コモディティ化する完全ワイヤレス、決め手は?
完全ワイヤレスイヤホンの最初期の製品であるEarin(当時のKickstarterプロジェクトページ)の登場から約8年。このカテゴリはコモディティ化が進んでいます。1万円以下のリーズナブルな製品でも、機能的には充実していて、スペック上はハイエンドの製品と変わらないものもあります。
つまり、完全ワイヤレスイヤホンの選択肢は追いきれないほど多岐に渡る一方で、それに伴って、選ぶのも難しくなっています。無数の製品が存在する完全ワイヤレスイヤホン市場において、存在感を示すための要素はなんでしょうか?その一つの解は、「見た目」と「音の良さ」にフォーカスした製品かもしれません。
今回はSOUNDPEATSの完全ワイヤルスイヤホン「Opera 05」をレビューしていきます。
SOUNDPEATS Opera05をレビュー
SOUNDPEATS Opera 05は、海外のクラウドファンディングサイトKickstarterでプロジェクトが公開され(プロジェクトページ)、2万ドルの募集に対して250%の達成となる5.5万ドルの出資が集まりました。
そんなSOUNDPEATS Opera 05、日本ではMakuakeでプロジェクトが始まりました。下記のプランが用意されています(プロジェクト開始時点)。
Opera 05 超早割1台コース | 8,960円(38%OFF) | ※50名様限定 |
Opera 05 超早割2台コース | 16,800円(40%OFF) | ※15名様限定 |
Opera 05&Opera 03 各1台の欲ばりセット | 16,500円(34%OFF) | ※30名様限定 |
このSOUNDPEATS Opera 05を先行してレビューさせてもらえることになったので、どんな製品なのか確認していきましょう。
SOUNDPEATS Opera 05のパッケージはコンパクト。
SOUNDPEATS製品のパッケージは過去にこういったものがありました。いずれも人物モデルの後ろにSOUNDPEATSロゴが配された、統一感のあるデザインです。
SOUNDPEATS Opera 05のパッケージを開けていきましょう。ミニマルにまとまっています。
こちらが付属品です。説明書に本体+充電ケース、USBケーブル、そしてイヤーピースとなっています。今回、レビュー用に製品サンプルをご提供いただいていますが、 この時点で説明書は日本語化されていました。
SOUNDPEATS Opera 05を実際に購入されたら、説明書を見つけるのに苦労するかもしれません。実は、パッケージのフタの裏側にピッタリとハマっていました(どこにも無かったのでしばらく悩みました)。
イヤーピースについては、本体に付けられているMサイズ以外に、SサイズとLサイズが付属しています。一般的な組み合わせですね。
それでは、詳しく見ていきましょう。
美しすぎる!SOUNDPEATS Opera 05のデザイン
こちらがSOUNDPEATS Opera 05の充電ケースになります。写真だと伝わりにくいかもしれませんが、ゴールドの輝きが化粧品やアクセサリーのようで美しいです。この美しさはテンションが上がりますね。
こちらは充電ケースの背面で、充電用のUSB-Cポートが見えます。ポート周りにはゴールドの縁取りがされています。また、ブランドロゴが別パーツのプレートで処理されています。実はこの部分は蝶番なのですが、それと分からないようにデザインされていました。
SOUNDPEATS Opera 05は、一つ一つのパーツについて、ラグジュアリー感のあるデザイン処理が施されています。
完全ワイヤレスイヤホンはデザインにこだわった製品が多いんですが、シンプル・スタイリッシュなデザインは多いものの、意外とゴージャス・ラグジュアリーなデザインはあまり見かけません。製造コストや想定ターゲットの話もあるでしょうが、やはり電波の問題が大きいのでは無いでしょうか。
