クラウド全盛でもローカルストレージは強い。iCloud DriveやGoogle One、Dropboxといったクラウドストレージが当たり前になってきた2020年代。便利ではあるものの、速度面ではPC/Macのローカルストレージには及びません。
まだまだ進化を続けるローカルストレージ。本記事ではその進化の一端が見られる製品を紹介します。
世界最小クラスの外付けSSDは、速度も最速クラス?
今回紹介するのは、クラウドファンディングサイトMakuakeでプロジェクトが公開された『HyperDisk』、最大2TBの容量を持つ外付けSSDです。世界最小クラスという本製品ですが、その小ささだけでなく、「世界最速クラス」も謳っています。(ちなみに、2TBの製品だけ全長が長くなっています)
HyperDiskのサンプル品をご提供いただいたので、レビューしてその実力を測ってみます。
MadSpace Japan HyperDiskをレビュー
今回ご提供いただいたのはサンプル品のため、パッケージは割愛します。
付属していたのは、HyperDisk本体に、USB-C to USB-Cケーブル、USB-C to USB-Aケーブルです。(付属品・外観など、出荷時のものと異なる場合がありますので、ご了承ください。)
これがHyperDisk本体。指先でつまめるほどの小ささ。この中に高速・大容量のSSDが詰まっているのです。(なお、今回は512GB版をレビューしています)
重量も非常に軽く、なんと34.9gしかありません。USBメモリよりちょっと重い、そんな感覚でしょうか。
端子はUSB-Cのみ。ポートの横にLEDインジケータがあります。
厚みを測ってみたところ、10.6mmしかありません。スマホと同じくらいの薄さです。
HyperDiskの小ささ・薄さ・軽さは十分に分かっていただけたでしょうか。
外付け2.5インチHDDと比較して小さいこと!
分かりやすい比較対象として、わが家に転がっている、2.5インチの外付けHDD・HDDケースと並べてみました。中央にあるのがHyperDiskです。大きさが全然違いますね。
写真左にあるのが、バッファローのMiniStationという製品です。10年近く前に購入した外付けHDDで、1TBの容量があります……が、隣にあるHyperDiskは容量半分とはいえ512GBあるんですよね。(1TBモデルも同じ大きさです)
とはいえ、旧世代のHDDと比べても仕方ありません。ここはやはりSSD同士で比較してみましょう。
HyperDiskを各社のSSDエンクロージャーと比較してみる
わが家にある、SSDエンクロージャー(SSD外付けケース)とサイズを比較してみましょう。写真中央がHyperDisk、写真上がTransced TS-CM42S、写真下がASUS ROG STRIX ARIONです。各社のSSDエンクロージャーと比べても見劣りしない小ささです。
とはいえ、どのSSDエンクロージャーも小さいので、iPhone 11 Pro Maxと比較してみましょう。存在感のあるROG STRIX ARION(写真左)でさえ、iPhoneと比べるとかなり小さく、HyperDisk(写真右下)にいたっては存在感を感じさせません。
それでは、各社のSSDエンクロージャーも含めて、MacBook Air上でのスピードテストを行ってみましょう。MacBook Airに搭載されたUSB-Cは、USB3.1 Gen2対応なので、理論値での転送速度は1.25GB/秒(≒10Gbps)ですが、この数値にどこまで迫れるでしょうか。
測定は、macOS上のBlackmagic Disk Speed Test(Mac App Store)でベンチマークを5分間回し続けてその結果と、合わせてSSDエンクロージャーの表面温度を測ってみます。
超小型エンクロージャ、Transcend TS-CM42S
まずは、Transced製TS-CM42Sです。こちらは、M.2 SATA3のSSDを内蔵できるSSDエンクロージャーです。HyperDiskほどではありませんが、こちらも十分に軽量・コンパクトです。
TS-CM42Sのレビューはこちらから。
結果としては、Write(書き込み)は300MB/秒超え、Read(読み込み)は500MB/秒超え、と外付けSSDとしてはまずまずの結果となりました。
表面温度は、ほんのり温かくなっていて、35.4度。
TS-CM42Sは、M.2の中でもコンパクトな2242規格のSSDを内蔵するためのコンパクトなエンクロージャーなので、速度はそこそこ、その代わり圧倒的に小さいのが特徴です。
ゲーミングSSDエンクロージャ、ROG STRIX ARION
次は、ASUS製のROG STRIX ARIONです。NVMe M.2 SSDを内蔵できるSSDエンクロージャーです。ROGはASUSのゲーミングブランド。速度と放熱性が重要なゲーミングジャンルに特化したSSDエンクロージャーということで、期待しましょう。
ROG STRIX ARIONのレビューはこちらから。
ベンチマークはこちら。NVMe M.2 SSDを内蔵しているだけあって、外付けSSDとしては爆速。Writeは900MB/秒に近く、Readは900MB/秒を超えています。(ちなみに、上記のレビュー記事でのWindows上のベンチマークは1GB/秒を超えていました)
驚くべきはその冷却性能。これだけの速度を出しながら、27.5度までしか上がりません。触ってもひんやりした感触が残っています。
ゲーミングSSDとしての高速性・冷却性をいかんなく発揮した結果になりました。
HyperDiskをベンチマーク
そして、本記事の主役であるHyperDiskです。果たして、その性能はどうでしょうか。
Writeは800MB/秒超え、Readは900MB/秒を超える好結果となりました。ゲーミングSSDであるROG STRIX ARIONに迫る値です。
表面はほんのり温かく、30.6度でした。
いずれもゲーミングSSDであるROG STRIX ARIONに次ぐ好成績でした。
まとめ
いい意味で予想を裏切る結果となりました。めちゃくちゃ速いじゃないですか。最大2TBの容量を持つSSDでありながら、転送速度も速いという十分な性能。それに加えて、圧倒的な軽量・コンパクトさ。
HyperDiskをMakuake特別価格で購入できるのは2020年4月3日までです。