思えません。1MOREらしい製品に仕上がっているのか、レビューを通してチェックしてみます。
1MORE SonoFlowをレビュー
今回レビューするのは、1MOREのBluetoothワイヤレスヘッドホン「SonoFlow」です。パッケージは「1」を大きく形作っています。左上の1MOREのロゴが目立ちますね。
1MORE SonoFlowは、Amazonの1MORE公式ストア@Amazon、または楽天の1MORE 公式 楽天市場店で販売されています(いずれも公式ストア)。
SonoFlowの特徴は大きく2つあります。LDACコーデックに対応したハイレゾワイヤレス対応、それから「QuietMax」と呼ばれるハイブリッドノイズキャンセリングです。
パッケージを開けると、キャリングケースと説明書が入っています。
キャリングケースの中には、コンパクトに折り畳まれたSonoFlowヘッドホンが入っています。キャリングケースで注目してほしいのは、ケーブル用のメッシュポケットです。フタを閉じたときにヘッドホンに干渉しないよう、隅に寄せられています。不意にケーブルが傷つかないようにデザインしているんですね、こういう作りは好印象です。
キャリングケースには、SonoFlowヘッドホン本体とケーブル2本が入っています。ケーブルは、充電用のUSBケーブル(USB-C to USB-A)、有線接続用のオーディオケーブルです。
SonoFlowを持ってみると軽く感じます。実際に計測してみると重量は256gと、軽量でした。
撮影時の照明の当たり方でシルバーっぽく見えるかもしれませんが、実際にはダークグレーの色みです。シャープな印象を受けます。
というわけで、SonoFlowを詳しく見ていきましょう。
SonoFlowは、優しいクッションが好印象!
SonoFlowのイヤーパッドの内側は、1MOREのアクセントカラーである鮮やかなレッド!この下に、DLC複合振動板を採用した、40mmもの大きさのダイナミック型ドライバーが内蔵されています。その音質にも期待が高まります!
驚きなのは、イヤーパッドです。プロテインレザーが採用されていて、なめらかな触り心地に、マシュマロのような柔らかい弾力性があります。これは装着性の良さにも期待できそうです。
プロテインレザーは、ヘッドバンド部分にも採用されています。
ヘッドバンドの上部には、1MOREのトレードマークがエンボス加工されているという、力の入れようです。
ヘッドバンドの左右には、1MOREのロゴ。
ヘッドバンドは、シャキッと伸びます。
次は、ボタン類を見ていきましょう。
SonoFlowは、操作性にもアイデアあり!
SonoFlowは右耳側の後ろに、3つのボタンが並びます。ノイズキャンセリング切り替えボタン、音量ボタンです。音量ボタンは曲送り・曲戻しも兼ねますが、珍しいのは長押しで曲送り・曲戻しできること。よくある操作は2回押しですが、2回押しはどうしても素早い動作を要求されてしまうので、長押し操作は理にかなっています。
左右のパッドの下部には、イヤホンジャック(有線接続用)とUSB-Cポート(充電用)があります。端子の中もレッドに統一する気合の入れよう、こうしたこだわりは大好きです。
なお、SonoFlowのイヤホンジャックは2.5mm仕様です。通常の3.5mmジャック(写真右)は挿さらないのでご注意ください。(このため付属ケーブルは2.5mm to 3.5mmになっています)
右耳側前方には、独立した電源ボタンがあります。再生・停止や、音声アシスタントの機能も割り当てられています。
SonoFlowのインターフェースで感心したのは、このボタンだけが独立して前面に配置されていること。ワイヤレスヘッドホンのボタンは、指の感触だけで操作するため、ボタンがたくさん並ぶと、確実に誤操作をしてしまいます。ときには外して確認することがあるかもしれません。
背面のボタンは3つに抑え、最も押し間違えてはいけない電源ボタンを、独立して前に持ってきたようです。音楽体験を損なわないように考えられた、いい仕様です。
QuietMaxハイブリッドノイズキャンセリングと通話のためのマイク
SonoFlowには、1MOREの「QuietMax」と呼ばれるアクティブ・ノイズ・キャンセリング技術が搭載されています。このため本体には、周囲の音を取り込むためのマイクが見えます。
ハウジングの内側にもあります。
右耳側には、通話用のマイクもあります。
後述しますが、これだけのマイクでANCを実現するので、その性能は期待しても良さそうです。
SonoFlowの付け心地は、最高に優しい!
