ワイヤレススピーカーに足りないのは、デザイン性と……ラジオ??
今回紹介するのは、CAMPFIREでプロジェクト実行中のMUZEN OTR Metal 携帯式FMラジオブルートゥーススピーカー(以下、MUZEN OTR Metal スピーカー)です。
MUZEN OTR Metal スピーカーには、多くのワイヤレススピーカーに足りない「デザイン性の高さ」と、……「ラジオ受信機能」があります。とりあえず、詳しく見ていきましょうか。
MUZEN OTR Metal 携帯式FMラジオブルートゥーススピーカーをレビュー!
ダンボールから取り出してみると、箱ではなく、手提げ袋が出てきました。これは予想しなかった、意外な展開です。
ワーゲンバス風のイラストが描かれた手提げ袋は、紐が通してあります。そのまま持ち歩くことも、プレゼントすることもできます。いい意味で、ガジェットっぽくない作りです。
手提げ袋の中から取り出したのは、MUZENのロゴ入り巾着袋。まだまだ中身が見えません。
袋から取り出したものは……?
ガジェットっぽくない??かわいいミニトランクケース付き
巾着袋の中に入っていたのは、ミニトランクケースでした。なにこれ、ちょっとかわいいじゃないですか。
ケースの隅に「BACK TO 1960S」と書いてあるように、1960年代を意識したレトロなデザインのケースです。
ミニトランクケースは、その作りも本格的。革製の持ち手に、金属製の留め具で構成されています。これ単品でも使いたくなります。
さらにこのケースを開けてみると、MUZEN OTR Metal スピーカーが入っていました。フタの裏にはオリジナルステッカーがはさみ込まれています。
ミニトランクケースよりも二回りほど小さいのがMUZEN OTR Metalスピーカーです。想像していたよりもかなり小さいです。
付属品は、MUZEN OTR Metal スピーカー、USB Type-C充電ケーブル、AUXオーディオケーブル、アンテナ、ステッカー、説明書類です。
さっそくMUZEN OTR Metal スピーカーを見ていきましょう。
MUZEN OTR Metal スピーカーは、1960年代を意識したレトロデザイン!
こちらが、MUZEN OTR Metalスピーカー本体。今回レビューしている色は、ビンテージグリーンです。大きさこそコンパクトサイズですが、デザインはレトロそのものです。
「1960年代 ラジオ受信機 アメリカ」等で検索してみると(リンクはGoogle画像検索)、似たようなスタイルのラジオ受信機の画像が見つかります。
底面には、高さのある滑り止めがくっつけられています。
片手に収まるコンパクトサイズですが、製品名にある通り、金属製。ズッシリ重さがあります。実測で430.5gありました。
すべての操作はアナログダイヤル方式!レトロでエモい!
レトロなのは、見た目だけではありません。MUZEN OTR Metal スピーカーのすべての操作は、前面にある3つのアナログダイヤルだけで行われます。
MUZEN OTR Metal スピーカーは、Bluetoothスピーカー、AUX(外部入力)、FMラジオと3つのモードを切り替えられます。各モードの切り替えは、右下のダイヤルで行います。
モードの状態は、左下のLED表示で分かります。Bluetooth(ホワイト)→AUX(オレンジ)→FMラジオ(受信時のみグリーン)と変わります。
このほか、右上の大きなダイヤルはFMラジオのチューニング用、もう一つの小さなダイヤルはボリューム調節用です。
「スイッチ」とか「ボタン」は一切ありません。本当にダイヤルのみの操作です。こだわりがすごい。
FMラジオ用アンテナは取り外し可能!
MUZEN OTR Metal スピーカーの背面には、各種技術仕様が書かれています。
特徴的なのが、USB-Cポートです。このUSB-Cポートには3つの役割があります。USB充電、AUX入力(外部入力)、FMアンテナ接続、です。ポートの周りに3つの穴が空いていますが、これはなんでしょうか……?
MUZEN OTR Metal スピーカーには、FMラジオ受信用の外付けアンテナが付属しています。
この外付けアンテナは、なんとUSB接続式。コネクタの周りに3つの突起があり、先ほどの3つの穴に入るように作られています。
下の写真のように、アンテナが装着できます。3つの突起で支えるので、USBポートにテンションがかからず、アンテナも安定して立てられるようになっています。
FMラジオを使わないときは外しておけます。シンプルで、いいアイデアですね。
MUZEN OTR Metal スピーカーのFMラジオ、使い勝手はどう??