金属と電波の関係性を考えると、外装に金属を使うと電波を通さなくなるため、接続性や音質に影響が出てしまいます。また、不必要に重量が増えてしまう懸念もあり、金属製(あるいは金属っぽく見える)デザインはレアと言えます。
……と言いつつ、過去にそういった製品をレビューしていたのを思い出しました。
SOUNDPEATS Opera 05は、メタリックなパーツとそれ以外のパーツをバランスよくデザインしていて、今回のようにラグジュアリー感のある製品に仕上げています。
……と、序盤でここまで書いてしまうのも、SOUNDPEATS Opera 05のデザインがかなり気に入っているため。この先もちょいちょい話が脱線するので、ご容赦ください(適度に読み飛ばしてください)。
充電ケースの側面には、ペアリング用のボタンがあります、
ゴールドの輝きに目を奪われがちですが、黒い部分にも注目してください。石のようなテクスチャが施されているため、黒曜石を加工したようなデザインになっています。(とはいえプラスチックなので軽い)
SOUNDPEATS Opera 05の充電ケースを開いてみましょう。はい、輝きがスゴイです。キラッキラしてます。
完全ワイヤレスイヤホンも、ついにアクセサリーとして身につける時代が来た、と言えます。これは満足度が高いですね。
スーツやドレスのように、カチッとしたスタイルで一緒に持ち歩きたいものです。この点ではAirPodsのようなホワイトでは浮いてしまうので、SOUNDPEATS Opera 05の方が向いています。
イヤホンを取り出してみました。プラスチックでこの光沢感と金属感を表現しているのは、すごいですね。かなり気に入っています。キラキラしたものって、見ているだけでテンションが上がりますよね。
イヤホン自体の大きさはちょっと大ぶりな感じ。
では実際に重さはどのくらいなのか、気になったので計ってみましょう。
イヤホン込みの充電ケースは60.5g(写真左)。完全ワイヤレスイヤホンとしては一般的な重さです。左右のイヤホンは2つ合わせて14.8g、数値だけ見ると、ちょっとだけ重め(気になるほどではない)。
次は、音質を確認してみましょう。
魅せるデザイン?SOUNDPEATS Opera 05を装着してみると……?
SOUNDPEATS Opera 05を装着してみました。光沢感と金属感は存在感があり、オーディオ機器としてよりも、アクセサリーのような雰囲気が出ています。
イヤホンの形状が大ぶりなこともあり、やや出っ張ってる感じがしますね。
しばらく使ってみましたが、落ちたりするようなことはありませんでした。とはいえ、イヤーピースはぴったりめか大きめを選んでおくほうがいいでしょう。
ラグジュアリーなSOUNDPEATS Opera 05、その音質は?
iPhoneとペアリングしてみました。Apple Musicの音源を聴いてみます。
第一印象は、音場が広くて、解像感が高め、です。広いステージ上で自由に音が踊っていて、その一つ一つの音が輝いている感じ。一言でいうと、キラキラした音が鳴るイヤホン、と言ってもいいかもしれません。
音質としては、高音から低音までバランスがよく、それでいてメリハリが効いた音が出ています。音の量感も豊かで、 例えばクラシックとか映画のサウンドトラックのように音色が多い音楽でも楽しめます。
プロジェクトページを確認してみると、SOUNDPEATS Opera 05のドライバーに使われているのは、ワイヤレスイヤホンとしては大口径な12mmのダイナミックドライバーと、2基のバランスド・アーマチュアドライバーでした。つまり、2BA+1DDの贅沢なハイブリッド構成……なるほど、これだけ豊かな音が鳴るのも納得です。
ラグジュアリーでゴージャスなのは、デザインだけではありませんでした。外側(デザイン)も内側(ドライバー)も贅沢仕様です。
ノイズキャンセリングと外音取り込みの性能は?