実際に装着してみました。プロテインレザーの柔らかさと適度な弾力のおかげで、装着感は抜群にいいです。吸いつくようにすっぽりと耳を覆ってくれます。
私はメガネを常用しているので、ヘッドホンによっては痛くなることがあるんですが、SonoFlowはその優しい付け心地のおかげで、3〜4時間付けっぱなしでも疲れたり痛くなったりすることはありませんでした。
安いヘッドホンだと、きしみが気になることもありますが、SonoFlowは完成度が高く、全く気になりませんでした。
締め付けすぎず緩すぎず、優しく、適度な側圧です。これはいい!
SonoFlowと、Google Pixel 6aをペアリングする
いつもならiPhoneとペアリングするんですが、SonoFlowはハイレゾワイヤレスコーデックのLDACに対応しています。ということで、今回はGoogle謹製のAndroidスマートフォン「Pixel 6a」とペアリングすることにしました。
※発売直後から投げ売りのような価格で販売されているPixel 6aですが、その安さにに反するようなパフォーマンスの高さです。安くて高性能なAndroidスマホを探している方には強くオススメしたいです。
ところで、Pixel 6aとペアリングしたところ、ちょっと問題が発生しました。
SonoFlowのLDAC利用はアプリ内でチェックが必要
実は、Pixel 6aでペアリングしても、コーデックがAACで固定されてしまうのです。
Pixel 6aが悪いのかと、開発者向けオプションを触ってみたりしましたが、解決せず。その答えは1MOREアプリの中にありました(リンク先はGoogle Play ストア)。
1MOREアプリを開いてみると、「エルダック (LDAC)」という項目があり、これがオフ状態になっていました。オンにして有効にします。(オン・オフを切り替えるとSonoFlowが再起動します)
すると、Pixel 6a側の表示も「HDオーディオ:LDAC」と切り替わりました。
これで、LDACコーデックで聴くことができるようになりました。
LDACコーデックのSonoFlowで、Apple Musicの音楽を聴いてみた
2022年の大ヒット映画『ONE PIECE FILM RED』から「ウタの歌 ONE PIECE FILM RED」を聴いてみました。
ピアノの音が響き、力強いメロディーラインと、力強いAdoの歌声が、SonoFlowの音楽空間の中で響き渡ります。映画館で味わった迫力あるライブ空間が蘇るようです。
複数の音が重なり合い、重厚な音楽を奏でます。音は厚く、表現力は爆上がり。ボーカルと一緒に流れるピアノやバイオリンの音色も、ピンと弦を張ったように緊張感のある音色です。
さすがハイレゾワイヤレス、SonoFlowの性能と相まって、解像感も、立体感も、従来のBluetoothコーデックとは一線を画す表現力です。
SonoFlowとMacを有線接続して、ハイレゾを楽しむ
SonoFlowは付属のオーディオケーブルで有線接続が可能です。MacBook Airに接続して、Apple Musicの音楽を聴いてみました。
Pixel 6aとLDACコーデックで聴いたときも驚きでしたが、有線接続はさらに1段上の音質です……。低音が持ち上がり、音圧が上がります。DLC複合振動板を採用した40mmのダイナミック型ドライバーの実力を味わいました。
SonoFlowとiPhoneとペアリングしてみる
先ほどはPixel 6aとLDACコーデックの組み合わせでしたが、iPhoneともペアリングしてみます。AACコーデックながら、なかなかいい音です。LDACほどでは無いものの、SonoFlow持ち前の解像感・音圧・立体感は健在で、十分に満足いく音質です。
しかし、せっかくiPhoneでSonoFlowを活かすなら、有線接続でも使ってみたいところ。ddHiFiのTC35Cで直結してみました。ケーブルがわずらわしいものの、やはり有線はいいですね……。ただ、MacBook Airに直結したときよりもちょっと音圧が弱め。
そこで、本格的なUSB DAC(写真はLotoo PAW S1)を挟むことにしました。やはりDACが違うと音が変わります。音の張り、音圧、解像感、明らかに上がります。ポータビリティは若干落ちてしまいますが、室内で使うなら最高です。
なお、1MOREアプリ内ではプリセットされたイコライザーが用意されています。
私はデフォルトの状態で十分満足しているんですが、カスタマイズしたい方はぜひ使ってみてください。
SonoFlowのANCの実力は?
