「探す」アプリを使いこなす
AirTagの登場で、mamorioやTileなどの「忘れ物防止タグ」市場が“ふたたび”盛り上がってきています。
ただ、忘れ物防止タグは便利ですが、タグそのものを一緒に持ち歩く必要があります。バッグやカバンに入れておく分にはいいんですが、財布やイヤホンなどの薄いものや小さいものはかえって邪魔になってしまいます。
そこで登場するのがiOS14からプリインストールされるようになった「探す」アプリ。これまではiPhoneやiPadを探すためのアプリでしたが、それ以外の対応機器も探せるようになりました。今回紹介するのは、その「探す」に対応した完全ワイヤレスイヤホンです。
iPhoneから“探せる”完全ワイヤレスイヤホン
今回紹介するのは、ベルキンの完全ワイヤレスイヤホン「SOUNDFORM Freedom」です。ベルキンといえば、Apple製品に対応した周辺機器を多く発売しているメーカーです。
※本レビューにあたって、製品サンプルを提供いただきました。
belkin SOUNDFORM Freedomをレビュー
こちらがbelkin SOUNDFORM Freedomのパッケージ。ベルキン製品らしく、グリーンのキーカラーが映えます。今回レビューするのはホワイトカラーです。
パッケージ背面には多国語の説明があります。
そして、本製品の特徴でもある「探す」に対応した「Works with Apple Find My」マークです。このマークは初めて見ました。
内箱を取り出すとグリーンの台座に、SOUNDFORM Freedomの充電ケースが鎮座しています。
内容物は、SOUNDFORM Freedom+充電ケース、イヤーチップ(ベルキンではイヤージェルと表記)、USBケーブル、ユーザーマニュアルとなっています。
ちなみに、イヤーチップはサイズごとに小袋に分けられています。一緒くたにされがちなイヤーピースですが、こうした細かい気遣いに企業姿勢が表れているとも言えますね。
それでは、充電ケースを見ていきましょう。
SOUNDFORM Freedomの充電ケースは小型でワイヤレス充電に対応!
SOUNDFORM Freedomの充電ケースは触ってみてわかるコンパクトさ。
ケース全体はマットな処理をされていますが、上面だけ光沢処理がされています。
光って見づらいですが、belkinロゴがエンボス処理されています。
充電ケースの背面には、充電用のUSB-Cポートがあります。USB-Cポートの横には再ペアリング用のボタンがあります。
このコンパクトさで、ワイヤレス充電にも対応しています。
ワイヤレス充電に慣れてしまうと、ケーブルは使わなくなりそうですが、USBケーブルでの充電時は15分の充電で2時間再生が可能になるので、ふだんはワイヤレス、急ぎの場合はUSBケーブルという使い分けが良さそうです。
イヤホン+充電ケースで36時間の音楽再生
充電ケースを開けていきましょう。
イヤホンのほかに目に入るのは、Apple Find My機能を表すマークです。この機能については、後ほど。
なお、SOUNDFORM Freedomイヤホンは、充電ケースに入ったままでペアリングが可能です。(ブルーのLEDが点滅しています)
イヤホン込みの重量は59.4g。完全ワイヤレスイヤホンとしては標準的な重さです。
イヤホンだけの重さは左右で10.5g。こちらも重すぎず軽すぎずというところ。
ケースもイヤホンも重さは標準的ですが、このサイズと重さで36時間の音楽再生時間を実現しています(イヤホン本体8時間+充電ケース28時間分)。一般的な使用では十分な使用時間でしょう。
SOUNDFORM Freedomイヤホンは軽量で、やや大ぶり
イヤホン単体で見ていきましょう。AirPodsのようなスティック型の形状をしています。内側には近接センサーがあるので、音楽再生中に外せば音楽停止、そのまま耳につければ再生が始まります。
SOUNDFORM Freedomイヤホンはデュアルマイクを備えており、スティックの先と耳の近くにマイクがあります。
アクティブノイズキャンセリング機能はありませんが、Qualcomm cVc8アルゴリズムで周囲の雑音を低減してくれます。
イヤホンの外側はタッチセンサーになっています。指の腹で押しやすいように、緩やかな凹みがあります。
実際に装着して見ました。AirPodsと比べるとやや大ぶりな印象を受けます。
