テレビ前のスマートスピーカー誤爆する説
わが家では、リビングルームのテレビの前にスマートスピーカーのLINE Clovaを置いているんですが、不意にテレビの音声を聞き間違って、急に会話を始めるんですよね。
結局、テレビ前からは撤去してしまうのですが、リビングルームでスマートスピーカーを置くならやはりテレビ前なんですよねえ……。
音声アシスタントAlexaに対応したサウンドバー
今回紹介するSonos Beamは、Amazonの音声アシスタント「Alexa」を利用でき、スマートスピーカー代わりになるサウンドバーです。
※記事の初出時にGoogleアシスタントでも利用できると明記していましたが、誤りでした。日本では利用できないようです。大変失礼いたしました。
これまでSONYのサウンドバー HT-S200Fを使っていましたが、これを機に買い替えてみることにしました。
サウンドバー Sonos Beamをレビュー
サウンドバーは、その幅の広さもあって、パッケージは大きめですが、Sonos Beamもその例に漏れず、細長く大きなパッケージです。
内箱を開くと、白く梱包されたSonos Beamとご対面。この大きさの製品でありながら、発泡スチロールを全く使っていないのが印象的です。
Sonosのラベルで、封がしてあります。包装は容易に解けないよう、キツめにテープが貼ってありました。
この包装している布は、なんと不織布(家電品でよくあるのは白い発泡シートですよね)。Sonos Beamは持ち上げたときの優しい手触りが好印象でした。
封を開けると、中からSonos Beamが登場です。今回購入したのは、ホワイトモデルです。
内容物も実にシンプル。電源ケーブル、HDMI-光オプティカル変換コネクタ、HDMIケーブル、そしてスタートアップマニュアルのみ。
セットアップの前に、Sonos Beamの外観を見ていきましょう。
Sonos Beamの外観をチェック
Sonos Beamの正面には「SONOS」ロゴ。白系統の配色に、白のロゴなので、写真ほど目立ちません。
天面には、動作状況を示すLEDやマイク、操作ボタンが並びます。文字はなく、アイコンは最小限、めちゃくちゃシンプルです。
背面にはポートが並ぶんですが、ここもシンプル。4つの円を均等に配置したデザインで、それぞれに電源ポート、ファンクションボタン、有線LANポート、HDMIポートとなっています。
光オプティカルポートはなく、HDMIで繋ぎ、テレビ側には同梱されている変換コネクタを使うことになります。
SONY HT-S200FとSonos Beamの比較
サブウーファー内蔵でコンパクトだったSONY HT-S200F(写真下)と、Sonos Beam(写真上)の外観を比較してみます。まずは上から見たところ。HT-S200Fのコンパクトさが際立ちますが、Sonos Beamも曲線を活かしたシンプルなデザインでコンパクトにまとまっています。
側面から見たところ。HT-S200F(写真左)は3つのパーツで構成されていますが、Sonos Beam(写真右)はメッシュ素材がぐるりと回り込んでいます。
正面の隅を比較してみます。HT-S200F(写真左)は、圧迫感のないよう角を落としたデザインですが、Sonos Beamは左右に音を広げるようなデザインです。
同じように曲線を活かしたデザインですが、それぞれの意図するところがよく出ているようです。
マニュアルは簡素、すべてはアプリから設定
それでは、セットアップに進みましょう。まずはマニュアルを見て……といきたいところでしたが、クイックスタートガイドによれば、アプリから進めてくれということで、内容はほとんどありませんでした。
というわけで、AppStoreから「Sonosコントローラ」をダウンロードします。
アプリを起動すると、Sonos製品のイメージ画像が続きます。
Sonosのスピーカーシステムは、複数機器を連携することが可能なので、新しく設定するか、既存システムへ接続するのか選択する画面になります。
次に、テレビ側にSonos Beamを接続します。HDMIケーブルをテレビ側のARC表示のあるHDMI端子へ、電源ケーブルをコンセントに差し込みます。
アプリ側に戻り「新しいSonosシステムの設定」から続けます。
Sonos Beamは、スマートスピーカーとして機能するので、ネットワーク接続は必須です。Wi-Fiに接続する手順はアプリ内で案内されるので、指示に従って進めていきましょう。
Sonos Beamを自動的に検知して、セットアップに入ります。
この先に、設定が続くんですが、解説はここまで。トラブルシューティングも含め、とても分かりやすく進めてくれるので、解説の必要はなさそうです。
Wi-Fiが繋がらないというトラブルはあったものの、そこも織り込んだ手順で、指示通りに進めたら問題なく設定が完了しました。よくできてます。
音声アシスタントが追加できる
設定完了後、Sonos Beamに音声コントロールを追加します。「音声サービスを追加する」を選びます。
