USB-ACアダプターでの採用が進む新素材GaN(窒化ガリウム)。GaNは従来のシリコン素材に比べて電力効率が圧倒的に高いため、余計な熱が出にくく小型化がしやすいという特性があります。
今回紹介するRAVPower製のUSB-ACアダプターもそんなGaNの恩恵を受けている製品の一つです。
RAVPower RP-PC133 レビュー
今回紹介するRAVPower RP-PC133は、65Wの出力が出せる充電器。65Wといえば、MacBook Proの電源もまかなえる給電能力です。
RAVPower RP-PC133をレビュー
パッケージは、RAVPowerの共通デザインのもの。爽やかな色合いです。
それで、驚いたのがパッケージの小ささです。指でつまんでいる感じから察してほしいのですが、とても小さいのです。18Wや30Wの充電器なら分かりますが、65Wの充電器でこのサイズは驚きです。
RAVPower RP-PC133本体と、マニュアルが入っています。
分かりやすい……と感じたのは、充電器の側面に最大出力W数が彫られていたこと。デザインに落とし込んでいるので、見た目に違和感(ダサさ)がありません。
USB Type-A(以下USB-A)は最適な電力を供給するiSmart機能を搭載し、USB Type-C(以下USB-C)はUSB PDに対応しています。
電力供給仕様を見てみると、iSmartは、最大で18Wもの電力供給を可能にしています。Quick Chargeですね。そして、USB PDは最大65Wです。
ただ、2ポート合わせての最大出力も65Wなので、2ポート使ってしまうとUSB PDの最大出力は活かせません。
Anker PowerPort Atom PD 2とサイズ比較してみる
60WクラスのUSB-ACアダプターといえば、先日入手したAnker PowerPort Atom PD 2(写真右)が手元にあるので比較してみます。
RAVPower RP-PC133はUSB-AとUSB-Cは1ポートずつ、Anker PowerPort Atom PD 2はUSB-Cポートが2つとポートの違いはありますが、どちらも60Wクラスの給電に対応します。
そして、そもそもの底面積が一回り違います。Anker PowerPort Atom PD 2が大きいのではなく、RAVPower RP-PC133は小さいのです。
重量を比較してみましょう。RAVPower RP-PC133は114.9g。
対して、Anker PowerPort Atom PD 2は178.2g。RAVPower RP-PC133は、実に2/3ほどの重さしかありません。
Anker PowerPort Atom PD 2はUSB-Cが2ポートあり、とても使いやすいのですが、ここまでサイズ感に違いがあると、ついついRAVPower RP-PC133を使ってしまいます。
65WってどんなPDO?
さて、最大65Wの出力をほこるRP-PC133ですが、ちょっと違和感がありまして。65Wの出力における電圧と電流の組み合わせはどうなのか……と。そこで、PDOを見てみることにしました。
利用可能なPDOとして表示されたもののうち、5番目が65W出力のもの。20Vと3.25Aの組み合わせで実現するようです。
それでは、実際に使ってみます。
RP-PC133でMacBook AirとiPhoneを充電してみた
実際に、USB-AでiPhoneを、USB-CでMacBook Airを充電してみることにします。
MacBook Airはフルスピードで充電されているようで、iPhoneを同時に充電中でも、ほぼ30Wが出ていました。
私の持っているデバイスでは、最大65Wを出せるものはありませんが、2ポート使うことを前提にしても、かなり余裕のある給電容量であることが分かります。
まとめ
RAVPower RP-PC133は、そのコンパクトさもさることながら、最大65Wもの給電能力を持つ、小さな巨人です。新素材GaNが騒がれた当時から、このサイズ感は期待されていましたが、実際にその性能を目の当たりにすると、驚きを隠せません。
1ポートがUSB-Aポートになっていることから、同時充電する際の汎用性が高くなっています。USB-Cポートで充電できる機器をお持ちの方は、必須で持っておきたいアダプターです。