ワイヤレスゲーミングヘッドセット、すごい
テレワークが長くなってくると、Web会議や打ち合わせが多くなって、ヘッドセットの利用頻度が上がります。先日購入したASUS ROG Strix Go 2.4の使い勝手が良くて重宝しています。
これまでゲーミングヘッドセットに全く興味がなかったのですが、こうして使ってみると、非常にいいものだと感じ、他のメーカーの製品も試してみたい……という欲求が高まっていたところへ……
ゼンハイザーからゲーミングヘッドセットの新製品登場
ゼンハイザーからゲーミングヘッドセットの新製品が発売されました。ワイヤレス、です。ゼンハイザーといえば、マイクロフォンで有名な企業。マイク性能が抜群に良さそうですし、ヘッドフォン・イヤホンでも高音質・低遅延に定評があります。これはとんでもない製品の予感……。
ヘッドセットのまとめ記事を公開しました。こちらも参考にしてみてください。
ゼンハイザー GSP 370 ワイヤレスゲーミングヘッドセットをレビュー
購入してみました、ゼンハイザー GSP 370。ヘッドフォン製品はパッケージが大きめのものが多いですが、GSP 370はそれに輪をかけてデカい。
シンプルなオモテ面のパッケージに、控えめに描かれているアピールポイントは2つ。「Low Latency Connection(低遅延接続)」と「100 hrs Battery life(100時間バッテリーライフ)」です。
GSP 370の動作環境は、PC・Mac・PS4が想定されています。後ほどニンテンドースイッチやiPad Proでも試してみます。
技術仕様として、Frequency response(周波数特性)は「20Hz – 20kHz」となっており、いわゆるハイレゾ対応ではありません(そもそも音楽用の製品ではない)。
パッケージを開けると、黒い内箱があり、GSP 370が収められています。
GSP 370本体のほか、付属品はマニュアル類と、USBケーブル、USBドングル(GSA 370)となっています。
見た目のゴツさに反して、GSP 370自体は軽量にできています。頭にのせるものなので、変な高級感は不要です。これくらい軽いと、使っていて苦はなさそうです。
背面から見てみたところ。GSP 370のデザインは、2種類のグレーの配色で構成されていることが分かります。ゲーミングデバイスといえば、カラフルに光ったりする派手な製品が多いですが、GSP 370は質実剛健なデザインをしていることが分かります。
ヘッドバンドの左右のアームには、ゼンハイザーのロゴマークだけ。ゲーミングヘッドセットの名前とは裏腹に、シンプルな見た目です。
GSP 370の操作系で使いやすかったのは、この音量ダイヤルです。前後にひねるだけで音量の大小が調整できます。通話しながらの音量操作が格段に楽になります。
イヤーパッドの内側に、ゼンハイザーのロゴマークを発見。
ヘッドバンドにはGSP 370の型番だけが、控えめにプリントされています。
ヘッドバンド頭頂部の内側には、通気のよい中穴と、厚めのクッションが貼ってあります。長時間使用することを想定した優しい仕様です。
左耳側のイヤーパッドの下に、電源スイッチと充電用のUSBポートがあります。USBポートの奥には動作表示用のLEDもあります。
音量ダイヤル以外の操作・表示系はこれだけ。極めてシンプルな構成です。
マイクブームのギミックは……
ゼンハイザーといえば、マイクロフォン。GSP 370のマイクブームを見てみましょう。ガイコツマイクのような形状をしています。ヘッドセットのマイクなのに、とても高級感があります。
マイクブームをめいっぱい伸ばすと、ここまで下ります。
マイクを使わないときは、邪魔にならないよう、マイクブームを引き上げることができます。
このマイクブームの上げ下げでマイクのON/OFFができるそうです。見た目と機能が合致する、いいデザインです。
充電ポートはMicro USB……
Micro USBポートの両脇に動作確認用のLED(左側)と、電源スイッチ(右側)が備えられています。
スイッチを入れた直後に紫のLEDが点灯し、すぐに赤青点滅のペアリングモードに入ります。ただ、専用のUSBドングルを使用した独自規格のため、他のデバイスとのペアリングはできません。
なんと、MicroUSBなのです……。ゼンハイザーさん、完全ワイヤレスイヤホンはUSB Type-Cで充電できるのだから、ここもUSB-Cにしておきましょうよ……。
