みなさん「いいイヤホン」を手に入れたときのファーストプレイって何を聴きます?
私は、鉄板で必ず聴く曲があります。
スター・ウォーズの「メインテーマ」です。
ジョン・ウィリアムズの名曲、スター・ウォーズの「メイン・テーマ」
みなさん、耳馴染みありますよね?あの、ジャーン!から始まる壮大な楽曲。オーケストラの迫力が最高に映画の雰囲気を高めてくれます。
ところがこの楽曲、複雑に絡み合う楽器の、あまりの情報量の多さに、並のイヤホンでは楽曲の良さが引き出せません。
最近流行りのバランスド・アーマチュア多めの中華イヤホンだと、逆にガチャガチャしてしまうし、シンプルなダイナミック・ドライバだけのイヤホンでは解像感が出ません……。
1BA+1DDのハイブリッド構成イヤホン SIMGOT EM2
今回、SIMGOT様より、2019年5月22日に発売になるSIMGOT EM2を、発売に先駆けてご提供いただきました。EM2は、1基のバランスド・アーマチュア(BA)と1基のダイナミック・ドライバ(DD)を搭載した、いわゆるハイブリッド構成のイヤホンです。
正直な話をすると、SIMGOTというメーカーを存じ上げなかったのですが……お声がけいただいて、公式のWebサイトやAmazonの製品紹介を見させてもらうと、美しい製品づくりをするメーカーさんだな、という印象を受けました。
↓後日、グレードアップしたEM2 Roltionをレビューしました。
さて、実際に届いたSIMGOT EM2を見ていきましょう。
ハイレゾでハイブリッドなSIMGOT EM2をレビュー
マットな黒いパッケージでやってきました。ところで、パッケージ右上に金色のマークがありますね……これは……
「ハイレゾ」ロゴがあるのにお気づきでしょうか?そう、日本オーディオ協会の「ハイレゾリューション・オーディオ」認証に合格しており、ロゴが使用されています。
日本オーディオ協会の定めるハイレゾ対応機器の定義は、下記のようになっています。
一般社団法人日本オーディオ協会では、JEITA公告「(25JEITA‐CP第42号)ハイレゾオーディオの呼称について(周知)」を原則支持しており、
さらに弊協会が独自に追加した項目
<アナログ信号に関わること>
<デジタル信号に関わること>
<聴感に関わること>
を合わせて「ハイレゾオーディオロゴ」の定義と定め、この条件が録音、及び再生機器並びに伝送系において保証された機器をハイレゾオーディオロゴ対応機器と呼びます。
ハイレゾについては、過去記事で詳しく触れていますので、詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。
パッケージがそもそもオシャレ感ある
製品自体のレビューに入る前に、注目してほしいのがパッケージのデザインです。
よくあるイヤホンのパッケージだと、製品写真をかっこよく撮っているものが多い中、SIMGOT EM2はシンプルなイラストで、しかも、わざわざ擬似エンボス加工を施すという手間のかけよう……これは演出にコストかけてますよ。
見てほしいのは正面だけではありません。側面も丁寧にデザインされています。右側面にはケーブルとイヤホンプラグ。
反対面には、左右に伸びるケーブルがデザインされています。ケーブルの編み目まで表現する手間の入れようです……。
そして、写真の右端を見てください?内箱を引き出しやすいようにスリットまで入っています。パッケージからのおもてなし感すごい……。内箱の質感も手がかかってます。ここまで黒一色なのに、高級感ありますね。内箱も高級な蓋身式の印籠箱です。
蓋を開けると、EM2と革製の収納バッグの姿が……後ほど詳しく見ていきましょう。
こちらが、SIMGOT EM2の内容物です。EM2イヤホン本体に、銀メッキのコード、革製収納バッグ、保証カード・取扱説明書、となっています。
イヤーピースがない、とお気づきでしょうが、もちろん出てきますよ。
革製のイヤホンケースって、高級感半端ない!
