SONY REON POCKET 4・真夏のレビュー/地獄の酷暑を急速冷却する“着るエアコン”ウェアラブルサーモデバイスは外付けセンサーで大進化!

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今年も酷暑がやってきた……が……

天気予報やニュースで「今年の夏は例年にない猛暑になるでしょう」とアナウンスされても、「毎年言ってない?」と思う程度には毎夏が酷暑です。日傘を使ったり、小型ファンを回してみたり、こまめに水分補給をしたり、いろいろ対策をしてみましたが、中でも“着るエアコン”ことREON POCKETが効果抜群でした。

そんなREON POCKETも毎年アップデートを続け、2023年は第4世代に進化しました。どう進化したのか、酷暑を乗り越えられるのか、実際に使ってみたのでレビューしていきましょう。

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SONY REON POCKET 4をレビュー

今回購入したのはSONYのウェアラブルサーモデバイス「REON POCKET 4」。最新の第4世代モデルです。ただ、前世代のREON POCKET 3でも十分な完成度でした。どう進化したのでしょうか。こちらがREON POCKET 4のパッケージ。前機種より少し大きくなりました。

なお、今回購入したのは「REON POCKET 4 センシングキット(型番は RNPK-4T/W )」です。

センサーの付属しないモデル(型番は RNPK-4/W)もあります。

センシングデバイス REON POCKET TAG自体は別売りされていて、後から追加登録できます。このREON POCKET TAGの有無で何が変わるのか、その点も確認してみますが、結論から先に書くとセンシングキット/REON POCKET TAGは買わなくてもいいと思っています。その理由は本記事の後半で。

内容物は、REON POCKET 4本体に、専用ネックバンド3、充電用USBケーブルにエアフローパーツ、センシングデバイスのREON POCKET TAG、スタートガイドと保証書になっています。

REON POCKET 4のデザインはマイナーチェンジ、ネックバンドは標準付属

こちらがREON POCKET 4。前機種のREON POCKET 3ではオプション品だったネックバンドが、標準付属になりました。

専用ネックバンド3は、REON POCKET 4だけでなく、以前のREON POCKETシリーズ(RNP-1A / RNP-2 / RNP-3)に共通して使用できます。後述するエアフローパーツが使えるので、REON POCKET 3以前の機種をお持ちで、これからネックバンドを買われる方は必ず専用ネックバンド3にしましょう。

首まわりが小さい方には、SMALLサイズの専用ネックバンド3(RNPB-N3S)が別売りされています。首まわり29〜35cmの方はこちらを選んでください。(通常サイズは34〜46cmに対応)

ちなみに、REON POCKETは4ですが、専用ネックバンドは3です。ナンバリングが1つずれているので、ご注意ください。(前機種のREON POCKET 3のときも専用ネックバンドは2とずれていました)

前機種の3ではフラットだった表面には、スリット処理がなされています。また、ロゴ周りにあったメッシュ処理もなくなり、すっきりした外観になっています。

本体側面には充電用のUSB-Cポート(写真左)、ボタンも兼ねたLED(写真右)があります。

ネックバンド込みのREON POCKET 4の重量は約144.2g。重そうだと感じるかもしれませんが、首にかけると意外と気にならない軽さです。

なお、本体のみの重量は約109g。前機種のREON POCKET 3から約17g増えていますが、その分バッテリー容量がアップしており、動作時間はほぼ2倍に増えています。

こちらが背面。シルバーに見えるのが冷却・温熱面です。ここが肌に当たって、冷たさや温かさを感じます。

冷却・温熱面にはREON POCKET 3と同じステンレススティールが使用されています。金属アレルギーの方は気になってしまうかもしれませんが、ここは、サージカルステンレスと呼ばれる「ステンレススティール SUS316L」が使用されています。医療用としても使われているアレルギーの起きにくい金属です。

ネックバンドの構造は大きく変わりました。前機種のネックバンド2は首に引っ掛けるだけで微調整できませんでしたが、今回の専用ネックバンド3は、自由に曲げられる柔軟性があり、そのまま固定できる保持力があります。表面にはシリコンラバー加工が施されていて、肌にも優しくなっています。

襟付きのシャツの下に、ネックバンドを調整してREON POCKET 4を装着してみました。正面からだと全く見えません。

前機種のREON POCKET 3から着実に改善を果たしています。そして、これだけではありません。

排熱を回避するエアロパーツが付属する

今回新たに付属したのが、このエアフローパーツです。見た目にはカモノハシのくちばしのよう。

このエアフローパーツは、専用ネックバンド3に取り付けることで、排熱用の延長ダクトとして機能します。

襟付きのシャツを着た状態でのエアフローパーツなし(写真左)とエアフローパーツなし(写真右)

これまでのREON POCKETで襟付きの衣服を着ると、排気が衣服の中にこもってしまい、せっかく冷却しても生暖かい風が入ってくることがありました。このエアフローパーツを使うことで、襟付きの衣服でも確実に排気ができるようになります。