ただ、AirPodsより大ぶりなぶん、耳の中への収まりはよく安定します。
防水性能はIPX5なので、お風呂で使うのは危ないけど、ジムや小雨の中で使うには問題ない性能です。
SOUNDFORM Freedomの音質は、“驚くほど低音が響く”
iPhone 12 Pro Maxとペアリングしてみました。Wi-Fi環境下でApple Musicのロスレス音源を聴いてみます。
正直なところ、最初は音質にはあまり期待していませんでした。本製品の訴求ポイントは「Apple Find My」機能にあると思い込んでいたので。ところが、その思い込みは1曲目で打ち壊されます。
まず聴いてみたのは、映画『竜とそばかすの姫』の主題歌になっている『U』(millennium parade & Belle)です。
壮大な世界の始まりを告げるドラミングが、いきなり耳奥を響かせます。厚みのある音圧、クリアな音質、想像していなかった音が飛び込んできて、目が覚めました。
慌てて製品サイトの仕様を見てみると、採用されていたのが、PEEK+TPUの二層構造の7mmダイナミックドライバー。この迫力ある音はこのダイナミックドライバーの作用かと納得しました。
迫力ある低音はいかにもダイナミックドライバーという感覚ですが、さらに特筆すべきは、抜けのいい高音でしょう。高級イヤホンではなかなかお目にかかれないスカッとした抜けの良さは気持ちよく音楽を聞かせてくれます。
音質の良さは嬉しい誤算でした。高級機には高級機の良さがありますが、これだけ分かりやすいと人にもオススメしやすいです。
他社製イヤーピースの取り付けには要注意
さて、音質のいいイヤホンに出会ってしまうと試したくなるのが、イヤーピースの交換です。ノズルの形状は円形なので、汎用的なイヤーピースが使えそうです。
SpinFitのCP100+を使ってみたところ、がっちりホールドしてくれますが、さすがに高さがあり、充電ケースに収まりませんでした。(CP100+はもともと有線イヤホン用ですからね)
そこで、完全ワイヤレスイヤホン用のイヤーピースのSpinFit 360を試してみたところ、まだ高さがあるようで、充電ケースから浮いてしまいます。
ならばとAirPods Pro用のSpinFit CP1025を使ってみたところ、ようやく充電ケースにフィットしました。
そのほか、手持ちのイヤーピースを試してみましたが、SednaEarfit ShortやXELASTECもダメ、COMPLYもケースに入らずダメでした。そんな中、finalのTYPE E完全ワイヤレス専用仕様は高さも抑えられており、充電ケースにもしっかり収まりました。
付属のイヤーピースも悪くないんですが、finalのTYPE E完全ワイヤレス専用仕様だとしっかり耳にフィットして、音を引き締めてくれて好感触です。
「Apple Find My」を使ってみる
さて、それでは本製品の特徴である「Apple Find My」機能を使ってみましょう。
USB-Cポートの横にあるボタンをしっかり3回押します(長押しではないです)。するとピーピーとビープ音が鳴り、「Apple Find My」機能が有効になったことが分かります。
次に「探す」アプリを開いて、「持ち物を探す」に進みます。「持ち物を探す」のドロワーを上にフリックして「+新しい持ち物を追加」を選びます。
すると、SOUNDFORM Freedomを見つけてくれるので、「接続」をタップします。
Apple IDに登録していいか、許諾画面になります。問題なければそのまま進めましょう。
現在地がマップで表示されます。
iCloudを通じて同期するので、同じiCloudアカウントを使用していれば、iPadでもMacからでも「探す」ことができるようになります。
なおAirTagと異なり、常に捕捉できるではなく、イヤホンを充電ケースに収めてフタを閉めたときに位置情報が同期されるようです。最後に使った位置が分かる、という意味では正しい動作ですね。
まとめ
Apple Find Myという新たな機能に対応した完全ワイヤレスイヤホン「belkin SOUNDFORM Freedom」。
機能的な目新しさもさることながら、驚かされたのは音質の良さです。ダイナミックドライバーらしい迫力のある音と、抜けるような透明感のある音質が好きな方にはオススメの完全ワイヤレスイヤホンです。
belkin SOUNDFORM Freedomはホワイトとブラックの2つのカラーが用意されています。