MUZEN OTR Metal スピーカーの特徴の一つは「FMラジオの受信機能」です。一番大きなダイヤルを、少しずつ回しながらチューニングしていきます。
30代以降の方であれば、懐かしいチューニング方法でしょう。10代20代の方からすると、スマホを使わずにラジオが聴けるのは新鮮ではないでしょうか?今や若い世代ほど、ラジオはスマホで聴く層が多く、専用の受信機は少なくなってきています。
FMラジオの受信感度は、部屋の中の置き場所によります。窓に近い場所でアンテナを伸ばせばクリアに聴こえますし、窓から遠い場所では、アンテナの方向を変えながら、ダイヤルを回してチューニングするという、アナログな方法で最適な状態を探ります。
スマホでのリスニングに慣れていると、とても手間がかかりますが……、この手間こそがアナログの醍醐味です。うまくチューニングが合うとLEDがグリーンに点灯します。チューニングがばっちり合った瞬間は嬉しくなります!音質は良好で、たまにザザッとノイズが入ることもありますが……アナログのラジオの味ですよね。
なお、MUZEN OTR Metal スピーカーの受信可能な周波数帯は、FM75.5〜108.5MHzです。日本のFM放送の割り当ては、76.1〜89.9MHzの間なので、本製品では日本のすべてのFM放送が聴けることになります。
そんなの当たり前では??と思われるかもしれませんが、以前Kickstarterで入手したLofreeのスピーカーはFM放送が88-108MHzという欧米仕様だったため、日本のFMラジオはかなりの局が聞けませんでした……。
けっこう好きなワイヤレススピーカーだったんですが、この点が残念でしたね。(日本向けに販売されていたPoisonスピーカーは対応していたようです)
MUZEN OTR Metal スピーカー、ワイヤレススピーカーとしての音質はどう??
ついついラジオの話題が盛り上がってしまいますが、本製品はBluetoothスピーカーです。iPhoneとBluetoothで接続した際の音質もチェックしてみましょう。
音質は高音から低音までバランス良く聴けます。この小ささに似合わない、いい音が鳴っています。そこそこ重量があるのも影響して、低音が引き締まっているのが印象的です。
Bluetoothを搭載したテレビのワイヤレススピーカーとしても使ってみました。トーク番組から音楽まで、バランス良く聴かせてくれます。
なお、音楽にせよテレビにせよ、MUZEN OTR Metal スピーカー自体の音量レベルがやや小さいようで、ボリュームは気持ち大きめにしたほうがいいです(個人差はあると思います)。爆音では鳴らせないので、大勢で楽しむというよりも、1人や少人数で楽しむほうが向いているようです。
MUZEN OTR Metal スピーカー、有線接続したときの音質はどう??
MUZEN OTR Metal スピーカーに外部機器から有線で接続する際には、USB-Cポートを使います。付属のケーブルで、イヤホン端子から出力し、USB-Cポートへ入力できます。
iPhoneとは、Lightning変換アダプタ経由で接続してみました。
音質はさすがの有線接続でしたが、Bluetoothでの接続でもそこそこいい音が鳴っていたので、劇的に変わるわけではありませんでした。スマホやMac・PCから鳴らすなら、Bluetoothでも十分でしょう。
余談ですが、iPhone用のイヤホン変換アダプタ、iPhoneからイヤホンジャックが無くなった当時は付属していましたが、最近ではめっきり付属しなくなりましたね……。
MUZEN OTR Metal スピーカーを1週間使ってみたら……ラジオが快適だった!
MUZEN OTR Metal スピーカーを1週間ほど使ってみました。iPhoneとBluetooth接続して音楽を鳴らしたり、仕事しながらFMラジオを流したりしていました。
個人的にとても気に入ったのが、やはりFMラジオです。これまでもiPhoneのRadikoアプリでラジオは聴けましたが、アプリを立ち上げることもなく、ダイヤルを回すだけでFMラジオが聴こえてくるので、非常に手軽に使えます。
Bluetoothスピーカーとの切り替えもダイヤルを回すだけ。Apple Musicのプレイリストを聴きたくなったら、ダイヤルをBluetoothに合わせれば、すぐにiPhoneと接続して、再生が可能です。この切り替えの機敏さは、ストレスがなくてよかったです。
FMラジオとBluetoothオーディオを両方楽しめるのは快適です。しかも小型で場所を取らないため、デスクの隅に置いておいても邪魔になりません。デザインもおしゃれなので、インテリアとしても好適です。
ちなみに、バッテリーの持ち時間ですが、仕様上はBluetooth接続で8〜10時間、ラジオで約20時間程度とされています。ラジオ目的で使うことが多かったので、感覚としては「なかなかバッテリーが無くならないな……」と思いました。1日8時間ラジオをかけっぱなしにしても、ゆうに2日以上持つ計算ですからね。
気になった弱点が1つだけあります。それは、モード切り替えや音量調整をする際に、チューニング用のダイヤルに指が当たってしまい、せっかく合わせたチューニングがずれてしまうこと。……しかし、これもまたアナログらしい苦労=楽しみ方と言えそうです。
MUZEN OTR Metal 携帯式FMラジオブルートゥーススピーカーのまとめ
個人的にとても満足度の高い製品でした。見た目が気に入った方には、間違いなくオススメです!
- Bluetoothスピーカーとして、小型かつ高性能
- スマホなしでもFMラジオが聴ける
- アナログ感覚の操作が楽しい
- 手提げ袋やケースなどの演出が楽しい
- USB-Cポートが排他式のため、充電とアンテナ・AUX入力が同時に使えない
- 大音量で鳴らすには向かない
- ラジオのチューニングは手間がかかる(それがいいのだけど)