クラウドファンディングに現れた、世界最軽量クラスのHMD
Photontree X(フォトンツリー テン)という製品がMakuakeに登場しまして、なんでも世界最軽量クラスのプライベートシアターだということです。VRヘッドセットではなく、シンプルなヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)のようです。
今回、製品サンプルをお借りする機会がありましたので、レビューしていきます。さて、どんな製品なんでしょう……
Photontree Xをレビュー
全面がブラックの中に浮かび上がるPhotontree Xの姿。シンプルでかっこいい。
片手で持つにはいっぱいいっぱいな厚さです。世界最軽量クラスのHMDとは言え、それなりに大きさはあるようです。
背面には、Photontree Xでの利用が想定されている機器のアイコンが並びます。デスクトップPCやノートPCだけでなく、スマートフォン、ニンテンドースイッチやPS4が挙げられています。これほど多くの機器に対応できるのは理由があります。
内箱を開けていくと、きっちり収まったPhotontree Xが現れます。
内容物としては、マニュアルと、クリーニングクロス、イヤホン、シリコンマスク、そしてPhotontree X本体、ヘッドバンドとなっています。
Photontree X本体には、シリコンマスクとヘッドバンドを取り付けます。
付属のイヤホンは、左右でケーブルの長さが違うもの。首の後ろを通すU型タイプです。iPod以降、日本でもイヤホンはY型が主流になりましたが、昔はU型多かったですよね。HMDの特性上、ケーブルが邪魔にならないU型イヤホンなのはポイント高いですね。イヤーピースはS/M/Lサイズが付属しています。
さて、こちらがPhotontree X本体です。正面は光沢処理の施されたフラットな面になっています。片手で持ってみると、中身が入っているか不安になるレベルの軽さです。モックだと言われても信じます。
Photontree Xを下から見たところです。鼻が当たる部分が凹んでいるのが分かります。操作ボタン類はここに集中していて、Photontree Xを装着した状態でも操作しやすいよう、左右にまとめられています。
こちらがゴーグル部分です。2つのレンズが並んでいます。ここにはシリコンマスクを付けるのをオススメします。シリコンマスクを付けずに使うこともできるんですが、左右が明るく見えるので、没入感は削がれます。右下にあるのがイヤホンジャックです。
PhotontreeX自体は小型で超軽量なんですが、それだけだと装着した際に不安定になってしまいます。そこで、額で固定するためのヘッドギアが備えられています。
ヘッドギアが密着することになるため、きつくならないよう厚めのクッション素材が取り付けられています。
なお、Photontree Xで使うケーブル類は直付けされており、ケーブルを用意する必要がありません。特に映像を出力するHDMIケーブルは太く取り回しづらいものが多いので、細いHDMIケーブルが直付けされているのは便利です。
なお、Photontree Xに直付けされているのはHDMIケーブルですが、そこからさらにUSBケーブルが伸びています。USBは電源入力用ですが、なんと、Photontree Xの消費電力は5V 0.5A以下!一般的なUSBポートでまかなえてしまう低消費電力です。
PC/Mac、ニンテンドースイッチやPS4には映像出力端子のほか、USBポートがあるので、そこに挿すことで電力を供給してくれます。
Photontree Xが超軽量な理由は、バッテリーを搭載せず、電源系をUSBで実現したことにあるようです。スマート!
VRゴーグルのOculus Questと比較してみよう
さて、最近ではこの手のゴーグルを見ると、VRゴーグルと勘違いしてしまいますがPhotontree Xは2Dの映像ディスプレイです。VRは見れませんが、そのぶん軽量で小型に仕上がっています。
それでは、VRゴーグルと比べるとどの程度大きさに違いがあるのか、VRゴーグルの大ヒット商品「Oculus Quest」(写真右)と比較してみましょう。この写真は、両製品を上から見たところです。
https://www.makkyon.com/2019/06/04/oculus-quest/
こちらは側面を比較したところ。Photontree X(写真左)はシリコンマスクを取り付けてあります。Oculus Quest(写真右)はスタンドアロンのVRゴーグルとして小さい方ですが、こうして見るとかなり巨大です。
実際に装着したところを正面から見てみましょう。Photontree X(写真左)は双眼鏡を装着したような小ささですが、Oculus Questは顔半分を覆うような巨大さです(VRゴーグルとしては当然ですが)。
側面から見てみましょう。Oculus Quest(写真右)は頭部全体で支えていますが、Photontree X(写真左)はヘッドギアで固定しています。Photontree X自体が軽いので、頭部にかかる重量負担もOculus Questより断然楽です。
ちなみに、Photontree Xはヘッドギアで固定してあるため、ちょっと外を見たいときでも、ゴーグル自体を跳ね上げて視界を確保することが可能です。
Photontree Xとニンテンドースイッチで「あつまれ どうぶつの森」しよう
さて、Photontree XはHDMIとUSBで繋げば使えますが、ニンテンドースイッチでそれをやろうとすると、あの巨大な純正ドックが必要です。せっかくスマートなPhotontree Xを使うのだから、ニンテンドースイッチ側もスマートに接続しましょう。
そこで使うのはこれ、ニンテンドースイッチ用のポータブルアダプター GENKI DOCKです。
https://www.makkyon.com/2020/03/08/genki-covert-dock/
まるでPhotontree Xと組み合わせる運命だったかのようにHDMIとUSBポートを備えています。
USB-Cケーブルはニンテンドースイッチへ、HDMIとUSBケーブルはPhotontree Xから出ているものを使います。
余談ですが、ニンテンドースイッチで映像出力を行うときのUSB-Cケーブルは、USB3.1 Gen2に対応したものを使いましょう。(USB3.2 Gen2と呼称する場合もありますが、同じものです。)安いUSB-Cケーブルは中身がUSB2.0だったりします……。
今回のレビューで使用しているUSB-Cケーブルは下記のものです。
これで、Photontree Xのレンズの向こうには、ニンテンドースイッチのホーム画面が表示され、その先には「あつまれ どうぶつの森」が……
Photontree Xには583PPIという高精細なLCDスクリーンが2枚搭載されています。擬似的に800インチものスクリーンになるそうなので、20メートル先に800インチのスクリーンを想像してください……とりあえず視界いっぱいにあなたの島が広がっていますよ。
私はふだんメガネをかけていますが、シリコンマスクを装着することで、レンズとメガネが干渉することなく使えます。めちゃくちゃ迫力があって、まさにプライベートシアター。
なお、シリコンマスクで周囲の光を遮断して、イヤホンで音を楽しむので、周りに人がいるときはご注意ください……(同様の理由でOculus Questも一人の時じゃ無いと楽しめないワタクシです)
まとめ
超軽量・超コンパクトなPhotontree XはHMDとしても優秀なんですが、私が素晴らしいと感じたのは、一体化されたケーブルです。電源用のUSBケーブルもセットにすることで、結線の手間がなく、デバイスに挿すだけで使えるのがシンプルで最高です。
今回はニンテンドースイッチで楽しみましたが、パッケージにも表示されているようにPCやMac、スマートフォンにPS4など、HDMI出力が可能なデバイスであれば基本的に使えます。
汎用的な使い勝手を可能にしたHMD「Photontree X」はVRゴーグルではできない手軽な映像体験を味わせてくれます。世の中はVR/ARゴーグル全盛ですが、2Dに限るならこれは間違いなくオススメできる製品です!