ここ数年のBluetoothレシーバーの傑作といえば、RADSONE EarStudio ES100(現在はMk2)を真っ先に挙げます。アップデートで進化するハードウェア、アプリで拡張される機能など、特徴がありますが、中でも2.5mmバランス接続可能な点が、これまでのBluetoothレシーバーと決定的に異なる点でしょう。
高音質なヘッドフォンアンプ内蔵Bluetoothレシーバーを調べていると、最近のハイエンドモデルは、バランス接続可能なモデルが増えてきていることが分かります。
今回紹介するBluetoothレシーバーは、どんな製品なのでしょうか。
SHANLINGからBluetoothレシーバー「UP4」登場!
DAPやイヤホンを作っているSHANLINGから登場したBluetoothレシーバーは「UP4」です。DACにESS TechnologyのES9218Pをデュアル搭載し、ハイレゾ・コーデックとしてLDAC、HWA(LHDC)、aptX HDに対応します。(そのほか、aptX Low Latency、aptX、AAC、SBCに対応)。
Shanling UP4はどんなBluetoothレシーバーなのでしょうか……
Shanling UP4をレビュー
ブラックのバックグラウンドカラーに、イエローのキーカラーが映えるパッケージです。
パッケージ側面には、対応しているコーデックのロゴが一覧になっています。こうして見るといろんなロゴがあるものですね。
ブック型のパッケージを開いてみると、Shanling UP4が鎮座していました。表面の光沢処理が美しいです。
内容物は、クイックスタートガイド類、Shanling UP4本体、クリップケース、USBケーブルとなっています。
スティック型が多いBluetoothレシーバーの中では、Shanling UP4は大ぶりに見えます。それでも、指でつまめるコンパクトサイズです。表面は光沢処理がされており、ツルツルとした手触りです。
背面も同様の光沢処理です。ハイレゾオーディオと、ハイレゾオーディオ・ワイヤレスのロゴが並んでいました。
メインの操作系は右側面のダイヤルのみ。ダイヤル自体がスイッチにもなっており、短押しで再生/停止、長押しで電源ON/OFFとペアリングができるほか、回すことで音量の増減も可能です。
底面にはUSB-Cポートがあります。充電用としてだけでなく、USBケーブルでPC/Macに接続することで、USB DACとして使うこともできます。
天面にはイヤホンジャックがあり、3.5mmアンバランス接続と、2.5mmバランス接続が可能になっています。その横には見慣れない「MODE」ボタンがあります。これはゲインとデジタルフィルターの設定を4種類から切り替え可能で、押すごとに音質が変化します。
2.5mmバランス接続も、3.5mmアンバランス接続も、どちらも上方向に出るようになっているので、イヤホンジャックによって使い心地が変わることはありません。
Shanling UP4の重量はわずかに38.1g。非常に軽量なアンプ内蔵Bluetoothレシーバーになっています。
ただ、このShanling UP4、光沢処理によってちょっと滑りやすくなっています。
滑りやすいShanling UP4はクリップカバー必須!
Bluetoothレシーバーは、服に固定できる固定クリップが備えられていることが多いのですが、Shanling UP4はクリップケースが外付けになっています。
このケースを取り付けても、厚みにはほとんど影響しません。ダイヤル部分もうまく回り込んで、操作の邪魔をしないようになっています。
クリップケースは背面に付けるものなので、表面の見た目は変わりません。
服に付けるのではなく、ポケットに入れたりするのであれば、クリップケースは付けなくてもいいでしょう。
Shanling UP4でハイレゾ・ワイヤレス!
Shanling UP4に、SIMGOT EK3を3.5mmアンバランス接続して聴いてみることにします。
SIMGOT EK3のレビュー記事はこちらから。
DAPには、iBasso Audio DX160を使用します。こちらをShanling UP4とペアリングします。ハイレゾ・コーデックのLDACで接続されました。
ふつうに有線接続しているのかのような聴きごこち。音場が広く、奥行きを感じます。遠くで鳴っている音も明瞭に聴こえます。音のメリハリがあるにもかかわらず、音のエッジが柔らかい。これ、有線だよね?って思ってしまう音質です。
これはバランス接続にも期待ができそうです。
Shanling UP4は2.5mmバランス接続で音が変わる?
Shanling UP4の真の実力を測るのはここから。イヤホンはSIMGOT EK3のまま、2.5mmバランス接続にリケーブルして聴いてみます。
ケーブルはこれを使っています。
iBasso DX160で聴いてみます。3.5mmアンバランス接続で聴いた時よりも音に厚みが増している……音の底支えがしっかりしているので、安定感が増し、イヤホンは同じなのに、性能が1.2倍くらいに上がったように感じます(個人の感想です)。
iPhoneともペアリングしてみます。iPhoneのコーデックはAACどまりですが、3.5mmアンバランスで接続したときよりも、音の奥行きとメリハリが、ハッキリします。AACでもこれだけのポテンシャルが引き出せるのか、と嬉しい誤算です。
なお、Shanling UP4は接続されているコーデックによって、前面LEDのカラーが変わります。
グリーン | LDAC |
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ホワイト | HWA |
イエロー | aptX HD |
パープル | aptX / aptX LowLatency |
シアン | AAC |
ブルー | SBC |
Mac/PCに繋いでUSB DACとしても使える!
そして、MacBook AirなどMacやPCでもUSB-Cで接続して、USB DACとして使用することもできます。Amazon Music HDなどの音源を使用することで、より高音質な音楽を楽しめます!
ただ、USB-Cを装備したMacと接続するには、両端がUSB-Cになっているケーブルが別途必要です。上の写真ではこのケーブルを使用しています。頑丈さが気に入っています。
まとめ
ハイレゾ・コーデックに対応しているだけでなく、高音質なヘッドフォンアンプを搭載し、音質を高めてくれるBluetoothレシーバー。その中でも、Shanling UP4は2.5mmバランス接続を可能としたことで、音源のポテンシャルをギリギリまで引き出そうとしています。
同カテゴリの製品の中ではやや大きいサイズ感ではあるものの、それに見合うだけの出力と音質をもったBluetoothレシーバーです。リケーブル可能なイヤホンをお持ちであれば、ぜひ2.5mmバランス接続で使ってもらいたいです。オススメします!