軽いワイヤレスヘッドホンは正義。
当サイトのようにガジェットのレビュー記事を書いていると、世間ではどういったイヤホンやヘッドホンがよく使われているのか気になるんですよね。電車の中、街の中で、ついつい目をやってしまいます。
イヤホンだと、圧倒的にAirPodsシリーズ、それからSONY、BOSE、Anker、AVIOT製品を見かけます。最新のモデルよりも、一つ前のモデルの方が見かける気がします。
一方、イヤホンに比べると絶対数は少ないですが、ヘッドホンも気になります。こちらはSONY、BOSEが多数派ですね。たまにBeats by Dreも見かけます(「b」のロゴが目立ちますよね)。また、外でヘッドホンを使われている方は、意外と有線派も見かけます。
さらに、SONYのワイヤレスヘッドホンでよく見かけるのが、WH-1000XM4(XM5の前のモデル)と、オンイヤータイプのWH-CH510です。WH-CH510ユーザーは女性が多いイメージです。安価で、小さくて軽くて、カラーバリエーションが豊富という点が人気なのでは無いでしょうか。
私も気になって店頭でWH-CH510を何度か試聴したのですが、いくつかの気になる点があり、購入には至りませんでした……。それから時が経ったある日、後継機種としてWH-CH520が登場しました。
ヨドバシカメラでWH-CH520を試聴してみたところ、WH-CH510の気になっていた欠点が全て解消されていたので、即購入を決めました!
SONY ワイヤレスステレオヘッドセット WH-CH520をレビュー
今回、レビューするのはSONYから登場した最新のワイヤレスヘッドホン「WH-CH520」です。パッケージは片手でも持ちやすい大きさです。
WH-CH520にはベージュ、ブラック、ブルー、ホワイトのカラーバリエーションが存在します。私はホワイトを購入しました。
驚きだったのは、ヘッドホンのパッケージなのに厚みが目立たないこと。週刊少年ジャンプくらいの厚みといえばいいんでしょうか。とりあえずコンパクトです。仕事帰りに買っても、カバンに入れやすい厚さですよ。
パッケージ左下には、WH-CH520の特徴が明示されています。SONYの立体音響技術を使った360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)や、最長50時間のロングバッテリー、最近のワイヤレスヘッドホン・イヤホンのトレンドでもあるマルチポイント接続にも対応しています。
最近のSONY製品のパッケージは、脱プラ化を図ったプラスチックフリーのパッケージです。そう、紙製です。
パッケージを開けると、WH-CH520が綺麗に包装されていました。
付属しているのは、WH-CH520ヘッドホン本体以外に、ショートタイプのUSB充電ケーブル、保証書類です。マニュアルは含まれません。
WH-CH520には、紙のマニュアルは無く、パッケージの折り返しの説明ですべてまとめられています。まず、アプリを入れてペアリングをして、スタートです。
こちらがWH-CH520の本体です。オンイヤータイプのすっきりしたデザインです。純白のホワイトですね。イヤーパッドの奥に黒が見えるくらいで、ほぼ真っ白と言っていいでしょう。
持った感じからして非常に軽いです、軽すぎます。これなら気軽に持ち運ぶ気になれます。
WH-CH520はなんと150gを切る、145gという超軽量級のヘッドホンなのです。オンイヤーとは言え、ワイヤレスヘッドホンってこんなに軽いんだっけ?と驚いてしまう軽さです。
ヘッドバンドのデザインも非常にシンプル、段差のないシームレスな設計です。
ヘッドバンドの伸びしろも十分ありまして、毛量が多かったり、頭が大きかったりする人でも、余裕で装着できそうです。
それから、WH-CH520と前機種のWH-CH510との違いはこのイヤーパッドです。シワが少なく、滑らかな低反発ウレタンフォームが採用されています。この付け心地がソフトで、耳への抵抗が少なくて快適なんです。
WH-CH520の操作系はすべて、右側のユニットに集中しています。中央に再生ボタン(電源・Bluetoothペアリング併用)、その両側に音量ボタン(曲送り・曲戻し併用)があります。再生ボタンは凸型になっているので、手探りでも押しやすいです。
充電用のUSB-Cポートも右耳側にあります。横にはステータス表示用のLED、それからマイク穴があります。
フル充電なら最長50時間ですが、3分充電で1.5時間使えるクイック充電も使えます。SONYのヘルプガイド(Web取扱説明書)によれば、推奨のUSB-ACアダプターは同社のAC-UD20だそうです。
ただ、出力電流500mA以上の市販のアダプターでも使えると書いてあるので、よくあるUSB充電器や、パソコンに繋ぐことでで十分に充電できます。下記記事のような小さいアダプターもオススメです。もちろん使えます。
WH-CH520は、Headphones Connectアプリに対応
再生ボタンを兼ねた電源ボタンを長押しすると、電源が入り、Bluetoothのペアリングが始まります。
Headphones Connectアプリを開いて、アプリ上からWH-CH520を登録します。(Bluetoothの設定画面から登録することもできます)。
Headphones Connectアプリ上で「アクセサリーを選択」という画面が出てきますが、WH-CH520が表示されるまで、少し時間がかかるので、最大1分ぐらいは待つようにしてください。
私の環境では、ヘッドホン登録中にアプリが固まってしまい、数分経って動かないので、アプリを強制終了させました。その後、アプリを開き直したら、登録が完了していました。
初期設定の中に360 Reality Audioの設定が出てきますが、これは後からでも設定可能なのでスキップしても大丈夫です。これで設定は完了、アプリと連携ができました。
Headphones ConnectアプリでのWH-CH520の表示は、下のスクリーンショットのようになっています。エントリーモデルとということもあり、かなりシンプルな画面です。
2台の機器に同時に接続するマルチポイント接続については、初期状態ではオフになっています。アプリ上でオンにする必要があります。
2台目の機器をペアリングする際には、アプリ上の「接続機器の管理」から設定できます。私は、iPhoneとMacBook Airをマルチポイント接続させています。どの機器とペアリングしているのかはアプリ上で確認できます。
ヘッドホン内で音質を補完してくれる「DSEE」も初期状態ではオフになっています。こちらを使用する場合には、アプリ上でオンにすることで使えます。
軽すぎワイヤレスヘッドホンWH-CH520の付け心地はどうなのか?