SonoFlowのサウンドについては申し分ない性能でした。それではANCはどうでしょうか?
SonoFlowのANC切り替えは、右耳側背面の「NC」ボタンで行います。押すごとに「ノイズリダクション」(ANC)→「パススルー」(外音取り込み)→「消灯」(OFF)と切り替わります。
もともとイヤーパッドの装着感の良さもあり、ANCなしでも遮音性能は抜群でした。しかし、ANCをオンにすることで、静かな場所だとしても、エアコンの音や、キーボードの音まで消して、ほぼ無音な空間を作ってくれます。
外で使ってみました。さすがに全て無音にするのは難しいですが、風切り音や電車の音、かなり小さく抑えてくれます。正直、数万円するハイエンドのワイヤレスヘッドホンとも勝負になるレベルです。
なお、外音取り込みはマイクで拾ってる感じが出ているので、自然さ(透過)はあまり無いです。あくまで外音取り込み、ですね。
SonoFlowにはマルチポイント接続もある(ただしまだ実験機能)
ワイヤレスイヤホンやヘッドホンで採用が進んでいるのが、同時に2台の待ち受けができる「マルチポイント」機能です。iPhoneとAndroidで使ったり、MacとiPhoneで使ったり、さまざまな組み合わせができます。
このマルチポイント機能、もちろんSonoFlowでも対応しています。ただし、LDACと同様で最初はオフになっています。アプリの1MOREメニューから「実験的機能」→「2台接続可能」をオンにする必要があります。(オン・オフするとSonoFlowが再起動します)
iPhoneとAndroidでマルチポイント接続してみましたが、特に違和感なく、スムーズに切り替えができています。
機能充実のSonoFlow、足りない機能はある?
機能が充実しているSonoFlowですが、使っているうちに「装着検知」が無いことに気づきました。頭から外すと音楽が止まり、再び付けると再生が始まる、という機能です。
最近は搭載される製品が増えているので、SonoFlowに無かったのはちょっと意外ですが、購入を思いとどまるほどのものでは無いでしょう。
1MOREアプリの環境音を聞いてリラックスしよう
なお、1MOREアプリの中には「落ち着くサウンド」として環境音のループサウンドが内蔵されています。
「Summer Rain」「Medium Fire」「Drizzle」「Thunderstorm」など、ループする音を選べます。集中したいときなど、使ってみるといいでしょう。
1MORE SonoFlowのまとめ
SonoFlow、いいヘッドホンです。
何より驚きなのは、これだけの機能性と音質の良さを備えながら、1万円ちょっとで買えてしまうこと。ハイエンドのワイヤレスヘッドホンは4万5万するものがゴロゴロしていますが、それらに肉迫する性能を備えているので、SonoFlowで満足できてしまう人も多いのでは無いでしょうか。
つまり、最高にオススメです。
- 実用性から考え抜かれた操作感の良さ
- プロテインレザー採用による、抜群の装着感
- LDAC採用による高音質
- ハイエンドワイヤレスヘッドホンに負けないノイキャン
- 40mmドライバーによる迫力ある音圧
- ANCオフなら連続再生70時間、ANCオンでも50時間
- マルチポイント接続に対応
- 有線接続も可能
- 同価格帯には敵なしのコストパフォーマンス
- マルチポイント接続にややもたつきあり
- 装着検知は無し
- 有線接続用のジャックが3.5mmではない
- 充電しながら使えない