YAMAHA TW-E7A レビュー/延期続きだったヤマハのフラッグシップ完全ワイヤレスイヤホン……その実力は?

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※『TW-E5A』『TW-E7A』は回収・返金対象となっています(2021年3月2日更新)
ヤマハでは『TW-E5A』『TW-E7A』を販売終了として、販売済みの製品は回収・返金を行うそうです。詳しくは下記ページからご確認ください。
完全ワイヤレスBluetooth®イヤホン『TW-E5A』『TW-E7A』の回収・返金と販売終了につきまして

熾烈さを増す完全ワイヤレスイヤホンの性能競争

2019年〜2020年の完全ワイヤレスイヤホン市場は、AirPods ProやWF-1000XM3に代表される第2世代の争いでした。その中心となる機能が「アクティブノイズキャンセリング(以下ANC)」です。
AirPods Proのあまりの完成度に、ANC機能がないハイエンド製品は冷遇されたり、ローエンド製品まで(大した効果のない)ANC対応を謳ったり、中にはJabraのようにソフトウェアアップデートで後付けで実装するといった、ANCに振り回される年でした。
https://www.makkyon.com/2020/08/22/jabra-elite-75t-with-wireless-charging/
そして、このANC戦争に参戦を表明しながら、数々の延期を重ねてきたメーカーがありました。それが、今回紹介するYAMAHAです。

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延期の末に発売された、YAMAHAのフラッグシップ

YAMAHAが完全ワイヤレスイヤホン参入を発表したのが2019年11月。ローエンド(TW-E3A)、ミドルレンジ(TW-E5A)、ハイエンド(TW-E7A)と3カテゴリーの製品を発表しました。
……が、ハイエンドのTW-E7Aは延期に延期を重ねます。こんな流れでした。

2019年11月11日 TW-E7A / TW-E5A / TW-E3A 発表(12月以降順次発売)
2019年12月6日 TW-E5A発売延期(TW-E7Aに関するアナウンスなし)
2020年1月15日 TW-E7A発売延期
2020年7月2日 TW-E7A発売延期
2020年8月6日 TW-E7A発売日決定
2020年9月18日 TW-E7A予約受付開始
2020年9月30日 TW-E7A発売開始

YAMAHAほどの企業でも、こんなに大変なんですね。(コロナ禍も多分に影響しているのでしょうが……)危うく発表から1年が経つところでした。ともあれ、めでたく発売開始です。

待っていたので、もちろん購入しました。1ヶ月ほど使ってみたレビューとなります。

YAMAHA TW-E7Aをレビュー

TW-E7Aのパッケージには、ドラム演奏に没頭する女性(女の子?)の写真が採用されています。オモテ面に製品写真以外のイメージが優先されるのは珍しいですね。YAMAHAの心意気が伝わってくるようです。

背面には日本語表記一切なし。すべて英語表記で特徴が書かれています。

パッケージを開けると、マニュアル、ソフトキャリングポーチといった付属品が出てきます。

ところで、ひときわ目立つこの印刷物、なんだと思います?

これ、スタートアップガイドなんです。意欲的すぎる。

プラ製のトレーに、各種付属品が含まれています。

TW-E7Aの付属品は、TW-E7A本体のほか、充電ケース、シリコンイヤーピース、シリコンスリーブ、USBケーブルとなっています。

シリコンイヤーピースはなんと5サイズ。(MサイズはもともとTW-E7Aに取り付け済み)

サイズは、左からLL、L、M、S、SSとなっています。

SSからMサイズまで緩やかに大きくなっていますが、MサイズとLサイズにそこそこ差がありますね。

TW-E7A本体は小型軽量だが、YAMAHAロゴの主張が強い

こちらが、TW-E7A本体になります。ハウジング上にレイアウトされたYAMAHAロゴの主張が強いですね。

このロゴは浅めのボタンになっていて、各種操作が可能です。
側面から見ると、ハウジングが丸々しているのが分かります。シリコンイヤースリーブがハウジングの半分以上を覆っているのが分かるでしょうか。
ハウジングの内側を見ると、イヤーフックとイヤーピースがシームレスに繋がっているように見えます。肌に直接触れる部分にはシリコンを当て、肌への違和感を極力なくしているようです。
TW-E7Aの左右のユニットを合わせた重量は13.6gあります。

数値的には軽くありませんが、体感的にはもっと軽い印象を受けます。

TW-E7Aの充電ケースはオーソドックスな作りだが、YAMAHAロゴの主張が強い

こちらが、TW-E7Aの充電ケース。上から見たところ。イヤホンだけでなく、充電ケース自体もYAMAHAロゴの主張が強いようです。

充電用のUSB-Cポートは、ケースの背面にあります。

充電ケースを開いたところ。内側に緩衝材が貼られており、イヤホンと接する部分を保護しているようです。

TW-E7AにシリコンスリーブのLサイズを装着して、充電ケースに入れてみました。このサイズのスリーブがぴったり入るように作られているようで、TW-E7Aの取り出し時にやや窮屈な印象を受けます。

