財布に入らないAirTag……
2021年4月、満を持して登場したApple製の忘れ物防止タグ「AirTag」。UWBによる近距離通信や、世界中のiPhoneを使ったネットワークの構築など、先行する他社サービスを駆逐するかのような展開です。
私もAirTagを購入してみたんですが、確かによくできています。ただ、一つの問題を除いては。
AirTag、分厚くて財布に入らないんです……。
クレジットカードサイズになったMAMORIO
AirTagと比較される他社の忘れ物防止タグといえば、日本ではMAMORIOとTileでしょう。特にMAMORIOは、JRや私鉄と連携して、忘れ物通知サービスを展開しています。
そのMAMORIOから登場した新製品がカード型の「MAMORIO CARD」です。MAMORIOも十分に小さかったんですが、少々厚みがありました。
今回はカード型と言うことで、相応にかなり薄くなっているようです。
MAMORIO CARDを購入して使ってみましたので、レビューしてみます。
MAMORIO CARDをレビュー
こちらがMAMORIO CARDのパッケージ。紙しか入っていないんじゃない?と思うほど薄いです。
中身は、MAMORIO CARD本体とスタートガイドのみ。
こちらがMAMORIO CARD本体。見た目は黒いクレジットカードのようです。
実際のクレジットカード(写真上)と比較してもこの通り。
驚きなのはその薄さ。カードサイズといっても分厚いのでは……?と思われるかもしれませんが、フラットで薄いです。
実際にクレジットカードと薄さを比較してみましょう。クレジットカードのエンボス部分を含む薄さは1.2mm。
対して、MAMORIO CARDはなんと1.5mm。実際のクレジットカードと比べてもいい勝負ができています。
参考までに、エンボスのないクレジットカードも測ってみましょう。こちらはau PAY プリペイドカード。0.7mmでした。
MAMORIO CARDは、エンボスなしクレジットカードの約2枚分しかないという驚異の薄さでした。すっごい薄い。
画期的!カード型なのに、ワイヤレス充電対応!注意点も……
忘れ物防止タグの悩みどころはバッテリーです。AirTagのようにボタン電池での交換式もあれば、MAMORIOのように使い捨てのものもあります。
電池交換式は繰り返し使える一方で、本体が大きくなりがち。使い捨てのものは小型軽量化できるものの、本体ごと乗り換えが必要です。忘れ物防止タグはどちらかに分類されるものですが、MAMORIO CARDは汎用的なQiワイヤレス充電を採用しました。
これまでの忘れ物防止タグになかった画期的な仕様で、薄型軽量化され、ボタン電池は不要、繰り返し使える、という良いことずくめです。
ちなみに、Qiワイヤレス充電にあたって注意点が必要です。それは、充電パッドの位置です。上の写真では充電パッドの中央にMAMORIO CARDを乗せていますが、この位置は誤りです(LEDが点灯していません)。下図のようにずらしておく必要があります。
購入当初、Qiワイヤレス充電パッドの中央に置いたのにまったく充電されず、不良品を疑ったんですが、実は上記のような原因がありました。お気をつけください。
MAMORIO CARD専用充電器が発売される
ワイヤレス充電器をお持ちでない方のために、MAMORIO CARD専用のワイヤレス充電器が発売されました。何が専用かといえば「位置合わせ用」のガイドが付いたこと。それ以外は普通のワイヤレス充電器なので、iPhoneやワイヤレスイヤホンを充電することができます。
MAMORIO CARDとTile Slimを比較してみる
ここまで見ていただいた通り、MAMORIO CARDはクレジットカード大で薄く軽く、ワイヤレス充電にまで対応しています。
しかし、実は競合のTileにもカード型の機器が存在します。それが「Tile Slim」です(写真右)。
Tile Slimのレビューは下記から。
この2製品を重量で比較してみましょう。MAMORIO CARDは12.5gです。完全ワイヤレスイヤホンくらいの軽さです。
一方、Tile Slimは14.9g。MAMORIO CARDには2.4gと僅差で負けていますが、それでも十分軽いです。
ところが、2製品は薄さで大きな違いがありました。
先ほども測定したように、MAMORIO CARDは1.5mmです。
一方、Tile Slimは2.3mmと、1.5倍近い厚さになりました。Tile Slimは端が薄く、中央が厚い仕様になっているので、数値化するとかなり厚い印象を受けます。
参考までに、AirTagは8mm(公称スペック)。クレジットカード7〜8枚分ありますね。とても財布に入る代物ではありません。
MAMORIO CARDが後発だけあって、Qiワイヤレス充電対応も含め、同じカード型でも洗練されていました。とはいえ、価格差もあるので、検討してみてください。
登録はMAMORIOアプリから
MAMORIO CARDの登録は従来通り、MAMORIOアプリ( App Store / Google Play )から行います。
アプリの案内に従っていけば、迷うことはないでしょう。
これで設定完了!あとは、見守りたいモノの中に入れておきましょう。
QRコード決済の普及で、現金を使う機会は激減していますが、それでも現金と一部のカードも持ち歩くので、邪魔にならないコンパクトな財布を使っています。
私が使っているコンパクトな財布は、フレキシブルIoT財布の「TIME」です。
このTIMEにはカードポケットがあり、他のカードと一緒にMAMORIO CARDを放り込んでおけます。
まとめ
これまでTile Slimを使っていましたが、MAMORIO CARDに差し替えたことで、他のカードを1枚余分に入れられるようになりました。
MAMORIOはJRや私鉄の駅に専用アンテナ(MAMORIO Spot)が設置されていることが多いので、電車での忘れ物・落とし物をした際の安心感があります。
AirTagの登場で、忘れ物防止タグの競合企業は厳しい戦いを強いられることになるでしょうが、MAMORIO CARDのように用途特化型のユニークな製品で差別化して欲しいなと思う次第です。