GPDといえば、クラウドファンディングで超小型PCを成功させてきたメーカー。
ゲーム用のGPD WINシリーズ、ウルトラモバイルのGPD Pocketシリーズ、そして2019年、新たな超小型PCとして“MicroPC”のプロジェクトがスタートしました。
GPD MicroPC, 6-inch Handheld Industry Laptop | Indiegogo
GPDの新たな挑戦“MicroPC”
MicroPCは特定用途向けのニッチ仕様
このMicroPC、かなりニッチな分野を想定しており、ネットワークエンジニアをはじめ、製造現場や医療現場など設置場所に制限のある分野を考慮しています。
ただ、中身は普通のWindowsなので、個人で超小型ノートPCとして使うこともできます。
開発中にスペックアップするPC……だと?
GPD MicroPCは当初、メモリ4GBという最低限のスペックでした。その後、10ドル追加で6GBメモリへスペックアップすると発表し、プロジェクト終了間際には、さらに8GBへと仕様を変更しました。
一気に実用的なスペックまで上がったということで、ニュースになりました。クラウドファンディングならではの面白さと言えます。
GPD Micro PCをレビュー
そして、6月末、ついにGPD MicroPCが到着しました。黒いパッケージにゴールドのGPDロゴ。見た目だけではPocket2との見分けがつきません。
日本でも一般販売されています。
フタを開けると、ビニールに包まれたGPD MicroPCとご対面です。分かってたけど、やっぱり小さい!
GPD MicroPC本体以外には、マニュアル、USB Type-Cケーブル、ストラップ、USB-ACアダプターが入っています。
多言語対応の取扱説明書を開くと、日本語表記の箇所もありました。
付属のACアダプターは、USB PD対応のもの。最大で24Wまで出力できるようです。
こちらが、GPD MicroPC本体です。フットプリントは小さいんですが、それなりに厚さがあり、古のVAIO type Pや、VAIO GTのようなサイズ感を思い出します。
重量は、500gを大きく割り込む437.3g。iPhone XS Max 2台分といったところ。
iPhone XS Maxと並べて比較します。奥行きが短いのがお分かりいただけるでしょうか。
もちろん、日本の技適も取得済みです。
超薄型とはいきませんが、持ちやすい、ほどよい厚みがあります。
ディスプレイの開閉角度はここまで。水平には開かないのでご注意を。
超小型PCとして、GPD MicroPCが頼もしいのは、プラスチック製の筐体でほどほどに安いこと。
コスパのいい道具として、遠慮なく使い倒せそうです。
温故知新なポート群、見どころ満載のコネクティビティ
GPD MicroPCの特徴的なところは、超小型PCとは思えない大量のポート群にあります。MacBookのような割り切りは一切ありません。
背面はポートだらけ。こんなに多いのかと。
画面出力と電源入力を可能にするUSB Type-Cポート
超小型PCに欠かせないのが、電源も映像出力も兼ねる、USB 3.1に対応したUSB Type-Cポート(以下、USB-C)。GPD MicroPCは18Wという省電力PCなので、モバイルバッテリーからの給電も余裕です。
最近は、ディスプレイへの入力とPCへの電源供給が両立できる「USB-Cディスプレイ」が増えているので、GPD MicroPCを母艦にした運用も可能です。(できました)
USB-Aが3ポートもある
世の中の潮流がUSB-Cに向かっているとはいえ、周辺機器はまだまだUSB-Aポートが主流です。GPD MicroPCはそれらをカバーできるようUSB-Aポートが3基も備わっています。背面に2基。
左側面にもう1基。
USB-Cポートと合わせれば、4つもUSBポートがあることになります。
RJ-45(有線LAN)ポートがある
この小ささで、有線LANに直接接続できます。
10/100/1000Mbpsなので、速度的には何の問題もないですね。
画面出力のスタンダードHDMIポートもある
映像出力用にUSB-Cも使えますが、主流はまだまだHDMIです。
フルサイズのHDMIなので、汎用のHDMIケーブルが使い回せます。
microSDカードスロットは最新!
microSDカードスロットは、最大で2TBまで対応しています。
しかも、スピード規格として、UHS-I、Class10、U2、A1と幅広く対応しているので、速度が必要なシーンでも、十分活躍できそうです。
シリアルポートのRS-232Cがある
これはもう、いかにもエンジニア向けですが、シリアルポートのRS-232Cがあります。
私はこのポートを活用することはなさそうですが、法人向けには全然需要があるそうです(エンジニアの方曰く)。
もちろんイヤホンも大丈夫、ストラップホールまで!