充電ケースはもちろん、ワイヤレス充電にも対応しています。載せれば即充電という分かりやすさは、今後も他社製品にも広がって欲しいところ。

正面から見ると、充電されているかどうかは充電パッドを見るしかありません。充電状況はケース背面のLEDを確認しましょう。

イヤホンを収納した状態での充電ケースの重量は72.0g。重くもなく軽くもなく、完全ワイヤレスイヤホンとしては平均的なレンジに収まっています。

最長28時間のバッテリーライフを実現するので、この程度の重さになるのでしょう。(本体7時間+ケース充電21時間で、最長28時間)

TW-E7Aの装着感は安定していて、耳への収まりも良い

TW-E7Aを耳に装着してみました。耳孔にピッタリ収まるように設計されていて、フィット感は上々です。
横から見ると、やはりYAMAHAロゴの主張が強いです。

ハウジングが丸い形状をしているため、じゃっかん飛び出しているように見えますが、シリコン製のイヤースリーブが密着していて、外れそうな気配は一切ありません。

装着感は非常によく、ジョギングなどの運動時でも安心して使い続けることができます。

物足りない?TW-E7Aのコンパニオンアプリ

それではいよいよiPhone 11 Pro Maxとペアリングして使ってみます。

TW-E7Aにもコンパニオンアプリが用意されているので、さっそく「Headphones Controller」をダウンロードします。

アプリで設定できる項目はわずかに3つ。YAMAHA独自の「リスニングケア」のON/OFFと、ノイズキャンセリングのON/OFF、オートパワーオフの時間だけ。

アプリの機能としては物足りないことこの上ないですが、地味に便利なのが、ユーザーガイド。マニュアルいらずで、ほぼここから参照できます。

コンパニオンアプリとしては必要最低限の機能ですが、これはユーザーに最良の音を届けるための設計思想のようにも思えます。

TW-E7Aの音質は?

それでは、肝心の音質を確認していきましょう。Apple Musicのストリーミング音源や、Amazon Music HDのダウンロード音源を聴いてみます。

音質の特徴はきわめてフラット。低音域にはやや弱さがあります。ただ、音場が広く開放感があり、中〜高音域の解像感が秀逸で、楽器の音がよく聞こえるのはYAMAHAならではのチューニングといえます。何時間使っても、聴き疲れが少なく、とても気持ち良いですね。

ANC機能を電車内で使っていますが、この価格帯の製品としては、控えめな実力といったところ。基本的にはONにしておいて、音楽を聴きやすくするという使い方が合っています。AirPods Proのような分かりやすいANCではありません。
周りの音を聞きやすくするアンビエントサウンド機能は、マイクの音を拾っている感じがあり、周囲の音を聞く目的としては問題ありませんが、こちらもAirPods Proのような透過した感覚にはほど遠いです。

TW-E7Aは改善すべき点が多い?

音質は満足できる性能なのですが、TW-E7Aの弱点は電波の弱さ。混雑エリアの一つである新宿駅のホームでは、電車が滑り込んでくるたびにブツブツと、頻繁にキレ出します。この弱さは、同価格帯の他社製品と比べても、一段劣ってしまうほど。
屋内や、人の少ない屋外で使う分には何の問題もないのですが、混雑した電車で使うなら注意が必要です。
なお、頻繁な音切れと、充電時の不具合があったので、初期不良と判断され、新品交換してもらいました。充電の不具合は治ったものの、音切れについてはほとんど症状は変わりませんでした。
また、1ヶ月使ってみて気になったのは、電池持ちの悪さです。金曜日に使って、土日を挟んで月曜日になると、充電が意外と減っています。
気づいたときにワイヤレス充電器に置くようになりましたが、AirPods ProやSONY WF-1000XM3は1ヶ月使わなくてもそこそこバッテリー残量が残っています。この現象はTechnicsのEAH-AZ70にもありました。今後改善が重ねられるのでしょうが、ちょっと残念なポイントです。
https://www.makkyon.com/2020/05/30/panasonic-technics-az70/

まとめ

バッテリーや電波には改善点があるものの、音質はさすがのYAMAHAクオリティーです。

装着感もいいし、コンパクトで扱いやすく、とてもバランスのよい完全ワイヤレスイヤホンです。混雑した場所では使わない、マメに充電する、といった点が実践できるなら、とてもオススメなイヤホンです。

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この記事を書いた人

Webマーケティングを生業にする、どこかの企業のマネージャー。あなたが使っているWebサイトの裏側で出会っているかもしれません。
このサイトは趣味で作っているものなので、仕事内容とは関係がありません。春と秋に山手線一周歩くイベント(ほぼ観光)を主催しているので、気になる方はイベントページを見てみてください。

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