よりインテリジェントな動作を行う「REON POCKET TAG」

そして、今回セットで購入したのが、ウェアラブルセンシングデバイスの「REON POCKET TAG」です。この中には、温度・湿度を計測するセンサーと、照度/近接センサー、加速度センサーの3つのセンサーが入っています。

REON POCKET TAGを一緒に使うことで、周辺の正しい温度や湿度がわかり、REON POCKET 4はよりスマートに動作することができる、というわけです。

背面には、衣服に挟むためのクリップと電池カバー(写真左)、側面にはボタンとLED(写真右)があります。

基本的には測定するためだけのデバイスなので、REON POCKET TAGを操作することはありません。また、電源を切る必要はなく、使用状況にもよりますが、電池は約1年ほど持つそうです。

REON POCKETアプリで設定する

それでは、REON POCKETアプリで設定していきましょう。といっても、アプリを立ち上げて、ペアリングしてしまえば、あとはほぼアプリからの操作で完結します。

このAUTO START/STOPは常に有効にしておくのをオススメします(画像左)。REON POCKETは、首元に接触しているかどうかを検知できるため、基本的には自動で問題ありません。装着すればONになるし、取り外せばOFFになります。電源のON/OFFを気にしなくていいのです。また、動作状況はアプリから確認ができます(画像右)。

SMART COOL(冬場はSMART WARM)モードにしておけば、適切な温度(ターゲット温度)内に収まるよう自動で温度調整をしてくれます(画像左)。もし、このターゲット温度の設定に違和感があれば、「少しぬるめ」「冷ため」など5段階での設定が可能になっています(画像右)。

REON POCKETの基本的な設定はこれだけ。あとはほぼオートです。

アプリでのREON POCKET TAGの設定は?

REON POCKET TAGの設定もアプリから行います(画像左)。登録後は、ホーム画面の下に「温度」と「湿度」が表示されるようになります。タップすれば、大きく表示させることもできます(画像右)。

REON POCKET TAGが測定した温度・湿度は、Apple Watchの「REON POCKET」アプリからも参照可能です。

なお、REON POCKET TAGをポケットの中に入れていたり、センサー部を露出させていないと、REON POCKET TAGはその状態を検知して正常に動作していないことを警告します。

このREON POCKET TAGは、REON POCKET 4が動作していないときでも参照できるため、簡易的な温度計・湿度計として使うことができます。

春・秋でもREON POCKETが使える「SMART COOL↔︎WARMモード」

REON POCKET TAGを活用した機能としては、REON POCKET 3以降で使える「SMART COOL↔︎WARMモード」があります。

通常、冬場にはSMART WARMモード、夏場にはSMART COOLモードを使うことになりますが、このSMART COOL↔︎WARMモードは、少し肌寒いような時はWARM、汗ばむような陽気のときはCOOLなど、季節の変わり目にありがちな気温の変化に合わせた温度調整をしてくれます。

こうした細かい温度調整が可能になったことで、夏か冬が主な活躍の場だったREON POCKETの利用シーンが増えていきます。

REON POCKET 4を真夏に1ヶ月使ってみた感想

実際に1ヶ月使ってみました。

REON POCKET 4 + TAGを屋外で使ってみた

真夏の暑い日に、屋外でREON POCKET 4とREON POCKET TAGを使ってみました。この日は襟付きのシャツで出かけましたが、REON POCKET 4を装着していることは分かりません(写真左)。上から覗き込むとエアフローパーツが見えます(写真右)。首元を見てもらうと分かりますが、直射日光でジリジリ焼かれるくらいの暑い日でした。

それから、REON POCKET TAGは胸ポケットに付けています。クリップは厚み0.7mm~2.5mmに対応するので、シャツやジャケットに取り付けることができます。ただ、黒い衣服につけるとけっこう目立ちます。白い衣服ならあまり目立たないんですが……。

REON POCKET TAGで周囲の温度と湿度を計測しつつ、SMART COOLモードに設定していいました。周囲の状況に合わせながら冷やしたり休んだりを繰り返しているようですが、暑さが増してくるとガンガン冷やしてきます。REON POCKET TAGのセンサーが効果的に使われているようです。

感覚的に、冷却性能はREON POCKET 3と同じくらいですが、冷却効率は明らかに良くなっているようです。

バッテリー容量アップ&効率アップで、1日つけていられる

REON POCKET 4を使ってみて、気付かされるのはバッテリーの持ちの良さです。

前機種のREON POCKET 3では、真夏の通勤時にガンガン冷やしていると午前中にはバッテリーが半減していて、お昼には充電が必要な状態になっていました。しかし、REON POCKET 4は余裕があり、継ぎ足し充電しなくても1日使えるようになりました。(帰宅したら充電)

この違いはスペック上でも明らかで、REON POCKET 3ではCOOLモードのレベル4で約2時間だった持続時間が、REON POCKET 4ではレベル4で約4時間と2倍の数値に伸びています。実際の使い方では、REON POCKET TAGを併用しつつSMART COOLで自律的な動作を行うので、体感的での電池持ちはさらに良くなります。