USBで充電する際には、充電状況がLEDで表示されます。100時間バッテリーライフを掲げるGSP 370ですが、開封当初は満充電されていません。
上の写真のように黄色のランプが点灯している状態は、4段階の残量表示のうち下から2番目の状態です。しかし、この状態でも20時間以上はもつそうです。
GSP 370を実際に装着してみた
さて、ヘッドセット/ヘッドホンを使用する際に気になるのはイヤーパッドの「締め付け」です。眼鏡をかけていると、余計に気になるところですが、GSP 370の締め付けは「優しめ」です。キツすぎず、ゆるすぎず、頭が大きめの自分でもちょうどいいと感じました。
マイクブームを引き出した状態で、マイクはちょうど口の横に位置します。
GSP 370のヘッドバンドからマイクブームまで、ひとつなぎの曲線に見えるよう、美しくデザインされています。ゼンハイザーのデザインセンスがうかがえます。
ちなみに、マイクブームを引き上げた際には、外側に広がるように上がります。マイクを遠ざけるように広がるので、これはこれでいいのでしょう。
装着感は問題なし、次はいよいよMacBook AirやiPad Proで使ってみます。
USBドングルを挿して、MacBook AirやiPad Proで使ってみる
USBドングル GSA 370は、USB-Aで接続します。
Retina化以前のMacBook AirはUSB-Aを採用しているのでそのまま挿せます。システム環境設定でサウンドを表示すると、出力にも入力にも「GSP 370」と表示され、USBオーディオで認識されていることが分かります。
次に、USB-Cを装備したMacBook Airに接続しますが、そのままでは挿すことができないので、変換コネクタを介します。これで問題なく認識されました。
使用したのは、Anker製の変換アダプターです。1つあると何かと重宝するんですよね。
USB-Cで接続できるのなら、iPad Proでも大丈夫そう。同じように変換アダプターを介して接続したところ、Apple Musicアプリで認識され、音楽を聴くことができます。
それなら、ニンテンドースイッチでも使えるんじゃないかと、同じように変換アダプタを経由して接続してみましたが、こちらはNG。GSP 370から音が鳴ることがありませんでした。
ニンテンドースイッチは、もともと動作環境に入っていなかったので、使えなくても問題なしです。
iPhoneはApple純正のLightning – USBカメラアダプタを使うことで音楽再生できました。
Lightning – USBカメラアダプタは一つあると何かと便利です。
マイク性能は?ヘッドホンの音質はどう?
驚くべきは、GSP 370の入出力性能です。まずはヘッドホンとしての音質がとてもいい。低音はあまり響きませんが、Web会議でMicrosoft TeamsやZoomを試してみると、相手先の声がクリアに聞こえるばかりか、空間の奥行きまで感じさせるほどの音場があります。
マイクの性能も特筆すべきで、Teamsのテスト通話で自分の録音された音声を聞いてみると、とてもワイヤレスで繋いだとは思えない音質でした。
さらに、Web会議で相手先から「いつもよりさらにクリアに聞こえる」と言われました。それまではASUS ROG Strix Go 2.4を使っていたので、聞いて分かるほどの性能だということです。
そして、Apple Musicの音源を使ってリスニングしてみたところ、解像度が高く、音場が広く、高音が伸びやかな、ゼンハイザーらしさにあふれた音が再生されました。これ、音楽用として使っても、十分なポテンシャルがありますよ。万能です。
同社のUSB接続の有線ヘッドセット、PC 8.2 USBもレビューしています。
まとめ
ワイヤレスヘッドセットとしては、おそろしく完成度が高い代物です。ASUS ROG Strix Go 2.4とはまた異なる方向性で、ビジネスでもプライベートでも使える製品です。デザイン面で見ても主張しすぎず、硬質な印象で、ゲーミングデバイスの枠に収めておくにはもったいない製品です。
評価としては☆5つ付けたいところなんですが、いまだにMicroUSBを採用していたり、ドングルがUSB-Aだったり、欲を言えばキャリングケースが(別売でも)あれば……など、仕様面での惜しさが際立ってしまいました。
互換性を優先した結果だとは思うのですが、そこはASUS ROG Strix Go 2.4が一枚上手だなと感じました(ニンテンドースイッチで使えるから)。でも、全然オススメしたい製品です!