WH-CH520を装着してみました。まずは、イヤーパッドの心地よさが際立ちます。柔らかすぎず硬すぎず、耳にしっとりと馴染みます。
装着感が軽いわりに、側圧もさほど強くなく、聴き疲れしにくくなっています。また、メガネを使っている方でも、イヤーパッドがつるにかからないので、痛くなりません。
装着感のほか、WH-CH520のとても良かった点は、キシキシ感が無かったことです。
安いヘッドホンにありがちなのが(プラスチックパーツの稼働箇所が擦れ合うのか)少し動くたびに“キシキシと音を立ててしまう”ノイズが発生すること。リスニング中にちょっと動いただけで微かにノイズが入るので、不快感に繋がります。前機種のWH-CH510にもこのノイズがありました。
ところが、WH-CH520はこのノイズがなく、リスニング中の不快感がありません。
ヘッドバンドの長さも注目です。ヘッドホンによっては、ヘッドバンドが短めのものもあって、頭が大きい方や毛量が多い方は窮屈な思いをすることがありました。WH-CH520はこのヘッドバンドの長さに余裕があり、首にかけても余裕があります。
参考までに、アラウンドイヤーヘッドホンのB&W PX7 S2(写真左)と比較してみます。
すると、WH-CH520のヘッドバンドは正円を描くような形状になっています。ファッションの一部としてのヘッドホンを考えた際に、首かけスタイルまで意識して作っているのかもしれません。
ヘッドホンを一時的に外す際に、そのまま首にするっと下ろせるので、手軽に扱いやすいです。
WH-CH520の音質は、前機種からどう変わった?
WH-CH520買う前に、前機種のWH-CH510を何度か試聴していました。参考までにWH-CH510の印象としては、低音は控えめ、高音が伸びやかで、ボーカル中心の楽曲を聴くぶんにはすごく綺麗だったんですが、少し迫力が不足していました。
そしてWH-CH520です。iPhoneとペアリングして、Apple Musicの楽曲を聴いてみました。
WH-CH520はですね、全域的に音圧が均一で、ボーカル中心の曲であっても、楽器中心の曲であっても、 バランスよく聴きやすく作られています。オンイヤーということで、完全に密閉されるわけではありませんが、そう言ったことを差し引いても、よく出来ている、満足できる音質に仕上がっています。
解像感もすごくいいですね。ボーカルの奥にある、ギターやドラムの演奏者の手元まで感じられるような、クリアな感じ、 非常に気持ちいいです。
“いいヘッドホン”って、音の聞こえ方が変わります。自分の中で何度も聴きすぎて新鮮味がないような曲でも、ヘッドホンを変えて聞き直すと「あれ??こんなにアガる曲だったっけ??」って思ったりするんですよね。そういう気持ちにしてくれるヘッドホンは、いいヘッドホンです。WH-CH520はその点で、大いに推せるヘッドホンですね。
ちなみに、コーデックはSBCかAAC。iPhoneなら問題ありませんが、Androidをお使いでハイレゾコーデックを使いたい場合でも、AAC止まりとなってしまいます。
WH-CH520は、マイク性能もいい……!
WH-CH520は、ハンズフリー通話用のマイクを内蔵しています。
このマイクがどの程度の聞こえ方になるのか、というのは気になるところです。通話時には周囲のノイズを抑えて集音すると言うことだったので、ゴウゴウ回る洗濯機の前で通話してみました。
iPhoneの内蔵マイクは、周りの音も余さず拾ってしまうので「後ろ騒がしい?」と言われましたが、WH-CH520のマイクは全く分からなかったようです。念のため、録音した音声を聴いてみましたが、確かに洗濯機が回っているとは思えないくらい静かに聞こえていました。(ただ、音が寸断する瞬間が何回かあったので、完全に消せているわけではなさそうです)
とりあえず、この価格帯のヘッドホンとしては十分すぎる性能のマイクが搭載されているようでした。
SONY ワイヤレスステレオヘッドセット WH-CH520のまとめ
この価格でこのスキのなさ、SONYの底力を見せつけられました。KENWOODやオーディオテクニカからも同価格帯のワイヤレスヘッドホンが出ていますが、余程のSONYアンチでもない限りは、WH-CH520をド定番としてオススメしてしまいますね。
断言しますが、軽くて安価で音質のいいヘッドホンをお探しなら、WH-CH520で間違いないです。
- 低反発ウレタンフォームのイヤーパッドが心地よい
- 最長で50時間の音楽再生が可能
- 3分の充電で約1.5時間再生できるクイック充電に対応
- 150gを切る超軽量オンイヤーヘッドホン
- 2台の機器に同時接続できるマルチポイントに対応
- エントリーモデルなのに、専用アプリ「Headphones Connect」に対応
- 特になし(この価格帯のヘッドホンとしては弱点がない)
最後に、WH-CH520の推しポイントはカラーバリエーションが豊富というところです。ホワイトやブラックという定番に加えて、ブルーやベージュはトレンドのくすみカラーになっているのもいいですよね。