アイロンがけ、面倒ですよね。頻繁には使わないものの、ときどき出番がやってきます。シワを伸ばしたい服、意外と出てくるものです。そのたびに、わが家では「次こそ衣類スチーマーを買おう」という議論が持ち上がるんですが、古いアイロン&アイロン台で急場を凌いでしまうと、「……また次でいっか」となってしまうんですよね。
よくある衣類スチーマーの気になる点……?
そうは言っても、衣類スチーマーを店頭で試した際に気になったこともあります。構造上、そもそも押し付ける力が弱い(当然)。だから、片手でシャツを支えながら、片手でスチーマーを持つ必要がある。シャツをしっかり張っていないと、やんわり撫でるだけになってしまう。
しっかりシワを伸ばしたいなら、プレス兼用の衣類スチーマーにして、アイロン台を併用した方がいい、そんな会話を店員さんと交わしました。うーん、じゃあまだアイロンでいいかな……、とも思いました。※コロナ禍以前のことなので、現在の衣類スチーマーは違っているのかもしれませんが。
衣類を“吸着”させてスチームを当てる「Morus V6」
と、そんなバックグラウンドがありつつ、今回お話をいただいたのが「Morus V6」という衣類スチーマー。当初はお受けしようかどうか迷ったんですが、目に留まったのが「吸着式」というワード。
これはもしかして、わが家のモヤモヤを解決してくれるのでは?と、吸着式の詳細を伺ってレビューの依頼を受けることにしました。(というわけで、Morus様より製品サンプルをご提供いただいております)
Morus V6は、現在Makuakeで先行販売されています。2024年10月7日(月)まで20%OFFの15,800円(税込)で購入可能。一般販売時には19,800円になるので、かなりお得です。
Morus V6のパッケージは、高級感のあるシンプルなホワイトボックス。箱を開けてみると、その佇まいはまるで高級ドライヤーのようです。衣類スチーマーのイメージが一変します。
Morus V6は、見た目にもヘアードライヤーの形状です。持ったときに、人差し指の位置に自然とトリガー(出力調整ボタン)がくるようにデザインされていて、迷いなく使えそう。
余談ですが、Morus製品は以前に「Morus Zero」という超小型衣類乾燥機をレビューさせていただきました。スター・ウォーズコラボ商品だったのですが、SFを感じさせるコラボデザインでとても気に入っています。
今回のMorus V6のデザインにも、そこはかとなくスター・トレック(エンタープライズ号)へのインスパイアを感じてしまいました。
Morus V6は、逆向きのドライヤーみたいな仕組み
Morus V6は、ひとことで言うと吸着力のあるスチームアイロンです。アイロン面の上部で吸い込み、下部からスチームを出す仕組みです。持った感じはドライヤーですが、風を出すのではなく吸うので、逆向きのドライヤー、といったところでしょうか。
Morus V6の操作はたったの2ステップ
Morus V6の操作は簡単で、水タンクに吸水後、コンセントに差し込むだけ。あとは人差し指で出力調整ボタンを押し込めば動きます。吸着機能はスイッチを切り替えることで、オフにもできます。
メンテナンスは糸くずを捨てるだけの簡単さ
空気を吸い込むということは、吸着させるだけでなく、衣類などの糸くずを吸い込むことがあります。Morus V6には糸くずコレクターというフィルターがあり、吸い込んだゴミはここに溜まります。たまにブラシで掃除してあげましょう。
Morus V6を使ってみる
それではさっそくMorus V6を使ってみることにします。準備は「水タンクに水を入れるだけ」です。
準備:Morus V6の水タンクに給水する
Morus V6の水タンクは取手の下、電源コードの直下にあります。●の位置が2箇所あるので、水タンクを横にひねって、下方向に抜きます。
水タンクの上部に、フタ付きの給水口があります。
付属のロウトを差し込んで給水します。説明書には「精製水の使用を強くお勧めします。」とありますが、すぐに手に入らなかったので、水道水を使います……。
フタを閉め、逆の手順で取り付ければ準備完了です。
コンセントに挿して約30秒で利用可能
コンセントに挿した直後、テールライトはレッド〜オレンジに光っています、30秒程度待つとホワイトに変わり、利用準備ができたことを知らせてくれます。
シワシワのシャツをMorus V6で使ってみる
今回サンプルとして使うのは、麻が多く含まれた白シャツ。風通しがよく着やすい反面、洗濯するとシワがよりやすいのです。こうしたシャツを着る前にMorus V6は超役立ちそう。
