USB PDの大出力アダプター、続々。
USB PDが登場して数年、PCやスマホでもUSB-Cを使った充電が一般的になってきました。そして、2018年末あたりから新素材であるGaN(窒化ガリウム)を採用した製品が登場し、USB充電器の小型化が進みます。
2019年にクラウドファンディングサイトKickstarterに登場したHyperJuiceのアダプターは、100Wの出力が可能なアダプターでした。
2020年は、100Wの大出力を可能にしたUSB充電器が多数のメーカーから登場しました。今回紹介する製品もその一つです。
シンプルな1ポート100W出力アダプター「PA-B5」
今回紹介するのは、Aukey製のUSB-ACアダプター「PA-B5」です。USB PDで最大100Wまでの出力に対応します。
AUKEY 100W PD Wall Charger PA-B5をレビュー
シンプルなデザインのパッケージです。本当に100Wも供給可能なアダプターが入っているのか、信じられないレベルの小ささです。
中に入っているのは、ユーザーマニュアルと、PA-B5本体のみ。
こちらが、100W PD Wall Chargerの「PA-B5」です。見るからに小さいのがお分かりでしょうか。
USB-Cポートは1つのみ。USB Power Delivery 3.0に対応しています。
重さはややずっしりめの151.0gでした。
プラグは持ち運びに便利な収納式になっています。
大きさを相対的に比較してみましょう。左がPA-B5。右は最大60Wを供給できるAnker PowerPort Atom PD 2です。PA-B5は明らかに小さいです。
それから冒頭で紹介したHyperJuice 100W GaN ACアダプタです。こちらも100W対応ですが、複数のUSBポートを持っています。
これらの高出力USB充電器と比較しても、PA-B5がかなり小さいことが分かります。
100W給電のために、100W対応のケーブルが必要
ただ、100Wもの電力をやり取りするのに、通常のUSB-Cケーブルでは対応できません。そこで、100W出力に対応したケーブルを用意する必要があります。
今回使用したのは、AUKEYのCB-CD23というケーブルです。(こちらの製品もサンプルをご提供いただきました)
内容物は、ユーザーマニュアルとCB-CD23ケーブルのみです。ケーブルは1mの長さなので、用途によってはやや短いかもしれません。
こちらのケーブルを使っていきます。
PA-B5で100W供給可能なことを確認する
PA-B5にCB-CD23を接続して、USB PDのPDO(Power Data Object)を見てみましょう。20V 5Aで100W出力が可能であることが分かります。
MacBook Proのシステムレポートでも、AC充電器の情報として100Wで認識されています。
……ただ、1ポートで100Wを必要とする機器は現時点でそうそうありません。91WのACアダプターが添付されたMacBook Pro 16インチのような、高性能なハイエンドデバイスになります。他にも、例えば次のような製品でも使えます。
ポータブル電源にも電力供給できるハイスペックモデル
今回AUKEY製ポータブル電源「PowerStudio」への電源供給でも活躍してくれました。100Wもあると、297Whもの大容量バッテリーへの電源供給も余裕です。
詳細のレビューはこちらから。
100Wの出力はオーバースペックでは、ない?
先ほどのPDOからも分かるように、USB PDはデバイスに合わせて最適な電力を供給するようコントロールされます。また、PD非対応のデバイスに対しても、通常のUSB充電器として使うことも可能です。
つまり、スマートウォッチのような省電力デバイスでも、MacBook Pro 16インチのような高性能デバイスでも、同じように使えるのがUSB PDアダプターなのです。
また、USB PDは対応デバイスをデイジーチェーン(数珠つなぎ)することで、供給される電力を分け合うことが可能になります。詳しくは下図を参考にしてみてください。
※ただ、2020年時点でUSB PDで入出力できるデバイスは一部のUSB-Cドックやモバイルバッテリーのような製品に限られます。
今後、USB PDが使えるデバイスが増えることを考えると、高出力のアダプターを1つ持っておくと何かと便利です。
まとめ
数年前までは100W出力のアダプターがこんなに小さくなるなんて予想もしてませんでした。最近ではUSB-Aのコネクタを使う機会も減ってきたので、USB-Cでなんでも済ませられるなら、これ1台ですべてが事足りますね。