最強のモバイルバッテリーって何だろう?
最強のモバイルバッテリーについて考えてみた。下記の要件をすべて満たすものではないだろうか。
- 持ち運んでも苦にならない「軽さ」
- スマホと一緒に持てる「薄さ」
- スマホを何回も充電できる「大容量」
- スマホを素早く充電できる「急速充電」
- そのままコンセントに挿せる「ACプラグ内蔵」
- ケーブルを持ち歩かなくていい「ケーブル内蔵」
これらの要件をいくつか満たすものは存在するけど、すべて満たすのはあくまで理想。なぜなら、1・2(軽さ・薄さ)と3・5・6(大容量・ACプラグ&ケーブル内蔵)は相いれないものだから。どこかでバランスを取る必要がある。
今回、最強のモバイルバッテリー候補として提案したいのが、今回紹介するAUKEYのPB-Y13。上記の条件のうち、1-4までを満たしている。
バランスのいい、AUKEY PB-Y13
パッケージは非常にコンパクト。このパッケージ自体がすでに薄い。
パッケージにある通り、USB PD 2.0、QuickCharge 3.0対応と、モバイルバッテリーのトレンドを取り込んだスペック。
内容物は、ユーザーマニュアルと、PB-Y13本体、MicroUSBケーブルです。
PB-Y13自体は片手で軽く持ち上げられるほどのコンパクトさ。
PB-Y13に備えられたポートは、写真左から、
- QuickCharge 3.0対応のUSBポート(出力専用)
- USB PD 2.0対応のUSB-Cポート(入出力対応)
- 通常のUSBポート(出力専用)
- そして右側面にMicroUSBポート(入力専用)
となっています。
左側面には、バッテリーの状況を知らせるLEDランプがあり、LED1つにつき25%を示しています。写真の状況だとバッテリーが100%あることを示しています。
PB-Y13の入出力の詳細は、背面に記載されている通り。10,000mAhの容量があるので、スペック上はiPhone Xを2回充電してもまだ余りが出る。
各ポートごとの入出力内容は下記の通り。USB-Cポートのみ入出力兼用。
USB 入力 | USB-C(USB PD 18W) | 5V 1.5A , 9V 2A |
---|---|---|
MicroUSB | 5V 2A | |
USB 出力 | USB-C(USB PD 18W) | 5V 3A , 9V 2A , 12V 1.5A |
USB (QuickCharge 3.0) | 5V-6V 3A , 6V-9V 2A , 9V-12V 1.5A | |
USB | 5V 2.4A |
軽さと薄さ、AUKEY PB-T6と比較
PB-Y13の比較対象に選んだのは、同じくAUKEY製のPB-T6(写真左)。6,000mAhという容量で、ジャケットの内ポケットにも収まる軽さと薄さが特徴だ。持ち出しやすいので、今でも便利に使っている。
※個人的にはオススメなんだけど、PB-T6はすでに市場にない……。
容量6,000mAhのPB-T6は、137.7g。モバイルバッテリーとしては、十分に軽い。
それに対し、約1.7倍の容量をもつPB-Y13は194.4gと約1.4倍の重さに留まる。容量対比で見ると、軽いと言えます。
また、バッテリーの厚みで比較するとPB-T6は11.9mm、PB-Y13は13.8mmと、こちらも健闘している。
大容量、MacBookをどれだけ充電できる?
USB PDに対応したモバイルバッテリーということで、絶対に試しておきたいのが、MacBookへの給電。MacBookは通常のUSB BC(Battery Charge)でも充電は可能だが、速度が非常に遅いため、非常時にしか使いようがない(夜、寝ている間に充電するとか……)。
PB-Y13とMacBookを、USB PDに対応したUSB-Cケーブルで接続したところ、18WのAC充電器として認識された。スペック通りの数値だ。
出力は、12V 1.5Aで18Wとなっている。
充電状況をテスト
PB-Y13を満充電し、MacBookのバッテリーをギリギリまで減らしてから給電を始める。このスクリーンショットの後、0%に落ちてすぐスリープ状態になるので、そこからテストを開始した。
PB-Y13を接続して7分ほどで画面が復活した。(この段階では、残りが10時間以上と表示されているが、徐々にスピードが上がっていく)
下記の表は、バッテリーから給電を開始してからの経過時間とMacBook上の表示を書き留めたもの。1時間半ほど経つと、PB-Y13のすべての容量を出力し終え、MacBookは半分ほどの電力を取り戻した。
経過時間 | MacBookの状態 |
---|---|
0分 | 0%(自動でスリープ) |
7分 | 4%(画面復帰) |
26分 | 10% |
56分 | 30% |
1時間25分 | 40% |
1時間33分(終了) | 44% |
容量がもっと欲しいと思うかもしれないけど、そもそもMacBookはバッテリーの持ちがいいので、フルで復活させるような状況が想定されるのであれば、ACアダプタと電源を確保するのがスマートだろう。
それよりも、この薄さ・軽さでMacBookのバッテリーを1時間半で半分近く充電できるメリットの方が大きい。
急速充電、USB PD対応のiPhone Xにも。
先ほどのMacBookのテストでも分かる通り、USB PDによる急速充電の効果はあった。そして、現行のApple製品でUSB PDを採用しているのはMacBookだけではない。iPadやiPhoneシリーズもそう。なお、現状でUSB PDの恩恵を受けられるのは、Apple純正のUSB-C – Lightningケーブルだけ(2018年5月現在)。
出力は、9V 1.5A。最大出力にはちょっと足りないが、それでも通常のUSB出力よりは全然高い。
Apple純正のUSB-C – Lightningケーブルはケーブル径が太いので取り回しが面倒だが、それでも急速充電の恩恵は大きい。
バッテリー自体の充電もUSB PDで。
また、USB PDによる急速充電の恩恵を受けるのはデバイス側ばかりではない。USB PDに対応したUSB-Cポートは「入力」にも対応する。バッテリーを速く充電するなら、USB PDに対応したUSB-ACアダプタを使う。以前にレビューした、USB PDで46W対応したPA-Y10を使ってみる。9V 2Aで充電されている。
PA-Y10は、USB-Cポートだけでなく、通常のUSBも1ポート併せ持っている。詳しくは下記レビューで。
USB-Cケーブルがもらえるかも。
ちなみに、Amazonで購入する際には「この商品の特別キャンペーン」欄をちゃんとチェックしておいてほしい。よくあるのが○○%OFFとかの割引だけど……
なんと、USB-Cケーブルが1個無料でもらえる。(いつまで実施しているか知らないので、終わってたらごめん)
USB-Cケーブルはまだまだ貴重なので、もらえるならもらっておきたい。
まとめ
モバイルバッテリーって、容量が少なくてもズシッとくるものがあったり、容量が多くて厚みがそれなりにあったり、意外と「ちょうどいい」ものってなかなか無い。その点、PB-Y13は10,000mAhという容量ながら軽く・薄く、加えて急速充電のQuickCharge 3.0に対応しつつ、次世代USB電源規格のUSB PDもカバーするという、全方位的なバランスの良さを備えている。モバイルバッテリーを持ってない人も、今使っているものに不満がある人も、もっと良いものが欲しい人にもオススメできる、まさに2018年最強のモバイルバッテリーです!