音声サービスとして追加できるのが「Amazon Alexa」です。Amazon Alexaアプリが入っている必要があります。※Googleアシスタントのメニューがありますが日本では利用できないようです。
私はAlexaをメインで使っているので、Amazon Alexaを選択しました。そのまま「Sonosに追加」を選択します。
Amazonの許諾画面になるので、表示されているアカウントが正しいものであるか確認しましょう。
これで、Alexaが動作するようになりました。テレビを見ているときに「アレクサ」と呼びかけるとテレビの音量が極小になり、音声入力が可能になります。Alexaの動作が終わると、テレビの音量が元に戻ります。
SpotifyやApple Musicが追加できる
Sonos Beamには、ストリーミング音楽サービスのアカウントが追加できます。
追加できる音楽サービスは、日本で有名なものだとAmazon Music、Apple Music、Google Play Music、KKBOX、Last.fm、SoundCloud、Spotify、YouTube Musicがあります。
試しに、Apple Musicから「Sonosに追加」を選んで進めます。
音楽再生は、Sonosコントローラアプリの中で操作を行います。Sonos Beam自体にアカウントが追加されるため、音楽再生時はiPhone自体にアカウントが無くても大丈夫です。
AirPlay 2でホームネットワークの共有スピーカーになる
最近のサウンドバーはBluetoothを内蔵していることが多く、スマホとペアリングが可能ですが、複数人で使う場合は使い勝手がいいとは限りません。
Sonos BeamはAirPlay 2に対応していて、Wi-Fi経由で音楽再生ができます。同じネットワークで繋がっているiPhoneやiPad、Mac上から音楽をストリーミングさせることができます。Bluetoothのようなペアリングや、別途アプリをインストールするような手間は一切ありません。
例えば、iPhoneの音楽を再生する際に、画面下部、真ん中の出力ボタンを押します。
そうすると、音楽を再生できる機器を選ぶダイアログになります。ここで「テレビルーム」(名称は設定により異なります)を選ぶと、Sonos Beam上で再生が始まります。
AirPlay 2対応なので、iPhoneに限らず、MacのiTunes上からも選べるようになっています。
リビングでMacBook使いながら、スピーカーをSonos Beamに切り替えて、いい音で音楽を聴く、なんてことも余裕です。
Sonos Beamの音質は?
さて、肝心のSonos Beamの音質ですが、これはもう素晴らしいの一言。
比較としてHT-S200Fは、サブウーファーによる低音の迫力アップが目立っていましたが、それ以外の音には目立った特徴はありませんでした。(テレビ自体の音に比べれば断然よかったですけど)
Sonos Beamは、音に奥行きが生まれ、空間に対して音の広がりを感じます。音場が広がったことで、解像感が細かくなり、一音一音の響きが鮮やかになっています。これにより、役者さんの声や、ボーカル曲などが明瞭で聞き取りやすくなりました。音量レベルが小さくても、聞き取りやすくなったのはいいですね。
Dolby Atmosに対応したGen2モデル登場、違いは?
2021年11月18日に、Dolby Atmosに対応したSonos Beam(Gen2)が登場しました。(現在販売されているものはGen2です)
Gen1→Gen2の主な変更点は下記のようになっています。
- Dolby Atmos対応
- CPUが40%高速化
- ポリカーボネート製のパンチング加工グリルを採用
- HDMI eARCの正式対応
- より高速なWi-Fi、802.11acへの対応
- NFCの採用
- スピーカーアレイの拡大
- Amazon MusicのUltra HDへの対応
- DTSデジタルサラウンドサウンドのデコード対応
見た目はほとんど変わりませんが、内部はしっかりとバージョンアップしています。特に、映像ストリーミングサービスでの採用が進むDolby Atmos対応は大きなアドバンテージです。
Sonos Beamのまとめ
Sonos Beamは、一見するとただのサウンドバーですが、その中身は最新鋭のスマートスピーカーです。Alexaのような音声アシスタントも使えるし、音楽ストリーミングサービスが追加でき、さらにAirPlay 2対応によりホームネットワーク上での共有スピーカーにもなります。
それを支えるスピーカー自体の性能も、明瞭で迫力のある音作りを行なっており、満足のいく製品に仕上がっています。
日本ではまだまだ知名度の低いSonosですが、製品の性能だけではなく、それを下支えする「使いやすさ」も隠れた魅力です。安くはない製品ですが、テレビ用のサウンドバーの購入を考えているのであれば、ぜひ候補に入れてほしい逸品です。
その後、引っ越しやテレビの買い替えを経て、Sonos Arcを購入してみました。Dolby Atmosもあって、サウンドはすごいです……。