USB-Cが開拓する次世代の周辺機器
ここ数年で、ニンテンドースイッチやAndroidスマートフォンなど、USB-Cが使えるデバイスが増えたことで、各種周辺機器も大きく様変わりしてきました。
中でも、映像と電源を1本のUSBケーブルでまかなえるというUSB-Cの利点を活かした製品は、ディスプレイをはじめとして話題を呼びました。今回紹介する製品も……。
クラウドファンディングに登場した究極のハブ?
クラウドファンディングサイトMakuakeに登場した「ZENDURE SuperHub SE」は、電源供給と映像出力を同時に行える上、USBポートも搭載したという、全部盛りのハブです。※2020年9月に一般販売が開始されました。
どんな使い方ができるのか、実際にレビューしていきます。
ZENDURE SuperHub SEをレビュー
こちらが、ZENDURE SuperHub SEのパッケージ。右上の「GaN」の表示を見て分かるとおり、最近の小型・大出力のACアダプターと同様にGaN(窒化ガリウム)を採用した製品です。
窒化ガリウムの利点については、過去記事にて解説しています。ご興味ある方はぜひ。
ZENDURE SuperHub SEの付属品はこちらの通り。SuperHub SE本体(写真中央)、電源ケーブル(写真左)、USB-Cケーブル(写真右)です。
SuperHub SEの表面には、ゼロハリバートンのアタッシュケースを思わせるような加工が施されています。
背面には滑り止めが用意されていて、この面を置く想定であることが分かります。
正面には、4つのポートが並びます。上からUSBハブとして機能するUSB-Cポート、電源を供給するUSB-Cポート、こちらもUSBハブとして機能するUSB-Aポート、そして映像出力可能なHDMIポートです。
このポートを見て、何が起きるのか理解しづらいかもしれないので、図示してみました。
MacBook Airを入力デバイスとして、ディスプレイやキーボード、iPhoneとデータのやり取りができ、iPhoneやキーボードなど電源供給が必要な機器には必要な電源を供給するという、これ一台で完結する究極ハブなのです。
その要となる電源コードは、ポート面の反対側につなぐようになっています。
この電源コードはかなり長めに用意されています。壁面のコンセントから、Macやスイッチへの距離を考えれば、この程度は必要ということでしょう。
クレジットサイズ大を謳うZENDURE SuperHub SEを、Anker PowerPort Atom III 45W Slimと比較してみましょう。こちらも小型さでは引けを取りません。
写真上がZENDURE SuperHub SE、写真下がAnker PowerPort Atom III 45W Slimです。フットプリントはSuperHub SEがやや大きめです。
スリムさでは、Anker PowerPort Atom III 45W Slim(写真右)の方が圧倒的ですが……、PowerPortはUSB-Cポートが1つしかないので当然といえば当然です。
逆に、これくらいしか差がないのに、圧倒的に多機能なのがSuperHub SEと言えます。
USB PDの実力を測定してみる
それでは、USB PDの電源供給能力を測定してみましょう。コンセントに繋ぐと、ロゴマークがグリーンに点灯します。
PowerDeliveryのPDOは、最大で20V 1.5Aの30Wを返しました。MacBook Airやにンテンドースイッチなら十分な電源供給が行えます。
もう一つのUSB-Cポートを測ってみたところ、こちらはsource_capが受信できなかったというメッセージが表示され、測定できませんでした。
詳しい表示内容は下記のとおりです。
A correct CC attachment is detected, but no source_cap is recieved in time. Contact the author for more information.
ニンテンドースイッチを、純正ドック無しで映像出力する
ニンテンドースイッチはUSB-Cポートを備えていますが、そのままでは映像出力ができません。しかし、ZENDURE SuperHub SEを使えばこのとおり。
使用しているのはモバイルディスプレイですが、HDMIで映像出力できています。
USB-Cで二ンテンドースイッチと繋ぎ、HDMI出力でモバイルディスプレイへ、USBでモバイルディスプレイに電源を供給し、余ったUSB-CポートでiPhoneを充電しています。これだけの機器をつなぎながら、コンセントは1つしか使わないのです……。
もちろん、ニンテンドースイッチの動作に問題はありません。
モバイルディスプレイで、あつまれ どうぶつの森をプレイできちゃうのです。ケーブルは多いですが、あのニンテンドースイッチのバカでかい純正ドックや純正ACアダプターは不要なのです。
しばし、あつまれ どうぶつの森を遊びふけってしまいました。
もちろんMacBook Airでも使える
ニンテンドースイッチでの利用を全面に押し出しましたが、序盤の図にもあったようにMacBook Airでの利用も問題ありません。
ディスプレイにつなぎつつ、MacBook AirにもUSB PDで充電を行い、iPhoneへも充電が可能になっています。
ZENDURE SuperHub SEと、必要なケーブルさえあれば、他の充電器やハブは一切不要なのです。便利すぎる……。
まとめ
さて、お役立ちすぎる究極ハブZENDURE SuperHub SEでした。これひとつカバンに入れておけば、出張先でも旅行先でも何とかなっちゃう万能さがあります。
ただ、究極ハブにもう一歩だと感じたのが、電源ケーブルの扱い。ハブとして使うとケーブルが多くなってしまうため、電源ケーブルの長ささえ、煩わしいと感じてしまいます。
MacBookシリーズのACアダプタのように、プラグ直付けと延長ケーブルが選べるようになっていると最高だったのになと感じます。もし、次期モデルがあれば、検討してもらいたいところです。