USB-CとUSB PDが普及してきた
2015年のMacBook登場以来、スマホやノートPCに着実に搭載されてきたのが、USB Type-C(以下、USB-C)と、USB PowerDelivery(以下、USB PD)。※両者は混同されがちですけど、実はイコールではない規格です。
最近の急速充電器は、USB-AとUSB-Cの両方を搭載するものが増えてきましたが、今後はUSB-Cが主流になってくるので、USB PDに対応したUSB-Cを“複数”搭載した充電器が増えてくるはずです。
USB PD 3.0対応のUSB-Cポートを2基搭載するACアダプター
そんなUSB-Cのトレンドを先取りするようなACアダプタが、AUKEYから登場しました。USB PD 3.0に対応したUSB-Cポートを「2基」も搭載しています。
さっそく購入してみましたので、レビューします。
AUKEY PA-D2をレビュー
AUKEYのシンプルないつものクラフトパッケージです。コンパクトです。
内容物は、PA-D2本体と、マニュアルのみ。マニュアルは英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・日本語に対応した多国語版です。
PA-D2にはオレンジカラーのUSB-Cポートが2基あります。「PD」の記載があるように、2基ともUSB PD 3.0に対応しています。
プラグはもちろん折りたたみ式です。これがあるとないとでは、持ち運びの利便性が雲泥の差です。
重量は114.4g。大きめの完全ワイヤレスイヤホン+ケースくらいの重さです。
コンセントに接続すると、上部のグリーンのLEDが点灯します。
ACアダプタとしては、標準的な大きさではないでしょうか。
他機種と比較してみましょう。
AUKEY PA-D2と他機種を比較する
左から、Anker PowerPort III mini、AUKEY PA-D2(本製品)、AUKEY PA-Y10、Anker PowerPort Atom III 2、となっています。
https://www.makkyon.com/2019/08/14/anker-powerport-iii-mini/
https://www.makkyon.com/2018/03/21/aukey-usb-wall-charger-pd3/
ポートのある面を見ていきましょう。Anker PowerPort III mini以外は2基ずつUSBポートを搭載していますが、USB-Cポートが2基あるのはPA-D2のみです。
各アダプターの最大電力とポート数は下記の通りです。
Anker PowerPort III mini | USB-Cポート1基(最大30W) |
---|---|
AUKEY PA-D2 | USB-Cポート2基(最大36W) |
AUKEY PA-Y10 | USB-C、USB-Aポート各1基(合計最大46W) |
Anker PowerPort Atom III 2 | USB-C、USB-Aポート各1基(合計最大60W) |
最大電力が大きくなるほど、本体が大きくなっています。USBポートの種類と実装数も違っており、自分の利用用途に合わせて選ぶ必要がありそうです。
USB-Cポート2基は、最大36Wをどう分けるのか?
PA-D2の最大電力は36Wと、ノートPCの機種によっては物足りない電力量です。このため、USB-Cポートを2基とも使ってしまうと、ノートPCの場合は十分な給電が行われなくなることも考えられます。
次の写真のような、iPhone XS MaxとMacBook Air(2018)という組み合わせで検証してみます。公表されているスペックでは、2基使った場合には各ポートの最大電力は18Wということになっています。
iPhoneとMacBook Airを同時接続した状態で、iPhoneに流れている電力は約10W前後で推移しました。MacBook Airを取り外し、iPhoneだけで使用した場合もこの推移でした。iPhoneはフルパワーで充電されるようです。
測定してみたところ、5V/3Aでの給電になっていました。
2基同時に使った場合、MacBook Airは16W以下で推移しました。MacBook Airの動作に負荷がかかった状態だと、バッテリーが緩やかに減る可能性があります。
iPhoneを取り外し、MacBook Airだけで充電した場合には、22W前後で推移しました。20V/1.5Aでの接続になっているようです。
USB-Cポートを1基だけで使った場合のPDO(Power DATA Object)は、5V/3Aから20V/1.5Aまで使えるようです。
USB-Cポート2基を使用した場合、5V/3Aから12V/1.5Aまで。15V/2Aや20V/1.5Aは使えません。
2基同時に使った場合、各ポートの最大電力は、スペック通り18Wずつ。
1基だけで使った場合は最大30Wとなるようです。
まとめ
最大電力に制限はあるものの、用途に合えばコンパクトさと供給電力のバランスのいいアダプターとなってくれます。下記のような組み合わせで使うのであれば、非常に使い勝手のいいアダプターとなるでしょう。(◎→フルスピード充電、△→足りない場合あり)
- (◎)iPhoneだけ
- (◎)iPadだけ
- (◎)MacBook Airだけ
- (◎)iPhoneと(◎)iPad
- (◎)iPhoneと(△)MacBook Air
- (◎)iPadと(△)MacBook Air
このコンパクトさで、USB PD 3.0対応のUSB-Cポートが2基、かなり魅力的です。