ノイズキャンセリングと外音取り込みモードは、左側のイヤホンのタッチボタンを長押しするごとに、切り替わります。
ノイズキャンセリングの性能は、マイルドだと感じました。AirPods ProやSONY・BOSE製品のように、周りの音を完全消去するような類のものではなく、周囲の音量をスッと絞るような印象です。それでも、快適に音楽を聴くには十分と感じます。
一方、外音取り込みに関しては、マイク越しに音を拾ってる感じがあり、自然さはありません。電車のアナウンスを聞きたいとか、周囲の音を聞きたたい時には有効ですが、イヤホンをしたまま喋りたいといった用途では、不自然さがありました。
音楽用デバイスとして考えれば十分、ヒアラブルデバイスとして考えると物足りない、そんなところでしょう。
SOUNDPEATS Opera 05をハイレゾワイヤレスで聴く
SOUNDPEATS Opera 05は、ハイレゾワイヤレスコーデックのLDACに対応しています。LDACはSONY製品をはじめ、最近のAndroidスマートフォンでも採用されています
残念ながら、iPhone(というかApple製品全般)にはLDACは採用されていません。そこで、ここからはLDACが使えるAndroidスマートフォンとして、Google Pixel 6aで試します。
SOUNDPEATS Opera 05とPixel 6aをペアリングすると、標準でLDACが有効になります。
設定から見ると、HDオーディオという名称で表示されています。
では、iPhoneで接続したときと、どう変わるのか。Apple Music上の同じ音源を使って、聴き比べてみました。いくつか聴いてみて象徴的だったのが、映画『ラ・ラ・ランド』のサウンドトラックから「Another Day of Sun」です。(プレミアムモルツのCMでも使われているので、聞き覚えのある方も多いでしょう)
まず、冒頭のピアノの音から全く違います。ピアノの鍵盤の重みがちゃんと伝わる、空気の震える質感が伝わってくるような、解像感の高い音が鳴っています。楽器の生音、例えば、ドラムの振動、ピアノの鍵盤の重さ、弦楽器の弦の空気感、こういったものがすごくクリアに聞こえるのが、ハイレゾですね。
あと、映画『THE FIRST SLAM DUNK』の主題歌になってる10-FEETの「第ゼロ感」。iPhoneとPixel 6aで聴き比べてみたんですけど、冒頭の押し出し、それから疾走感のあるサウンド、同じイヤホンなのに迫力がまるで違います。これを聞いてると、また映画を見に行きたくなる、そんな気持ちを思い起こさせるような素晴らしい音です。
Apple MusicもAmazon Music HDもハイレゾの音源を配信しているので、お気に入りの音楽を改めて聴き直して、新たな音に出会ってみてほしいです。
SOUNDPEATS Opera 05はアプリ対応
SOUNDPEATS Opera 05にはスマホ用のアプリも用意されています(App Store / Google Play)。SOUNDPEATS Opera 05のデザインとは打って変わって、シンプルな見た目のアプリです。
イコライザーのカスタマイズや、ノイズキャンセリング機能の切り替えが可能になっています。
ファームウェアのアップデートも可能です。今回のレビュー段階では、バージョン0.0.8→0.1.0のアップデートが降ってきました。
本体のデザインの出来の良さに比べると、アプリの出来はもう一つかな……という印象です。
SOUNDPEATS Opera 05に足りないものは?
ここまで見てきたように、SOUNDPEATS Opera 05は、高級感のあるラグジュアリーなデザインとハイレゾワイヤレスを実現する高音質が特徴です。ただ、こういった特徴がある一方で、足りない機能もあります。
まず、最近のトレンドである、複数台のデバイスで同時待受ができるマルチポイント接続にも対応しません。
それから、充電ケースにはワイヤレス充電機能がありません。ケーブルで充電すればいいだけなんですが、気にされる方もいるでしょうから、一応言及しておきます。
SOUNDPEATS Opera 05のまとめ
デザインと音質は抜群、ANCと外音取り込みは十分、マルチポイント接続とワイヤレス充電には対応しない、と出来ること・出来ないことのバランスがしっかりしています。なによりデザインの良さが、そのまま音の良さに反映されている、そんな満足感を得られます。オススメしたい完全ワイヤレスイヤホンです。
とりあえず、このキラキラしたデザインが気になったなら、間違いないです。Makuakeでリーズナブルに入手できるうちにぜひ!
- LDAC搭載でハイレゾワイヤレスに対応
- 12mmダイナミックドライバーと2基のBAドライバーの贅沢な構成
- 唯一無二のラグジュアリーなデザイン
- 専用アプリに対応
- アプリの完成度はまだこれから
- ワイヤレス充電には対応しない
- マルチポイント接続には対応しない