最初は吸着力なしの状態で当ててみました。衣類スチーマーのイメージそのままに、布の表面を撫でてる感じ。これでも悪くはないけど、シワを伸ばすには片手で張ってスチームを当てないとダメ。というわけで、吸着力をオンにしてみます。
すると、少し大きめの風切り音を立てながら、シャツが吸い付きます。片手のサポートなしに、スイスイとシワが伸びていきます。袖口や胸ポケットに当てるときには、片手を軽く添えながらサポートしますが、基本はMorus V6の吸着力にお任せです。
数分、ざっとかけただけでも、シャンとしたシャツになりました。アイロン台もいらないし、ハンガーで吊ったままシワ伸ばしができました。これは想像していたよりもかなり楽です。
吸着力とスチームの多さを表示するテールランプ
ところで、吸着力の有無を切り替えると、本体背面のテールランプの色が変わります。吸着機能を使うときは風切り音が出るので分かるんですが、こうして色で示してくれると一目瞭然でわかりやすいですね。
また、トリガー(出力調整ボタン)を押す力によってスチームの吹き出す量が変わりますが、この押し加減によって色が濃くなったり薄くなったりするので、微妙な調整がしやすいです。
焼肉のあと、脱臭機能がちょうどいい
シワを伸ばすだけじゃなく、Morus V6の強力なスチーム機能には脱臭効果があります。蒸気噴出口からは高温で微細なナノスチーム粒子が出て、ニオイの粒子を押し出してくれるそうです。やってみましょう。
服の臭いを取りたいといえば、このシチュエーション、そう「焼肉」です。もうもうとした煙に巻かれたシャツにスチームを当てて、脱臭します。臭いは全体的に付いているので、まんべんなくスチームを当てる必要はありますが、90%くらいは臭いが取れたように思えます。
クッションや枕の脱臭にもいい
Morus V6の脱臭効果が有効なのは、服だけではありません。クッションや枕など、肌が接する機会の多いものにも使えます。ファブリーズだけでは弱いと感じているなら、Morus V6は最適かもしれません。
Morus V6を妻にも使ってもらった
ふだんこのサイトで紹介してるガジェットは、妻とは無縁なものが多いのですが、今回のMorus V6はデジタルガジェットではなく生活家電。そこで、妻にも使ってもらいました。
これまでアイロンしか使っていなかったので、感動的に使いやすかったらしい。
とはいえ、何か気になったことはある?と一応聞いてみたら「ちょっと重いかも」という回答でした。
Morus V6にはアクリルスタンドが付属します
今回のレビューで唯一面倒だったのは、使用後のMorus V6の扱いです。というのも、アイロン面が熱を持ったまま平置きにするのは抵抗がありました。
それもそのはず、実は今回のレビューのサンプル品にはアクリルスタンドが付属していなかったのです。販売されるMorus V6には、組立式のアクリルスタンドが付属します。電源に接続しているときの仮置きとしても、ふだんのディスプレイとしても使えます。
まとめ:Morus V6は、衣類スチーマーの新たなスタンダードになる
というわけで、Morus V6のメリット・デメリットのまとめです。
- 吸着式のため片手でも使える
- 電源を入れてから30秒程度で使える
- ドライヤーのようなデザインで持ちやすい
- 重量バランスがよく使いやすい
- トリガー式のスイッチで使いやすい
- 吸着機能はオンオフできる
- スタイリッシュなデザイン
- 広い範囲で使える約2.4mのコード
- コード付きのため、近くにコンセントが必要
- 重いので長時間の使用は厳しい
- 水の補給が少しだけ面倒
- 精製水の使用が推奨されている
- 自立しない
メリットはやはり「吸着式」であること。他社にはないこの特徴が、Morus V6を衣類スチーマーとして唯一無二の存在に押し上げています。Morus V6を使った後では、他社の衣類スチーマーがなぜ吸着式でないのかが不思議に思えるほど。あとはドライヤー型で使いやすかったり、電源コードが長めになって取り回ししやすいのも良かったですね。
デメリットはやや重いこと、そして給水がちょっと面倒なことですね。特に給水はロウトなしだと厳しいので、無くさないように気をつけようと思いました。ただ、購入を躊躇するようなデメリットではないので、気にするほどではないでしょう。
衣類スチーマーの潜在的に使いにくかった点を、Morus V6は「吸着する」というシンプルなアイデアで解決してくれました。使いやすさが段違いです。衣類のシワ伸ばしに困っている方は、ぜひ購入を検討してみてください。