様々なイヤホンをレビューしてきましたが、革製のイヤホンケースが同梱されているものは初めてです。ここまで徹底して高級感出してくると、感心してしまいます。
しかもこの革製ケース、取り出しやすいように軽いマグネット式になっていて、片手でも余裕で開けられます。そして、イヤーピースはこの中にありました……
イヤーピースは2種類×3サイズ付属しています。……というか、イヤーピース専用のカードに収まってますよ。ふつう、イヤーピースって袋にいっしょくたに入っているものとばかり。イヤーピース自体がカードに収まってるのすごい。
イヤーピースは、低音を増幅させる均衡型イヤーチップ(写真左)と、中・高音を増幅させる高通過イヤーチップ(写真右)があります。
いよいよ、イヤホン本体であるEM2を見ていきましょう。
SIMGOT EM2の外観をチェック
こちらがSIMGOT EM2本体です。今回提供してもらったのはクリアブラック(表記上は透明なブラック)モデルです。
スピン加工でヘアライン処理された円盤パーツと、金属プレートの組み合わせ、さらにトランスルーセント処理された本体と、非常に美しく高級感があります。
イヤホンというと、黒くてゴツくて男性的なものが多い中、EM2は女性が身につけるのにも違和感がない綺麗さがあります。
そして、本体は非常に軽く、左右2つ合わせて7.3g。(参考までに、SHURE SE425は左右合わせて5.2gです)
この中に、10mmダイナミック型ドライバー1基と、Knowles製BAドライバー1基(RAF-32873)が収まっているわけです。
ノズル部分は金色に輝くパーツ。この大きさのイヤホンにしては極端に大きいノズル、そして内部には規則的なパターンが見えるメッシュ加工。このノズルの大きさは、音質への自信のあらわれ、と見ました。
コネクタは、0.78mmの2pinタイプです。イヤホンケーブルと深く刺さるように凹凸の加工が施してあります。
イヤホンコネクタ側にもカバーがあるので、がっちりとホールドされ、容易に抜けたりしないようになっています。また、シュアがけできるよう、耳周りはカバーで覆われています。
シュアがけできるようにカバーが付いているイヤホンケーブルは多いですが、EM2に付属のケーブルは、この巻きの円が小さくなっており、より耳にフィットするような形状になっています。ケーブル1本とっても、気配りが効きすぎています。
SIMGOT EM2の音質をチェックしてみましょう
さて、試聴に行きつくまで見どころ満載でしたね。
それでは、GRANBEATに繋いでSIMGOT EM2の実力を聴いてみるとしましょう。音源は、moraで販売されているFLAC音源の『スター・ウォーズ: 最後のジェダイ (オリジナル・サウンドトラック)』(192.0kHz/24bit)です。
DAPとして申し分ない実力のGRANBEAT、ハイレゾ音源、という最高の舞台が揃ったわけですが、果たしてEM2は……
透明感、解像感、高音の伸び、ハンパない!
冒頭からやってくる、スター・ウォーズのあのオープニング!
全体に響き渡るオーケストラの迫力。どこまでも高く高く伸びていく管楽器の音色、耳をすませば演奏者の息遣いまで聞こえそうな解像感のある空間、弦楽器の震えまで届きそうな透明感。
素晴らしいのはこの高音域の伸び。人間の聴覚の限界いっぱいまで、音を響かせてくれる清々しさ。そして、その高音を邪魔しすぎず、音場をしっかり支える低音の重さ。ハイレベルな音が、このイヤホンの中にまとまっています。
映画『スター・ウォーズ』の世界観が……このSIMGOT EM2を通して蘇る……ずっと聴いていられる……。
まとめ
SIMGOT製品に対する先入観がなかったおかげで、衝撃度はマシマシです。
SIMGOT EM2、すごい。この価格でこの高級感、そして、この音質、この解像感、この迫力、さらに隅々まで考え抜かれたおもてなし感。ハイレベルな製品です。
ちょっと上のレベルのイヤホンをお探しであれば、絶対にオススメの製品です!(レビューのために提供してもらった製品ですが、それを差し引いても)文句なしの★5つです。
ちなみに、今回レビューしたSIMGOT EM2はブラックモデルでした。他にもパープル・ピンク・グリーン・クリア(透明)と全5色展開されていますので、お好きな色で選んでみてください!
【2019.06.02追記】FOSTEX TM2を使って、完全ワイヤレスイヤホン化してみました。