そして、イヤホンジャックもあるので、音楽再生も余裕です。マイクも使えるので、SkypeやZOOMでも使えますね。
左端にはストラップ用の穴もあります。落下による破損が心配な方は活用してください。
アーム固定できるネジ
底面にはGPD MicroPCをアームに固定するためのネジが2つあります。
いかにも業務用っぽくなってきましたねー
交換できるM.2 SSD
MicroPCに内蔵されているストレージは、よくあるeMMCではなく、なんとM.2 SSD。底面パネルを開ければ、ユーザー自身で交換することが可能です。
今回、Transcendの512GB SSDに換装してみたので、手順一式を記事にしました。SSD交換を検討している方は、参考にしてみてください。
必要十分?割り切ったスペックの数々
価格の割に至れり尽くせりのように見えるGPD MicroPCですが、目立たないところで割り切ったスペックも見受けられます。
タッチスクリーンではない
画面は、タッチパネル仕様ではありません。
入力インターフェースが変則的なので、ついつい画面を触ってしまいそうになります。
6インチディスプレイは、HD解像度
ディスプレイは流行りのフルHDではなく、HD解像度。
画面の大きさも解像度も、iPhone XS Maxのほうが上だったりします。
この小ささでは十分とも言えますが。
変則配置のタッチパッド
入力インターフェースとしてのタッチパッドは右手で操作することになります。左クリック右クリックは、左側のボタンから。
基本は持って使うことを想定しているわけですね。
変則配列の極小キーボード
キーボードはタッチタイピングが不可能な小ささ。
これも手に持って打つことを想定しているようで、適度な押し心地があり、手に持ってキーを打つと、意外と打ちやすかったりします。長文は無理ですけどね。
控えめなWi-Fi、最新ではないBluetooth
Wi-Fiは2.4G帯と5GHz帯の両方に対応し、規格も802.11acまで対応しています。ただ、速度は433Mbpsが上限。Bluetoothのバージョンは4.2。無線通信規格のスペックは標準的です。
液晶保護シートは貼っておこう
画面が傷つく可能性は低そうですが、誤って画面を触ったりすることはあり得ますので、汚れを拭き取りやすくするために、液晶保護フィルムはオススメです。ガラスフィルムは過剰なので、ベーシックなもので構わないでしょう。
今回購入したフィルムはシンプルなもの。液晶保護シートと日本語の説明書のみです。
液晶保護フィルムを貼る前。
液晶保護フィルムを貼った後。特に光沢を増すものでもないので、変化はありません。
タッチパッド用のフィルムもあります。タッチパッドを多用する方は貼っておいたほうがよさそうです。
GPD MicroPCを入れるケースは悩む
GPD MicroPCは、その小ささと厚さゆえ、入れるケースは悩みどころです。安全パイはサンワサプライのスリップインケースですね。
GPD MicroPCに合うケースはないか、他社のケースも購入して試してみました。内寸が選び方のポイントです。
まとめ
ひさびさにワクワクする超小型ガジェットに出会いました。ポートの多さやSSDの交換など、内部的にも妥協がないところもポイントです。CPUはCeleron N4100とエントリーレベルですが、メモリ8GB、ストレージがM.2 SSDなのでキビキビ動きます。
現在はSONYのPC TV Plusをインストールしたり、NetflixやYouTubeで動画ビューアーとして使ってます。スマホやタブレットでも同様のことはできますが、持ちやすい・置きやすいというところがポイントですね。
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