濃縮缶とは?
夏の定番飲料である「麦茶」。ここ数年ブームになっているのが「麦茶を超濃く作って保存し、必要に応じて薄めて飲む」という「濃縮還元むぎ茶方式」です。場所を取らず、飲みたいときにすぐ飲める手軽さが受けていました。しかし……結局のところ作る手間は変わらないので、それすら面倒な人たちには広まりませんでした。
これに目をつけたのが、サントリー。同社の麦茶ブランド「やさしい麦茶」をあらかじめ濃縮し、缶に詰めて、2019年に販売し始めました。わが家でも夏の間大活躍しました。
この「濃縮缶」市場、どうやらさらなる広がりを見せるようで、サントリーだけでなく伊藤園も参入、麦茶以外の飲料も展開されています。本記事では、この濃縮缶について、詳しく見ていきます。
濃縮缶・4つのメリット
濃縮缶は、水を加えることで1L〜2Lの飲料に仕上げます。濃縮缶で作った飲料は、ペットボトル・煮出し・水出しと比べてどんなメリットがあるのでしょうか?
飲みたいときに飲める「即時性」
濃縮缶は、容器に注いで水道水で薄めるだけ。慣れれば10秒ほどで作ることもできます。
煮出して冷却したり、時間をかけて水出ししたり、毎回作ることを考えると、驚きのスピードです。
場所を取らない「省スペース性」
濃縮缶は、缶コーヒーとほぼ同じ大きさ。最大で2Lもの容量を作ることができます。同容量のペットボトルを考えてみてください。圧倒的に省スペースです。防災バッグの中に数缶入れておいても邪魔にならないでしょう。
もし、ペットボトルをAmazonや楽天で注文しているのだとしたら、缶に切り替えることで、配達員さんの苦労も少しは軽減されますよね……。
備蓄に向いている「保存性」
缶とペットボトルを比較した場合、保存性に優れているのは缶です。光や空気の影響を受けやすいペットボトルと、光も空気も通さない缶では、その保存性に明確な差があります。備蓄に向いているので、まとめ買いをして保管しておくのもいいでしょう。
地球への環境負荷が低い「リサイクル性」
意外と知られていないのが、ペットボトルと缶のリサイクル率。比較すると、缶の方が回収率・リサイクル率が高く、地球環境への負荷は缶の方が低いと言えます。どちらかを選べるのであれば、缶を選ぶ方が良いでしょう。
全国清涼飲料連合会では環境配慮に係わる取り組みを継続しています。
環境配慮設計への取り組み|環境|全清飲
※あくまで比較した場合の話で、ペットボトルも缶も各社が改善を繰り返し、環境を配慮した製品づくりを行っています。各社の取り組みは、全国清涼飲料連合会(全清飲)のサイトで見ることができますので、興味のある方はぜひ。
飲料カテゴリー別・濃縮缶のまとめ
2019年に登場した濃縮缶は「やさしい麦茶」のみでしたが、2020年からは他の飲料カテゴリーにも広がり、2021年にはコーヒーも登場しました。飲料カテゴリー別にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
「コーヒー」の濃縮缶
TULLY’S COFFEE BARISTA’S BLACK 希釈用缶 180g(伊藤園)
伊藤園から発売されているタリーズコーヒーの希釈用缶です。1:3の割合で水や牛乳を加えることで手軽にコーヒーを楽しめます。(1缶180gに対し、540gの水で、720gのコーヒーになります)
「麦茶」の濃縮缶
GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶 濃縮タイプ(サントリー)
グリーンダ・カ・ラのCMでおなじみのサントリーの麦茶ブランド。濃縮缶飲料では、先駆け製品。わが家でもお世話になっています。カフェインゼロで、こどもから大人まで安心して飲めます。
希釈用 健康ミネラルむぎ茶(伊藤園)
麦茶といえば、伊藤園の健康ミネラル麦茶。鶴瓶さんのCMでもおなじみですね。こちらも濃縮缶になりました。
「烏龍茶」の濃縮缶
希釈用 ウーロン茶(伊藤園)
1980年に誕生した世界初の烏龍茶飲料が、この伊藤園の烏龍茶です。時代を感じるパッケージです。
サントリー 烏龍茶 濃縮タイプ(サントリー)
サントリーの烏龍茶も、おなじみのパッケージですね。濃縮缶で小さく可愛くなっています。
「緑茶」の濃縮缶
希釈用 お~いお茶 緑茶(伊藤園)
伊藤園といえば、コレ。アメリカでは健康志向が高まり、GoogleやTwitterといったシリコンバレーのIT企業でよく飲まれていることがニュースになりました。いずれこの濃縮缶もアメリカで飲まれるのかもしれません。
伊右衛門 炙り茶葉仕立て濃縮タイプ(サントリー)
サントリーの緑茶飲料・伊右衛門も濃縮缶で登場です。累計販売本数で100億本を突破しているそうで、2020年に入って発売以来最大のリニューアルが行われました。
「スポーツドリンク」の濃縮缶
DAKARAミネラル 濃縮タイプ
ライフパートナー DAKARAからも濃縮缶が発売されました。濃縮缶ならペットボトルに比べて大量に持ち運べるので、スポーツイベントで人気が出そうです。
「ジャスミンティー」の濃縮缶
希釈用 Relaxジャスミンティー(伊藤園)
伊藤園からはRelaxジャスミンティーも濃縮缶で登場しています。飲料製品としては、競合が少ないジャンルなので、見かけたらストックしておきたいところです。
まとめ
濃縮缶は本当に便利なので、皆さんに使ってほしいです。スーパーマーケットに行くと1缶単位で売っていたりするので、お買い物のついでにぜひ購入してみてください。