2020年代のデータはクラウドか?SSDか?
2019年はクラウドサービス真っ盛り、一般の方にもスマホを介してiCloudやGoogle Oneといったサービスが普及しています。まもなく2020年を迎えようとしている今、考えてしまうのは、大切なデータを何で保持するべきなのか、ということ。
すべてをクラウドストレージに放り込んでしまうには、まだまだ月額の費用が高く、大容量のHDDを検討してしまう段階です。そんな折、クラウドファンディングサイトGREEN FUNDINGで気になるプロジェクトが始まりました。
世界最小・最軽量クラスのSSD「FlashGet」
香港のMERCURY.Coが、日本のクラウドファンディングサイト GREEN FUNDINGでチャレンジするのは、世界最小・最軽量クラスのSSD「FlashGet」です。
この記事作成時点(2019年11月)で、支援金額は目標の3,300%を達成しており、人気のプロジェクトとなっています。すでに最大37%OFFの超早割枠は早々に売り切れています。
FlashGetを先行レビュー!
MERCURY.Co様のご厚意で製品サンプルを提供いただきましたので、製品発売に先がけてレビューしてみます。現時点ではサンプルのため、性能や付属品など、実際の製品と異なることがありますので、その点はご了承ください。
今回レビューするのは、FlashGetの128GBモデルです。
記事作成時点ではパッケージ等は用意されていませんので、FlashGet製品のみのレビューになります。
USBメモリにしか見えない小型・軽量SSD
こちらが、世界最小・最軽量クラスSSDをうたうFlashGetです。小さすぎる。これを人に渡してもSSDだと思われるわけがない。「USBメモリでしょ?」って絶対言われる。PCに挿しても「だから、USBメモリでしょ?」って言われるに決まってる。そのくらい小さい。
ポケットサイズの超小型と言われていますが、ポケットはポケットでも、胸ポケットくらいのサイズ感です。表面は金属製のひんやりした質感があります。放熱面でも寄与しているのではないでしょうか。
FlashGetの形状は、横から見ると銃弾のようにも見えるし、新幹線の先頭車両のようにも見えます。
FlashGetのお尻にあたる部分には、ストラップ用の穴が空いています。超小型だからこそ、落としたり、無くさないように注意しましょう。
GREEN FUNDINGのプロジェクトページでは、重量が20gと書かれていましたが、実際に測ってみるとさらに軽く、わずか14.2gしかありませんでした。10g台ということは完全ワイヤレスイヤホンなみの軽さです。
さらに防塵防水性能として、IP55を実現しています。粉塵の中や水中など、厳しい環境に置くのでなければ、何もなさそうです。
Windows10でCrystalDiskMarkを実行する
SSDのベンチマークを行うにあたって、比較対象を2つ用意しました。まずはベンチマークPC自体の内蔵ストレージ、外付けSSDとしてTranscendのエンクロージャーに入れたM.2 SSD(写真左)です。USBメモリ(写真右)はサイズ比較のために置いてます。
使用するPCは、GPD MicroPCです。USB3.0ポートに繋いでいます。まずは、Transcendのエンクロージャに入れたM.2 SSDです。
実行結果は下記の通り。読み込み457MB/s、書き込み371MB/sを実現しています。外付けSSDとしては申し分ない結果になりました。
合わせて、SSDの問題点でもある発熱をチェックしてみました。測定前のエンクロージャーの表面温度は25.3℃。金属製のひんやりした温度です。
ベンチマーク実施後の温度は38.8℃。熱すぎるはしませんが、かなり温かく感じました。
次に、GPD MicroPC自体の内蔵M.2 SSDです。TranscendのTS512GMTS430Sに換装しています。読み込み552MB/s、書き込み507MB/sで、内蔵らしく満足のいく結果になりました。
それでは、いよいよFlashGetをベンチマークしてみます。GPD MicroPCのUSBポートに接続します。
接続すると、FlashGetのお尻が青く光ります。インジケーターはここにあったんですね。
ベンチマーク結果は次の通り。読み込み348MB/s、書き込み278MB/sと、M.2 SSDには敵いませんでしたが、この小ささでこれだけの速度を出すのは驚きです。
FlashGetも表面温度を測定してみます。ベンチマーク直前は26.2℃。
ベンチマーク終了後は40℃まで上がっていました。
FlashGetもM.2 SSDも同じSSDということで、発熱に関しては似たような結果になりました。
MacでDisk Speed Testを実行する
次はMacでベンチマークしてみます。……と、その前に。
FlashGetはUSB3.1 Gen2?
FlashGetのインターフェースはUSB Type-Aです。FlashGetは最大読み込み速度500MB/s以上を実現するにあたって「USB3.1(Gen2)接続により」という表現を用いています。
USB3.1(Gen2)接続により、最大500MB/sという外付けSSD最高レベルの転送速度を実現しました。
容量最大1TB!最大500MB/s高速データ転送で仕事を効率化!20g/70mm超軽量ポケットサイズを実現した世界最小クラスSSD「FlashGet」 | GREEN FUNDING
Macでベンチマークに使うのは、USB-CポートがUSB 3.1(Gen2)に対応したMacBook Airです。条件は揃っています。FlashGet側のコネクタがUSB Type-Aのため、Type-C変換コネクタを使用しました。
この状態で、Blackmagic DesignのDisk Speed Testを実行します。なお、Mac用にフォーマットし直しています。
結果は、読み込み322MB/s、書き込み262MB/sと、Windowsでの結果とほぼ同じ数値になりました。何回か実行してみましたが、結果はこの前後の数値に収まっています。
次に、Transcendのエンクロージャーに入れたM.2 SSDの結果です。こちらはUSB-C to USB-Cで直結したためか、Windowsの結果よりも速くなりました。
最後に、MacBook Airの内蔵SSDの結果ですが、これは速すぎましたね。
というわけで、Windows(USB3.0)とMac(USB3.1 Gen2)でそれぞれベンチマークしてみましたが、結果は似たようなものになりました。
まとめ
最大速度については、宣伝内容にはちょっと届かなかったですが、十分速い結果になりました。この大きさとこの速度で、ほぼUSBメモリサイズというのは驚き。
今回のレビュー製品は128GBでしたが、容量ごとの価格差を考えると費用に余裕があればできるだけ1TBを選んでおきたいところです。