オススメの使い方は、マニュアル→スマート

SMART COOLモードにしておくと、自動的に温度調整をしてくれるんですが「(一時的に)もっど冷やしてほしい」と思うシーンもしばしばあります。こういうときは、マニュアルモードに切り替えると、冷却性能のレベルを任意で選べます。

SMART COOLからマニュアルに切り替えて、最高レベルの「4」に設定すると、これまでの冷却とは格段に違う冷たさに変わります。まだまだ実力を隠してたな!と思うほどに。

ただ、レベル4程度の強い冷却に慣れてしまうと、冷たさを感じにくくなります。長い時間使うなら、WAVEモードをONにしておくと良いようです。

めちゃくちゃ暑いときに使う「レベル4」は効果的で、キンキンに冷えた缶ビールを背中に押し付けられているような気持ちよさがあります。

急速冷却を可能にするCOOLモードの「レベル4+」

REON POCKETシリーズは、モバイルバッテリーなどでUSB給電を使いながらだとレベル4を超える「レベル4+」の動作が可能になります。レベル4+になるとさらに強く冷やしてくれるので、急速冷却したい場合には電源に接続しましょう。

USB電源に接続した状態の「レベル4+」
内蔵バッテリーで動かした状態の「レベル4」

ただし、急速に冷やしているので、ファンもそれなりに回ります。排気口からは勢いよく熱風が出てくるので、エアフローパーツを取り付けておくのをオススメします。

有能なデバイスだけど、冷却性能を過信してはいけない

今年の夏も大活躍してくれているREON POCKETですが、過信は禁物です。気温に合わせて温度調整はしてくれるし、レベル4を選べば驚くほど冷たくなってくれるし、最高のエアコンにはなってくれるんだけど、あくまで補助デバイスです。

例えば、炎天下の超高気温・高湿度な環境では、残念ながら冷却が追いつきません。日傘をさす、水分を摂る、早めに室内に入るなどの対策を合わせて取りましょう。特にオススメなのは日傘との併用。日傘で直射日光を遮ると体表面温度の上昇を防げるため、REON POCKET 4の冷却性能を活かすことができます。

参考までに、私はこちらの晴雨兼用の傘を使っています。遮光率は99%で日傘としても優秀だし、ワンタッチで自動開閉してくれるので、とても便利に使っています。

ところで、REON POCKET TAGは必要?不要?

記事の冒頭でREON POCKET TAGは買わなくてもいい、と書きました。もちろん、ここまで見てきたように、REON POCKET TAGがあれば周囲の温度・湿度を計測して、インテリジェントな動作を行うので、便利は便利なんです。ただ、そのメリットを上回るデメリットがあるのです。

REON POCKET TAGはセンサーの関係上、必ず露出しておく必要があり、シャツやカバンに付けておかなければなりません。クリップの可動範囲が狭いので、カバンは取り付ける場所がなく、シャツに付けています。ところがクリップが弱いため、ちょっとした衝撃で取れてしまうのです。

具体的には、満員電車。人に当たるとまず落ちます。カツン、と音がして足元に落ちると絶望的な気持ちになります。ぎゅうぎゅう詰めなのでしゃがんで取ることもできないし、電車が揺れて人が動くと踏まれてしまいます。次の駅に着いたら慌てて拾わなくてはなりません。

満員電車で落とすこと3回、散歩中に外れること2回、肩掛けバッグのつけ外しで落とすこと2回……。カラビナが付けられるようなケースがあれば良かったのかもしれません。

REON POCKET TAGはあれば便利ですが、特に無くてもいいでしょう。

ネックバンドはこまめに取り外して拭いてください

あと、ネックバンドを使う場合には、こまめに取り外して汗を拭いてください。冷却面が滑りますし、ネックバンドの中に汗が入ってしまうことがあります。清潔に使いましょう。

SONY REON POCKET 4のまとめ

前機種から着実に進化したREON POCKET 4、特にバッテリー容量と効率が上がったのは助かります。3には戻れません。センシングキットのREON POCKET TAGは便利なんですが、REON POCKET 5世代での改善に期待したいところです。

SONY REON POCKET 4
総合評価
( 5 )
メリット
  • 外付けセンサーのREON POCKET TAGでよりスマートな動作が可能に
  • REON POCKET 4に標準付属のネックバンドは装着感改善
  • 柔軟なスマートモードで、熱すぎず冷たすぎずが快適に。
  • エアフローパーツで、熱がこもらなくなった
  • 動作時間が長くなり、1日使えるようになった
デメリット
  • エアフローパーツはときどき邪魔
  • REON POCKET TAGは意外と目立つし、落としやすい

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この記事を書いた人

Webマーケティングを生業にする、どこかの企業のマネージャー。あなたが使っているWebサイトの裏側で出会っているかもしれません。
このサイトは趣味で作っているものなので、仕事内容とは関係がありません。春と秋に山手線一周歩くイベント(ほぼ観光)を主催しているので、気になる方はイベントページを見てみてください。

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